130 / 142
126 ルーフの元へ
しおりを挟む
「ルーフ…どういう状況かしら?」
ルーフは広間のような所におり、周りには数人が倒れている。
「さっき伝えた通りだ。変わりない。リーナこそ、また新しい事をしたのか?……俺の知っている物にも思えるが。」
ルーフは、リーナが顔を出している扉を見る。
「あ、うん。ま、それは置いといて…。騎士団の皆さんも手伝ってくれる事になったから、簡単に移動でき無いかな~と思ってやってみたら出来ちゃった。」
「騎士団か…そんなかからないと思うぞ。あの女は、近くにいないようだし。」
「関係はありそうなの?」
「ああ。匂いが残っているからな。」
「そう。」
「とりあえず、俺が扉から帰ればいいか?」
「雨との関連も調べたいのだけれど…。」
「そうなのか?」
「ええ。」
「リーナ。」
ルーフとサリーナが話していると、後ろからサリーナの名が呼ばれる。
「そろそろ、いいか?」
「お父様…。」
「私も行きたいが、仕事が残っているのでな…。アイザック殿下と騎士団に任せる。リーナも気をつけるんだぞ?」
「はい。…ザック様、皆さんどうぞ。」
サリーナは、扉を大きく開き皆に通る様、促した。パールとアルが通り、それに続いてアイザックも扉を通ろうとするが、その後ろから誰も付いてこないのを感じ取り、振り返った。
「隊長、行きますよ。隊長!」
「あ、ああ…。聞いてはいたが、お前の婚約者殿は凄いな。」
「そうでしょう。可愛い俺の女神ですから。」
「そ、そうだな…。」
「さぁ、行きましょう。」
ハンス隊長と騎士団は、アイザックの後ろをついて扉を通った。
「ザック様。この方達、どうしましょう?」
サリーナは通ってきた扉を消しながら、ルーフが倒した人達を指す。
「隊長。」
「捕縛しろ!」
ハンス隊長は騎士たちに指示を出す。
「ここ以外の場所はどうなっているか分かるか?」
アイザックは、ルーフに声をかける。
“ここから、外には出てない。”
ルーフは騎士たちがいるからか、口には出さず、サリーナへ伝えた。
「ここから出ていないそうです。」
「そうか、分かった。俺は外を見てくる。」
「私も行きます。」
「いや、リーナはここにいてくれ。」
「……それなら、パールとアルも一緒にお連れくださいね。」
「分かった。隊長、行ってきます。」
「騎士も連れていけよ。」
「はい。」
ハンス隊長と数名の騎士を残し、アイザックと他の騎士は、部屋の扉を開け外に出ていく。それを見送ったサリーナは、広間を見渡した。
「魔力封じがあると言っていたわよね?」
“そうだな。”
「それらしきものは無いけど、確かに少し変な感じがする、かな?」
サリーナが呟くと、それを聞いていたハンス隊長がサリーナへ話しかけた。
「変な感じですか?」
「ええ。少し身体が重いように感じます。」
「私は何も感じません…。」
「ハンス隊長は、魔法を使用なさいますか?」
「はい、まぁ…少しですが。」
「1度使ってみてくださいますか?」
「分かりました。…………………………出来ません。」
「ありがとうございました。やはり、魔力は封じられているということですね。」
「そのようですね。」
「部屋自体に何かあるのかしら?…う~ん。ちょっと、部屋を出てみます。」
サリーナはハンス隊長へ断りを入れる。
「では、私も。」
部屋を出ても身体の重さは変わらない。
「この建物全体に魔力封じされているようですね。………もう少し外に近づいても?」
「何があるか分からない中で、それは許可いたしかねます。」
「私はルーフもいますし、問題ないと思いますよ。」
「しかし、魔力封じが。」
心配してくれるのはありがたい。
でも、ここの状況を知らないと……ザック様がいるから大丈夫か。
そう思ったとき、パールから話しかけられた。
“リーナ~。こっちに来れるかしら?”
ルーフは広間のような所におり、周りには数人が倒れている。
「さっき伝えた通りだ。変わりない。リーナこそ、また新しい事をしたのか?……俺の知っている物にも思えるが。」
ルーフは、リーナが顔を出している扉を見る。
「あ、うん。ま、それは置いといて…。騎士団の皆さんも手伝ってくれる事になったから、簡単に移動でき無いかな~と思ってやってみたら出来ちゃった。」
「騎士団か…そんなかからないと思うぞ。あの女は、近くにいないようだし。」
「関係はありそうなの?」
「ああ。匂いが残っているからな。」
「そう。」
「とりあえず、俺が扉から帰ればいいか?」
「雨との関連も調べたいのだけれど…。」
「そうなのか?」
「ええ。」
「リーナ。」
ルーフとサリーナが話していると、後ろからサリーナの名が呼ばれる。
「そろそろ、いいか?」
「お父様…。」
「私も行きたいが、仕事が残っているのでな…。アイザック殿下と騎士団に任せる。リーナも気をつけるんだぞ?」
「はい。…ザック様、皆さんどうぞ。」
サリーナは、扉を大きく開き皆に通る様、促した。パールとアルが通り、それに続いてアイザックも扉を通ろうとするが、その後ろから誰も付いてこないのを感じ取り、振り返った。
「隊長、行きますよ。隊長!」
「あ、ああ…。聞いてはいたが、お前の婚約者殿は凄いな。」
「そうでしょう。可愛い俺の女神ですから。」
「そ、そうだな…。」
「さぁ、行きましょう。」
ハンス隊長と騎士団は、アイザックの後ろをついて扉を通った。
「ザック様。この方達、どうしましょう?」
サリーナは通ってきた扉を消しながら、ルーフが倒した人達を指す。
「隊長。」
「捕縛しろ!」
ハンス隊長は騎士たちに指示を出す。
「ここ以外の場所はどうなっているか分かるか?」
アイザックは、ルーフに声をかける。
“ここから、外には出てない。”
ルーフは騎士たちがいるからか、口には出さず、サリーナへ伝えた。
「ここから出ていないそうです。」
「そうか、分かった。俺は外を見てくる。」
「私も行きます。」
「いや、リーナはここにいてくれ。」
「……それなら、パールとアルも一緒にお連れくださいね。」
「分かった。隊長、行ってきます。」
「騎士も連れていけよ。」
「はい。」
ハンス隊長と数名の騎士を残し、アイザックと他の騎士は、部屋の扉を開け外に出ていく。それを見送ったサリーナは、広間を見渡した。
「魔力封じがあると言っていたわよね?」
“そうだな。”
「それらしきものは無いけど、確かに少し変な感じがする、かな?」
サリーナが呟くと、それを聞いていたハンス隊長がサリーナへ話しかけた。
「変な感じですか?」
「ええ。少し身体が重いように感じます。」
「私は何も感じません…。」
「ハンス隊長は、魔法を使用なさいますか?」
「はい、まぁ…少しですが。」
「1度使ってみてくださいますか?」
「分かりました。…………………………出来ません。」
「ありがとうございました。やはり、魔力は封じられているということですね。」
「そのようですね。」
「部屋自体に何かあるのかしら?…う~ん。ちょっと、部屋を出てみます。」
サリーナはハンス隊長へ断りを入れる。
「では、私も。」
部屋を出ても身体の重さは変わらない。
「この建物全体に魔力封じされているようですね。………もう少し外に近づいても?」
「何があるか分からない中で、それは許可いたしかねます。」
「私はルーフもいますし、問題ないと思いますよ。」
「しかし、魔力封じが。」
心配してくれるのはありがたい。
でも、ここの状況を知らないと……ザック様がいるから大丈夫か。
そう思ったとき、パールから話しかけられた。
“リーナ~。こっちに来れるかしら?”
180
あなたにおすすめの小説
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
勇者パーティーを追い出された大魔法導士、辺境の地でスローライフを満喫します ~特Aランクの最強魔法使い~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
クロード・ディスタンスは最強の魔法使い。しかしある日勇者パーティーを追放されてしまう。
勇者パーティーの一員として魔王退治をしてくると大口叩いて故郷を出てきた手前帰ることも出来ない俺は自分のことを誰も知らない辺境の地でひっそりと生きていくことを決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる