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129 聖女?

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「さぁ、どういうことが説明してもらおうか!お前達は何を企んでいる?スウィーティー様をどうするつもりだった?」

ハンス隊長がリーダーらしき男に話しかけるが、答えは返ってこない。

「この雨と関係があるのだろう!?」

やはり、答えは返ってこない。

「…隊長。」

アイザックに名前を呼ばれたハンス隊長は、何かを察し話題を変えた。

「それでは、話を変えよう。…アイランという娘を知っているか?」

無言だった男は、その言葉を聞くと、ハンス隊長を睨みつけ声を荒らげた。

「聖女を呼び捨てるな!!!」

叫んだ男だけではなく、他の者達も鋭い視線をこちらへ向けている。

………聖女?

「聖女とはどう言うことだ?!」
「ふん!」

それから、再び男達は口を閉じた。

「ザック様。私、嫌な予感がするのですが…。」
「リーナもか?俺もだ。」

アイランの魔力は………見つけた。

「ザック様。」
「リーナ。」

サリーナと同様、アイザックもアイランの魔力を感じ取ることができたようだ。

「隊長。ここは、お任せします。俺達は…」
「気を付けろよ。」

“パール。ここを頼んでもいいかしら?”
“もちろんよ。この人達の魔法から騎士団を守ればいいのでしょ?封じておくから、大丈夫よ~。”
“ありがとう。お願いね。”
“まかせて~。”

「ザック様。パールが残ってくれます。」
「そうか。ありがとう、パール。」

アイザックとサリーナは、パールを一撫でし、ルーフとアルを連れて、アイランの元へ向かおうと足を踏み出した。

「あ、扉…。王城と繋げておきますか?」

サリーナは振り向き、ハンス隊長へ問いかけた。

「それは、有り難い。騎士団へ繋ぐことは可能ですか?」
「行ったことがあるので、たぶん。」

サリーナは、扉を作り出し、向こう側を覗いた後、ハンス隊長に確認を求めた。

「繋がったかな。どうでしょうか?」
「失礼いたします。……確かに、騎士団で間違いございません。ありがとうございます。おい!団長へ伝えてこい!」

ハンス隊長は騎士の一人に指示を出した。

「では、行こうか。」
「ザック様。扉を1度に2つ出すとどうなるか分かりませんので、飛んでいくのでよろしいですか?」
「俺も、そのつもりだったよ。リーナに負担はかけられない。」
「ザック様…。ありがとうございます。」

サリーナとアイザックは、今度こそアイランの元へ向かった。









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