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131 アイランの力

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「あ!貴方達!なぜ、ここに!?」
「あら、アイラン様。お久し振りですね。」
「屋敷にいるはずじゃ…」
「屋敷?どこのですか?」

サリーナは、とぼけて聞いてみた。

「チッ!失敗したのね。全く!作戦が崩れるじゃない!」
「作戦ね…。どんなものか教えてもらってもいいか?」

アイザックが鋭い目つきでアイランを見る。

「言うはずないでしょうが!!」
「そりゃそうだ。」

アイランとそんなやり取りをしていると、魔法を放ってきた男が口を挟む。

「せ、聖女様…。」
「貴方!彼奴等を捕えなさい!」
「それが、魔法が効かないのです…。」
「え!?………そうね。そうよね。貴方では無理ね。私がしなくては。貴方達!!以前の私だと思わないでね!!!」

アイランは、左手を腰に当て、右手でアイザックとサリーナの方へ指を指した。

「えーと…ザック様、どうしましょう?」
「受けて立つしかないだろうな…。雨との関連も聞き出さないとならない。」
「では、私が。」
「いや、俺が。」
「いいえ、ザック様は体力温存を…」
「ちょっと!何、話してるのよ!もう!」

アイランが両手をサリーナへ向け、魔法を放つと、水の渦がサリーナを襲った。

思っていたより、勢いが凄い。

サリーナはバリアを厚くする。

「リーナ!」
「ザック様、大丈夫ですわ。でも、本当に以前とは比べ物になりませんね。」
「そうか。早々に捕縛しよう。」
「分かりました。」

そう決めてからのふたりの行動は速かった。

アイザックが、動きを止めていた兵をより強力に魔法で縛っていく。目に見えない縄でぐるぐる巻にした状態だ。

サリーナは、一気にアイランに近づく。

「きゃ!!」

アイランはそれに反応することが出来ず、そばまで来たサリーナに驚いた。

「貴方、何者よ!」
「え?知らなかったの?私は、サリーナ·」
「それは、知ってるわよ!サリーナ·スウィーティー!」
「なんだ、知っているじゃない。」

サリーナはにっこり笑い、アイランの手を取った。

「捕まえたわ。」
「ひぃ!」
「……そんなに怯えられることはしてないと思うけれど。」
「今ので十分怖いわ!!」
「あら、怖がっている割に元気じゃない?大丈夫ね。」
「大丈夫じゃないわよ!」
「…ねぇ、この雨は貴方の力?」
「そうよ!すごいでしょ!天気も操れるようになったのよ!」

アイランは自慢げに話す。

「では、止ますことも出来るのよね?」
「ふん!出来てもしないわよ!」
「出来ないの?」
「出来るわよ!」
「本当に?」
「出来るって言ってるでしょ!!」
「ごめんなさい。あまりに凄い力だから信じられなくて…。」
「そうよ!私は貴方と違うのよ!見てなさい!!!」

アイランは、サリーナが掴んでいない方の手を挙げ、空に向けた。

ちょろっ…

    
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