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133 後処理

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「隣国の宰相ですか?」
「ああ。すぐに戻って、報告と今後の動きの相談をしよう。」
「分かりました。」

あちらの扉の方はどうしたかしら?

“パール。そちらはどう?”
“無事、移動終了。武装集団を迎え討つ準備も始まってるわ。”
“あ、それなんだけど…”
“どうしたの?”
“また、状況が変わったの。そちらの移動が終わったのなら、一度扉を閉じて、こちらと新しい扉を繋ぐわ。”
“は~い!………隊長さんに伝えたわよ。OKですって~。”

「ザック様。先程の扉、こちらに繋げますね。」
「大丈夫か?」
「ええ。向こうの移動は済んだそうなので。」
「そうではなく。リーナの魔力は?」

アイザックは、心配そうにサリーナを見る。

「今の所、体調に変わりはありません。」
「少しでも、何かあったらすぐに言うんだよ。」
「はい。…それでは、行きます。」

サリーナは、扉を出した。

「なっ!どういうこと!?貴方、なにをしたの!?」

アイランが騒いでいるが、サリーナとアイザックは気にせずにやる事を進めていく。

扉の向こう側には、パールと、パールから話を聞いたのであろうハンス隊長、騎士団長がいた。

「話は聞いた。今、隣国との戦いの準備をしていたのだが…。」

騎士団長は、アイザックとサリーナの後ろを見渡す。

「必要なかったか?」

騎士団長の問にアイザックが答える。

「いいえ。必要です。黒幕は隣国の宰相、いえ…宰相が動いているという事は…。」
「国自体か…。」
「…はい。」
「王に報告だな。準備も大掛かりになるか。」
「しかし、指輪の魔力だけでは証拠が乏しいかと。」
「指輪か…そうだな。」

騎士団長は考え込む。
団長の後方をよく見ると、少し離れたところに騎士達が集まっている。

あ、リオン兄様!

険しい顔をしたダリオンを騎士団の中に発見したサリーナが小さく手を振ると、ダリオンの険しかった顔が少し緩んだ。

考えがまとまったのか、騎士団長が再度口を開く。

「先程の捕虜もいるし、何よりこの人数を置いとく場所がない。上官たちを捕らえて、あとは放っておこう。」
「分かりました。」

アイザックは騎士団長の指示通りに動き、あの偉そうだった男と数名を連れてきた。

「さて、知っていることをすべて話してもらおう。連れて行け!魔力対策は怠るなよ!」

アイランと男達は、騎士団へ連れて行かれた。

「アイザックは俺と一緒に王の元へ。」
「はい。リーナ、報告に行ってくる。」
「はい。行ってらっしゃい。」
「…終わったら、リーナに会いに行くから。」
「お待ちいたしております。」

アイザックは、パールと共に騎士団長と歩いていった。

「こちらの後処理は私がいたします。」

ハンス隊長達第2部隊が残り、扉を越えてきた。

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