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136 [雨の終わり〜アイザックside〜]
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アイザックは、騎士団長と共に陛下への報告に来ていた。
「隣国のミンだと?」
「ええ。」
「はあ…面倒なことだな。」
「それでは、まだやることが残っていますので、失礼します。」
「ああ。」
陛下の御前を離れるその時、アイザックは、ふと窓が視界に入り、あることに気づいた。
「雨が止んでいる?」
「なんだと!?」
その場にいた全員が窓の外を見た。
「本当だ!」
「止んでいる!」
「彼奴等を倒したからか?」
その騒ぎの中、パールはアイザックの足を軽く叩いた。
「どうした?」
アイザックは身を屈め、パールの顔に自分の耳を近づける。
“リーナよ。”
「そうか、リーナが…。」
アイザックは駆け足でサリーナの元へ向かった。
隣国の兵へと続く扉を越えると、ハンス隊長もサリーナも姿が見えなかった。
「リーナ?」
周りを見回すと、サリーナとルーフがこちらへやって来るのが見えた。
「リーナ!」
「ザック様。お話は終わったのですね。」
「ああ。それより、リーナ説明してくれるか?」
雨はどうやって、止ますことができたのだ?
「戻ったら説明しますね。」
サリーナはアイザックへ笑顔を向けた。
終わった…のか?
「分かった。…兵たちの拘束を解いてくる。」
「はい。」
アイザックが後処理を終えた後、再び王の御前へやってきた。
そして、サリーナからの説明を聞いた。
「そうか。この杭が。」
王がサリーナが持ってきた杭に手を伸ばすと、騎士団長が止めに入る。
「触れて何事か起こる事もあるかもしれません。お止めになった方がよろしいかと。」
「ふむ。ジャック、どうだろうか?」
「私も、同意見です。詳しく調べ終えるまで厳重に保管し、残りの杭も回収しましょう。」
「そうだな。団長、頼むぞ。」
「は!騎士団をすぐに向かわせます。」
俺が見たところ、魔力も残っていなそうだ。そこまでする必要はなさそうだが?
アイザックがサリーナを見ると、サリーナも何か言いたそうだ。
しかし、用心に越したことはないか。
蓋付きの箱が運ばれてきて、サリーナはその中へ杭を入れる。
「サリーナ嬢、協力感謝する。後の事はこちらでやろう。アイザック、送ってあげなさい。」
「はい。」
エスコートする為、アイザックがサリーナの手を出すと、その手を取ったサリーナは小声でアイザックへ問いかけた。
「ザック様。杭の場所と扉を繋げなくてよろしいのでしょうか?」
「リーナ?」
「まだ体調の変化もございませんし。」
本当に大丈夫なのか?
しかし、今日は魔力を使いっぱなしだ。りーなを休ませてあげたい。
「ザック様?」
「やはり、リーナの体調が心配だから、今日はもう…」
「どうした?何かあるなら言いなさい。」
手を取ったまま、動かないアイザックとサリーナに王は声をかけた。
「はあ…。実はリーナが」
ため息をつきながら話すと、宰相である公爵からも体調に関する心配をされ、サリーナは否定している。
結果、送ったら扉は閉じ、騎士達は自力で帰ってくるということになった。
「隣国のミンだと?」
「ええ。」
「はあ…面倒なことだな。」
「それでは、まだやることが残っていますので、失礼します。」
「ああ。」
陛下の御前を離れるその時、アイザックは、ふと窓が視界に入り、あることに気づいた。
「雨が止んでいる?」
「なんだと!?」
その場にいた全員が窓の外を見た。
「本当だ!」
「止んでいる!」
「彼奴等を倒したからか?」
その騒ぎの中、パールはアイザックの足を軽く叩いた。
「どうした?」
アイザックは身を屈め、パールの顔に自分の耳を近づける。
“リーナよ。”
「そうか、リーナが…。」
アイザックは駆け足でサリーナの元へ向かった。
隣国の兵へと続く扉を越えると、ハンス隊長もサリーナも姿が見えなかった。
「リーナ?」
周りを見回すと、サリーナとルーフがこちらへやって来るのが見えた。
「リーナ!」
「ザック様。お話は終わったのですね。」
「ああ。それより、リーナ説明してくれるか?」
雨はどうやって、止ますことができたのだ?
「戻ったら説明しますね。」
サリーナはアイザックへ笑顔を向けた。
終わった…のか?
「分かった。…兵たちの拘束を解いてくる。」
「はい。」
アイザックが後処理を終えた後、再び王の御前へやってきた。
そして、サリーナからの説明を聞いた。
「そうか。この杭が。」
王がサリーナが持ってきた杭に手を伸ばすと、騎士団長が止めに入る。
「触れて何事か起こる事もあるかもしれません。お止めになった方がよろしいかと。」
「ふむ。ジャック、どうだろうか?」
「私も、同意見です。詳しく調べ終えるまで厳重に保管し、残りの杭も回収しましょう。」
「そうだな。団長、頼むぞ。」
「は!騎士団をすぐに向かわせます。」
俺が見たところ、魔力も残っていなそうだ。そこまでする必要はなさそうだが?
アイザックがサリーナを見ると、サリーナも何か言いたそうだ。
しかし、用心に越したことはないか。
蓋付きの箱が運ばれてきて、サリーナはその中へ杭を入れる。
「サリーナ嬢、協力感謝する。後の事はこちらでやろう。アイザック、送ってあげなさい。」
「はい。」
エスコートする為、アイザックがサリーナの手を出すと、その手を取ったサリーナは小声でアイザックへ問いかけた。
「ザック様。杭の場所と扉を繋げなくてよろしいのでしょうか?」
「リーナ?」
「まだ体調の変化もございませんし。」
本当に大丈夫なのか?
しかし、今日は魔力を使いっぱなしだ。りーなを休ませてあげたい。
「ザック様?」
「やはり、リーナの体調が心配だから、今日はもう…」
「どうした?何かあるなら言いなさい。」
手を取ったまま、動かないアイザックとサリーナに王は声をかけた。
「はあ…。実はリーナが」
ため息をつきながら話すと、宰相である公爵からも体調に関する心配をされ、サリーナは否定している。
結果、送ったら扉は閉じ、騎士達は自力で帰ってくるということになった。
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