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奴隷の価値、ウルフとの出会い
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主人の農園で家畜以下の生活をしていると、娼婦の館を経営している美人なマスターに声を掛けられた。
「奴隷から自由人に成り上がらない?」
奴隷をやっているとヒトの悪に敏感になる。そんな私の本能が告げている。
どう考えても信用ならないと。
でも、くそみたいな主人がいる農園で暮らすよりも、自由人になれる可能性があるマスターに付いたほうがマシだと思った。
豚小屋で暮らす日常から逃げたかった。
「よろしくお願いします」
マスターが私を買った。
五百万ジュエルを払えば自由人にしてくれると約束した。
五百万の借金が出来たようなものだ。
借金が出来たけど、それでもあの農園の奴隷でいるより断然マシだった。
豚小屋で犯されたくない。もっとマシなご飯が食べたい。温かい所で眠りたい。ヒトとして扱われたい。家畜以下の生活も、ヒトに見下されるのも、もうたくさんだ。
それに、娼婦になれたということは、稼げる見込みがあるってことだと思う。
借金を完済して自由人になってやる。
娼婦の館の住み込みで働くこと一日目。さっそくお客さまをつけられた。
こっちの心の準備はお構い無しって感じがムカつくけど、これはチャンスだ。ここで客の受けが良ければ、次の客につながる。
本当の意味で自由になるに、報酬金の高い指名をもらって誰よりも多く稼がないと。
「アキラちゃん、2番のお部屋を使ってね」
「はい」
この店は大きいお屋敷だ。
二階のすべての部屋がプレイルームになっていて、一階は受付と待合室がある。VIPなお客さまは個室待機で、付き添いの従者は一般待合室で待機している。
売り上げのいいお嬢も個室を与えてもらえるらしいけど、ど底辺の私には関係がない話。今は、だけど。
「ここか」
でかいお屋敷の二階、端から二番目の部屋の扉に2番と書かれているプレートが下がっている。
緊張していないと言えばうそになる。でもやるしかない。逃げ道はどこにもない。誰も助けてくれない。
ここから先は、自分の力で運命を切り開くんだ。
「よしっ、やるぞ」
十分に深呼吸をして心を落ち着かせた。
緊張で震える手で扉を開けると、一人の男性?がベッドに腰掛けていた。想像と違うから、扉に下がっているプレートを見直してた。
やっぱりここが2番の部屋だ。
私の初めてのお客さまはこの人で間違いないんだけども、これを男性と言っていいのかな。……一応【雄】だからやっぱり男性なの?
「何だよ」
そこには、真っ黒の耳とふさふさした尻尾の生えた【雄】が腰掛けている。他はヒトと同じでも、明らかに人外。トカゲ男とかゴーレム男とか居ることは知ってるし、別に人外の存在は珍しくないけど、人外の相手をするなんて聞いてない。
「初めまして。アキラです」
冷静を装い笑顔の仮面を付けて【雄】の隣に腰掛けた。【雄】は偉そうに腕を組んでそっぽ向いてしまった。
「あの、わたし、初めてで……」
おなじみのテンプレを使おうとする前に、【雄】があり得ないって顔を私に向けた。
「初めて、だと?」
「え、ええ、そうですけど」
「何でだよ! 店主は、おまえは慣れてるから大丈夫だって言ってたぞ! 俺をだましたな!」
【雄】の焦り方もマスターの情報がおかしい。
もしかしてちゃんと接客が出来るのか試されてる?試験的なもの?
どちらにしろ、この【雄】とセックスしないと、この先の生活と目標がダメになるってことは理解した。
人外上等、腹を括れ。
「いいえ、大丈夫です。ある程度のことは受け入れます」
自分から率先してバサリとワンピースを脱いだ。雰囲気のない誘い方だけど、やる気を見せないと怒って帰ってしまう気がした。
それはダメ。コイツに食らい付く。
そのためなら何だってしてやる。
「あなたも脱ぎましょう」
Tバック一枚になった私は【雄】の服を脱がせていく。そういう目的で来ている【雄】は、もちろんなされるがままだ。
「お名前を聞いても?」
「ウルフ」
「ウルフ?」
「オオカミ!」
オオカミの人外さん。
よく見るとハスキー犬に似てる気もする。ふさふさの長めの髪の毛も犬っぽいし、見れば見るほどワンコだ。
やだ、かわいい。ワンコかわいいっ。
「ウルフ、いい名前ですね」
「お、おう!」
名前を褒められて嬉しいらしく、尻尾がパタパタと左右に動いている。
何このかわいいワンコ。ナデナデしてもいい?なーんて思いは、ウルフの下半身を見て砕け散った。
服の上からでも分かる。コイツはデカイ。生半可なデかさじゃなくマジにデカイ。人外は伊達じゃない。
「ゴクリ」
大きく喉が鳴った。それに気づいたウルフは尻尾を振るのをやめて、ワンコらしくシュンとうつ向いた。
「俺、デカイから……その、……気持ち悪いって……女に見向きもされなくて……」
「そ……そうですか」
「……まだ童貞だって、……ダチにも仲間にもバカにされて、……ここなら相手してもらえるって教えてもらった……」
私は奴隷で娼婦だ。
コイツのプライベートな事情に口を挟むこともないし、同情することもない。セックスをするだけ、それが私の仕事だ。でも、目の前にはマジで落ち込んでるオオカミ男がいて、それに対して変な感情を抱いている私がいる。
「……ウルフ、大丈夫ですよ」
私はウルフの髪の毛を撫でた。ワンコみたいにふさふさだったから自然に笑顔になれた。
「私は大丈夫です」
「……もう、いいんだ……」
ウルフの頬に手を添えて上を向かせた。銀色の瞳がとてもキレイ。情けない顔にほほ笑みかけると、ウルフはもっと眉を垂れさせた。
「大丈夫ですから、ね?」
「……おまえ……」
「アキラ、です」
「……アキラ……」
「はい、ウルフ」
「アキラっ!」
ウルフは私を押し倒すと、ワンコみたいに頬を舐めた。ベロリベロリと。よしよしと頭を撫でると、今度は首をベロベロ舐め始めた。セックスってよりも、これじゃワンコとのじゃれ合いだ。それがかわいくて思わずクスリと笑ってしまった。
「な、何だ」
「犬みたいでかわいいなって」
「俺は犬じゃないぞ! オオカミなんだ!」
ドヤッとされても、それすらもめちゃくちゃかわいいから笑うしかなくて。
でも、ここはセックスをする場所だ。
これ以上の気持ちは要らない。
「では、ウルフ。ここをほぐしてもらえますか?」
こんなのでいいのか分からないけど、大きく足を開き、自分の手でアソコを広げた。ウルフはこくんと頷くと、体をずらしてアソコに顔を埋めた。
ちょっと待て。何でいきなりそれなんだよって感じだけど、ウルフが腰を掴んできて分かった。
オオカミだからヒトよりも爪が長い。
これはいい発見だ。
ウルフは傷つかないようにしてくれたけど、他の人外は分からない。爪を切る習慣がないかもしれないし、基本的に舐めてもらうように流れを持っていかないと、アソコが使い物にならなくなる。
それは死活問題だ。
この先、人外を相手にするなら生態に注意して接客しないと。それに……アソコの毛をそることも視野に入れよう。毛があると舐めにくそうだし、ない方がエロい気もする。
「んっ、んう!」
しかし、このオオカミ。舐めるのめちゃくちゃうまい。ねっとりというか、じっくりというか、丁寧に、的確に、クリトリスを攻めてくる。
そういうの勘弁してほしい。まだお仕事があるかもしれないのに。本気で気持ち良くなると、あとが疲れるんだって。
「あっ、あっ! やっ、ソコばっかり! もう……いれ、て」
わざとらしい演技で、この先をおねだりした。ウルフは顔を上げると、口元を拭いながら聞いてきた。
「トロ水は?」
とろすい?が何かよく分からなくて首を傾げた。
「トロ水ねーの!?」
「えっと」
「参ったなぁ。でもここまできて止めんのもなぁ。んー……こうなったら……」
勝手に一人で話を進めてるけど、解決したらしい。アレをアソコに押し付けて心配そうに聞いてきた。
「トロ水の代わりに、一回中に出すぞ」
「う、うん」
避妊のお薬を飲んでるから、中に出されるのは怖くない。でも極太のアレを入れるにはローションみたいなモノが……もしかしてトロすいってローションのこと?
「んっ!?」
つぷんっとアレの先っぽが中に入った。先っぽだけでもすごい圧を感じる。
これが奥まで入る。
想像しただけで怖くて、カッチコチになってしまった。
「……アキラ……」
ウルフはそのまま自分の手でしごきだした。
それ私の仕事って言いたいけど、これで済むならオッケー。
こんなモノを入れるとかヒトには無理。
だから変な気を起こす前にそのままイッてくれ。
「アキラっ、いくぞっ、ほんとにいいんだな!?」
「うんっ、出してっ」
「イッ、っっ!!」
先っぽしか入ってないのに、びゅーびゅーと勢いよく出てるのが分かる。
これで少しは落ち着くだろうし、先っぽで満足してくれたのならやっぱりラッキーだ。
こんなのヒトに入れるもんじゃない、と思った矢先、体に異変が起きた。
「……っ、……あっ、……やっ!」
ゾクゾクっと子宮が震えて、ポッと中が熱くなった。
段々と荒くなる呼吸と、キュンキュンと唸る子宮。
何だか分からない症状が怖くて、枕に顔を埋めた。
ウルフはグッグッとアレで中を押してくる。
その度にヒクつく私もどうかと思うけど。
「アキラ、大丈夫か?」
「……っ、うぁ、っ!」
「……そろそろかな」
何をするつもりだって言ってやりたいのに、私の口からは荒い息しか出ない。
苦しくて、切なくて、どうにかしてほしくて。
「……ウ……ルフ……」
「……こっち向け……」
促されるままウルフを見たら、アレが少しだけ奥に入ってきた。
農園にいた頃、大きい人の相手をさせられたこともあるけど、これは規格外。
太すぎる。
キツイを通り越してギチギチ。
こんなモノ、入るわけがない。
入らないから、いれないで。
お願いだから、いれないで。
「やっ! やだあっ!」
怖くて逃げようとする腰を、デカい手が掴んで動けないようにしてきた。
「大丈夫だから」
「や、めて、ウルフ、おねがいっ」
「一気にいくぞっ」
「ッッ!?」
一気に中を押し破られた。
思考も視界も真っ白になった。
一瞬だけ意識が飛んだと思う。
次には、ものすごい快楽が襲ってきた。
「っっ、ぁ!」
もう声にすらならないし、演技すらできない。
「……あぅ、……ああ」
中を擦るアレに顔がゆがんでいく。
与えられる痛みと疼き、中を隙間無くパンパンにして、粘膜をギチギチに擦りつけて。
集中なんかしなくても、否応無しに高ぶられていく子宮の痺れ。
痛みよりも快楽を優先した体は、ウルフのアレをすんなりと受け入れた。
「む、りっ! やべぇ、狭っ! すっげー、あついっ!」
「あっ! ああっ!」
「イ、クぞ!また、出すぞ!」
「もう、だめっ! ウルフっ、だめっ……ンンンッ!!」
またナカで何かが弾けた。
今度は奥から痺れが回って、意識がぶっ飛んだ。
ーーーーー
私のようで私じゃなかったっていうくらい乱れた。
ここまですごいのは、いろいろな意味で初めてだ。
「アキラっ、アキラっ!」
ウルフは絶倫だった。
めちゃくちゃうまいから本気で感じるしかなく、ウルフが満足する頃には出来上がっていて、もっとちょーだいとか言う始末。淫乱になった私を、ウルフはずっと抱きしめてくれていた。
「俺の……つーか、オオカミの精液は媚薬効果があるんだ」
「媚薬効果?」
ようやく落ち着いたのは、最後の射精から十分後くらい。ウルフは腕まくらをしながらオオカミの性態について教えてくれた。
よかった、淫乱になったわけじゃなかった。
「もともと絶倫で、雌が最後まで付き合えるようにそうなったって、じいちゃんが言ってた」
「そうなんだね」
「秘密だぜ。これはオオカミだけに伝わる情報だからな」
「わたしに教えてよかったの?」
「おう! だってアキラは俺のもんだからな!」
ウルフはそう言うとぎゅうぎゅうに抱きしめてきた。童貞を卒業した興奮と感動で、ここがどこか忘れたらしい。
「やめろよ、こんな店」
何だ、そこは覚えていたのね。じゃあ童貞卒業で気分が高まっただけか。
「ウルフ、そろそろ時間です」
「ダメだ! おまえは俺の! 絶対に離さん!」
「……ウルフ……」
「イヤだ!」
出掛ける前のいじけたワンコみたいでかわいい。頭を撫で回したい。
でも、終わりは終わり。
「時間は時間だよ」
言葉を濁して伝えた。
ウルフは納得がいかなかったらしく、部屋に置いてある電話を使って、お店の受付に連絡をした。
「おう、延長。時間? んなもん今日一日に決まってんだろ。金ぇ? あるわ! ヒトのくせにバカにすんなよ!」
今日一日って言った? 聞き間違い? まさかそんな初対面の、ましてや奴隷に、大金を突っ込むなんてあるわけがない。
「これでいいだろ?」
ウルフは戻ってくるなり、また腕まくらをして、甘えるように私の頭に頬すりしてきた。
「今日一日、俺のアキラ」
「……ほんとに延長したの?」
「おう!」
「今日一日って……」
「おう!」
「高いんじゃないの?」
「別にどうってことねーよ。アキラが他の男に盗られることよりも安いもんだ」
「そう、ですか。ありがとうございます」
正直、ラッキーだと思う。
ウルフの絶倫と媚薬効果でマジで疲れてるし、複数のお客さまを相手にするより、延長してもらった方が給料も高いし、体の負担も少ない。
ただ、今日一日をウルフとどう過ごせばいいんだろう。これ以上セックスしたくないし、お話って言っても深入りすると情が移りそう。
「アキラは」
「何ですか?」
「アキラは、優しい」
「ありがとうございます」
「……アキラ、……俺の」
ウルフは気持ち良さそうな寝息をすうすうと立てながら眠った。
「ウルフも優しいよ。……ありがとう、本当に、……こんな私に、ありがとう」
奴隷の私には十分な褒め言葉と、十分過ぎる優しさ。
この世界にもそういうものがあるんだと初めて知った。
それが嬉しくて、泣きたくなって、ウルフにすり寄って、転生する前の久しぶりの温もりに包まれながら、私も眠りに就いた。
ーーーーーー
「はい、時間です」
「寝て終わりかよ!」
結果、ヤリ疲れで二人とも爆睡。タイマーの音でようやく目が覚めた。
「もっと遊びたかった!」
「うんうん、また遊ぼうね」
「次は絶対起きてるからな!」
「またね」
ブースカと文句をたれるウルフを笑顔で見送り、ぐっと腕を上げて背筋を伸ばした。
疲れたけど楽な仕事だったと思う。でもこれはウルフが優しかったからで、とても珍しいこと。本来ならありえない。
明日からが本番、その覚悟で挑もう。
ウルフのデカイアレを受け入れられたくらいだ。極太サイズはそうそうないだろうし、本気でよがることもないだろ。
楽勝楽勝。
「お疲れさまでした」
愛想よく笑顔で待機室に戻ると、待機している女の子全員に【嫌な目】で見られた。ほんと居心地が悪い。さっさと退室したいところだけど、マスターに今日売り上げの報告を聞くまで寮に戻れない。
部屋の端に突っ立ってポケーッと天井を見ていたら、誰かが「犬臭い」と言った。女の子達がクスクス笑い始めた。
「やっぱり奴隷は違うわね」
「尊厳ってものがないのよ」
「獣の臭いのが移ったらどうしましょう」
ものすごく分かりやすい嫌がらせにため息をはくしかない。私は奴隷だ。こんなの言われ慣れている。むしろ暴力じゃないだけマシ。かわいいもんだ。
でも、ウルフのことを悪く言われるのはすごく嫌。かといって歯向かう気にもなれないけど。知らん顔してるのが一番平和な解決法だ。まさしく奴隷根性。なんちゃって。
「獣と一日一緒だなんて絶対嫌よね」
「一緒どころか犯されるんでしょ? 死ねるわね」
「でも奴隷は面の皮が厚いから死なないわよ」
私への中傷と笑いが止まらないまま待機室の扉が開いた。マスターと美人なお姉さんは入るなり私を見てニヤリと笑った。
「この子が例の奴隷ですの?」
美人なお姉さんはマスターにそう聞くと、マスターは頷いた。
「そうよ。やっぱり人外専門の子がほしくて買ってきたの。人外相手の商売はいいお金になるから」
「また壊れちゃうわよ。前の子はそれで自殺したんでしょう。その前は噛み殺されたんじゃなくて?」
「いいのよ別に。奴隷ならいくらでも替えがいるわ」
なるほど、そういうこと。
壊れてもいくらでも替えがある奴隷を人外専門にする。私を買った理由は人外の相手をさせるため。自由をちらつかせて、逃げないように借金をこしらえさせた。
今日の給料は、お店の取り分が七割。ニ割が借金返済。残りの一割が私の給料。借金は五百万ジュエル。途方もない内容だ。しかも人外相手に命の保証があるわけでもなく、奴隷らしい仕事だと。
こいつらはそういう人間ね。
「お疲れさまです、マスター」
笑顔で挨拶をした。マスターも笑顔で応えてくれた。
「ええ、お疲れさま。オオカミの相手は疲れたでしょう?」
「いえ、楽しかったですよ」
「今日はゆっくり休んでね」
「はい、明日も頑張ります」
「アキラちゃんったら頼もしいわ。よろしく頼むわね。うちの女の子達を傷つけるわけにもいかないから」
それは私は女の子以下の奴隷ってこと?
奴隷はしょせん奴隷で、奴隷が壊れるまで使う気?
やっぱりこのマスターが一番エグいわ。
「じゃあ、お疲れさまでした。また明日もよろしくお願いします」
ペコリと頭を下げて待機室を出た。その瞬間、部屋の中から笑いが巻き起こった。
「奴隷ってプライドもないのね」
「マスター、いい買い物したじゃない」
「獣が相手なのに楽しかったですって」
「奴隷だから人外に慣れてるんじゃない?」
奴隷だとバカにするけど、奴隷が稼いだ九割の金が懐に入るんだぞ。奴隷の金で生活してるんだぞ。おまえの金を稼いだのに、何でバカにされなきゃならないんだ。
マジでくずだよ、ヒトってやつは。
「こうなったら遠慮はしない。徹底的に……」
奴隷根性上等、絶対に成り上がってやる。
「奴隷から自由人に成り上がらない?」
奴隷をやっているとヒトの悪に敏感になる。そんな私の本能が告げている。
どう考えても信用ならないと。
でも、くそみたいな主人がいる農園で暮らすよりも、自由人になれる可能性があるマスターに付いたほうがマシだと思った。
豚小屋で暮らす日常から逃げたかった。
「よろしくお願いします」
マスターが私を買った。
五百万ジュエルを払えば自由人にしてくれると約束した。
五百万の借金が出来たようなものだ。
借金が出来たけど、それでもあの農園の奴隷でいるより断然マシだった。
豚小屋で犯されたくない。もっとマシなご飯が食べたい。温かい所で眠りたい。ヒトとして扱われたい。家畜以下の生活も、ヒトに見下されるのも、もうたくさんだ。
それに、娼婦になれたということは、稼げる見込みがあるってことだと思う。
借金を完済して自由人になってやる。
娼婦の館の住み込みで働くこと一日目。さっそくお客さまをつけられた。
こっちの心の準備はお構い無しって感じがムカつくけど、これはチャンスだ。ここで客の受けが良ければ、次の客につながる。
本当の意味で自由になるに、報酬金の高い指名をもらって誰よりも多く稼がないと。
「アキラちゃん、2番のお部屋を使ってね」
「はい」
この店は大きいお屋敷だ。
二階のすべての部屋がプレイルームになっていて、一階は受付と待合室がある。VIPなお客さまは個室待機で、付き添いの従者は一般待合室で待機している。
売り上げのいいお嬢も個室を与えてもらえるらしいけど、ど底辺の私には関係がない話。今は、だけど。
「ここか」
でかいお屋敷の二階、端から二番目の部屋の扉に2番と書かれているプレートが下がっている。
緊張していないと言えばうそになる。でもやるしかない。逃げ道はどこにもない。誰も助けてくれない。
ここから先は、自分の力で運命を切り開くんだ。
「よしっ、やるぞ」
十分に深呼吸をして心を落ち着かせた。
緊張で震える手で扉を開けると、一人の男性?がベッドに腰掛けていた。想像と違うから、扉に下がっているプレートを見直してた。
やっぱりここが2番の部屋だ。
私の初めてのお客さまはこの人で間違いないんだけども、これを男性と言っていいのかな。……一応【雄】だからやっぱり男性なの?
「何だよ」
そこには、真っ黒の耳とふさふさした尻尾の生えた【雄】が腰掛けている。他はヒトと同じでも、明らかに人外。トカゲ男とかゴーレム男とか居ることは知ってるし、別に人外の存在は珍しくないけど、人外の相手をするなんて聞いてない。
「初めまして。アキラです」
冷静を装い笑顔の仮面を付けて【雄】の隣に腰掛けた。【雄】は偉そうに腕を組んでそっぽ向いてしまった。
「あの、わたし、初めてで……」
おなじみのテンプレを使おうとする前に、【雄】があり得ないって顔を私に向けた。
「初めて、だと?」
「え、ええ、そうですけど」
「何でだよ! 店主は、おまえは慣れてるから大丈夫だって言ってたぞ! 俺をだましたな!」
【雄】の焦り方もマスターの情報がおかしい。
もしかしてちゃんと接客が出来るのか試されてる?試験的なもの?
どちらにしろ、この【雄】とセックスしないと、この先の生活と目標がダメになるってことは理解した。
人外上等、腹を括れ。
「いいえ、大丈夫です。ある程度のことは受け入れます」
自分から率先してバサリとワンピースを脱いだ。雰囲気のない誘い方だけど、やる気を見せないと怒って帰ってしまう気がした。
それはダメ。コイツに食らい付く。
そのためなら何だってしてやる。
「あなたも脱ぎましょう」
Tバック一枚になった私は【雄】の服を脱がせていく。そういう目的で来ている【雄】は、もちろんなされるがままだ。
「お名前を聞いても?」
「ウルフ」
「ウルフ?」
「オオカミ!」
オオカミの人外さん。
よく見るとハスキー犬に似てる気もする。ふさふさの長めの髪の毛も犬っぽいし、見れば見るほどワンコだ。
やだ、かわいい。ワンコかわいいっ。
「ウルフ、いい名前ですね」
「お、おう!」
名前を褒められて嬉しいらしく、尻尾がパタパタと左右に動いている。
何このかわいいワンコ。ナデナデしてもいい?なーんて思いは、ウルフの下半身を見て砕け散った。
服の上からでも分かる。コイツはデカイ。生半可なデかさじゃなくマジにデカイ。人外は伊達じゃない。
「ゴクリ」
大きく喉が鳴った。それに気づいたウルフは尻尾を振るのをやめて、ワンコらしくシュンとうつ向いた。
「俺、デカイから……その、……気持ち悪いって……女に見向きもされなくて……」
「そ……そうですか」
「……まだ童貞だって、……ダチにも仲間にもバカにされて、……ここなら相手してもらえるって教えてもらった……」
私は奴隷で娼婦だ。
コイツのプライベートな事情に口を挟むこともないし、同情することもない。セックスをするだけ、それが私の仕事だ。でも、目の前にはマジで落ち込んでるオオカミ男がいて、それに対して変な感情を抱いている私がいる。
「……ウルフ、大丈夫ですよ」
私はウルフの髪の毛を撫でた。ワンコみたいにふさふさだったから自然に笑顔になれた。
「私は大丈夫です」
「……もう、いいんだ……」
ウルフの頬に手を添えて上を向かせた。銀色の瞳がとてもキレイ。情けない顔にほほ笑みかけると、ウルフはもっと眉を垂れさせた。
「大丈夫ですから、ね?」
「……おまえ……」
「アキラ、です」
「……アキラ……」
「はい、ウルフ」
「アキラっ!」
ウルフは私を押し倒すと、ワンコみたいに頬を舐めた。ベロリベロリと。よしよしと頭を撫でると、今度は首をベロベロ舐め始めた。セックスってよりも、これじゃワンコとのじゃれ合いだ。それがかわいくて思わずクスリと笑ってしまった。
「な、何だ」
「犬みたいでかわいいなって」
「俺は犬じゃないぞ! オオカミなんだ!」
ドヤッとされても、それすらもめちゃくちゃかわいいから笑うしかなくて。
でも、ここはセックスをする場所だ。
これ以上の気持ちは要らない。
「では、ウルフ。ここをほぐしてもらえますか?」
こんなのでいいのか分からないけど、大きく足を開き、自分の手でアソコを広げた。ウルフはこくんと頷くと、体をずらしてアソコに顔を埋めた。
ちょっと待て。何でいきなりそれなんだよって感じだけど、ウルフが腰を掴んできて分かった。
オオカミだからヒトよりも爪が長い。
これはいい発見だ。
ウルフは傷つかないようにしてくれたけど、他の人外は分からない。爪を切る習慣がないかもしれないし、基本的に舐めてもらうように流れを持っていかないと、アソコが使い物にならなくなる。
それは死活問題だ。
この先、人外を相手にするなら生態に注意して接客しないと。それに……アソコの毛をそることも視野に入れよう。毛があると舐めにくそうだし、ない方がエロい気もする。
「んっ、んう!」
しかし、このオオカミ。舐めるのめちゃくちゃうまい。ねっとりというか、じっくりというか、丁寧に、的確に、クリトリスを攻めてくる。
そういうの勘弁してほしい。まだお仕事があるかもしれないのに。本気で気持ち良くなると、あとが疲れるんだって。
「あっ、あっ! やっ、ソコばっかり! もう……いれ、て」
わざとらしい演技で、この先をおねだりした。ウルフは顔を上げると、口元を拭いながら聞いてきた。
「トロ水は?」
とろすい?が何かよく分からなくて首を傾げた。
「トロ水ねーの!?」
「えっと」
「参ったなぁ。でもここまできて止めんのもなぁ。んー……こうなったら……」
勝手に一人で話を進めてるけど、解決したらしい。アレをアソコに押し付けて心配そうに聞いてきた。
「トロ水の代わりに、一回中に出すぞ」
「う、うん」
避妊のお薬を飲んでるから、中に出されるのは怖くない。でも極太のアレを入れるにはローションみたいなモノが……もしかしてトロすいってローションのこと?
「んっ!?」
つぷんっとアレの先っぽが中に入った。先っぽだけでもすごい圧を感じる。
これが奥まで入る。
想像しただけで怖くて、カッチコチになってしまった。
「……アキラ……」
ウルフはそのまま自分の手でしごきだした。
それ私の仕事って言いたいけど、これで済むならオッケー。
こんなモノを入れるとかヒトには無理。
だから変な気を起こす前にそのままイッてくれ。
「アキラっ、いくぞっ、ほんとにいいんだな!?」
「うんっ、出してっ」
「イッ、っっ!!」
先っぽしか入ってないのに、びゅーびゅーと勢いよく出てるのが分かる。
これで少しは落ち着くだろうし、先っぽで満足してくれたのならやっぱりラッキーだ。
こんなのヒトに入れるもんじゃない、と思った矢先、体に異変が起きた。
「……っ、……あっ、……やっ!」
ゾクゾクっと子宮が震えて、ポッと中が熱くなった。
段々と荒くなる呼吸と、キュンキュンと唸る子宮。
何だか分からない症状が怖くて、枕に顔を埋めた。
ウルフはグッグッとアレで中を押してくる。
その度にヒクつく私もどうかと思うけど。
「アキラ、大丈夫か?」
「……っ、うぁ、っ!」
「……そろそろかな」
何をするつもりだって言ってやりたいのに、私の口からは荒い息しか出ない。
苦しくて、切なくて、どうにかしてほしくて。
「……ウ……ルフ……」
「……こっち向け……」
促されるままウルフを見たら、アレが少しだけ奥に入ってきた。
農園にいた頃、大きい人の相手をさせられたこともあるけど、これは規格外。
太すぎる。
キツイを通り越してギチギチ。
こんなモノ、入るわけがない。
入らないから、いれないで。
お願いだから、いれないで。
「やっ! やだあっ!」
怖くて逃げようとする腰を、デカい手が掴んで動けないようにしてきた。
「大丈夫だから」
「や、めて、ウルフ、おねがいっ」
「一気にいくぞっ」
「ッッ!?」
一気に中を押し破られた。
思考も視界も真っ白になった。
一瞬だけ意識が飛んだと思う。
次には、ものすごい快楽が襲ってきた。
「っっ、ぁ!」
もう声にすらならないし、演技すらできない。
「……あぅ、……ああ」
中を擦るアレに顔がゆがんでいく。
与えられる痛みと疼き、中を隙間無くパンパンにして、粘膜をギチギチに擦りつけて。
集中なんかしなくても、否応無しに高ぶられていく子宮の痺れ。
痛みよりも快楽を優先した体は、ウルフのアレをすんなりと受け入れた。
「む、りっ! やべぇ、狭っ! すっげー、あついっ!」
「あっ! ああっ!」
「イ、クぞ!また、出すぞ!」
「もう、だめっ! ウルフっ、だめっ……ンンンッ!!」
またナカで何かが弾けた。
今度は奥から痺れが回って、意識がぶっ飛んだ。
ーーーーー
私のようで私じゃなかったっていうくらい乱れた。
ここまですごいのは、いろいろな意味で初めてだ。
「アキラっ、アキラっ!」
ウルフは絶倫だった。
めちゃくちゃうまいから本気で感じるしかなく、ウルフが満足する頃には出来上がっていて、もっとちょーだいとか言う始末。淫乱になった私を、ウルフはずっと抱きしめてくれていた。
「俺の……つーか、オオカミの精液は媚薬効果があるんだ」
「媚薬効果?」
ようやく落ち着いたのは、最後の射精から十分後くらい。ウルフは腕まくらをしながらオオカミの性態について教えてくれた。
よかった、淫乱になったわけじゃなかった。
「もともと絶倫で、雌が最後まで付き合えるようにそうなったって、じいちゃんが言ってた」
「そうなんだね」
「秘密だぜ。これはオオカミだけに伝わる情報だからな」
「わたしに教えてよかったの?」
「おう! だってアキラは俺のもんだからな!」
ウルフはそう言うとぎゅうぎゅうに抱きしめてきた。童貞を卒業した興奮と感動で、ここがどこか忘れたらしい。
「やめろよ、こんな店」
何だ、そこは覚えていたのね。じゃあ童貞卒業で気分が高まっただけか。
「ウルフ、そろそろ時間です」
「ダメだ! おまえは俺の! 絶対に離さん!」
「……ウルフ……」
「イヤだ!」
出掛ける前のいじけたワンコみたいでかわいい。頭を撫で回したい。
でも、終わりは終わり。
「時間は時間だよ」
言葉を濁して伝えた。
ウルフは納得がいかなかったらしく、部屋に置いてある電話を使って、お店の受付に連絡をした。
「おう、延長。時間? んなもん今日一日に決まってんだろ。金ぇ? あるわ! ヒトのくせにバカにすんなよ!」
今日一日って言った? 聞き間違い? まさかそんな初対面の、ましてや奴隷に、大金を突っ込むなんてあるわけがない。
「これでいいだろ?」
ウルフは戻ってくるなり、また腕まくらをして、甘えるように私の頭に頬すりしてきた。
「今日一日、俺のアキラ」
「……ほんとに延長したの?」
「おう!」
「今日一日って……」
「おう!」
「高いんじゃないの?」
「別にどうってことねーよ。アキラが他の男に盗られることよりも安いもんだ」
「そう、ですか。ありがとうございます」
正直、ラッキーだと思う。
ウルフの絶倫と媚薬効果でマジで疲れてるし、複数のお客さまを相手にするより、延長してもらった方が給料も高いし、体の負担も少ない。
ただ、今日一日をウルフとどう過ごせばいいんだろう。これ以上セックスしたくないし、お話って言っても深入りすると情が移りそう。
「アキラは」
「何ですか?」
「アキラは、優しい」
「ありがとうございます」
「……アキラ、……俺の」
ウルフは気持ち良さそうな寝息をすうすうと立てながら眠った。
「ウルフも優しいよ。……ありがとう、本当に、……こんな私に、ありがとう」
奴隷の私には十分な褒め言葉と、十分過ぎる優しさ。
この世界にもそういうものがあるんだと初めて知った。
それが嬉しくて、泣きたくなって、ウルフにすり寄って、転生する前の久しぶりの温もりに包まれながら、私も眠りに就いた。
ーーーーーー
「はい、時間です」
「寝て終わりかよ!」
結果、ヤリ疲れで二人とも爆睡。タイマーの音でようやく目が覚めた。
「もっと遊びたかった!」
「うんうん、また遊ぼうね」
「次は絶対起きてるからな!」
「またね」
ブースカと文句をたれるウルフを笑顔で見送り、ぐっと腕を上げて背筋を伸ばした。
疲れたけど楽な仕事だったと思う。でもこれはウルフが優しかったからで、とても珍しいこと。本来ならありえない。
明日からが本番、その覚悟で挑もう。
ウルフのデカイアレを受け入れられたくらいだ。極太サイズはそうそうないだろうし、本気でよがることもないだろ。
楽勝楽勝。
「お疲れさまでした」
愛想よく笑顔で待機室に戻ると、待機している女の子全員に【嫌な目】で見られた。ほんと居心地が悪い。さっさと退室したいところだけど、マスターに今日売り上げの報告を聞くまで寮に戻れない。
部屋の端に突っ立ってポケーッと天井を見ていたら、誰かが「犬臭い」と言った。女の子達がクスクス笑い始めた。
「やっぱり奴隷は違うわね」
「尊厳ってものがないのよ」
「獣の臭いのが移ったらどうしましょう」
ものすごく分かりやすい嫌がらせにため息をはくしかない。私は奴隷だ。こんなの言われ慣れている。むしろ暴力じゃないだけマシ。かわいいもんだ。
でも、ウルフのことを悪く言われるのはすごく嫌。かといって歯向かう気にもなれないけど。知らん顔してるのが一番平和な解決法だ。まさしく奴隷根性。なんちゃって。
「獣と一日一緒だなんて絶対嫌よね」
「一緒どころか犯されるんでしょ? 死ねるわね」
「でも奴隷は面の皮が厚いから死なないわよ」
私への中傷と笑いが止まらないまま待機室の扉が開いた。マスターと美人なお姉さんは入るなり私を見てニヤリと笑った。
「この子が例の奴隷ですの?」
美人なお姉さんはマスターにそう聞くと、マスターは頷いた。
「そうよ。やっぱり人外専門の子がほしくて買ってきたの。人外相手の商売はいいお金になるから」
「また壊れちゃうわよ。前の子はそれで自殺したんでしょう。その前は噛み殺されたんじゃなくて?」
「いいのよ別に。奴隷ならいくらでも替えがいるわ」
なるほど、そういうこと。
壊れてもいくらでも替えがある奴隷を人外専門にする。私を買った理由は人外の相手をさせるため。自由をちらつかせて、逃げないように借金をこしらえさせた。
今日の給料は、お店の取り分が七割。ニ割が借金返済。残りの一割が私の給料。借金は五百万ジュエル。途方もない内容だ。しかも人外相手に命の保証があるわけでもなく、奴隷らしい仕事だと。
こいつらはそういう人間ね。
「お疲れさまです、マスター」
笑顔で挨拶をした。マスターも笑顔で応えてくれた。
「ええ、お疲れさま。オオカミの相手は疲れたでしょう?」
「いえ、楽しかったですよ」
「今日はゆっくり休んでね」
「はい、明日も頑張ります」
「アキラちゃんったら頼もしいわ。よろしく頼むわね。うちの女の子達を傷つけるわけにもいかないから」
それは私は女の子以下の奴隷ってこと?
奴隷はしょせん奴隷で、奴隷が壊れるまで使う気?
やっぱりこのマスターが一番エグいわ。
「じゃあ、お疲れさまでした。また明日もよろしくお願いします」
ペコリと頭を下げて待機室を出た。その瞬間、部屋の中から笑いが巻き起こった。
「奴隷ってプライドもないのね」
「マスター、いい買い物したじゃない」
「獣が相手なのに楽しかったですって」
「奴隷だから人外に慣れてるんじゃない?」
奴隷だとバカにするけど、奴隷が稼いだ九割の金が懐に入るんだぞ。奴隷の金で生活してるんだぞ。おまえの金を稼いだのに、何でバカにされなきゃならないんだ。
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