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第1部 まるで初めての恋
4-6※
しおりを挟む「初めてだから、優しく…手解きさせてくれよ…」
観念したふりをして、陽菜が首を傾げた瞬間にさっと足の間に体を入れ込むのはやり手だ。最賀は陽菜の膝裏を持って、今度にしてくれと後付ける。
「ずる、ずるいっ、先生……っ」
「狡いことはした。でも、見るのは今度。幾らだって俺達…時間はあるだろう?」
「余裕がある……男の人……」
「可愛い恋人には…怖がらせたくないじゃないか。初めてを貰える…なんて、浮かれてるんだ、余裕なんか無い」
ぐっと体を入れ込まれて、陽菜は息を潜めた。張り詰めた男根は陽菜の狭隘を暴く為に徐々に進んで行った。
「あ、入って……うー……っ、ぁあ、あ、…ひい…ぅ」
一途に、真っ直ぐに、見据える男の目は心の窓をこじ開けられた感じがして、陽菜は目の前が真っ白になる。
痛い、張り裂けてしまいそう。襞が最賀の質量の大きさに驚いてぴんと限界まで広がっている。多くの女性はこんな体験をしているのか?!と陽菜は物申したかった。
だが、辛い顔をしたら最賀は途中だろうと絶対に動きを止めて中断する。何がなんでも、だ。
そんなことは嫌だった。陽菜は初めてを捧げるなら最賀以外居ないと決心していたので、その心持ちは固かった。
その為、陽菜は痛くない素振りを見せているつもりだったが、最賀には勿論見破られていた。
「ゆっくり……そう、呼吸は止めるな……そう、良い子だ」
ふう、ふうと力みたい気持ちを殺して陽菜は涙をポロポロと流して痛みを受け流そうとした。痛いと口にしてしまえば、認めてしまうのが嫌だった。初めて男を知った体が拒絶するなんて、破瓜の血を垂れようと陽菜は決して弱音を吐かなかった。
「う……っ、………っ、はぁ、……先生ぇ…っ」
それでも、痛みのあまり心細かった。独りでいるように感じて、陽菜は最賀の存在を確認するかのように呼んだ。最賀は心配そうに顔を覗き込んで、大丈夫では無いのを分かった上で強がる陽菜に敢えてこう聞いた。
「……はぁ、全部、入ったから、大丈夫…か?」
「何か、凄く圧迫感……が……」
「だろうな……馴染むまで動かないから。痛かっただろう?」
痛いとは白状したくなくて、陽菜は首をぶんぶんと横に振ったものの、きっとバレているだろう。暫く馴染む為に微動だにせず、最賀はただ陽菜を落ち着かせる為にキスをしたり、髪を撫でたりしていた。
十五分程度の体感時間が経過すると。ずくずくと腹側が熱く感じ始めた。他人の性器を受け入れているかもしれないが、それにしても異物感は段々と無くなって次第に陽菜の体も順応していく。
その移り変わりが酷く、怖くて思わず唸る。
「う……?」
「痛いか?動くの、止める…か?」
ふつふつ。マグマが湧き出る様な、熱い何かに襲われて陽菜は嘆いた。この気味悪く、けれども得体の知れない熱から助けて欲しくて、最賀へ助けを求めた。
「変、なんか…っ、熱いよお……っ、先生ぇー…」
助けを求めて陽菜は最賀の腕にしがみついた。怖い感覚に、知らない物を植え付けられそうで怯える。最賀は陽菜の恐怖心を直ぐに汲み取って、優しく問い掛ける。本当に人を宥めることが上手いのだ。
「熱いだけか?」
「はぁ、声、……おかしぃんです……っ、勝手に、出ちゃうぅ……」
「我慢すると辛いから、遠慮無く出せよ?」
「先生、先生ぇ…っ、私、おかしい……おかし、くなっちゃ……っお腹っ、苦しいはず、なのにっ」
舌ったらずで切ない声で最賀に訴える。腹の中は苦しいはずなのに、熱を生み出して放出したがっている。
「変、へん、やだぁっ、いや、いやっぁ、あ、あ……っきちゃう、なんか、きちゃいます…っ!!」
「大丈夫、俺に委ねてみろ、気持ち良いってことを覚えたてだから、吃驚してるだけだ」
陽菜の頬を撫でて、初めての絶頂へ向かう道筋に怖がった陽菜を最賀は宥める。ゆっくり、確実に陽菜の良い場所を見付けて、徐々に攻め立てる。最賀のものをきゅうきゅうと膣壁が収縮して締め上げる。
「ぁあっ、あ……あ……っ、ぁあ、は、ぁあ……っ!!」
びく、びく、と腰を跳ねさせて陽菜は甘い声を上げて痙攣する。目の前で光が点滅して、陽菜の視界はまるで花火が散っている様に見える。
余りにも驚いてしまって、最賀の体にしがみついたまま、余韻に呆然と浸っていると。最賀は陽菜の首筋に埋めて体重をかける。先程とはまるで違う、これから陽菜を味わい尽くしたい男に変貌した。
重い男の体が陽菜の薄い肢体に合わさると、繋がりを深くする為なのか。最奥を中心に抽挿し始める。浅瀬とは違って、脳天まで痺れる強い電流に苛まれて陽菜は堪らず最賀の背中に縋り付いた。
「さ、いがっ、……せ、んせぇっ、ぁあ、っ、あ
……だめっ、です、変だからっ」
「山藤、そんなに俺にしがみ付いたら、やめられないぞ?」
「だってぇ、だって……っ」
陽菜は堪らず大粒の涙を溢した。もう、泣いてばかりだった。こんなにも瞳を水で潤すなんて、後にも先にも最賀だけであって欲しかった。
駄々を捏ねる子供の様に、陽菜は慣れない囀りを声に発して最賀へごねてしまう。
「手加減した、いのになあ……、はぁ、そんな締め付けられちゃあ優しく出来ない」
すると、そんな優しい口調なのに腰を深く押し進めて出し入れを容赦無く繰り返した。指とは桁違いの重さと、太さと、熱さに眩暈がしそうだ。陽菜は沸騰した体の熱量に、啜り泣く。
「私、奥、ずんずんされたら、ぁっ、変になっちゃうっ!」
「甘えるのが苦手な山藤は、少しずつ俺に甘える練習しないと。欲しいか、欲しくないかの二択だぞ?簡単だよ、山藤」
簡単な二択を差し迫られる。そうだ、イエスかノーの差であって、答えは決まっている。にゅぷにゅぷと柔らかい温室に浅く擦り上げられる中で陽菜は最賀へ答えを出した。
小さく頷いて、陽菜は最賀に自ら唇を押し当てた。強請ったキスは、より深く弄って舌を絡める。唾液が顎を伝う程に分泌され、最賀の喉仏にまで垂れている。扇状的で、どんな官能小説よりも艶かしく美しい、愛しい男の腕の中に抱かれて陽菜は耽溺する。
この時は、もう、目の前の男のことしか考えられないのだ。
「はぁ、は、…ぁっ、わ。たし…っ、せんせ、…」
陽菜はいつか、幼少期に負った傷を最賀になら見せられるだろうと思った。細い脚を最賀の体に沿わせて、どうしてか今そんなことが頭の中で過ぎる。
好きと言う無機物の感情が溢れ出して、制御出来なくて。陽菜は滑った膣壁を摩る最賀へ頂点まであと一歩であることを明かす。快楽に飲まれることが怖いと感じたのは、一瞬の出来事で。雫を一滴、陽菜の頬に落とした最賀のうっすらとした汗の香りすら情欲を生むのだ。
「先生、そこ、ダメです、また……っきちゃう」
「そういう時は素直にイくって言うんだぞ?」
「は、い、……っいき、ます……っ、ぁあ、強いよぉ、……っい、く、…いく、……ぁあ、あっ」
切なく息を詰めた声で陽菜は最賀の角張る肩甲骨の窪みにしがみついた。縋る思いは、指先にじりじりと痺れを伝って最賀へ送る。陽菜はくっと喉を反らせてしなやかな肢体を傾けて男茎によって絶頂へ導かれた。
三回程度、びく…びく…っと川辺に打ち上げられた魚が跳ねる様に仰け反らせて頂点に達する程の快楽は、最早合法的な麻薬にすら思えた。
膣壁が収縮して、その締め付けに最賀も陽菜の後に続いてラテックス越しに吐精する。はあ、と息を大きく吐いて何度か陽菜の胎内に擦って、煮えたぎる内側を冷やそうとしたのだ。
はじめてが、こんな感じたことのない幸福感と深愛でいっぱいになるなんて。陽菜は最賀の腕の中で呼吸を整えながら、この瞬間を一時も忘れないように心に刻んだ。
最賀は陽菜の頬骨に流れた汗を指で拭って、柔らかく微笑む。
「子供みたいな恋愛、しているな俺たち」
拙い恋愛だろうと、何だろうと。幸せの味に浸って、明朝を迎えられる約束を二人は手にした気配をひっそり感じ取ったのだった。
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