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真実と裏切り【1】
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(治療の件はどうなったのだろうか?)
僕は不意に、そんな事を考えた。
だが、当然であろう。
幾ら癒美奈さんに、家族の治療の話を打ち明けてはいるとは言え、やはり不安は、そう簡単に拭いされるものではない。
況してや、あれから一週間も経過してるとゆうのに、リヴァール・シェリド教授からは何の報告もないのだ。
故に、とても落ち着いてなどいられる訳もなく…。
僕は研究に集中出来ずにいた。
リヴァール教授が、忙しい立場の人間である事は重々、理解している。
だが…。
果たして報告1つ出来ない程、忙しいものなのだろうか?
どう考えても、それは有り得なかった。
何れ程の忙しさなのかは検討つきかねるが、それでも電話1つ。
或いはメール1つ出来ない状況が、有り得えるなどとは到底、思えない。
何より最悪、他者に言伝てぐらいは出来る筈だ…。
ならば、連絡1つ無い理由は一体、何なのだろうか?
正直、不安しか感じない。
何かしらのアクシデントの発生や、予期せぬ状況が家族の身に起こったのではなかろうか?
それならば、この状況も正直、納得がいく。
リヴァール教授のチームが開発していた新しい治療法には、思わぬ副作用があった。
そして、リヴァール教授は現在、その処理に追われている…。
(或いは、隠蔽しようとしている?)
正直、それは無い話ではあるまい。
人間の歴史など腐敗と堕落の数々なのだから。
特に下手に権力を有する者には、そういった傾向は明らかに多い。
リヴァール教授とて研究者としてならまだしも、人間としては決して尊敬出来る類いの人間ではないだろう。
そう…彼が僕に協力してくれているのは、僕と癒美奈さんが今、共同でやっている研究の為だ。
僕が理論を打ち立て、実現の為に癒美奈さんが明確な実践プランをを構成し現在、研究してるモノ。
それは、構成変換の研究であった。
構成変換とは平たく言うと構成されている分子構成を、並び替えたり消去する事が出来ると言う理論である。
この試みが成功したならば例え、クリスタル・シンドロームで石化した肉体であろうとも元素の組み替えにより理論上、治療可能となるのだ。
だが…この研究にはかなりの危険要素が含まれている。
その危険要素とは1つ間違えば対象そのものを、消滅させてしまう可能性であった。
そして、僕達が研究で試作した構成変換装置で消滅してしまった物体はもう二度と元には戻らない。
それは以前、クリスタル・シンドロームで石化が進行している魚で試して明確になった事だが、研究員の一人が照射実験の際に照射設定を誤り、石化していない尾びれを消滅させてしまった事があった。
正直、僕達は細胞培養で再生出来るであろうと考えていたのだが、結果はそんな生易しいモノではなかったのである。
何故なら消失した尾びれは、最初から存在しないモノとなっていたからだ。
つまり、尾びれが消滅した瞬間、DNAは書き換えられていたのである。
それが何を意味するのかは考えるまでも無かった。
何故なら、それが既に答えだからである。
最初から存在していないと言う事に、現実が書き換えられてしまうのだ。
それは正しく悪夢。
構成変換光を照射され肉体の一部を失えば、その失った部分は最初から存在しなかった事になるのだ。
だからこそ、これは使い道を誤ってならなかったのである。
使い方を誤れば、これは最強にして最悪の兵器と化す。
だが、もし医療に転用できたならぼ必ず、多くの人々を救える画期的な手段となる。
それは人間が歩んできた歴史を見れば一目瞭然だった。
人を害する要素しかない原子力エネルギーが、常温核融合技術が開発されてからクリーンエネルギーとして現世界で、人々の生活を支える重要エネルギーとなっている。
そう…どの様なモノでも人々の助けとなるべき道を模索したならば、必ず人々の生活を豊かにする術となる筈なのだ。
だからこそ完成させなければならなかったのである。
道を踏み外さぬ為に…。
僕は不意に、そんな事を考えた。
だが、当然であろう。
幾ら癒美奈さんに、家族の治療の話を打ち明けてはいるとは言え、やはり不安は、そう簡単に拭いされるものではない。
況してや、あれから一週間も経過してるとゆうのに、リヴァール・シェリド教授からは何の報告もないのだ。
故に、とても落ち着いてなどいられる訳もなく…。
僕は研究に集中出来ずにいた。
リヴァール教授が、忙しい立場の人間である事は重々、理解している。
だが…。
果たして報告1つ出来ない程、忙しいものなのだろうか?
どう考えても、それは有り得なかった。
何れ程の忙しさなのかは検討つきかねるが、それでも電話1つ。
或いはメール1つ出来ない状況が、有り得えるなどとは到底、思えない。
何より最悪、他者に言伝てぐらいは出来る筈だ…。
ならば、連絡1つ無い理由は一体、何なのだろうか?
正直、不安しか感じない。
何かしらのアクシデントの発生や、予期せぬ状況が家族の身に起こったのではなかろうか?
それならば、この状況も正直、納得がいく。
リヴァール教授のチームが開発していた新しい治療法には、思わぬ副作用があった。
そして、リヴァール教授は現在、その処理に追われている…。
(或いは、隠蔽しようとしている?)
正直、それは無い話ではあるまい。
人間の歴史など腐敗と堕落の数々なのだから。
特に下手に権力を有する者には、そういった傾向は明らかに多い。
リヴァール教授とて研究者としてならまだしも、人間としては決して尊敬出来る類いの人間ではないだろう。
そう…彼が僕に協力してくれているのは、僕と癒美奈さんが今、共同でやっている研究の為だ。
僕が理論を打ち立て、実現の為に癒美奈さんが明確な実践プランをを構成し現在、研究してるモノ。
それは、構成変換の研究であった。
構成変換とは平たく言うと構成されている分子構成を、並び替えたり消去する事が出来ると言う理論である。
この試みが成功したならば例え、クリスタル・シンドロームで石化した肉体であろうとも元素の組み替えにより理論上、治療可能となるのだ。
だが…この研究にはかなりの危険要素が含まれている。
その危険要素とは1つ間違えば対象そのものを、消滅させてしまう可能性であった。
そして、僕達が研究で試作した構成変換装置で消滅してしまった物体はもう二度と元には戻らない。
それは以前、クリスタル・シンドロームで石化が進行している魚で試して明確になった事だが、研究員の一人が照射実験の際に照射設定を誤り、石化していない尾びれを消滅させてしまった事があった。
正直、僕達は細胞培養で再生出来るであろうと考えていたのだが、結果はそんな生易しいモノではなかったのである。
何故なら消失した尾びれは、最初から存在しないモノとなっていたからだ。
つまり、尾びれが消滅した瞬間、DNAは書き換えられていたのである。
それが何を意味するのかは考えるまでも無かった。
何故なら、それが既に答えだからである。
最初から存在していないと言う事に、現実が書き換えられてしまうのだ。
それは正しく悪夢。
構成変換光を照射され肉体の一部を失えば、その失った部分は最初から存在しなかった事になるのだ。
だからこそ、これは使い道を誤ってならなかったのである。
使い方を誤れば、これは最強にして最悪の兵器と化す。
だが、もし医療に転用できたならぼ必ず、多くの人々を救える画期的な手段となる。
それは人間が歩んできた歴史を見れば一目瞭然だった。
人を害する要素しかない原子力エネルギーが、常温核融合技術が開発されてからクリーンエネルギーとして現世界で、人々の生活を支える重要エネルギーとなっている。
そう…どの様なモノでも人々の助けとなるべき道を模索したならば、必ず人々の生活を豊かにする術となる筈なのだ。
だからこそ完成させなければならなかったのである。
道を踏み外さぬ為に…。
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