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真実と裏切り【4】
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(やれやれ、あの小娘、血迷った事をーー。
お陰で少し行動時期を早めねばならなくなってしまったな。
まぁ良い…アレはほぼ完成しているし、奴らは何れにしても始末しなければならなかったのだ、良い機会が訪れたと言う事に過ぎなし、それにーー。
封鎖エリアの重要機密たるカオススフィアについて知られた何処で、どのみちあの小娘に何が出来る訳でもあるまいしな…?)
リヴァールはふと、そんな事を考える。
だが直後、不意にある事を思い出す。
(あぁ…そうだった…。
あの小娘は始末する必要性すらなかったな…。
後、数時間で、もがき苦しみながら石なって死ぬんだからな?)
リヴァールは思わず込み上げてくる笑いを、右手で口を覆い噛み殺しながら警備室のモニターを見詰める。
「どうしたよ兄貴?
何か楽しそうだな?」
「分かるかね、アドルーン?
実はうちの研究チームに小生意気な小娘が居てな、その小娘を葬れる大義名分を、その小娘自身が作ってくれたのでな愉快すぎて、笑いを堪えるに一苦労している所なのだよ。」
「へー? もしかして、その小娘ってアレか?
果具螺とか言う二十歳ぐらいのヤツか?」
「ほう……知っていたのかアドルーン?」
「おぃおぃ、何言ってんだよ兄貴。
あの娘、結構、有名だぜ?
あの何とかって青二才と並んで、その方面では二十年に1人の逸材とか何とか…。
まぁ、二十年に1人って言いながら実際は2人も居る所が、笑い処ではあるんだけどな?」
「ほう……そうなのか?
知らなかったな、そんな話?」
「ま…兄貴は昔から、そうだったか?
研究以外に興味が無いってのは今、始まった事じゃないからな。
なら差し詰、例の研究には興味があっても、それを成し遂げた人間には、それほど興味は無いんだろ兄貴は?
何か勿体ないな彼女、間違いなく大人材なのに。
それに……上玉なのにね~?」
「くだらんな…。
まぁ確かに、私は基本、人間に興味は無い。
だが一つ、お前の言葉を訂正しておく。
私は彼方には確かに研究以外に興味は無いが、あの小娘は別だ。
何しろ、あの小娘は私の研究内容を訂正すると言う、立場を弁えぬ愚かな真似をしたのだからな!
だから、あの小娘には、それ相応の報いを受けて貰わねばならないのだよ?」
「あっ、なるほどな。
兄貴は自分の事に口出しされるのが嫌なんだったな?」
アドルーンがそう言い終わると同時に、リヴァールは苦笑しながらアドルーンに言った。
「それをお前が言うこアドルーン?
お前とて人から指図されたり、口出しされるのを嫌がるだろうが。
この前だって少し、お前の提案に意見した私の部下を病院送りにしたばかりだしな?」
「あ…?
そうだっけ? 俺あれなんだよな~。
ムサイ男に意見されるのって生理的に、何か我慢出来ないんだよね~。
で、兄貴のその部下とやらのその後の具合はどうなってるのかな?」
「あぁ、彼には研究チームを辞退して貰ったよ。
可愛い弟の為にな。
何より今、私の研究には被験者が必要でね、折角だから彼になって頂く事にしたよ。
だから今頃はーー。」
「モノ言わぬ石の塊ってか?
おー怖い怖い。
で、例の彼女もそのチームの連中ももう用済みだから皆、始末して研究成果は兄貴がパクるってか?
策士だね兄貴。」
「人聞きが悪いな、彼女らは不運な事故に巻き込まれ命を落としたから、私が研究を引き継ぐ…ただ、それだけの事だ。アドルーンよ?」
「はいはい、そう言う事にしとくよ?
本当に敵に回したく無いよな兄貴はーー。」
無表情にも似た顔で微笑むリヴァールに対し、アドルーンはそう言いながら言葉とは真逆な、残忍な笑みを浮かべた。
お陰で少し行動時期を早めねばならなくなってしまったな。
まぁ良い…アレはほぼ完成しているし、奴らは何れにしても始末しなければならなかったのだ、良い機会が訪れたと言う事に過ぎなし、それにーー。
封鎖エリアの重要機密たるカオススフィアについて知られた何処で、どのみちあの小娘に何が出来る訳でもあるまいしな…?)
リヴァールはふと、そんな事を考える。
だが直後、不意にある事を思い出す。
(あぁ…そうだった…。
あの小娘は始末する必要性すらなかったな…。
後、数時間で、もがき苦しみながら石なって死ぬんだからな?)
リヴァールは思わず込み上げてくる笑いを、右手で口を覆い噛み殺しながら警備室のモニターを見詰める。
「どうしたよ兄貴?
何か楽しそうだな?」
「分かるかね、アドルーン?
実はうちの研究チームに小生意気な小娘が居てな、その小娘を葬れる大義名分を、その小娘自身が作ってくれたのでな愉快すぎて、笑いを堪えるに一苦労している所なのだよ。」
「へー? もしかして、その小娘ってアレか?
果具螺とか言う二十歳ぐらいのヤツか?」
「ほう……知っていたのかアドルーン?」
「おぃおぃ、何言ってんだよ兄貴。
あの娘、結構、有名だぜ?
あの何とかって青二才と並んで、その方面では二十年に1人の逸材とか何とか…。
まぁ、二十年に1人って言いながら実際は2人も居る所が、笑い処ではあるんだけどな?」
「ほう……そうなのか?
知らなかったな、そんな話?」
「ま…兄貴は昔から、そうだったか?
研究以外に興味が無いってのは今、始まった事じゃないからな。
なら差し詰、例の研究には興味があっても、それを成し遂げた人間には、それほど興味は無いんだろ兄貴は?
何か勿体ないな彼女、間違いなく大人材なのに。
それに……上玉なのにね~?」
「くだらんな…。
まぁ確かに、私は基本、人間に興味は無い。
だが一つ、お前の言葉を訂正しておく。
私は彼方には確かに研究以外に興味は無いが、あの小娘は別だ。
何しろ、あの小娘は私の研究内容を訂正すると言う、立場を弁えぬ愚かな真似をしたのだからな!
だから、あの小娘には、それ相応の報いを受けて貰わねばならないのだよ?」
「あっ、なるほどな。
兄貴は自分の事に口出しされるのが嫌なんだったな?」
アドルーンがそう言い終わると同時に、リヴァールは苦笑しながらアドルーンに言った。
「それをお前が言うこアドルーン?
お前とて人から指図されたり、口出しされるのを嫌がるだろうが。
この前だって少し、お前の提案に意見した私の部下を病院送りにしたばかりだしな?」
「あ…?
そうだっけ? 俺あれなんだよな~。
ムサイ男に意見されるのって生理的に、何か我慢出来ないんだよね~。
で、兄貴のその部下とやらのその後の具合はどうなってるのかな?」
「あぁ、彼には研究チームを辞退して貰ったよ。
可愛い弟の為にな。
何より今、私の研究には被験者が必要でね、折角だから彼になって頂く事にしたよ。
だから今頃はーー。」
「モノ言わぬ石の塊ってか?
おー怖い怖い。
で、例の彼女もそのチームの連中ももう用済みだから皆、始末して研究成果は兄貴がパクるってか?
策士だね兄貴。」
「人聞きが悪いな、彼女らは不運な事故に巻き込まれ命を落としたから、私が研究を引き継ぐ…ただ、それだけの事だ。アドルーンよ?」
「はいはい、そう言う事にしとくよ?
本当に敵に回したく無いよな兄貴はーー。」
無表情にも似た顔で微笑むリヴァールに対し、アドルーンはそう言いながら言葉とは真逆な、残忍な笑みを浮かべた。
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