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第11話 つかの間の休息
しおりを挟む「こちらだってさ、教員じゃないって言ってたし、やっぱり女医だったのか」
「俺達が医師になったら、オカルト研の手伝いをしてくれるって事だな」
「お前、勉強できるのにオカルトの事になると空気読めない馬鹿になるのなんでなの?」
「まぁー、まぁー二人とも、ほら医師になれば学生じゃなくなるし言えることも増えるって意味があるかもしれないじゃない?」
「それ本気で言ってる佐倉…?」
「うっ、うーん……スミマセン本気じゃないです。
私は研究者になった時は助けてくれるって意味かと思いました。」
お梅君のワントーン低い声に、気圧されて速やかに自白する。
心なしかショックを受けているように見えるお松君に対して、お梅君が確かにそのパターンもあるかと呟いていた。
「とっ、とにかく朝までここで大人しくしているとして、あっ、今って何時だろ?」
慌てて部屋を見回して時計を探そうとするも、首も痛めているのか動かそうとした瞬間痛みで動きがピタリと止まってしまう。すると、お梅君が自分の腕についている銀色の時計を確認すると「あと3時間くらいだよ」と答える。
そんなに気を失っていたのか、と思うと同時にお梅君の腕時計ってもしかして…。
「お梅君、その腕時計ってもしかしてロレックスとか言う腕時計じゃ…」
「あぁ…、これっ?よくわかったね。親父のお古だけどね。時計詳しいの?」
「詳しいってほどではないけど、父が時計好きで海外製の時計をよく雑誌とかで眺めてるから……それ結構高いよね!?」
「どうだろ?親父がだいぶ前に海外出張先で買ってきたやつだって言ってたから、現地で買ったならそこまで高くないんじゃない?」
「金持ちの高くないは当てにならん」
今まで静かに聞いていたお松君が反論する。
「急になんだよ、ケチな親父なんだから高かったら俺なんかにくれるわけないだろ。」
「それもそうか」
「あっさり納得されるとそれはそれで腹立つな!」
まるで本当に漫才コンビのよう名掛け合いで思わず吹き出してしまう。こういうところがあるから、お松とお梅とあだ名をつけられたのも納得だ。
「ぷっ!ふふふ!!いてててて!」
笑うと顎に響いて痛む
「大丈夫!?佐倉さん?」
「やっぱり佐倉は朝一で病院かかった方がいいよ、歩くの辛いだろうから俺がおぶって行くし」
お松君とお梅君の心配そうな顔に、ありがとうと答えるとゆっくりと横になる。
「私だけ横になっちゃってごめんね」
「なに言ってるの怪我人なんだから安静にしてなよ」
「そうそう。俺達に遠慮なんていらない。」
「ありがとう」
そうお礼を言うと、少しだけ休もうと目を閉じた。
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