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05 金よりも白米
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ほぼモブ的存在である傭兵部隊はクローン1号のエスパーで代用することにした。
まず人形を用意する。漫画家や芸術家が使うような、木で出来たのっぺらぼうの人形だ。
それを1号がサイコキネシスで人間のように動かす。繊細な動きを再現するのにかなり練習したらしいので、思う存分褒めてあげた。
次に撮影に使うカメラ――これをモンスター化させる。科学者たちの研究結果で分ったことなのだが、昆虫タイプのモンスターと電子機器は相性が良い。
とある昆虫系のモンスターが電波塔を巣にした。その一週間後、そのモンスターは電気の充電・放出能力を獲得した。
能力を後天的に得たことから、科学者たちは昆虫たちには電気の力――その種のようなものがあり、モンスター化と電波塔の電気がきっかけを産んだとレポートにまとめられていた。
この資料を呼んだ1号は、私の特撮に使うカメラと虫を融合させる思い付いた。赤子の発想は突飛のないものだと分かっていたが、再認識した。
既に1号による実験は行われており、トンボとカメラを融合させた生物をプレゼンテーションされた。
完全なるモンスター化はしていない。せいぜい、10%ぐらいの加減でモンスター化させていた。DNA配合の微調整は強化細胞Mが役に立ちましたと教えられた。
実験データにも驚きだが、私よりも科学者していることに驚いた。
ロボットが赤子の頭はかなり良いと言っていたが、これは天才のレベルを超えているだろう。超天才だ。
ぶーん、とトンボ特融の羽音を聞いた私は、これは生物なのかと訊いた。分類に分けると昆虫になるらしい。食事も出来るし、子も産める。
特撮はもちろん、各国の情報収集やスパイにも使えそうだ。
私は1号に増産のGOサインを出す。
2/3
クローン人間1号と2号に特撮の具体的な内容を話した。
反応がよろしくない。
私の話している内容を聞いてはいるのだが、その意味や情熱を感じ取れていない。
前世の日本人の私が異世界で白米を見たら感動するが、こいつらは感動しない。それと同じ。白米が日本人にとってどれほどの価値があるのかを真に理解することはないだろう。
異世界に転生した私にとって、白米は金よりも価値がある!!
それを聞いた1号と2号、そしてジュースを持ってきてくれたロボットも一緒に驚いてくれた。
後で、ロボットがしきりに日本について聞いてきた。どう説明すれば分からなかったので『君の心のなかさ!!』と言っておいた。
とても感動してくれた。
3/3
私は、私の思いを誰にも理解されない環境に苦しんだ。
科学者たちから利便性を求めて作られたロボットと、生後間もないクローン人間たちにアニメやら漫画の感動――『どこどこのシーンて、やっぱりエモいよね』などの意見を求めるのが間違いだった。
だが、間違いだとしても私はやりたい。
なぜなら、そこをクリアしなければ特撮を完成したときの感動をこいつらを分かち合えないからだ!!!
特撮はもちろん、アニメや漫画は――もちろんノンフィクションのものもあるが――私が描こうとしているのは『嘘の世界』だ。人が神様気分で描く創造の世界だ。
だが、その嘘の世界で『本物』を求めているのも、また事実なわけだ。
情熱によって向上され、熱し続けれた技術は異次元の精度を持ち、創作物に魂を与える。
そのことを彼らは知らない。だから、私の創作欲を理解出来ないのだ。
そこで、私は苦肉の策で自分で漫画を描くことにした。
ほぼモブ的存在である傭兵部隊はクローン1号のエスパーで代用することにした。
まず人形を用意する。漫画家や芸術家が使うような、木で出来たのっぺらぼうの人形だ。
それを1号がサイコキネシスで人間のように動かす。繊細な動きを再現するのにかなり練習したらしいので、思う存分褒めてあげた。
次に撮影に使うカメラ――これをモンスター化させる。科学者たちの研究結果で分ったことなのだが、昆虫タイプのモンスターと電子機器は相性が良い。
とある昆虫系のモンスターが電波塔を巣にした。その一週間後、そのモンスターは電気の充電・放出能力を獲得した。
能力を後天的に得たことから、科学者たちは昆虫たちには電気の力――その種のようなものがあり、モンスター化と電波塔の電気がきっかけを産んだとレポートにまとめられていた。
この資料を呼んだ1号は、私の特撮に使うカメラと虫を融合させる思い付いた。赤子の発想は突飛のないものだと分かっていたが、再認識した。
既に1号による実験は行われており、トンボとカメラを融合させた生物をプレゼンテーションされた。
完全なるモンスター化はしていない。せいぜい、10%ぐらいの加減でモンスター化させていた。DNA配合の微調整は強化細胞Mが役に立ちましたと教えられた。
実験データにも驚きだが、私よりも科学者していることに驚いた。
ロボットが赤子の頭はかなり良いと言っていたが、これは天才のレベルを超えているだろう。超天才だ。
ぶーん、とトンボ特融の羽音を聞いた私は、これは生物なのかと訊いた。分類に分けると昆虫になるらしい。食事も出来るし、子も産める。
特撮はもちろん、各国の情報収集やスパイにも使えそうだ。
私は1号に増産のGOサインを出す。
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クローン人間1号と2号に特撮の具体的な内容を話した。
反応がよろしくない。
私の話している内容を聞いてはいるのだが、その意味や情熱を感じ取れていない。
前世の日本人の私が異世界で白米を見たら感動するが、こいつらは感動しない。それと同じ。白米が日本人にとってどれほどの価値があるのかを真に理解することはないだろう。
異世界に転生した私にとって、白米は金よりも価値がある!!
それを聞いた1号と2号、そしてジュースを持ってきてくれたロボットも一緒に驚いてくれた。
後で、ロボットがしきりに日本について聞いてきた。どう説明すれば分からなかったので『君の心のなかさ!!』と言っておいた。
とても感動してくれた。
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私は、私の思いを誰にも理解されない環境に苦しんだ。
科学者たちから利便性を求めて作られたロボットと、生後間もないクローン人間たちにアニメやら漫画の感動――『どこどこのシーンて、やっぱりエモいよね』などの意見を求めるのが間違いだった。
だが、間違いだとしても私はやりたい。
なぜなら、そこをクリアしなければ特撮を完成したときの感動をこいつらを分かち合えないからだ!!!
特撮はもちろん、アニメや漫画は――もちろんノンフィクションのものもあるが――私が描こうとしているのは『嘘の世界』だ。人が神様気分で描く創造の世界だ。
だが、その嘘の世界で『本物』を求めているのも、また事実なわけだ。
情熱によって向上され、熱し続けれた技術は異次元の精度を持ち、創作物に魂を与える。
そのことを彼らは知らない。だから、私の創作欲を理解出来ないのだ。
そこで、私は苦肉の策で自分で漫画を描くことにした。
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