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第八章 国家エスカルド
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半裸の男・レイ・フォールドは観念してジョンに降伏した。
「分かった、分かった。俺の負けだ。降参する」
右手から石をコロッと落としレイは立ち上がる
「降参したんだから全てを話してくれるよな?」
「……話さなかったら殺すんだろ?」
「そりゃ当たり前だろ、海水はしょっぱいぐらい当たり前だ」
「しょっぱくない海水も有るぞ」
とメイヴィスが空気も読まず突っ込みを入れる
「……あっそう、ま、まぁそれより話してくれよお前は何処に所属していて聖剣泥棒を誰に頼まれたのか或いはお前が主犯なのか?」
「俺は主犯じゃねぇ、上司に命令されたんだ」
(ほ、本当にペラペラと喋るな……嘘を言っている? いや……無い……忠誠心が低いのかそういう性分なのか……まぁ俺には都合良いからどうでもいいが)
「ちょ、ちょっと待て、お、俺の左手首から尋常じゃねぇ程の量の血が流れてる……! 話の前にこれを止めてくれないか? でなきゃ死んじまう!」
「OK、分かった。死なれたら元も子もないからな」
「止血は我がやろう」
メイヴィスがレイの左手首を影で覆い塞ぎ止血をする
「便利な魔法だな、で? 続きは? 上司と言ってたなつまり組織に所属している訳だ。お前の所属する組織の名前は?」
「エスカルド騎士団という名前の組織だ」
「……エスカルド騎士団だと?」
その名前をジョンは知っている、それもそのハズ、それは今マリアと一緒の馬車に乗っているジェイク・ロックロードが団長を務めている騎士団なのだから
(どう言う事だ? エスカルド騎士団が何故泥棒を依頼する必要がある? そもそもカーナ達はエスカルドに向かって居たハズ……ジェイクの命令なのか? あの男の? カーナ達が聖剣を持っていると知っていた筈ならあの男がこんな事を命令するとは思えんな……無駄だ。考えても無駄、情報が少なすぎる何時までも考えたって単なる妄想にしかならない……手掛かりはこいつのみ……)
「命令したのは誰だ?」
「エスカルド騎士団には五番隊 隊長のキール・キリリッヒ、そいつに命令された」
「何故聖剣を盗もうとする?」
「知らねぇ、聞いてない、触らぬ神に祟りなし……だ。俺は任務を受けてもそれ以上は聞かねぇ事にしてる、聞いて被らなくても良い泥を被る事も有るしな」
「嘘を付くな、そんな話、信用出来るか」
「嘘じゃねぇ!」
とメイヴィスは言うがジョンは知っていた。こいつは嘘を付いていないと
(まぁ此処はメイヴィスに疑わせて置くか、今はこいつを心理的に追い込みたいしな)
「こんな状況で嘘とはいい度胸をしているな、お前、クククッ」
「だから嘘じゃねぇよ! 信用出来ないだろうけどよ」
「まぁいい、そんな話はどうでも良い、お前、俺達の仲間にならないか?」
「は?」
「騎士団の中に味方が一人欲しいと思ってたんだ。俺達が都市に行った時、お前の仲間の属性や動向等の情報を俺に流せ、それだけで良い、情報の受け渡し方は俺が都市に着いてから指示する」
このジョンの提案にレイは分かったと返事をした。
「勿論、お前のそんな口約束、俺は信用しないお前の左手首を覆っているモノが見えるな? それはこのお嬢ちゃんの魔法でな、どんな魔法かは言わないがそれが一度取り付くとある条件をクリアしないと剥がれない仕組みになっている、無理矢理剥がしたりしても無駄だぜ、そしてそれはこういった事も出来る」
とジョンが言うとレイの左手首に付いた影が蠢きだし針の形になり行き成りレイの首元に向かう
「うわ!?」
当然の如く驚くレイ
「クククッそりゃ怖いわな、そう、その左手に付いてるモノでお前を殺せる……自由自在にな、そして此処からが肝心だ」
「な、なんだ?」
「例えばお前が俺達を裏切った時、それを発動しお前の喉元を突き刺す事が出来る……それは俺達の耳や目の代わりにもなるんだ。お前が何を話して何をしたのか筒抜けすぐに分かる、お前が俺達を裏切ったと俺が判断したら問答無用でお前を刺すぜ」
レイは顔を青くする、ジョンの嘘を見抜けなかったのだ。そうこれは嘘、手に付いた影はジョン達の眼や耳代わりになる事は無くジョン達の遠くに移動してしまえばさっきの様には動かせない、止血するのが精々、だからジョンの隣でメイヴィスはハラハラとしていた。
(ジョンめ……よくもまぁこんな嘘を付ける、それも人の魔法で……! 信じられん……が頼りにはなるか、こいつを情報源にしようという発想は我には無い……我に出来ない事をこいつは出来る、ジョンが此処へ呼ばれたのも分かる様な気がする)
と隣で思いながらジョンを見詰めるのだった。
「分かった、分かった。俺の負けだ。降参する」
右手から石をコロッと落としレイは立ち上がる
「降参したんだから全てを話してくれるよな?」
「……話さなかったら殺すんだろ?」
「そりゃ当たり前だろ、海水はしょっぱいぐらい当たり前だ」
「しょっぱくない海水も有るぞ」
とメイヴィスが空気も読まず突っ込みを入れる
「……あっそう、ま、まぁそれより話してくれよお前は何処に所属していて聖剣泥棒を誰に頼まれたのか或いはお前が主犯なのか?」
「俺は主犯じゃねぇ、上司に命令されたんだ」
(ほ、本当にペラペラと喋るな……嘘を言っている? いや……無い……忠誠心が低いのかそういう性分なのか……まぁ俺には都合良いからどうでもいいが)
「ちょ、ちょっと待て、お、俺の左手首から尋常じゃねぇ程の量の血が流れてる……! 話の前にこれを止めてくれないか? でなきゃ死んじまう!」
「OK、分かった。死なれたら元も子もないからな」
「止血は我がやろう」
メイヴィスがレイの左手首を影で覆い塞ぎ止血をする
「便利な魔法だな、で? 続きは? 上司と言ってたなつまり組織に所属している訳だ。お前の所属する組織の名前は?」
「エスカルド騎士団という名前の組織だ」
「……エスカルド騎士団だと?」
その名前をジョンは知っている、それもそのハズ、それは今マリアと一緒の馬車に乗っているジェイク・ロックロードが団長を務めている騎士団なのだから
(どう言う事だ? エスカルド騎士団が何故泥棒を依頼する必要がある? そもそもカーナ達はエスカルドに向かって居たハズ……ジェイクの命令なのか? あの男の? カーナ達が聖剣を持っていると知っていた筈ならあの男がこんな事を命令するとは思えんな……無駄だ。考えても無駄、情報が少なすぎる何時までも考えたって単なる妄想にしかならない……手掛かりはこいつのみ……)
「命令したのは誰だ?」
「エスカルド騎士団には五番隊 隊長のキール・キリリッヒ、そいつに命令された」
「何故聖剣を盗もうとする?」
「知らねぇ、聞いてない、触らぬ神に祟りなし……だ。俺は任務を受けてもそれ以上は聞かねぇ事にしてる、聞いて被らなくても良い泥を被る事も有るしな」
「嘘を付くな、そんな話、信用出来るか」
「嘘じゃねぇ!」
とメイヴィスは言うがジョンは知っていた。こいつは嘘を付いていないと
(まぁ此処はメイヴィスに疑わせて置くか、今はこいつを心理的に追い込みたいしな)
「こんな状況で嘘とはいい度胸をしているな、お前、クククッ」
「だから嘘じゃねぇよ! 信用出来ないだろうけどよ」
「まぁいい、そんな話はどうでも良い、お前、俺達の仲間にならないか?」
「は?」
「騎士団の中に味方が一人欲しいと思ってたんだ。俺達が都市に行った時、お前の仲間の属性や動向等の情報を俺に流せ、それだけで良い、情報の受け渡し方は俺が都市に着いてから指示する」
このジョンの提案にレイは分かったと返事をした。
「勿論、お前のそんな口約束、俺は信用しないお前の左手首を覆っているモノが見えるな? それはこのお嬢ちゃんの魔法でな、どんな魔法かは言わないがそれが一度取り付くとある条件をクリアしないと剥がれない仕組みになっている、無理矢理剥がしたりしても無駄だぜ、そしてそれはこういった事も出来る」
とジョンが言うとレイの左手首に付いた影が蠢きだし針の形になり行き成りレイの首元に向かう
「うわ!?」
当然の如く驚くレイ
「クククッそりゃ怖いわな、そう、その左手に付いてるモノでお前を殺せる……自由自在にな、そして此処からが肝心だ」
「な、なんだ?」
「例えばお前が俺達を裏切った時、それを発動しお前の喉元を突き刺す事が出来る……それは俺達の耳や目の代わりにもなるんだ。お前が何を話して何をしたのか筒抜けすぐに分かる、お前が俺達を裏切ったと俺が判断したら問答無用でお前を刺すぜ」
レイは顔を青くする、ジョンの嘘を見抜けなかったのだ。そうこれは嘘、手に付いた影はジョン達の眼や耳代わりになる事は無くジョン達の遠くに移動してしまえばさっきの様には動かせない、止血するのが精々、だからジョンの隣でメイヴィスはハラハラとしていた。
(ジョンめ……よくもまぁこんな嘘を付ける、それも人の魔法で……! 信じられん……が頼りにはなるか、こいつを情報源にしようという発想は我には無い……我に出来ない事をこいつは出来る、ジョンが此処へ呼ばれたのも分かる様な気がする)
と隣で思いながらジョンを見詰めるのだった。
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