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第八章 国家エスカルド
合わない二人
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ナサルの言い付けも当然の様に破り、館の捜索を始める二人
「お前はさっき見たんだろ? 俺について来る必要は無いんじゃないか?」
「どうせ暇だからな」
バーングは決してジョンを見ようとせず視点を落として歩いて居る
「さて、何処を見るか……」
「別に怪しい所は無かったぞ」
「お前から見たらな」
「ふぅん、ならお手並み拝見といこうか」
「楽しみにしてくれ」
ジョン達は調理場に着いた。
「臭いは此処からするみたいだな」
ジョンは異臭を感じて此処まで向かって来たのだ。
「焦げ臭いぞ……?」
ジョンは調理場を調べ始める、そして見つける
調理場の窓のカーテンに焦げ跡が付いていた。
触ってみる、これはつい先ほど付いた焦げだという事が分かった。
「それはさっき私が付けたモノだから関係無いぞ」
それを聞いて唖然とするジョン
「……頼むぜ、そういう事は最初に言ってくれないか? 出来れば俺が焦げ臭いと言った時にな、というか無人の人の家で何やってんだ」
「喉が渇いたんだ。仕方なかろう」
溜息を二度吐き立ち上がる
「次行くぞ、次!」
次に向かったのは本棚が大量に並んでいる書庫の様な場所
「隠し扉でも有りそうだな」
本を一冊一冊取り出すジョン
「小説の読み過ぎだ。そんなモノは無かった筈だぞ」
「お前なんか信用出来るかよ」
そして三台目の本棚を探っている時、それは発見される、ギギギッと本棚が動き出しなんと後ろには隠し通路が隠れていた、隠し扉だ!
「ほら、見ろ! 馬鹿め!!」
ジョンの後ろで唖然としているバーング
「驚いた……いつの間にこんなモノを作っていたのか……? 何故だ?」
「知るか馬鹿!! アホめ!」
「……五月蠅い奴だ」
「お前を罵倒するのも飽きたところで先にとっとと進もうか?」
「……こんな暗い所だからと言って私に変な事をするなよ」
それを聞いて明らかに不機嫌な顔をするジョン
「しねーよ、何もお前にそそられるものはねーよ」
「ふん、どうだかなまぁいい、先に私が向かうぞ、ついて来い」
「へいへい、先は真っ暗だけど灯りは要らないのか?」
「大丈夫だ。私の魔法で……」
と自分で言った時大きな間違いに気が付く、此処では魔法が使えない何故なら王都だから……結界がある
「どうしたんだ?」
「灯りになる物を用意してくる待ってろ」
「待つの? 待つのは嫌いだから速くしてくれよ」
「命令をするな!」
そう言ってバーングは部屋を去る、そして帰って来たバーングの手には丁度良い長さの蝋燭と蝋燭立てが握られていた。
「さぁ行くぞ」
二人は火の光を頼りに階段を下るのだった。階段は暗い上に冷たい風が下から迫って来る、しかしそれでも二人は動じず先に進む
終わりの見えない下に続く階段だったが五分程で一番下まで着いた様だ。
しかし辺りは暗く何も見えない
「取り敢えず奥まで進んでみるぞ、足場には気を付けろよ、今までは俺が見て居たがこれからはお前もみろよ」
「五月蠅い、そんな事分かっている」
「嘘つけ! さっきの階段の時だってお前なんの警戒もしてなかっただろ! 馬鹿!」
「……本当に五月蠅い奴だ」
仕方なくジョンの言う通りに奥まで進んでみるバーングすると直ぐに何かが火の光に反射した。
「何だこりゃ?」
ジョン達の目の前には黒いベッドの様な物が有った。
「此処を誰かが寝室にしてたのか?」
バーングは屈みそのベッドをよく見る……すると驚く事が分かった。
「これは……黒鉄(こくてつ)だ」
「なんだ? 黒鉄ってのは」
「見ての通り黒い鉄だ。普通の鉄よりも魔法をよく通す」
確かによく見てみるとそれは硬そうであった。
「黒い鉄なのも魔法の伝導率も高い事が分かったが何故お前はそれに驚いているんだ?」
「私はこれを見た事が有るんだ……しかも此処では無い、別の場所でな」
「どういった目的で使われるんだ?」
「クローンの作成だ……クローンを作る時に使われるんだ……これは」
「三賢者のどうたらとか言う奴か?」
「そうだ……ナサルやローラもこの上で誕生した」
バーングは驚きのあまりか顔に大量の汗を掻いていた。
「お前はさっき見たんだろ? 俺について来る必要は無いんじゃないか?」
「どうせ暇だからな」
バーングは決してジョンを見ようとせず視点を落として歩いて居る
「さて、何処を見るか……」
「別に怪しい所は無かったぞ」
「お前から見たらな」
「ふぅん、ならお手並み拝見といこうか」
「楽しみにしてくれ」
ジョン達は調理場に着いた。
「臭いは此処からするみたいだな」
ジョンは異臭を感じて此処まで向かって来たのだ。
「焦げ臭いぞ……?」
ジョンは調理場を調べ始める、そして見つける
調理場の窓のカーテンに焦げ跡が付いていた。
触ってみる、これはつい先ほど付いた焦げだという事が分かった。
「それはさっき私が付けたモノだから関係無いぞ」
それを聞いて唖然とするジョン
「……頼むぜ、そういう事は最初に言ってくれないか? 出来れば俺が焦げ臭いと言った時にな、というか無人の人の家で何やってんだ」
「喉が渇いたんだ。仕方なかろう」
溜息を二度吐き立ち上がる
「次行くぞ、次!」
次に向かったのは本棚が大量に並んでいる書庫の様な場所
「隠し扉でも有りそうだな」
本を一冊一冊取り出すジョン
「小説の読み過ぎだ。そんなモノは無かった筈だぞ」
「お前なんか信用出来るかよ」
そして三台目の本棚を探っている時、それは発見される、ギギギッと本棚が動き出しなんと後ろには隠し通路が隠れていた、隠し扉だ!
「ほら、見ろ! 馬鹿め!!」
ジョンの後ろで唖然としているバーング
「驚いた……いつの間にこんなモノを作っていたのか……? 何故だ?」
「知るか馬鹿!! アホめ!」
「……五月蠅い奴だ」
「お前を罵倒するのも飽きたところで先にとっとと進もうか?」
「……こんな暗い所だからと言って私に変な事をするなよ」
それを聞いて明らかに不機嫌な顔をするジョン
「しねーよ、何もお前にそそられるものはねーよ」
「ふん、どうだかなまぁいい、先に私が向かうぞ、ついて来い」
「へいへい、先は真っ暗だけど灯りは要らないのか?」
「大丈夫だ。私の魔法で……」
と自分で言った時大きな間違いに気が付く、此処では魔法が使えない何故なら王都だから……結界がある
「どうしたんだ?」
「灯りになる物を用意してくる待ってろ」
「待つの? 待つのは嫌いだから速くしてくれよ」
「命令をするな!」
そう言ってバーングは部屋を去る、そして帰って来たバーングの手には丁度良い長さの蝋燭と蝋燭立てが握られていた。
「さぁ行くぞ」
二人は火の光を頼りに階段を下るのだった。階段は暗い上に冷たい風が下から迫って来る、しかしそれでも二人は動じず先に進む
終わりの見えない下に続く階段だったが五分程で一番下まで着いた様だ。
しかし辺りは暗く何も見えない
「取り敢えず奥まで進んでみるぞ、足場には気を付けろよ、今までは俺が見て居たがこれからはお前もみろよ」
「五月蠅い、そんな事分かっている」
「嘘つけ! さっきの階段の時だってお前なんの警戒もしてなかっただろ! 馬鹿!」
「……本当に五月蠅い奴だ」
仕方なくジョンの言う通りに奥まで進んでみるバーングすると直ぐに何かが火の光に反射した。
「何だこりゃ?」
ジョン達の目の前には黒いベッドの様な物が有った。
「此処を誰かが寝室にしてたのか?」
バーングは屈みそのベッドをよく見る……すると驚く事が分かった。
「これは……黒鉄(こくてつ)だ」
「なんだ? 黒鉄ってのは」
「見ての通り黒い鉄だ。普通の鉄よりも魔法をよく通す」
確かによく見てみるとそれは硬そうであった。
「黒い鉄なのも魔法の伝導率も高い事が分かったが何故お前はそれに驚いているんだ?」
「私はこれを見た事が有るんだ……しかも此処では無い、別の場所でな」
「どういった目的で使われるんだ?」
「クローンの作成だ……クローンを作る時に使われるんだ……これは」
「三賢者のどうたらとか言う奴か?」
「そうだ……ナサルやローラもこの上で誕生した」
バーングは驚きのあまりか顔に大量の汗を掻いていた。
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