99 / 120
第八章 国家エスカルド
ルートF
しおりを挟む
二つ目の演目は調教師があらゆる動物を操り、大きな玉の上に乗せてバランスをとらせたり、火の輪を潜らせたりする
そしてその調教師の名はニカエル・シフォン、レイ達が攫うつもりで居る人物
彼女の髪の色は白色で瞳の色も白色だ。
彼女は全てを終えると笑顔で観客に一礼をして裏方へと消えていった。
そして3つ目の演目では団長のクァイケットとそのお供が現れマジックや曲芸を行う
そのマジックや曲芸を見て観客は喜びクァイケットとそのお供に拍手を送る、それがサーカスの楽しみ方なのだろうがジョンには関係なくどんなマジックをした? 曲芸をした? と聞かれても何も答えられないだろう
ジョンは上の空だ。
「次のマジックなのですがこれはお客様にお手伝い頂きたいのですがご協力してくれる方は挙手して貰っても宜しいでしょうか?」
その言葉を聞いてその場に居た恥ずかしがり屋の子供以外はほとんど手を挙げ、大人の中にも手を挙げている者も居る
勿論マリアは手を挙げており、セルフィは挙げていない
「おぉーこんなに手を挙げて貰えるとは嬉しいです。しかし今回は一人だけに手伝って貰いたいので恐縮ですが選ばせて貰います」
クァイケットは外の時とは違いステージの中では非常に大人しく言葉使いも丁寧
とても死体を抱いて寝れる女性だとは思えない
クァイケットはわざとらしく人を吟味しているフリをする
「ん~それではその一番後ろに居る黒い服を着たお兄さんに手伝って貰いましょう!」
一番後ろだとクァイケットが言って指差したので観客が一同にそこを向く
そこには黒い服を着てボケーとしている男が立っていた。
「俺?」
自分の事を指差す黒服、頷くクァイケット
「おい! 冗談だろ!? 俺は手を挙げてなんか居なかったぞ!!」
その通り、この男が出たがるわけがない
「いえ! 私は分かっています! 貴方が本当は手を挙げたいのだけれど挙げれないその気持が! さぁ! 気恥ずかしさなど捨てて思いっきり楽しみましょう!」
「ふざけんな! 俺は絶対に出ないからな!」
「そ、そんな……では、仕方がありません……出て頂けないのなら……今日の公演は中止せざるをえないですね、だって楽しんで頂けていない様なので」
「はぁ? 何を言って――」
ジョンが言葉を言い掛けた時、観客達が
「えぇー!?」
という悲鳴を上げる
「冗談じゃないよ!! この日をどれだけ楽しみにして来たと思っているんだ!! ほら君! ワガママを言っていないで早く行きなさい!」
「え?」
「そうよそうよ!」
「酷いや! お兄ちゃん!」
「妾の出番を横取りしておいてそれは無いぞ!!」
詰め寄る観客
「ま、待てよ」
(クソッ! あいつ、最初からこれが狙いだったのか!)
「ずっと楽しみにしてたのに……」
泣き出す子供も出てきた
「わ、分かった。分かったから泣くなよ……」
(泣きたいのはこっちだっての……)
そんなジョンを傍らで見て笑いを必死に堪えるレイ
(ケケケッいい気味だぜ)
マリアは呆れてモノも言えない様な顔をしている、セルフィは心配そうにしている
「では黒服のお客様の気持ちも決まったようなので早速こちらへ!」
「……」
仕方がなくジョンは緩やかな階段を降りてステージに向かう
「やってくれたなクァイケット」
「? 何のことでしょうか? ”お客様?”」
クァイケットはジョンの手を引いてステージの中央まで誘導する
「さぁ! 今日協力してくれるお客様に皆さん盛大な拍手を!」
拍手はまばら
「おやおや、ジョン君はお客様に嫌われた様だね、ふふ」
小声でジョンにそう伝えるクァイケット
「お客様、これを持って貰っても宜しいでしょうか?」
リンゴをジョンに差し出す。それを受け取るジョン
「では次に”お客様”この中から一枚カードを選んで下さい」
そう言ってクァイケットはカードの束をジョンに差し出す。ジョンはその中から一枚カードを取る
「そのカードを私に見せないように自分で見た後お客様達にお見せ下さい」
そう言ってクァイケットは目を瞑り手で目を覆う
ジョンは引いたカードを見る
そこにはカードいっぱいに”ジョン”と書かれていた。顔を顰めるジョン
次に周りの観客にも見えるようにカードを掲げグルリと回る
「済みましたか?」
「あぁ」
「そうですか、それでは」
と言ってクァイケットはジョンの持っていたカードを自分に見えない様に取りボワッと燃やす。
それを見て拍手が起こる
「これからが本番であります」
そう言ってクァイケットはジョンが持っているリンゴに向かってナイフを投げた。一瞬ギョッとするジョンだったがリンゴに直撃コースだったので避けずに待つ
ナイフはリンゴに当たりリンゴは真っ二つに割れる
そしてその切断面には裏面のカードが張り付いていた。リンゴの果汁でカードはペタリとくっついており剥がすのに少し苦労する
果汁でベタベタのカードの表を見ると
ジョンとカードいっぱいに書かれていた。
「さぁ、それを観客の皆様に見せて下さい」
ジョンが不満顔でそのカードを掲げる
そして湧き上がる拍手喝采
そしてその調教師の名はニカエル・シフォン、レイ達が攫うつもりで居る人物
彼女の髪の色は白色で瞳の色も白色だ。
彼女は全てを終えると笑顔で観客に一礼をして裏方へと消えていった。
そして3つ目の演目では団長のクァイケットとそのお供が現れマジックや曲芸を行う
そのマジックや曲芸を見て観客は喜びクァイケットとそのお供に拍手を送る、それがサーカスの楽しみ方なのだろうがジョンには関係なくどんなマジックをした? 曲芸をした? と聞かれても何も答えられないだろう
ジョンは上の空だ。
「次のマジックなのですがこれはお客様にお手伝い頂きたいのですがご協力してくれる方は挙手して貰っても宜しいでしょうか?」
その言葉を聞いてその場に居た恥ずかしがり屋の子供以外はほとんど手を挙げ、大人の中にも手を挙げている者も居る
勿論マリアは手を挙げており、セルフィは挙げていない
「おぉーこんなに手を挙げて貰えるとは嬉しいです。しかし今回は一人だけに手伝って貰いたいので恐縮ですが選ばせて貰います」
クァイケットは外の時とは違いステージの中では非常に大人しく言葉使いも丁寧
とても死体を抱いて寝れる女性だとは思えない
クァイケットはわざとらしく人を吟味しているフリをする
「ん~それではその一番後ろに居る黒い服を着たお兄さんに手伝って貰いましょう!」
一番後ろだとクァイケットが言って指差したので観客が一同にそこを向く
そこには黒い服を着てボケーとしている男が立っていた。
「俺?」
自分の事を指差す黒服、頷くクァイケット
「おい! 冗談だろ!? 俺は手を挙げてなんか居なかったぞ!!」
その通り、この男が出たがるわけがない
「いえ! 私は分かっています! 貴方が本当は手を挙げたいのだけれど挙げれないその気持が! さぁ! 気恥ずかしさなど捨てて思いっきり楽しみましょう!」
「ふざけんな! 俺は絶対に出ないからな!」
「そ、そんな……では、仕方がありません……出て頂けないのなら……今日の公演は中止せざるをえないですね、だって楽しんで頂けていない様なので」
「はぁ? 何を言って――」
ジョンが言葉を言い掛けた時、観客達が
「えぇー!?」
という悲鳴を上げる
「冗談じゃないよ!! この日をどれだけ楽しみにして来たと思っているんだ!! ほら君! ワガママを言っていないで早く行きなさい!」
「え?」
「そうよそうよ!」
「酷いや! お兄ちゃん!」
「妾の出番を横取りしておいてそれは無いぞ!!」
詰め寄る観客
「ま、待てよ」
(クソッ! あいつ、最初からこれが狙いだったのか!)
「ずっと楽しみにしてたのに……」
泣き出す子供も出てきた
「わ、分かった。分かったから泣くなよ……」
(泣きたいのはこっちだっての……)
そんなジョンを傍らで見て笑いを必死に堪えるレイ
(ケケケッいい気味だぜ)
マリアは呆れてモノも言えない様な顔をしている、セルフィは心配そうにしている
「では黒服のお客様の気持ちも決まったようなので早速こちらへ!」
「……」
仕方がなくジョンは緩やかな階段を降りてステージに向かう
「やってくれたなクァイケット」
「? 何のことでしょうか? ”お客様?”」
クァイケットはジョンの手を引いてステージの中央まで誘導する
「さぁ! 今日協力してくれるお客様に皆さん盛大な拍手を!」
拍手はまばら
「おやおや、ジョン君はお客様に嫌われた様だね、ふふ」
小声でジョンにそう伝えるクァイケット
「お客様、これを持って貰っても宜しいでしょうか?」
リンゴをジョンに差し出す。それを受け取るジョン
「では次に”お客様”この中から一枚カードを選んで下さい」
そう言ってクァイケットはカードの束をジョンに差し出す。ジョンはその中から一枚カードを取る
「そのカードを私に見せないように自分で見た後お客様達にお見せ下さい」
そう言ってクァイケットは目を瞑り手で目を覆う
ジョンは引いたカードを見る
そこにはカードいっぱいに”ジョン”と書かれていた。顔を顰めるジョン
次に周りの観客にも見えるようにカードを掲げグルリと回る
「済みましたか?」
「あぁ」
「そうですか、それでは」
と言ってクァイケットはジョンの持っていたカードを自分に見えない様に取りボワッと燃やす。
それを見て拍手が起こる
「これからが本番であります」
そう言ってクァイケットはジョンが持っているリンゴに向かってナイフを投げた。一瞬ギョッとするジョンだったがリンゴに直撃コースだったので避けずに待つ
ナイフはリンゴに当たりリンゴは真っ二つに割れる
そしてその切断面には裏面のカードが張り付いていた。リンゴの果汁でカードはペタリとくっついており剥がすのに少し苦労する
果汁でベタベタのカードの表を見ると
ジョンとカードいっぱいに書かれていた。
「さぁ、それを観客の皆様に見せて下さい」
ジョンが不満顔でそのカードを掲げる
そして湧き上がる拍手喝采
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる