36 / 352
第1章 異世界暮らし 山の家
第34話 職人ギルド1
しおりを挟む
町から帰ったその日の夕食後、アイシャに相談してみる。
「アイシャ、そろそろ俺のお金も無くなってきている。町で稼げるなら働いてみようかと思っているんだが」
「別にユヅキさんが、生活費を払う必要はないわよ」
確かにそういう約束だったが、この家に居候している身としては何か役立つことをしたい。
「でもな、少しは余裕があった方がいいと思うんだがな」
「今はユヅキさんと一緒に狩りができて、獲物も沢山取れているからこのままでも生活はできると思うわ」
「ずっと町にいる訳じゃなくて、狩りが休みの日に町で短期的に働こうかと思っているんだ」
アルバイト程度で、金を稼ぐために町に出るだけだ。アイシャと狩りをしていく事に変わりはない。
「そうね、それなら冒険者ギルドでなにか仕事を回してもらう感じになるのかな。でも私も詳しくは知らないの。今度町に降りた時に、カリンに相談してみましょうか」
確かに街中での生活となると、カリンの方が詳しいかもしれんな。あいつに頼るのはしゃくにさわるが、そんなこと言ってられんしな。
「でも、本当に今までのように週に1頭鹿が狩れて、後はウサギなどが捕れたら生活はできるの。今のままでも私は充分だから、あまり無理はしないでね」
そうは言うが、少しはアイシャにも贅沢をさせてやりたい。
まだまだ若いんだ。街で友達と遊んだりもしたいだろうし、俺のために山でずっと狩りばかりさせるのは可哀想だ。
2週間後、アイシャと町に買出しに行くことになった。
無事山を降り街道まで出てきた。やはりクロスボウを持っていると気が楽だな、作っておいて良かった。
「こんにちは~。カリンはいる?」
「は~い。いらっしゃい、アイシャ」
店の奥からカウンターにカリンが出てきた。
「あ~、いたいた。あんた鍛冶屋のエギルさんに呼ばれているわよ。話があるんだって。また何かやったんじゃないでしょうね」
親方が? ついこの間会ったばかりだがな。
しかしカリンは俺がトラブルメーカーか何かだと思っているのか? 俺は何も悪いことはしてないぞ。
「アイシャ、すまんがここで取引しておいてくれるか。用事が終わったらここに戻るようにするよ」
「ええ、分かったわ」
「ユヅキ。ここじゃ椅子も無いし、待ち合わせするなら店の奥のテーブルがある所がいいわ。裏口入ってすぐだから。父さん達にも言っておくわ」
「そうだな、その方がいいな。じゃあ行ってくるよ」
俺は毛皮の入ったカバンを置いて鍛冶屋に向かった。何の話だろう、クロスボウをもっと見たいとかか?
「親方はいるか? 話があると聞いたんだが」
「おう、わざわざすまんな」
カウンター横のテーブルに案内されて、親方の話を聞く。
「実はよ、俺は職人ギルドの役員のような事をしていてな。前の集会の時に商業ギルドから相談があって、『外国の弓でクロスボウというものを探しているが知らないか』と言われた」
やはり、俺の持っているクロスボウに関する話のようだな。
「俺はあんたが作った弓の事を話すと、どうもそれの事らしい。で、商業ギルドの連中があんたに会いたいそうだ。今日は時間があるか?」
「俺は構わないが、いったいどういう話になっているんだ」
「詳しい話は俺達のギルドに行ってからの方がいいだろう」
どうも時間が掛かりそうだな。アイシャをカリンの店で待たせていると言うと、お弟子さんをカリンの店に行かせて、事情を話してくれるそうだ。
「それと前にもらったこの図面をマスター達に見せてもいいか?」
「ああ、それは構わんよ。部品を作ってもらうための図だ、大したことはない」
「それじゃ、すまんがちょっと付き合ってくれ」
鍛冶屋を後にして、まずは職人ギルドへ行くことになった。2階建ての石造りの建物で、前に見た冒険者ギルドよりずいぶんと小さい建物だった。
「ボアンはいるか? 前に言っていた人族を連れてきたぞ」
「ああ、すまんな。上の応接室へ通しておいてくれ」
しばらくして応接室に職人ギルドのマスターが入ってきた。
「今日はわざわざ来てもらってすまんな。私はここのギルドマスターのボルレアン・フォン・ドリンクスだ。みんなからはボアンと呼ばれているので、そう呼んでくれ」
ボアンと名乗った獣人は鹿の獣人で、頭に小さな角が生えていた。
エギルの親方と同じくらいに腕の筋肉がよく発達しているから、元職人……鍛冶屋か何かだったのだろう。だがフォン・ドリンクスと名乗っていたから貴族ゆかりの者のようだな。
「俺はユヅキだ」
名前だけを名乗った。
「ボアン。これがクロスボウの部品の図面だ。本人の承諾は得ているので見てくれ」
「ほほう、変わった図面だな。これが人族が描く図なのか」
その後、図面の説明を親方がしてくれる。
「すまんが俺はまだ仕事があるから、工房に戻らせてもらう。ボアン、後は頼めるか」
「分かった、後はこちらでする。ご苦労だったな」
エギルの親方が出て行った後、マスターのボアンとテーブルを挟み向かい合う。
「急なことですまないが、少し時間をもらうよ」
そう前置きしてボアンが話し出す。
「商業ギルドが、君の持っているクロスボウを売りに出したいと言ってきている。当初輸入するつもりだったそうだが、どこにも無くてこちらを頼ってきたという訳だ」
「なぜ商業ギルドが、俺のクロスボウの事を知っているんだ?」
「専門店街にある武器屋の店長がその弓を見て、興味を持ったと言っていたな」
別に秘密にしている訳じゃないから構わないのだが、あの年老いた猫族の店員が店長さんだったんだな。
「エギルに聞いたが、その武器は威力もあって使いやすく実用にも耐えられるそうじゃないか。すまないが、少し見せてくれないか?」
俺は背中に担いでいたクロスボウをテーブルの上に置いた。
「これは俺専用に作った物で、売りに出すといった代物ではないぞ」
「新しいものは我々職人にとって財産だからな。君にはそのクロスボウを登録してもらい、我々で製造していきたいと考えている」
ボアンは俺のクロスボウを手に取り、いろんな角度から見ながら話す。
なるほど、特許やら商品登録やらをして売りに出そうということのようだな。
「職人ギルドで登録すれば、他の者が勝手に作れないように保護もしている。当然君には販売の一部を報酬という形で渡すことになる」
権利自体を職人ギルドに売る事もできるそうだが、最初は報酬を受け取る形の方がいいと言っている。ライセンス契約を結ぼうという事のようだな。
ギルドと呼ばれる組織の長の言葉だ、信用はできるだろう。
「で、俺は何をしたらいいんだ」
「まずは職人ギルドに加入して、発案者であるという書類と商品の図面を作ってもらいたい。君は職人ではないのでギルドへの加入は名前だけでいい。形式的なもので年間の加入料などもいらない」
「なるほど悪い話ではないな」
このギルドは、職人の集まりでできた組合組織のようだな。俺は素人だが組合員として参加し働けば、報酬も支払うと言っている。
「実際に売るかどうかを判断するのは商業ギルドの連中だが、私が見る限り少し手を加えれば充分物になると思えるな」
「分かった、その方向で話を進めてくれ」
「では、職人ギルドへの加入手続きをしてくれ。今後この話がダメになっても君には不利益にならないようにする。エギルの紹介でもあるし、こちらも優秀な人材として確保しておきたいからね」
俺は承諾して書類にサインすることにした。
「アイシャ、そろそろ俺のお金も無くなってきている。町で稼げるなら働いてみようかと思っているんだが」
「別にユヅキさんが、生活費を払う必要はないわよ」
確かにそういう約束だったが、この家に居候している身としては何か役立つことをしたい。
「でもな、少しは余裕があった方がいいと思うんだがな」
「今はユヅキさんと一緒に狩りができて、獲物も沢山取れているからこのままでも生活はできると思うわ」
「ずっと町にいる訳じゃなくて、狩りが休みの日に町で短期的に働こうかと思っているんだ」
アルバイト程度で、金を稼ぐために町に出るだけだ。アイシャと狩りをしていく事に変わりはない。
「そうね、それなら冒険者ギルドでなにか仕事を回してもらう感じになるのかな。でも私も詳しくは知らないの。今度町に降りた時に、カリンに相談してみましょうか」
確かに街中での生活となると、カリンの方が詳しいかもしれんな。あいつに頼るのはしゃくにさわるが、そんなこと言ってられんしな。
「でも、本当に今までのように週に1頭鹿が狩れて、後はウサギなどが捕れたら生活はできるの。今のままでも私は充分だから、あまり無理はしないでね」
そうは言うが、少しはアイシャにも贅沢をさせてやりたい。
まだまだ若いんだ。街で友達と遊んだりもしたいだろうし、俺のために山でずっと狩りばかりさせるのは可哀想だ。
2週間後、アイシャと町に買出しに行くことになった。
無事山を降り街道まで出てきた。やはりクロスボウを持っていると気が楽だな、作っておいて良かった。
「こんにちは~。カリンはいる?」
「は~い。いらっしゃい、アイシャ」
店の奥からカウンターにカリンが出てきた。
「あ~、いたいた。あんた鍛冶屋のエギルさんに呼ばれているわよ。話があるんだって。また何かやったんじゃないでしょうね」
親方が? ついこの間会ったばかりだがな。
しかしカリンは俺がトラブルメーカーか何かだと思っているのか? 俺は何も悪いことはしてないぞ。
「アイシャ、すまんがここで取引しておいてくれるか。用事が終わったらここに戻るようにするよ」
「ええ、分かったわ」
「ユヅキ。ここじゃ椅子も無いし、待ち合わせするなら店の奥のテーブルがある所がいいわ。裏口入ってすぐだから。父さん達にも言っておくわ」
「そうだな、その方がいいな。じゃあ行ってくるよ」
俺は毛皮の入ったカバンを置いて鍛冶屋に向かった。何の話だろう、クロスボウをもっと見たいとかか?
「親方はいるか? 話があると聞いたんだが」
「おう、わざわざすまんな」
カウンター横のテーブルに案内されて、親方の話を聞く。
「実はよ、俺は職人ギルドの役員のような事をしていてな。前の集会の時に商業ギルドから相談があって、『外国の弓でクロスボウというものを探しているが知らないか』と言われた」
やはり、俺の持っているクロスボウに関する話のようだな。
「俺はあんたが作った弓の事を話すと、どうもそれの事らしい。で、商業ギルドの連中があんたに会いたいそうだ。今日は時間があるか?」
「俺は構わないが、いったいどういう話になっているんだ」
「詳しい話は俺達のギルドに行ってからの方がいいだろう」
どうも時間が掛かりそうだな。アイシャをカリンの店で待たせていると言うと、お弟子さんをカリンの店に行かせて、事情を話してくれるそうだ。
「それと前にもらったこの図面をマスター達に見せてもいいか?」
「ああ、それは構わんよ。部品を作ってもらうための図だ、大したことはない」
「それじゃ、すまんがちょっと付き合ってくれ」
鍛冶屋を後にして、まずは職人ギルドへ行くことになった。2階建ての石造りの建物で、前に見た冒険者ギルドよりずいぶんと小さい建物だった。
「ボアンはいるか? 前に言っていた人族を連れてきたぞ」
「ああ、すまんな。上の応接室へ通しておいてくれ」
しばらくして応接室に職人ギルドのマスターが入ってきた。
「今日はわざわざ来てもらってすまんな。私はここのギルドマスターのボルレアン・フォン・ドリンクスだ。みんなからはボアンと呼ばれているので、そう呼んでくれ」
ボアンと名乗った獣人は鹿の獣人で、頭に小さな角が生えていた。
エギルの親方と同じくらいに腕の筋肉がよく発達しているから、元職人……鍛冶屋か何かだったのだろう。だがフォン・ドリンクスと名乗っていたから貴族ゆかりの者のようだな。
「俺はユヅキだ」
名前だけを名乗った。
「ボアン。これがクロスボウの部品の図面だ。本人の承諾は得ているので見てくれ」
「ほほう、変わった図面だな。これが人族が描く図なのか」
その後、図面の説明を親方がしてくれる。
「すまんが俺はまだ仕事があるから、工房に戻らせてもらう。ボアン、後は頼めるか」
「分かった、後はこちらでする。ご苦労だったな」
エギルの親方が出て行った後、マスターのボアンとテーブルを挟み向かい合う。
「急なことですまないが、少し時間をもらうよ」
そう前置きしてボアンが話し出す。
「商業ギルドが、君の持っているクロスボウを売りに出したいと言ってきている。当初輸入するつもりだったそうだが、どこにも無くてこちらを頼ってきたという訳だ」
「なぜ商業ギルドが、俺のクロスボウの事を知っているんだ?」
「専門店街にある武器屋の店長がその弓を見て、興味を持ったと言っていたな」
別に秘密にしている訳じゃないから構わないのだが、あの年老いた猫族の店員が店長さんだったんだな。
「エギルに聞いたが、その武器は威力もあって使いやすく実用にも耐えられるそうじゃないか。すまないが、少し見せてくれないか?」
俺は背中に担いでいたクロスボウをテーブルの上に置いた。
「これは俺専用に作った物で、売りに出すといった代物ではないぞ」
「新しいものは我々職人にとって財産だからな。君にはそのクロスボウを登録してもらい、我々で製造していきたいと考えている」
ボアンは俺のクロスボウを手に取り、いろんな角度から見ながら話す。
なるほど、特許やら商品登録やらをして売りに出そうということのようだな。
「職人ギルドで登録すれば、他の者が勝手に作れないように保護もしている。当然君には販売の一部を報酬という形で渡すことになる」
権利自体を職人ギルドに売る事もできるそうだが、最初は報酬を受け取る形の方がいいと言っている。ライセンス契約を結ぼうという事のようだな。
ギルドと呼ばれる組織の長の言葉だ、信用はできるだろう。
「で、俺は何をしたらいいんだ」
「まずは職人ギルドに加入して、発案者であるという書類と商品の図面を作ってもらいたい。君は職人ではないのでギルドへの加入は名前だけでいい。形式的なもので年間の加入料などもいらない」
「なるほど悪い話ではないな」
このギルドは、職人の集まりでできた組合組織のようだな。俺は素人だが組合員として参加し働けば、報酬も支払うと言っている。
「実際に売るかどうかを判断するのは商業ギルドの連中だが、私が見る限り少し手を加えれば充分物になると思えるな」
「分かった、その方向で話を進めてくれ」
「では、職人ギルドへの加入手続きをしてくれ。今後この話がダメになっても君には不利益にならないようにする。エギルの紹介でもあるし、こちらも優秀な人材として確保しておきたいからね」
俺は承諾して書類にサインすることにした。
59
あなたにおすすめの小説
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。
夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる