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第4章 とある世界編
第113話 砂漠地帯1
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俺達が居たエルフの里は、帝国北端から半分程南に来た西の端にある。緯度的には帝都のある場所と同じぐらいの位置で、帝国南端までは国の半分程進まないといけない。
南……前の地球で言えば北なのだが、赤道に向かって進んでいるのでどんどん暑くなってくる。途中には砂漠地帯もあるという。
「ここらの土地は暖かいのね。冬だっていうのにコートも要らないなんて」
馬をゆっくり走らせながら、カリンが話し掛けてきた。
「そりゃそうよ、南に向かっているんですもの」
「なんで南に向かうと暖かいのよ。たまたま帝国のここが暖かいってだけでしょう」
「だいたい南に進むと暖かくなるのよ。わたし、そう聞いたもの」
俺の前に座らせているハルミナも、大地が丸い事を理解できている訳ではないようだな。エルフの里で得た知識を口にしているだけみたいだ。
「東や西に行ったって、暖かかったり寒かったりするわよ。その土地の気候でしょう。ねぇナミディア、海はどうなの?」
タティナの馬の後ろに乗っているナミディアさんに尋ねると、少し思案顔で答えてくれる。
「そうですね。南は暖かいところが多いですが、急に海の水が冷たくなる所もありますね。深く潜ると冷たいですし」
「ほらね、場所によるのよ」
「だがこれから先、暑くなるのは確かだ。砂漠もあるしな。だからハルミナの言っていることも当たっているさ」
ハルミナの味方もしてやらんと拗ねてしまうだろう。俺はハルミナの頭を優しく撫でながら話す。
「ユヅキ。砂漠って何?」
「木や草が生えてなくて、砂や石ばかりが続く大地だ。タティナはそこを旅したことがあるらしい」
「砂漠は水が無い土地だ。獣などもほとんどいない。だから手前の町で水などの物資を補給してから渡らないと死んでしまう」
「へぇ~、そんな場所もあるんだ。ユヅキは旅したことないの?」
「俺は船で移動したから、この近くは知らないんだ」
まあ、カリン達にはそう言っておこう。
1週間程旅をして、砂漠手前の町に着いた。ここから先2日間砂漠を渡らないといけない。準備をしっかりしておかないとな。
今は冬だし気候としてはいい。むしろ夜の冷え込みに注意しないといけないな。
「へぇ~、ここか砂漠か。確かに草や木がほとんどないわね」
「地上ってすごいですね。こんな水もないところがずっと続いているなんて、なんだか怖いです」
海の中で暮らしているナミディアさんにすれば、砂漠は驚異以外の何ものでもないだろう。
今日はカリンの馬の後ろにナミディアさん、俺の前にはハルミナがいて、ハルミナには時々馬の手綱を持たせて練習させている。
「でも、所々に背の低い草がありますね。ユヅキさん、少し近づいてもいいかしら」
馬をゆっくり歩かせて草のある所まで行く。
「乾燥した草みたいなのに、ちゃんと生きてるのね。不思議な草ね」
「そろそろ、出発するぞ。遠くに見えるあの山の谷の部分を目指す」
この砂漠を旅したことのあるタティナが先頭で馬を進めていく。
砂漠と言うと、砂丘のように砂しかない場所を想像するが、砂だけの砂漠というのは少ない。この土地のように、大小の石と砂が混じった固い土の砂漠が大半だ。
だから人の通った場所は石が弾かれて、自然と一本道になって続いている。
「昔、海外旅行したくて色々調べたが、結局行けなかったんだよな~」
「海外? 海の外の旅行? ああ、人族の国は海の向こうにありますからね。ユヅキさんはそこから来たんですよね」
「あ、ああ、そうだぞ。ハルミナは船に乗った事ないだろう。船の旅もいいもんだぞ」
俺の行きたかったのは、ヨーロッパやエジプトのピラミッドなんだがな。こちらに来ていろんな所を旅することになってしまった。
「タティナ。この砂漠に魔物はいるの?」
「ああ、いるぞ。昼間は岩陰か巣に隠れているが夜になると出てくる」
「そーなんだ。でもこれだけ見通しいいと見つけるのは簡単ね。魔法一発で仕留められるわ」
警戒をしながら進まないといけないが、これだけ見晴らしがいいとカリンの言うように森とは違って楽ではあるな。
無事1日目の野営地点まで到着した。野営地点と言っても川もない砂漠なのでどこでも一緒なのだが、大きな岩の近くで火を熾して食事の準備をする。
「ナミディアさん、体の方は大丈夫でしたか」
食事と水を手渡し聞いてみる。
「ユヅキ殿、ありがとうございます。体は大丈夫ですが、この水がない大地の真ん中にいると思うだけで恐いです」
まあ、海洋族なら仕方ないよな。俺達地上の者が太平洋のど真ん中に、小さな小舟で進んでいくようなものだからな。
「水は馬の分も含め、倍の4日分を用意している。明日の夕方前には町に着ける。心配するな」
タティナの言うには、この西海岸側は砂漠の端の方でそれほど広くないらしい。大陸の東西に渡る砂漠地帯。その中央部はもっと広く、道も無く行き来する者はいないと言う。
帝都から南部地方へ行く場合は、東海岸沿いにある砂漠のない細い緑地帯を進むそうだ。こちらの西側なら帝国の兵士とぶつかる事はないだろう。
「ハルミナ。今日からあんたもひとりで夜警をするのよ、ちゃんと見張りをしなさいよ」
今まで夜間は、4人で交代しながら見張りをしていた。昼間は馬に乗っての移動だから、少し睡眠時間を削っての旅となる。今日からはハルミナも加わって、1人は完全に寝ることができるローテーションとなる。
「分かっているわよ。夜は魔物が出るんでしょう、しっかり見張るわ」
「ハルミナ、こんな土地でも夜は冷える。ちゃんと毛布を被っておくんだぞ」
「はい。最初はわたしが監視をするから、ユヅキさん達はゆっくり休んでくださいね」
初めての夜警で張り切っているようだな。交代で夜警をし朝番の俺が朝食を作りみんなを起こす。
「ハルミナ。昨日はしっかり夜警できたか」
「はい、もうばっちりですよ。でもなんだか眠くって」
張り切りすぎて、夜眠れなかったようだな。眠れるときにスッと寝て、何かあればパッと起きる。冒険者の心得だが、こればかりは慣れないとダメだろうな。
みんなで朝食を摂り、出発準備をする。今日1日頑張れば、砂漠を越え帝国の南部地方に入ることができるぞ。
南……前の地球で言えば北なのだが、赤道に向かって進んでいるのでどんどん暑くなってくる。途中には砂漠地帯もあるという。
「ここらの土地は暖かいのね。冬だっていうのにコートも要らないなんて」
馬をゆっくり走らせながら、カリンが話し掛けてきた。
「そりゃそうよ、南に向かっているんですもの」
「なんで南に向かうと暖かいのよ。たまたま帝国のここが暖かいってだけでしょう」
「だいたい南に進むと暖かくなるのよ。わたし、そう聞いたもの」
俺の前に座らせているハルミナも、大地が丸い事を理解できている訳ではないようだな。エルフの里で得た知識を口にしているだけみたいだ。
「東や西に行ったって、暖かかったり寒かったりするわよ。その土地の気候でしょう。ねぇナミディア、海はどうなの?」
タティナの馬の後ろに乗っているナミディアさんに尋ねると、少し思案顔で答えてくれる。
「そうですね。南は暖かいところが多いですが、急に海の水が冷たくなる所もありますね。深く潜ると冷たいですし」
「ほらね、場所によるのよ」
「だがこれから先、暑くなるのは確かだ。砂漠もあるしな。だからハルミナの言っていることも当たっているさ」
ハルミナの味方もしてやらんと拗ねてしまうだろう。俺はハルミナの頭を優しく撫でながら話す。
「ユヅキ。砂漠って何?」
「木や草が生えてなくて、砂や石ばかりが続く大地だ。タティナはそこを旅したことがあるらしい」
「砂漠は水が無い土地だ。獣などもほとんどいない。だから手前の町で水などの物資を補給してから渡らないと死んでしまう」
「へぇ~、そんな場所もあるんだ。ユヅキは旅したことないの?」
「俺は船で移動したから、この近くは知らないんだ」
まあ、カリン達にはそう言っておこう。
1週間程旅をして、砂漠手前の町に着いた。ここから先2日間砂漠を渡らないといけない。準備をしっかりしておかないとな。
今は冬だし気候としてはいい。むしろ夜の冷え込みに注意しないといけないな。
「へぇ~、ここか砂漠か。確かに草や木がほとんどないわね」
「地上ってすごいですね。こんな水もないところがずっと続いているなんて、なんだか怖いです」
海の中で暮らしているナミディアさんにすれば、砂漠は驚異以外の何ものでもないだろう。
今日はカリンの馬の後ろにナミディアさん、俺の前にはハルミナがいて、ハルミナには時々馬の手綱を持たせて練習させている。
「でも、所々に背の低い草がありますね。ユヅキさん、少し近づいてもいいかしら」
馬をゆっくり歩かせて草のある所まで行く。
「乾燥した草みたいなのに、ちゃんと生きてるのね。不思議な草ね」
「そろそろ、出発するぞ。遠くに見えるあの山の谷の部分を目指す」
この砂漠を旅したことのあるタティナが先頭で馬を進めていく。
砂漠と言うと、砂丘のように砂しかない場所を想像するが、砂だけの砂漠というのは少ない。この土地のように、大小の石と砂が混じった固い土の砂漠が大半だ。
だから人の通った場所は石が弾かれて、自然と一本道になって続いている。
「昔、海外旅行したくて色々調べたが、結局行けなかったんだよな~」
「海外? 海の外の旅行? ああ、人族の国は海の向こうにありますからね。ユヅキさんはそこから来たんですよね」
「あ、ああ、そうだぞ。ハルミナは船に乗った事ないだろう。船の旅もいいもんだぞ」
俺の行きたかったのは、ヨーロッパやエジプトのピラミッドなんだがな。こちらに来ていろんな所を旅することになってしまった。
「タティナ。この砂漠に魔物はいるの?」
「ああ、いるぞ。昼間は岩陰か巣に隠れているが夜になると出てくる」
「そーなんだ。でもこれだけ見通しいいと見つけるのは簡単ね。魔法一発で仕留められるわ」
警戒をしながら進まないといけないが、これだけ見晴らしがいいとカリンの言うように森とは違って楽ではあるな。
無事1日目の野営地点まで到着した。野営地点と言っても川もない砂漠なのでどこでも一緒なのだが、大きな岩の近くで火を熾して食事の準備をする。
「ナミディアさん、体の方は大丈夫でしたか」
食事と水を手渡し聞いてみる。
「ユヅキ殿、ありがとうございます。体は大丈夫ですが、この水がない大地の真ん中にいると思うだけで恐いです」
まあ、海洋族なら仕方ないよな。俺達地上の者が太平洋のど真ん中に、小さな小舟で進んでいくようなものだからな。
「水は馬の分も含め、倍の4日分を用意している。明日の夕方前には町に着ける。心配するな」
タティナの言うには、この西海岸側は砂漠の端の方でそれほど広くないらしい。大陸の東西に渡る砂漠地帯。その中央部はもっと広く、道も無く行き来する者はいないと言う。
帝都から南部地方へ行く場合は、東海岸沿いにある砂漠のない細い緑地帯を進むそうだ。こちらの西側なら帝国の兵士とぶつかる事はないだろう。
「ハルミナ。今日からあんたもひとりで夜警をするのよ、ちゃんと見張りをしなさいよ」
今まで夜間は、4人で交代しながら見張りをしていた。昼間は馬に乗っての移動だから、少し睡眠時間を削っての旅となる。今日からはハルミナも加わって、1人は完全に寝ることができるローテーションとなる。
「分かっているわよ。夜は魔物が出るんでしょう、しっかり見張るわ」
「ハルミナ、こんな土地でも夜は冷える。ちゃんと毛布を被っておくんだぞ」
「はい。最初はわたしが監視をするから、ユヅキさん達はゆっくり休んでくださいね」
初めての夜警で張り切っているようだな。交代で夜警をし朝番の俺が朝食を作りみんなを起こす。
「ハルミナ。昨日はしっかり夜警できたか」
「はい、もうばっちりですよ。でもなんだか眠くって」
張り切りすぎて、夜眠れなかったようだな。眠れるときにスッと寝て、何かあればパッと起きる。冒険者の心得だが、こればかりは慣れないとダメだろうな。
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