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第4章 とある世界編
第112話 プロローグ-0.2 ~とある時代~ モンスターの世界
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陽が昇り、辺りが明るくなった頃、俺と静香は白い家に戻るべく、森と道の境を木の陰に隠れて移動していく。道を歩いていたモンスターが1体、こちらに気づいて近寄って来た。
「こいつ1体なら倒せるぞ。静香はここから銃を撃ってくれ。俺はナイフで攻撃する」
「祐樹、大丈夫なの」
「奴は武器を持っていないようだ。ナイフの方が確実だ」
静香が銃を撃ち俺が前に出る。それを見たモンスターは怯えて逃げていくが、モンスターから炎の球が飛んできた。武器を隠し持っていたのか!
――ブゥ~ン
俺が超音波振動を起動させたナイフで斬りつけると、血を噴き出しモンスターはあっさりと倒れた。
だが道まで出てきてしまって、遠くにいたモンスター達が俺を見て騒いでいる。
「まずいな、あの連中がこちらに攻めてくると対処できないぞ」
道の先には5、6体のモンスターがいたが、逃げるように道の向こうへと走り去った。
「助かったな。静香、もう大丈夫だ」
「今のうちに、この道を進みましょう」
急ぎ道を進んでいくと、遠くに爆発音やモンスターの悲鳴が聞こえた。道の先では文也達15人程がモンスターと戦っている。
俺も参戦しようと駆け寄ったが、既にモンスターは倒れ決着がついていた。
「文也。お前達も外に出てきたのか」
「ああ、今日の議決で外に出ることが決まったんでな」
そうか、やっと決心してくれたんだな。
「ん、修二はどうした?」
「あいつは、昨夜森の獣に殺された。すまない」
「そうか、残念だが自ら決断した事だ。こちらも何人か怪我している。この時代の地球は俺達が思っている以上に過酷な世界のようだな」
外に出てきたのは俺達を含め25名。残りの半数は白い家に待機しているらしい。
「おい、この先に小さな川がある。そこで怪我人を休ませよう」
なかには耐熱スーツが焦げたり、顔を怪我して血を流している者もいる。
「文也。怪我人達は剣で切られたのか?」
「いや、目に見えない刃が飛んで来たようだ。岩も飛んで来たが、どんな武器なのか分からん」
スーツで覆われた手足は、幸い皮膚まで切られずに打ち身程度だそうだが、赤く腫れたり足を動かせない者もいる。
衝撃にも強いはずのスーツなのだが、大きな岩を当てられたようだな。俺はモンスターを甘く見ていたのかもしれない。
「今、祐樹に聞いた事も含め、メイの所に行って情報分析をしてもらっている」
「家に帰らせたのか。入り口が見つかる危険があるんじゃないのか」
「この道の両側を調査に行ったが、モンスターはいなかった。今なら大丈夫だ」
夕方、白い家に帰っていたふたりが戻ってきた。今夜は道のほとりで夜を明かす事になる。皆で食事を摂りながらふたりの報告を聞く。
「メイによると、モンスターの攻撃は小説やおとぎ話に出てくる『魔法』と言うものが一番近いそうだ」
「小説? おとぎ話? それはどういう物なんだ」
「メイが言うには、昔の人間が空想で作った物語だそうだ。その中に今日俺達が受けた攻撃と同じ物があったと言っている」
一体何の事を言っているんだ。小説やおとぎ話など今まで聞いた事もないぞ。
「文也は知っているのか?」
「メイの言っている物は知らんが、科学的根拠のない仮説のようなものかもしれんな」
「でも確かに武器を持たない者が、手から炎の球を飛ばしてきたわ」
「それが『魔法』と言うものなのだろう」
どういったものか不明だが、物知りなメイがその攻撃を魔法と呼んだということだな。俺達も武器を持たない遠隔攻撃を、魔法と呼ぶようにした。
「今回攻撃された炎や目に見えない刃以外、魔法にも何種類かあるようだ。今後も注意せんといかんな」
「森の奥にいた獣の事はどうだ」
「今の地球の生態系については分からないそうだ」
あの家から見渡せる程度の情報では、詳しいことは分からないか。メイもずっと目覚めていた訳ではないし、断片的な情報しかないからな。
その日の夜は、何人かを警戒に当たらせて、俺達は道の真ん中で固まって寝ることにした。
翌日からは俺達の家を中心に、左右の道を進んで周辺の調査をする。モンスターは人型だけでなく、獣型もいる。やはり魔法を使って攻撃してきた。
「何人殺られた」
「ふたり殺られた。あんな群れで来られたらどうしようもないぞ」
「よし、一旦白い家に戻って対策会議を開こう。全員撤収だ」
結局、家の外に出たのは3日間。だがそれで色々な事が判明した。
森には食料となる獣がいる。だが魔法を使って襲って来る獣もいる。どちらなのか俺達では判別がつかない。
「今回の調査で、人型モンスターの巣が発見された」
遠くへ調査に行った者の報告では、少し離れた場所に岩を積み上げた巣が、集落のように集まっていたそうだ。
俺達の白い家は土の中に隠れていて、外見は小山のように見える。入り口の扉も草木で偽装しているが、人型はある程度の知能がある。いずれ見つかる可能性もあるな。
群れでこちらに攻めて来られれば、ここも危なくなるぞ。
「いっそ森ごと焼き払えばいいんじゃないの」
「そうだな。ナパーム弾を使えば、安全に焼くことができると思うが」
「でも20個しかない貴重な武器なのよ。巣の規模だと2個は使用しないとダメだわ」
「武器使用も含め、どうするか採決しよう。手元のボタンを押してくれ」
結果、41対6でナパーム弾を使用して、辺り一帯を焼き払う事に決まった。
翌日。巣の近くまで行き、ナパーム弾をランチャーを使い遠方から発射する。この距離であれば反撃を受ける事も無いだろう。巣と周辺の森に着火したことを確認して撤収する。
白い家からでも、遠くの森が燃えているのが分かる。3日3晩燃え続けた後、現地に行ってみると、森は黒く焼け焦げ広大な平地になっていた。俺達に外部の拠点ができた。
「この拠点を中心に、更に一帯を調査していこう」
近くに魚の泳ぐ川があり、水も食料もある。ここにテントを設営して俺達が住める場所を確保する。
「こいつ1体なら倒せるぞ。静香はここから銃を撃ってくれ。俺はナイフで攻撃する」
「祐樹、大丈夫なの」
「奴は武器を持っていないようだ。ナイフの方が確実だ」
静香が銃を撃ち俺が前に出る。それを見たモンスターは怯えて逃げていくが、モンスターから炎の球が飛んできた。武器を隠し持っていたのか!
――ブゥ~ン
俺が超音波振動を起動させたナイフで斬りつけると、血を噴き出しモンスターはあっさりと倒れた。
だが道まで出てきてしまって、遠くにいたモンスター達が俺を見て騒いでいる。
「まずいな、あの連中がこちらに攻めてくると対処できないぞ」
道の先には5、6体のモンスターがいたが、逃げるように道の向こうへと走り去った。
「助かったな。静香、もう大丈夫だ」
「今のうちに、この道を進みましょう」
急ぎ道を進んでいくと、遠くに爆発音やモンスターの悲鳴が聞こえた。道の先では文也達15人程がモンスターと戦っている。
俺も参戦しようと駆け寄ったが、既にモンスターは倒れ決着がついていた。
「文也。お前達も外に出てきたのか」
「ああ、今日の議決で外に出ることが決まったんでな」
そうか、やっと決心してくれたんだな。
「ん、修二はどうした?」
「あいつは、昨夜森の獣に殺された。すまない」
「そうか、残念だが自ら決断した事だ。こちらも何人か怪我している。この時代の地球は俺達が思っている以上に過酷な世界のようだな」
外に出てきたのは俺達を含め25名。残りの半数は白い家に待機しているらしい。
「おい、この先に小さな川がある。そこで怪我人を休ませよう」
なかには耐熱スーツが焦げたり、顔を怪我して血を流している者もいる。
「文也。怪我人達は剣で切られたのか?」
「いや、目に見えない刃が飛んで来たようだ。岩も飛んで来たが、どんな武器なのか分からん」
スーツで覆われた手足は、幸い皮膚まで切られずに打ち身程度だそうだが、赤く腫れたり足を動かせない者もいる。
衝撃にも強いはずのスーツなのだが、大きな岩を当てられたようだな。俺はモンスターを甘く見ていたのかもしれない。
「今、祐樹に聞いた事も含め、メイの所に行って情報分析をしてもらっている」
「家に帰らせたのか。入り口が見つかる危険があるんじゃないのか」
「この道の両側を調査に行ったが、モンスターはいなかった。今なら大丈夫だ」
夕方、白い家に帰っていたふたりが戻ってきた。今夜は道のほとりで夜を明かす事になる。皆で食事を摂りながらふたりの報告を聞く。
「メイによると、モンスターの攻撃は小説やおとぎ話に出てくる『魔法』と言うものが一番近いそうだ」
「小説? おとぎ話? それはどういう物なんだ」
「メイが言うには、昔の人間が空想で作った物語だそうだ。その中に今日俺達が受けた攻撃と同じ物があったと言っている」
一体何の事を言っているんだ。小説やおとぎ話など今まで聞いた事もないぞ。
「文也は知っているのか?」
「メイの言っている物は知らんが、科学的根拠のない仮説のようなものかもしれんな」
「でも確かに武器を持たない者が、手から炎の球を飛ばしてきたわ」
「それが『魔法』と言うものなのだろう」
どういったものか不明だが、物知りなメイがその攻撃を魔法と呼んだということだな。俺達も武器を持たない遠隔攻撃を、魔法と呼ぶようにした。
「今回攻撃された炎や目に見えない刃以外、魔法にも何種類かあるようだ。今後も注意せんといかんな」
「森の奥にいた獣の事はどうだ」
「今の地球の生態系については分からないそうだ」
あの家から見渡せる程度の情報では、詳しいことは分からないか。メイもずっと目覚めていた訳ではないし、断片的な情報しかないからな。
その日の夜は、何人かを警戒に当たらせて、俺達は道の真ん中で固まって寝ることにした。
翌日からは俺達の家を中心に、左右の道を進んで周辺の調査をする。モンスターは人型だけでなく、獣型もいる。やはり魔法を使って攻撃してきた。
「何人殺られた」
「ふたり殺られた。あんな群れで来られたらどうしようもないぞ」
「よし、一旦白い家に戻って対策会議を開こう。全員撤収だ」
結局、家の外に出たのは3日間。だがそれで色々な事が判明した。
森には食料となる獣がいる。だが魔法を使って襲って来る獣もいる。どちらなのか俺達では判別がつかない。
「今回の調査で、人型モンスターの巣が発見された」
遠くへ調査に行った者の報告では、少し離れた場所に岩を積み上げた巣が、集落のように集まっていたそうだ。
俺達の白い家は土の中に隠れていて、外見は小山のように見える。入り口の扉も草木で偽装しているが、人型はある程度の知能がある。いずれ見つかる可能性もあるな。
群れでこちらに攻めて来られれば、ここも危なくなるぞ。
「いっそ森ごと焼き払えばいいんじゃないの」
「そうだな。ナパーム弾を使えば、安全に焼くことができると思うが」
「でも20個しかない貴重な武器なのよ。巣の規模だと2個は使用しないとダメだわ」
「武器使用も含め、どうするか採決しよう。手元のボタンを押してくれ」
結果、41対6でナパーム弾を使用して、辺り一帯を焼き払う事に決まった。
翌日。巣の近くまで行き、ナパーム弾をランチャーを使い遠方から発射する。この距離であれば反撃を受ける事も無いだろう。巣と周辺の森に着火したことを確認して撤収する。
白い家からでも、遠くの森が燃えているのが分かる。3日3晩燃え続けた後、現地に行ってみると、森は黒く焼け焦げ広大な平地になっていた。俺達に外部の拠点ができた。
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