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エピローグ
1.再び真っ白な世界で
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気がつくと、そこは混じりっけのない真っ白な世界だった。
――あー、そうか。僕、また死んじゃったんだ。
そう理解し、周囲を見回す。
すると、僕の後ろに見知らぬ少年がいた。
「よ、パドくん。それとも勇太くんと呼ぼうか?」
誰だ?
「あー、そっか、この姿は初めてだっけ? ルシフだよ。もしくはキダンかな。ボクの本当の少年時代の姿だ」
げ、なんで?
僕、コイツを倒すために自爆したはずなのに。
「おう、一緒に死んで、一緒にこの世界に送られただけ」
――あ、なるほど。
確かにここはあの世だからね。
死んだキダンがいてもおかしくはないか。
それにしても、お前ずいぶん明るいな。
負けたくせに。
「いやー、別に負けてないし」
最後まで負け惜しみかよ!?
「だって、ボクの願いは叶ったからね」
世界を滅ぼせなかったのに?
「もちろんだとも。それじゃあ、今こそ明かそう、ボクの本当の願いを」
本当の願いね……
まあ、なんとなくわかるけど。
つまり、死にたかったってことだろ?
「ちっ、こっちがかっこ良く勝ち逃げ的に宣言しようと思っていたのに」
いや、だってあまりにも意外性がなさすぎる答えだし。
そもそも思い返せば、キダン=ルシフの行動は支離滅裂だったのだ。
世界に混乱をもたらそうとしているかと思えば、やたら子どもっぽくいじけてみたり。
世界を滅ぼそうとしているかと思えば、8年間も出てこなかったり。
要するに、お前は自分を殺してくれる存在を待ち続けていたんだろ?
「まー、そういうことだね。1000倍の力を持ったボクは、体も頑丈でね。自殺することすら困難だったんだよ。『闇』の一員となってからはなおさらね。
だって500年だよ。そんなに長いこと生きていたら死にたくもなるって」
そんなもんかね。
僕にはよく分からないけど。
「だからまあ、パドお兄ちゃんには感謝しているよ。ボクの願いを叶えてくれてありがとう」
そうかい。そりゃあどうも。
なんか、すげームカつくけど。
でも、ま、いいか。
「おやまあ、もっと色々と怒鳴られるかと思ったけど」
だって、どのみち、僕もお前ももうすぐ魂ごと消えちゃうわけだしね。
だったら、いまさら怒ってもねぇ。
実際、恨み言ならいくらでもあるけれど、一方で僕の心は澄んでいた。
なんつーか、やることはやったしね。
少なくとも11年病院のベッドで寝ているだけで死んだ前回とは違うかな。
「おやまあ、諦めが良いことで。リラお姉ちゃんやバラヌくんやお父さんお母さんのことはどうでもいいの? あ、向こうの世界にも弟とお母さんがいるんだっけ?」
いや、だってどうしょうもないし。
「じゃあ、パドお兄ちゃんへのせめてものお礼と謝意を込めて、1人紹介しよう。
でてこいよ、カルディ」
バラヌがそういうと、僕の目の前にふもふもモンスター――ではなく、ガングロギャル姿のカルディが現れた。
彼女は神様に戻れたのか?
「うーん、残念ながら違うんだよなぁ。ちょっと『闇』と差し違えちゃってね。私も死んじゃった。あははっ、まいったねぇ、こりゃあ」
そうなんだ。
「あ、でもでも、バラヌくんやジラくんやお父さんは無事護れたよ。えっへん」
そりゃあ、どうも。
「あー、ひどい、もうちょっとお礼とかないの? 私の命賭けたのよ」
いや、最後の「えっへん」がなかったら頭の一つくらい下げていたかもね。
「で、キダンだか、ルシフだかが私に何の用事なのよ?」
「うーん、簡単なことさ。パドお兄ちゃんをもう一度転生させてやってよ」
――は!?
――何を言うんだ、コイツは?
「いや、さすがにそれはさぁ、今回ばかりは神法の裏をつくのも無理だと思うんだよねぇ」
「どうせボクもお前も消えるんだからさ、法なんてどうでもいいじゃん。パドお兄ちゃんが苦労したのはボクとお前のせいだし、最後くらいさ」
「なんか、すごい丸投げされた気分。でも、まあ、確かにその通りかもね。どうする? ゆうたん、もう一回転生する?」
え、いや、いきなりで話についていけないんだけど。
でも、転生ってことは、どこに??
「うーん、今回は神様の法律とか無関係にやるから、どこにでも。
それこそ、日本にでもラクルス村にでも送れるわよ。
ついでに、赤ちゃんじゃなくて、望んだ年齢で」
そう言って、カルディはウィンクしてみせた。
本当に??
「ええ、もちろん」
じゃあ、だったら……
そして、僕は自分の望みを伝えたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(カルディとルシフの会話)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「やっぱり、パドお兄ちゃんはこの道を選んだね」
「うーん、稔くんかわいそ」
「ま、日本の法は戸籍とか面倒だしってことかな」
「いや、そういう問題じゃなくない? やっぱり、ゆうたんはリラちゃんLoveってことで」
「ま、なんでもいいけど。いずれにしても、これでボク達は完全に罪人だねぇ」
「そんなん、元からでしょ」
「ま、どのみち消滅するんだ、最後くらい他人に親切にしても良いだろうさ」
「ゆうたん――パドくんの人生に幸あれってね」
「だーね」
――あー、そうか。僕、また死んじゃったんだ。
そう理解し、周囲を見回す。
すると、僕の後ろに見知らぬ少年がいた。
「よ、パドくん。それとも勇太くんと呼ぼうか?」
誰だ?
「あー、そっか、この姿は初めてだっけ? ルシフだよ。もしくはキダンかな。ボクの本当の少年時代の姿だ」
げ、なんで?
僕、コイツを倒すために自爆したはずなのに。
「おう、一緒に死んで、一緒にこの世界に送られただけ」
――あ、なるほど。
確かにここはあの世だからね。
死んだキダンがいてもおかしくはないか。
それにしても、お前ずいぶん明るいな。
負けたくせに。
「いやー、別に負けてないし」
最後まで負け惜しみかよ!?
「だって、ボクの願いは叶ったからね」
世界を滅ぼせなかったのに?
「もちろんだとも。それじゃあ、今こそ明かそう、ボクの本当の願いを」
本当の願いね……
まあ、なんとなくわかるけど。
つまり、死にたかったってことだろ?
「ちっ、こっちがかっこ良く勝ち逃げ的に宣言しようと思っていたのに」
いや、だってあまりにも意外性がなさすぎる答えだし。
そもそも思い返せば、キダン=ルシフの行動は支離滅裂だったのだ。
世界に混乱をもたらそうとしているかと思えば、やたら子どもっぽくいじけてみたり。
世界を滅ぼそうとしているかと思えば、8年間も出てこなかったり。
要するに、お前は自分を殺してくれる存在を待ち続けていたんだろ?
「まー、そういうことだね。1000倍の力を持ったボクは、体も頑丈でね。自殺することすら困難だったんだよ。『闇』の一員となってからはなおさらね。
だって500年だよ。そんなに長いこと生きていたら死にたくもなるって」
そんなもんかね。
僕にはよく分からないけど。
「だからまあ、パドお兄ちゃんには感謝しているよ。ボクの願いを叶えてくれてありがとう」
そうかい。そりゃあどうも。
なんか、すげームカつくけど。
でも、ま、いいか。
「おやまあ、もっと色々と怒鳴られるかと思ったけど」
だって、どのみち、僕もお前ももうすぐ魂ごと消えちゃうわけだしね。
だったら、いまさら怒ってもねぇ。
実際、恨み言ならいくらでもあるけれど、一方で僕の心は澄んでいた。
なんつーか、やることはやったしね。
少なくとも11年病院のベッドで寝ているだけで死んだ前回とは違うかな。
「おやまあ、諦めが良いことで。リラお姉ちゃんやバラヌくんやお父さんお母さんのことはどうでもいいの? あ、向こうの世界にも弟とお母さんがいるんだっけ?」
いや、だってどうしょうもないし。
「じゃあ、パドお兄ちゃんへのせめてものお礼と謝意を込めて、1人紹介しよう。
でてこいよ、カルディ」
バラヌがそういうと、僕の目の前にふもふもモンスター――ではなく、ガングロギャル姿のカルディが現れた。
彼女は神様に戻れたのか?
「うーん、残念ながら違うんだよなぁ。ちょっと『闇』と差し違えちゃってね。私も死んじゃった。あははっ、まいったねぇ、こりゃあ」
そうなんだ。
「あ、でもでも、バラヌくんやジラくんやお父さんは無事護れたよ。えっへん」
そりゃあ、どうも。
「あー、ひどい、もうちょっとお礼とかないの? 私の命賭けたのよ」
いや、最後の「えっへん」がなかったら頭の一つくらい下げていたかもね。
「で、キダンだか、ルシフだかが私に何の用事なのよ?」
「うーん、簡単なことさ。パドお兄ちゃんをもう一度転生させてやってよ」
――は!?
――何を言うんだ、コイツは?
「いや、さすがにそれはさぁ、今回ばかりは神法の裏をつくのも無理だと思うんだよねぇ」
「どうせボクもお前も消えるんだからさ、法なんてどうでもいいじゃん。パドお兄ちゃんが苦労したのはボクとお前のせいだし、最後くらいさ」
「なんか、すごい丸投げされた気分。でも、まあ、確かにその通りかもね。どうする? ゆうたん、もう一回転生する?」
え、いや、いきなりで話についていけないんだけど。
でも、転生ってことは、どこに??
「うーん、今回は神様の法律とか無関係にやるから、どこにでも。
それこそ、日本にでもラクルス村にでも送れるわよ。
ついでに、赤ちゃんじゃなくて、望んだ年齢で」
そう言って、カルディはウィンクしてみせた。
本当に??
「ええ、もちろん」
じゃあ、だったら……
そして、僕は自分の望みを伝えたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(カルディとルシフの会話)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「やっぱり、パドお兄ちゃんはこの道を選んだね」
「うーん、稔くんかわいそ」
「ま、日本の法は戸籍とか面倒だしってことかな」
「いや、そういう問題じゃなくない? やっぱり、ゆうたんはリラちゃんLoveってことで」
「ま、なんでもいいけど。いずれにしても、これでボク達は完全に罪人だねぇ」
「そんなん、元からでしょ」
「ま、どのみち消滅するんだ、最後くらい他人に親切にしても良いだろうさ」
「ゆうたん――パドくんの人生に幸あれってね」
「だーね」
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