4 / 22
Ⅲ銀色の瞳
しおりを挟む
闇夜に浮かぶ月のような。
黒髪に銀のきれいな瞳。
そんな瞳と視線がぶつかったかと思った瞬間。
「王妃様もよくやるわよね」
人の気配がして私は木桶を井戸に投げ入れると一目散に駆け出した。
この後宮という場所では私を見かけると何をしても良いと思われている。
私を虐待するのはなにも王妃だけではない。
食事もろくに盛っていない侍女やまともな掃除すらしない下女。
騎士に至っては身の危険すらあった状態で、身の回りのことすら一人でおこなってきた。
立場としてはそこらにいる奴隷よりも酷い待遇だろう。
故に近くの茂みへと潜り込んで木の後ろへと隠れる。
「王女様もあれでよく生きてるわよね」
「今日もご飯なしにするんだっけ」
「まあ、あんなかびたパン持っていくの面倒だし助かるなあ」
ぺちゃくちゃと鳥のように姦しく喋る下女たちは井戸から水を汲んでいく。
近くに私がいるなんて思ってもみないだろう。
王妃様もよくやる、という言葉を聞くに先程行われたことも知っているのだろうから。
「赤い瞳をもっててもあれじゃあねぇ」
「王族として敬うのも無理っていうか」
見た目は綺麗でも、その中身は真っ黒。
この世界には私の味方はいなくて。
私は身を小さくしてひたすら彼女たちが立ち去るのを待った。
暫くして水を汲み終えたのか、また話しながら彼女たちは歩いていく。
それを息を殺して気配を消すことで悟られないようにした。
今日もご飯はなしと聞いて少しだけお腹を擦ったのはご愛嬌というもの。
(栄養失調の上、流石に魔法陣を使うにも早い年齢だからかな……疲れる)
はあ、と溜息をついて木の幹へもたれかかる。
手足の感覚は殆どない。
余力として回せる魔力も殆ど無く、しばらくは動けそうになかった。
「ねぇ」
上からとさっと軽い音をたてて小さな影が降りてくる。
先程も綺麗だとおもった思った銀の瞳が私を見下ろした。
「君が王女さま?」
背格好からして12歳あたりだろうか。
やや高めな声変わりのしていない音が純粋な疑問を投げかけてくる。
私はゆったりと彼を見上げて頷いた。
「ふぅん」
別に驚くでも人を呼ぶでもない私に興味を持ったようだ。
私が例え人を呼んだところで彼が身を隠す方が早いだろうし、人の気を引きたいと思われて暴力を振るわれる可能性もある。信用もされてない私では何をしても八つ当たりの対象でしかないのだ。
例え彼のような不審者を見つけてもやれることはない。
「君はさ、このままでいいの?」
彼は私に囁きかける。
「仕返ししたいと思わない? 今まで自分に遭わされたことを味合わせてやりたいとか思わない?」
悪戯を思いついた子供のように面白がるような瞳で彼はそう言った。
後宮という場所は男子禁制だ。
騎士ですら男性は決まった数しかおらず、厳しい規律の元で既婚者で身持ちの固い者しか選ばれない特殊な場所。
故に子供であったとしても王族ではない彼が居るはずもない。
加えて上から下まで黒尽くめで怪しさを隠そうともしていない。
よくこれで見つからなかったものだとも思う。
いや、間諜や刺客なんてこんなものだなと私は前世を振り返って納得する。
この国にとって恐らくは敵なのであろう少年の誘惑は、私にとって特段魅力的でもない。
(そんなことしたって無意味なこと)
私はふるりと力なく首を横に振った。
今の私に必要なのは煮えたくるような怒りを返すことでも、前世の恨みを向けることでもない。
そんな事をしたところで自己満足以外の何物でもなく。
本当に恨みを晴らしたい者たちはとうにこの世を去っている。
そんなものを私は必要としていない。
否定した私に彼は少し目を見開いて屈んだ。
私と視線を合わせることでその真意を探ろうとしているのだろうか。
「意味がわからない?」
私はまた首を横に振る。
「こんな目に遭っているのに家族が恋しい?」
この質問には困った。
なにせ今世で私は碌に泣き声すら上げていない。
喋る相手すらいない現状、声の出し方を忘れてしまった喉はひりついた息しか吐き出せないのだ。
漸く手足の痺れがなくなる程度には魔力と体温が戻ってきたのですいっと魔力で地面に少しばかり歪な文字を書く。
指でなぞった所が軌跡として淡く光る。
これくらいなら見やすいはずだ。
『私に家族はいない』
カリアの人生だったなら、家族愛を求めたのかもしれない。
1度目の記憶がなかった当時の私は、中途半端に教育を与えられたからこそ『愛』を知りたかった。
それがどういうものなのか理解することができなかったから。
けれど、どうだ。
愛を求めた先で地に落とされ、尊厳を踏み躙られ、殺された。
1度目の記憶のある今の私は『家族の愛』を僅かでも知っている。
遠い記憶で最早1度目の両親の顔すら覚えていないけれど。
与えられないとわかっているものへ手を伸ばすことよりも生き延びることのほうが今の私には重要であった。
「でも今のままじゃあ、君。死ぬよ」
そういう彼は笑っていなかった。
少しだけ揺らいだその瞳の真意は見えない。
あぁ、と私は理解する。
近い未来で虐待の末死ぬのか。
それとも近いうちに戦争か謀反が起こるのか。
先程の軽薄な空気は消え、彼はただ事実を告げていた。
(死なない)
無表情でありながらどこか泣いていように感じて手を伸ばす。
その手はそっと彼の頬へと触れた。
なんとなく。
本当になんとなくだけれど。
カリアへ唯一『心』をくれた人を思い出す。
王族の私生児であったカリアを1番気にかけてくれた人。大切にしてくれた人。
ただ文字として知っていた『愛』が欲しくて言われるがまま英雄になったカリアの背中を守ってくれた人。
共に生きようと誓ってくれた人。
最期は私の目の前で。
カリアのせいで処刑されてしまった人。
(私はもう、誰にも殺されない)
その人と彼を重ね合わせて。
憐れむなと口角を上げる。
それは今世で生まれて初めて浮かべる他人への歪な笑み。
彼はそんな私を見て固まってしまった。
暫くしてガシガシと自身の頭を掻くと少しばかりの携帯食を置いて居なくなる。
携帯食を置いていってくれるなんて、今世で初めて優しくされたのかも知れない。
そう思いつつ、私は感謝しながらその携帯食を大事に抱え込んだのだった。
黒髪に銀のきれいな瞳。
そんな瞳と視線がぶつかったかと思った瞬間。
「王妃様もよくやるわよね」
人の気配がして私は木桶を井戸に投げ入れると一目散に駆け出した。
この後宮という場所では私を見かけると何をしても良いと思われている。
私を虐待するのはなにも王妃だけではない。
食事もろくに盛っていない侍女やまともな掃除すらしない下女。
騎士に至っては身の危険すらあった状態で、身の回りのことすら一人でおこなってきた。
立場としてはそこらにいる奴隷よりも酷い待遇だろう。
故に近くの茂みへと潜り込んで木の後ろへと隠れる。
「王女様もあれでよく生きてるわよね」
「今日もご飯なしにするんだっけ」
「まあ、あんなかびたパン持っていくの面倒だし助かるなあ」
ぺちゃくちゃと鳥のように姦しく喋る下女たちは井戸から水を汲んでいく。
近くに私がいるなんて思ってもみないだろう。
王妃様もよくやる、という言葉を聞くに先程行われたことも知っているのだろうから。
「赤い瞳をもっててもあれじゃあねぇ」
「王族として敬うのも無理っていうか」
見た目は綺麗でも、その中身は真っ黒。
この世界には私の味方はいなくて。
私は身を小さくしてひたすら彼女たちが立ち去るのを待った。
暫くして水を汲み終えたのか、また話しながら彼女たちは歩いていく。
それを息を殺して気配を消すことで悟られないようにした。
今日もご飯はなしと聞いて少しだけお腹を擦ったのはご愛嬌というもの。
(栄養失調の上、流石に魔法陣を使うにも早い年齢だからかな……疲れる)
はあ、と溜息をついて木の幹へもたれかかる。
手足の感覚は殆どない。
余力として回せる魔力も殆ど無く、しばらくは動けそうになかった。
「ねぇ」
上からとさっと軽い音をたてて小さな影が降りてくる。
先程も綺麗だとおもった思った銀の瞳が私を見下ろした。
「君が王女さま?」
背格好からして12歳あたりだろうか。
やや高めな声変わりのしていない音が純粋な疑問を投げかけてくる。
私はゆったりと彼を見上げて頷いた。
「ふぅん」
別に驚くでも人を呼ぶでもない私に興味を持ったようだ。
私が例え人を呼んだところで彼が身を隠す方が早いだろうし、人の気を引きたいと思われて暴力を振るわれる可能性もある。信用もされてない私では何をしても八つ当たりの対象でしかないのだ。
例え彼のような不審者を見つけてもやれることはない。
「君はさ、このままでいいの?」
彼は私に囁きかける。
「仕返ししたいと思わない? 今まで自分に遭わされたことを味合わせてやりたいとか思わない?」
悪戯を思いついた子供のように面白がるような瞳で彼はそう言った。
後宮という場所は男子禁制だ。
騎士ですら男性は決まった数しかおらず、厳しい規律の元で既婚者で身持ちの固い者しか選ばれない特殊な場所。
故に子供であったとしても王族ではない彼が居るはずもない。
加えて上から下まで黒尽くめで怪しさを隠そうともしていない。
よくこれで見つからなかったものだとも思う。
いや、間諜や刺客なんてこんなものだなと私は前世を振り返って納得する。
この国にとって恐らくは敵なのであろう少年の誘惑は、私にとって特段魅力的でもない。
(そんなことしたって無意味なこと)
私はふるりと力なく首を横に振った。
今の私に必要なのは煮えたくるような怒りを返すことでも、前世の恨みを向けることでもない。
そんな事をしたところで自己満足以外の何物でもなく。
本当に恨みを晴らしたい者たちはとうにこの世を去っている。
そんなものを私は必要としていない。
否定した私に彼は少し目を見開いて屈んだ。
私と視線を合わせることでその真意を探ろうとしているのだろうか。
「意味がわからない?」
私はまた首を横に振る。
「こんな目に遭っているのに家族が恋しい?」
この質問には困った。
なにせ今世で私は碌に泣き声すら上げていない。
喋る相手すらいない現状、声の出し方を忘れてしまった喉はひりついた息しか吐き出せないのだ。
漸く手足の痺れがなくなる程度には魔力と体温が戻ってきたのですいっと魔力で地面に少しばかり歪な文字を書く。
指でなぞった所が軌跡として淡く光る。
これくらいなら見やすいはずだ。
『私に家族はいない』
カリアの人生だったなら、家族愛を求めたのかもしれない。
1度目の記憶がなかった当時の私は、中途半端に教育を与えられたからこそ『愛』を知りたかった。
それがどういうものなのか理解することができなかったから。
けれど、どうだ。
愛を求めた先で地に落とされ、尊厳を踏み躙られ、殺された。
1度目の記憶のある今の私は『家族の愛』を僅かでも知っている。
遠い記憶で最早1度目の両親の顔すら覚えていないけれど。
与えられないとわかっているものへ手を伸ばすことよりも生き延びることのほうが今の私には重要であった。
「でも今のままじゃあ、君。死ぬよ」
そういう彼は笑っていなかった。
少しだけ揺らいだその瞳の真意は見えない。
あぁ、と私は理解する。
近い未来で虐待の末死ぬのか。
それとも近いうちに戦争か謀反が起こるのか。
先程の軽薄な空気は消え、彼はただ事実を告げていた。
(死なない)
無表情でありながらどこか泣いていように感じて手を伸ばす。
その手はそっと彼の頬へと触れた。
なんとなく。
本当になんとなくだけれど。
カリアへ唯一『心』をくれた人を思い出す。
王族の私生児であったカリアを1番気にかけてくれた人。大切にしてくれた人。
ただ文字として知っていた『愛』が欲しくて言われるがまま英雄になったカリアの背中を守ってくれた人。
共に生きようと誓ってくれた人。
最期は私の目の前で。
カリアのせいで処刑されてしまった人。
(私はもう、誰にも殺されない)
その人と彼を重ね合わせて。
憐れむなと口角を上げる。
それは今世で生まれて初めて浮かべる他人への歪な笑み。
彼はそんな私を見て固まってしまった。
暫くしてガシガシと自身の頭を掻くと少しばかりの携帯食を置いて居なくなる。
携帯食を置いていってくれるなんて、今世で初めて優しくされたのかも知れない。
そう思いつつ、私は感謝しながらその携帯食を大事に抱え込んだのだった。
0
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
世話焼き幼馴染と離れるのが辛いので自分から離れることにしました
小村辰馬
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢、エリス・カーマインに転生した。
幼馴染であるアーロンの傍にに居続けると、追放エンドを迎えてしまうのに、原作では俺様だった彼の世話焼きな一面を開花させてしまい、居心地の良い彼のそばを離れるのが辛くなってしまう。
ならば彼の代わりに男友達を作ろうと画策するがーー
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
お転婆令嬢は、大好きな騎士様に本性を隠し通す
湊一桜
恋愛
侯爵令嬢クロエは、二度も婚約破棄をされた。彼女の男勝りで豪快な性格のせいである。
それに懲りたクロエは、普段は令嬢らしく振る舞い、夜には”白薔薇”という偽名のもと大暴れして、憂さ晴らしをしていた。
そんな彼女のもとに、兄が一人の騎士を連れてきた。
彼の名はルーク、別名”孤高の黒薔薇”。その冷たい振る舞いからそう呼ばれている。
だが実は、彼は女性が苦手であり、女性に話しかけられるとフリーズするため勘違いされていたのだ。
兄は、クロエとルークのこじらせっぷりに辟易し、二人に”恋愛の特訓”を持ちかける。
特訓を重ねるうちに、二人の距離は少しずつ近付いていく。だがクロエは、ルークに”好きな人”がいることを知ってしまった……
恋愛なんてこりごりなのに、恋をしてしまったお転婆令嬢と、実は優しくて一途な騎士が、思い悩んで幸せになっていくお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる