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愛実のお願い
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「さっむーいっ!!」
あたしは制服のブレザーの前をぎゅっと締める。
季節はいつの間にか過ぎていて、そろそろ冬休みが近付いていた。
全寮制であるが故に、冬休みの間は全員強制的に実家に帰らされる。
クリスマスもお正月も貴とは一緒に過ごせない。
あたしはそれが不安で仕方なかった。
去年…初カレと破局したのは、冬休み中の向こうの浮気が原因だった。
それで振られてしまったから…
あたしは心配で仕方ない。
毎日連絡取ってても、逢えなきゃ意味無いのかな…
分からない…
期間限定だと思えばあたしは耐えられるけど、それでも…
その後、貴とは至って順調で、深夜の外泊にも慣れてしまった。
何かあったら理佳が連絡を入れてくれる。
1回寮母の先生に点呼後に呼ばれて、慌てて寮に戻ったこともあったっけw
でも、基本上手いことやってるとは思う。
あたしは寮に戻って札を「在宅」にすれば、部屋へと向かう。
「琴美せんぱーい…ちょっとお願いが…」
階段の傍で後輩の愛実に呼び止められる。
「どしたの?」
「ちょっとお願いが…」
愛実の困り顔。
「何かあったの? 話だけでも良ければ聞くよ?」
「ココじゃちょっとアレなんで… 先輩の部屋行ってもいーですか?」
「別に構わないけど…」
そんなこんなで、あたしは愛実と揃って自室へ戻る。
「で、どーしたのよ?」
自室のカギを締めて、あたしは愛実に問いかける。
「実はー最近彼氏が出来たんですけどぉー…」
「へぇっ、良かったじゃん!」
あたしはカバンを投げ出せば、ベッドに腰掛けて愛実の話に耳を傾ける。
「それでぇ、彼氏が泊まりに来たいって行っててぇー…」
「はっ!? この寮に?」
それにはあたしもびっくりだ。
「女子校の寮見てみたいとか何とかで…」
確かにウチは全寮制の女子校だ。
どーやら愛実の彼氏は共学なので、女子校でしかも寮ってのに興味があるらしい。
更に愛実が言葉を続ける。
「今夜、点呼後に寮の傍まで来るって行ってくれてるんで、先輩の部屋から寮に入れてもらえませんか…?」
「えっ…?」
確かにあたしの外泊はバレてはいない。
でも、理佳が口を滑らせたとも思えない。
理佳は口が固いから。
「先輩、部屋1階だし、あたしは3階だし… 他に頼める相手が居なくて…」
「そーだけど… でもあんま寮の中をうろちょろすんのはさすがにマズイよ?」
頼られると弱い、あたし。
理由はどーあれ断れなかった。
てか、断れるはずも無い。
あたし自身が寮から抜け出したりしてるんだから。
「とりあえず、それは気を付けます。先輩にも部屋を通してもらうだけなんで、絶対に迷惑かけませんからっ!」
愛実の真剣な表情。
そりゃ好きならずっと一緒に居たい気持ちは分かる。
そればっかりは仕方ない。
だってあたしもそーなんだもん…
「とりあえず分かったよ。点呼後にまた部屋に来なよ。ルート教えてあげるから」
あたしは仕方なく折れてしまった。
「先輩っ!」
愛実は満面の笑みで抱き付いてくる。
「もーホントに感謝ですっ!」
そんな愛実の目が潤んでる。
「でも絶対にバレないよーに気を付けなよ? 下手したら停学もんだよ?」
「それは分かってますっ! そこはちゃんと話してあるんで!」
「ならいーけど… あ、あと男子の靴はバレやすいから、コンビニ袋でも用意しときなよ?」
「はいっ! 早速、部屋戻って連絡して来ますっ!」
愛実はうきうきと部屋から出て行った。
ふーっ……
あたしは大きくため息をつく。
寮内は土足厳禁。
それは愛実も分かってはいるだろ。
ウチらはスリッパで生活してるけど、まー靴下履いてれば、そこは問題は無いし。
愛実の彼の靴をコンビニ袋に入れて、部屋に置いて置けばそこは大丈夫だとは思う。
あたしも抜け出す時はあらかじめ、スリッパを部屋に置いたまま、靴を部屋に持って来てるから。
大丈夫だといーんだけど…
バレたらあたしも共犯になっちゃうよ。
それでも、愛実の気持ちを考えたら断れなかったし…
って、ん?
もしかして愛実のヤツ、寮の部屋でなんやかんやするつもりなのかっ!?
あたしでも貴を部屋に居れたことは無いのに…
まー…相手が学生なら、普通に考えて実家暮らしだし?
実家に彼女連れ込んで、更にそれが寮のコで…って考えるよりはリスク少ないのかもしれないけど、それでも…
とりあえず引き受けた以上は仕方ない。
大人しく夜になるのを待つかな…?
あたしは制服のブレザーの前をぎゅっと締める。
季節はいつの間にか過ぎていて、そろそろ冬休みが近付いていた。
全寮制であるが故に、冬休みの間は全員強制的に実家に帰らされる。
クリスマスもお正月も貴とは一緒に過ごせない。
あたしはそれが不安で仕方なかった。
去年…初カレと破局したのは、冬休み中の向こうの浮気が原因だった。
それで振られてしまったから…
あたしは心配で仕方ない。
毎日連絡取ってても、逢えなきゃ意味無いのかな…
分からない…
期間限定だと思えばあたしは耐えられるけど、それでも…
その後、貴とは至って順調で、深夜の外泊にも慣れてしまった。
何かあったら理佳が連絡を入れてくれる。
1回寮母の先生に点呼後に呼ばれて、慌てて寮に戻ったこともあったっけw
でも、基本上手いことやってるとは思う。
あたしは寮に戻って札を「在宅」にすれば、部屋へと向かう。
「琴美せんぱーい…ちょっとお願いが…」
階段の傍で後輩の愛実に呼び止められる。
「どしたの?」
「ちょっとお願いが…」
愛実の困り顔。
「何かあったの? 話だけでも良ければ聞くよ?」
「ココじゃちょっとアレなんで… 先輩の部屋行ってもいーですか?」
「別に構わないけど…」
そんなこんなで、あたしは愛実と揃って自室へ戻る。
「で、どーしたのよ?」
自室のカギを締めて、あたしは愛実に問いかける。
「実はー最近彼氏が出来たんですけどぉー…」
「へぇっ、良かったじゃん!」
あたしはカバンを投げ出せば、ベッドに腰掛けて愛実の話に耳を傾ける。
「それでぇ、彼氏が泊まりに来たいって行っててぇー…」
「はっ!? この寮に?」
それにはあたしもびっくりだ。
「女子校の寮見てみたいとか何とかで…」
確かにウチは全寮制の女子校だ。
どーやら愛実の彼氏は共学なので、女子校でしかも寮ってのに興味があるらしい。
更に愛実が言葉を続ける。
「今夜、点呼後に寮の傍まで来るって行ってくれてるんで、先輩の部屋から寮に入れてもらえませんか…?」
「えっ…?」
確かにあたしの外泊はバレてはいない。
でも、理佳が口を滑らせたとも思えない。
理佳は口が固いから。
「先輩、部屋1階だし、あたしは3階だし… 他に頼める相手が居なくて…」
「そーだけど… でもあんま寮の中をうろちょろすんのはさすがにマズイよ?」
頼られると弱い、あたし。
理由はどーあれ断れなかった。
てか、断れるはずも無い。
あたし自身が寮から抜け出したりしてるんだから。
「とりあえず、それは気を付けます。先輩にも部屋を通してもらうだけなんで、絶対に迷惑かけませんからっ!」
愛実の真剣な表情。
そりゃ好きならずっと一緒に居たい気持ちは分かる。
そればっかりは仕方ない。
だってあたしもそーなんだもん…
「とりあえず分かったよ。点呼後にまた部屋に来なよ。ルート教えてあげるから」
あたしは仕方なく折れてしまった。
「先輩っ!」
愛実は満面の笑みで抱き付いてくる。
「もーホントに感謝ですっ!」
そんな愛実の目が潤んでる。
「でも絶対にバレないよーに気を付けなよ? 下手したら停学もんだよ?」
「それは分かってますっ! そこはちゃんと話してあるんで!」
「ならいーけど… あ、あと男子の靴はバレやすいから、コンビニ袋でも用意しときなよ?」
「はいっ! 早速、部屋戻って連絡して来ますっ!」
愛実はうきうきと部屋から出て行った。
ふーっ……
あたしは大きくため息をつく。
寮内は土足厳禁。
それは愛実も分かってはいるだろ。
ウチらはスリッパで生活してるけど、まー靴下履いてれば、そこは問題は無いし。
愛実の彼の靴をコンビニ袋に入れて、部屋に置いて置けばそこは大丈夫だとは思う。
あたしも抜け出す時はあらかじめ、スリッパを部屋に置いたまま、靴を部屋に持って来てるから。
大丈夫だといーんだけど…
バレたらあたしも共犯になっちゃうよ。
それでも、愛実の気持ちを考えたら断れなかったし…
って、ん?
もしかして愛実のヤツ、寮の部屋でなんやかんやするつもりなのかっ!?
あたしでも貴を部屋に居れたことは無いのに…
まー…相手が学生なら、普通に考えて実家暮らしだし?
実家に彼女連れ込んで、更にそれが寮のコで…って考えるよりはリスク少ないのかもしれないけど、それでも…
とりあえず引き受けた以上は仕方ない。
大人しく夜になるのを待つかな…?
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