20 / 30
冬休み
しおりを挟む
「じゃーね、琴美! 良いお年をーっ!」
「あれ? 理佳、もー帰るの?」
委員会で少し帰るのが遅くなったあたしが寮に戻れば、親友の理佳が帰り支度を済ませていた。
「うん。ゆーちゃんが迎えに来てるから。一緒に過ごしてから、家まで送ってくれるんだって」
「ふーん?」
ゆーちゃんっていうのは理佳の彼氏の、豊さんのことだ。
年上で医学部出のエリート。
あたしも何回か会ったことあるけど、落ち着いててとってもいー人だと思うし、すごく理佳のこと大事にしてるなっていつも感じる。
「琴美も今日は貴さんとこにお泊まりでしょ?」
「ちょ、しーっ!」
ニヤニヤと笑う理佳の口を、あたしは慌てて塞ぐ。
「親には明日帰るってことにしてあるんだからっ」
「もーすっかり悪いコになっちゃってw」
「あのねー…」
浮かれてちゃかす理佳に、あたしは呆れ顔だ。
もー…貴といー理佳といー、別にあたし、そんな悪いコトばっかしてるワケじゃないしっ!
「ふふっ、貴さんと楽しい夜を過ごしといで?」
「理佳こそ豊さんによろしくね?」
「ん! 了解!」
笑顔の理佳を見送れば、あたしも荷物を作るために自室へと戻る。
寮は大体のコが今日か明日帰る。
まー年末年始近いからね。
チケットの関係で何日か後に帰るコも数人居るけど、大半は終業式後の今日か明日がほとんどだ。
あたしも前にどーしてもチケットが取れなくて、何日か後に帰ったコトはあるけど、ほぼ誰も居なくなった寮はガランとして寂しい。
普段の喧騒がウソみたいに静かなんだもん。
それが嫌だから、今は前持って早めに親にチケットを頼むよーにはしてる。
今回も明日のチケットはもー手配済みだ。
あーあ…
今日、貴と会ったら明日からは実家かぁ…
あたしは小さくため息をつきながらも、キャリーバッグを引っ張り出せば、制服から私服へと着替え始める。
普段、寮で暮らすあたしたちは洗濯とか全部自分でするから、先に着替えておいて、荷物を作ってる間に洗濯を済ませておこうと思ってた。
居ない間に部屋に干しておけば、戻って来た時にすぐ着れるからね。
やれることはやってから帰らないと。
本来、甘ったれなあたしだけど、全寮制であるウチの高校に入って、色々と効率良くこなすコトを少しは身につけたかな?
まーそれが親の狙いなのかもしれないけど。
共同の洗濯機を回して、あらかた荷物を詰め終わった頃、柚季からメールが届いてた。
『琴美先輩ーっ、帰る前にお部屋行ってもいーですか?』
あたしはそれを見ればすぐに返事を返す。
『いーよ? これから洗濯物干すけどw』
とりあえずそれだけ送れば、あたしは終わってるだろー洗濯物を取りに、ランドリー室へと向かう。
大体みんな、考えるコトは同じだ。
今日のランドリー室は洗濯物の順番待ちで混んでるから、早めに取りに行かないと他のコに悪い。
あたしは自分の洗濯物を出せば、恐らく次だと思われる後輩の友里子にメールを飛ばす。
友里子も1つ下の後輩だけど、家庭の事情で附属中の時からこの寮に居る。
つまり、ウチらが1年で新しく入った時にはすでに後輩が居た計算にはなる。
ま、だからと言って特に上下関係がどーこーあるよーなワケじゃない。
下のコたちは一応敬語を使ってはくれるけど、それも建前みたいなとこがあるし。
共同生活な以上、ギスギスしてるより平和が1番じゃん?
ってゆー初代寮長の理佳の意見でもある。
「あ、琴美先輩ーっ! これからいーですか?」
洗濯物を入れたカゴを持って部屋に戻る途中、柚季に会う。
まー柚季は同じ階だから、元々部屋が近いんだよね。
「ん、コレ干しながらで良ければどーぞ?」
あたしは部屋のドアを開ければ、柚季を招いてそのドアを閉めた。
「あれ? 理佳、もー帰るの?」
委員会で少し帰るのが遅くなったあたしが寮に戻れば、親友の理佳が帰り支度を済ませていた。
「うん。ゆーちゃんが迎えに来てるから。一緒に過ごしてから、家まで送ってくれるんだって」
「ふーん?」
ゆーちゃんっていうのは理佳の彼氏の、豊さんのことだ。
年上で医学部出のエリート。
あたしも何回か会ったことあるけど、落ち着いててとってもいー人だと思うし、すごく理佳のこと大事にしてるなっていつも感じる。
「琴美も今日は貴さんとこにお泊まりでしょ?」
「ちょ、しーっ!」
ニヤニヤと笑う理佳の口を、あたしは慌てて塞ぐ。
「親には明日帰るってことにしてあるんだからっ」
「もーすっかり悪いコになっちゃってw」
「あのねー…」
浮かれてちゃかす理佳に、あたしは呆れ顔だ。
もー…貴といー理佳といー、別にあたし、そんな悪いコトばっかしてるワケじゃないしっ!
「ふふっ、貴さんと楽しい夜を過ごしといで?」
「理佳こそ豊さんによろしくね?」
「ん! 了解!」
笑顔の理佳を見送れば、あたしも荷物を作るために自室へと戻る。
寮は大体のコが今日か明日帰る。
まー年末年始近いからね。
チケットの関係で何日か後に帰るコも数人居るけど、大半は終業式後の今日か明日がほとんどだ。
あたしも前にどーしてもチケットが取れなくて、何日か後に帰ったコトはあるけど、ほぼ誰も居なくなった寮はガランとして寂しい。
普段の喧騒がウソみたいに静かなんだもん。
それが嫌だから、今は前持って早めに親にチケットを頼むよーにはしてる。
今回も明日のチケットはもー手配済みだ。
あーあ…
今日、貴と会ったら明日からは実家かぁ…
あたしは小さくため息をつきながらも、キャリーバッグを引っ張り出せば、制服から私服へと着替え始める。
普段、寮で暮らすあたしたちは洗濯とか全部自分でするから、先に着替えておいて、荷物を作ってる間に洗濯を済ませておこうと思ってた。
居ない間に部屋に干しておけば、戻って来た時にすぐ着れるからね。
やれることはやってから帰らないと。
本来、甘ったれなあたしだけど、全寮制であるウチの高校に入って、色々と効率良くこなすコトを少しは身につけたかな?
まーそれが親の狙いなのかもしれないけど。
共同の洗濯機を回して、あらかた荷物を詰め終わった頃、柚季からメールが届いてた。
『琴美先輩ーっ、帰る前にお部屋行ってもいーですか?』
あたしはそれを見ればすぐに返事を返す。
『いーよ? これから洗濯物干すけどw』
とりあえずそれだけ送れば、あたしは終わってるだろー洗濯物を取りに、ランドリー室へと向かう。
大体みんな、考えるコトは同じだ。
今日のランドリー室は洗濯物の順番待ちで混んでるから、早めに取りに行かないと他のコに悪い。
あたしは自分の洗濯物を出せば、恐らく次だと思われる後輩の友里子にメールを飛ばす。
友里子も1つ下の後輩だけど、家庭の事情で附属中の時からこの寮に居る。
つまり、ウチらが1年で新しく入った時にはすでに後輩が居た計算にはなる。
ま、だからと言って特に上下関係がどーこーあるよーなワケじゃない。
下のコたちは一応敬語を使ってはくれるけど、それも建前みたいなとこがあるし。
共同生活な以上、ギスギスしてるより平和が1番じゃん?
ってゆー初代寮長の理佳の意見でもある。
「あ、琴美先輩ーっ! これからいーですか?」
洗濯物を入れたカゴを持って部屋に戻る途中、柚季に会う。
まー柚季は同じ階だから、元々部屋が近いんだよね。
「ん、コレ干しながらで良ければどーぞ?」
あたしは部屋のドアを開ければ、柚季を招いてそのドアを閉めた。
0
あなたにおすすめの小説
白椿の咲く日~遠い日の約束
紫さゆり
恋愛
結婚を控えた真由子は、久しぶりに姉の稚子(わかこ)と会う。真由子の母、雪江は妻を亡くした水上実之(みなかみさねゆき)の後添いとして水上家に嫁いだ。当時、実之には俊之、稚子、靖之の三人の子がいた。
稚子と話をしているうちに真由子は、庭の白椿の木は子どもの頃なついていた兄、靖之が植えたものだと知る。
白椿の木をめぐっての、ひそかな大人の恋物語です。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
Lucia(ルシア)変容者たち
おまつり
恋愛
人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。
それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。
カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。
二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。
誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。
愛が深まるほど、境界は曖昧になる。
身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。
一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。
彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。
これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、
それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。
※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる