無能と捨てられた転生勇者は、ヲタクスキルでエルフ少女とスローライフしたい。

みこみこP

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新天地

マリテム3

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 ◯ュールによりシステム教の傘下になったマリテムの町は人口200人以下の小さな獣人族の住処で、中央の家に居た族長一族がトップでそれ以外は皆平等の平和な町だ。

 食料は魔の森で採れる野菜と動物を皆で分け与えて暮らしている為、塩分や香辛料、調味料などの全く無い生活をしていた中に、いきなり最高品質の◯ュールをぶち込んだら土下寝になったんだなと納得した。

 この町の獣人族は基本的に猫系と犬系、少数だが狼系がおり、族長一族は狼系になる。

 猫系は戦闘系よりも生産系を好み、家事や町内の雑用を担当し、犬系は逆に狩りをメインにする事で町のバランスを取っていた。

 狼系は犬系よりも更に戦闘に特化したタイプみたいで、族長が町で1番つよく、その次に強いのが族長の娘達だ。

 獣人族は系統が違っても子供は出来て、産まれた子供はハーフにはならずに両親のどちらかの系統になる。

 ちなみに族長の奥さんは猫系の妖艶な女性で、娘達もまだ16歳と若いが美人になるだろう容姿をしていた。

 かなり離れてはいるが他の獣人族の町はあるが、交流はほとんど無いらしい。

 理由は強い魔獣に狙われる度に町を破棄して移動するから、他の獣人族が何処にいるのか分からないからだ。

 今思うと魔の森ってかなり広大なのだなと思う。

 いくつかの国に隣接している魔獣の住む危険な森といわれ、魔獣は攻撃しない限りは魔の森からは出ないことから、魔の森に関わるのは禁止するルールが人族の中で決められていた。

 しかし、人族の国では獣人族の奴隷が多少はいることから、悪い冒険者などが魔の森に入り、獣人族を拉致して売っているとも言われている。

 だから獣人族と人族の仲が最悪なのかもしれない。


 それにしても……獣人族の家はボロいというか、太い木の骨組みに大きな葉を巻き付けただけの簡素的なもので、床に干した草が敷き詰められているだけで、地球の日本育ちの僕からしたら、到底受け入れられないレベルの家である。公爵家ですら不満が多少はあったのに……僕のスローライフを始めるには、まず生活水準を上げていかなくてはいけないな。


 だけど、僕には家を造る知識も物を造る知識もある訳が無い。

【サブミッション・木を切り、丸太を作れ。報酬は木工魔法】
【サブミッション・小さな木の小屋を作れ。報酬は建築魔法】
【サブミッション・植物魔法を使い、簡易服を作れ。報酬は裁縫魔法】
【サブミッション・武器を修理せよ。報酬は鍛冶魔法】

 いきなりだが、システム神から一気にサブミッションというものが発生した。
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