【完結】私のことが大好きな婚約者さま

咲雪

文字の大きさ
24 / 28
番外編

24.マーカス②

しおりを挟む
 ー回想②ー

 実母が、ジュリアス兄様毒殺未遂事件、アレンの刺殺未遂事件の首謀者だと判明した。王族の犯罪のため公表することは憚かれたので、表向きは療養目的のために王家所有の別荘に行くことになったが、実際は北の塔に幽閉、時期を見て毒杯を賜ることになった。俺は一度も実母に会いには行かなかった。俺の母親は正妃様だから。王家主催の夜会等でたまに一緒になることはあったが、実母は俺を一切見ることはなく、アレンばかりを見ていたから(もっとも、睨みつけていただけだが)


 大臣たちは連座で俺も幽閉処分にしようとしていたが、両陛下や兄弟が突っぱね、王位継承権剥奪だけで済ませてくれた。国内には居づらいだろうと留学を勧められた。侍従が1人付いてきてくれることになったが、なるべく不安は少ない方がいいだろうと、大陸共通語の帝国に留学することにした。


 留学先では伯爵令息と名乗った。
 何人かの令息と仲良くなったが、令嬢たちはウザかったので距離を取った。そんな中、1人の令嬢が、目に入った。その令嬢はいつも窓際で本を読んでいた。なんでも、最近婚約破棄されたらしく、周りから腫れ物扱いされていた。俺はその令嬢が気になって思わず声を掛けた。控えめに微笑む楚々とした令嬢だった。リアーナ嬢が向日葵だとすれば、その子は秋桜といったところか。

 その子は本が好きらしく、放課後によく図書館に行っていた。そこでヒソヒソと会話し、徐々に打ち解けてくれた。その令嬢はクララという伯爵家の一人娘で、元婚約者は子爵家の三男で婿入りすることになっていたが、その令息は『真実の愛を見つけた』と言って、婚約破棄し男爵令嬢と婚約したらしい。そのクララから逆プロポーズされた。いつのまにか俺も彼女に恋していたから、ぜひ手を取りたかったが、俺は王族とはいえ、罪人の子だ。俺は彼女に実は自分は‥‥と、本当のことを告げた。最初はびっくりした顔の彼女だったが、それでもいいと言ってくれた。嬉しくて泣きそうになった。彼女の両親と会った。なんと言われるか、心配したが、『マーカスくんは関係ないじゃないか。是非、うちの娘と結婚してくれないか』と逆に歓迎してくれた。婚約して愛を育みながら結婚となった。俺の処分が国外追放だったら身分は平民と落とされていただろう。彼女とは結婚できなかった。国外追放処分を突っぱねてくれた家族に感謝だ。式には代表してアレンが参列してくれることになった。


 ー回想終わりー



 俺は、生みの親には恵まれなかったが、その他からは愛されていたんだなと思う。



 今は、愛するクララと娘、息子、そして孫までいる。このまま幸せでいられるように願う。



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様

オケラ
恋愛
15歳のユアは上流貴族のお嬢様。自然とたわむれるのが大好きな女の子で、毎日山で植物を愛でている。しかし、こうして自由に過ごせるのもあと半年だけ。16歳になると正式に結婚することが決まっている。彼女には生まれた時から婚約者がいるが、まだ一度も会ったことがない。名前も知らないのは幼き日の彼女のわがままが原因で……。半年後に結婚を控える中、彼女は山の中でとある殿方と出会い……。

【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから

よどら文鳥
恋愛
 私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。  五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。  私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。  だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。 「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」  この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。  あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。  婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。  両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。  だが、それでも私の心の中には……。 ※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。 ※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。

嘘つきな婚約者を愛する方法

キムラましゅろう
恋愛
わたしの婚約者は嘘つきです。 本当はわたしの事を愛していないのに愛していると囁きます。 でもわたしは平気。だってそんな彼を愛する方法を知っているから。 それはね、わたしが彼の分まで愛して愛して愛しまくる事!! だって昔から大好きなんだもん! 諦めていた初恋をなんとか叶えようとするヒロインが奮闘する物語です。 いつもながらの完全ご都合主義。 ノーリアリティノークオリティなお話です。 誤字脱字も大変多く、ご自身の脳内で「多分こうだろう」と変換して頂きながら読む事になると神のお告げが出ている作品です。 菩薩の如く広いお心でお読みくださいませ。 作者はモトサヤハピエン至上主義者です。 何がなんでもモトサヤハピエンに持って行く作風となります。 あ、合わないなと思われた方は回れ右をお勧めいたします。 ※性別に関わるセンシティブな内容があります。地雷の方は全力で回れ右をお願い申し上げます。 小説家になろうさんでも投稿します。

春告竜と二度目の私

こもろう
恋愛
私はどうなってもいい。だからこの子は助けて―― そう叫びながらも処刑された王太子の元婚約者カサンドル。 目が覚めたら、時が巻き戻っていた。 2021.1.23番外編追加しました。

あの、初夜の延期はできますか?

木嶋うめ香
恋愛
「申し訳ないが、延期をお願いできないだろうか。その、いつまでとは今はいえないのだが」 私シュテフイーナ・バウワーは今日ギュスターヴ・エリンケスと結婚し、シュテフイーナ・エリンケスになった。 結婚祝の宴を終え、侍女とメイド達に準備された私は、ベッドの端に座り緊張しつつ夫のギュスターヴが来るのを待っていた。 けれど、夜も更け体が冷え切っても夫は寝室には姿を見せず、明け方朝告げ鶏が鳴く頃に漸く現れたと思ったら、私の前に跪き、彼は泣きそうな顔でそう言ったのだ。 「私と夫婦になるつもりが無いから永久に延期するということですか? それとも何か理由があり延期するだけでしょうか?」  なぜこの人私に求婚したのだろう。  困惑と悲しみを隠し尋ねる。  婚約期間は三ヶ月と短かったが、それでも頻繁に会っていたし、会えない時は手紙や花束が送られてきた。  関係は良好だと感じていたのは、私だけだったのだろうか。 ボツネタ供養の短編です。 十話程度で終わります。

彼はヒロインを選んだ——けれど最後に“愛した”のは私だった

みゅー
恋愛
前世の記憶を思い出した瞬間、悟った。 この世界では、彼は“ヒロイン”を選ぶ――わたくしではない。 けれど、運命になんて屈しない。 “選ばれなかった令嬢”として終わるくらいなら、強く生きてみせる。 ……そう決めたのに。 彼が初めて追いかけてきた——「行かないでくれ!」 涙で結ばれる、運命を越えた恋の物語。

これは王命です〜最期の願いなのです……抱いてください〜

涙乃(るの)
恋愛
これは王命です……抱いてください 「アベル様……これは王命です。触れるのも嫌かもしれませんが、最後の願いなのです……私を、抱いてください」 呪いの力を宿した瞳を持って生まれたサラは、王家管轄の施設で閉じ込められるように暮らしていた。 その瞳を見たものは、命を落とす。サラの乳母も母も、命を落としていた。 希望のもてない人生を送っていたサラに、唯一普通に接してくれる騎士アベル。 アベルに恋したサラは、死ぬ前の最期の願いとして、アベルと一夜を共にしたいと陛下に願いでる。 自分勝手な願いに罪悪感を抱くサラ。 そんなサラのことを複雑な心境で見つめるアベル。 アベルはサラの願いを聞き届けるが、サラには死刑宣告が…… 切ない→ハッピーエンドです ※大人版はムーンライトノベルズ様にも投稿しています 後日談追加しました

鈍感令嬢は分からない

yukiya
恋愛
 彼が好きな人と結婚したいようだから、私から別れを切り出したのに…どうしてこうなったんだっけ?

処理中です...