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3.やらかしたちの顛末
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ーー後日談ーー
【王家】
「お前はなんてことをしてくれたんだ!お前は自分の立場をちゃんと理解しているのか?」
「立場とは?」
「お前は、第一王子ではあるが、伯爵家出身の側妃腹、後ろ盾が弱すぎる。第二王子は侯爵家出身の正妃腹だ。本来なら、お前に勝ち目はなかった。そこでランダール公爵家と婚約を結び、後ろ盾を強固にして、やっと王太子として議会に認められたというのに‥‥。こんな馬鹿げたことを引き起こすとはな」
陛下は溺愛する側妃との子である第一王子をなんとしても王太子にしたかった。
「ま、まさか、俺が王太子になれたのは‥‥、アンジェリカと婚約していたからなのですか?」
「そのまさかだよ。あれほどアンジェリカ嬢を大事にしろと言っていただろうが!」
「ま、まだ婚約破棄の撤回は間に合いますよね?俺はルミエールに騙されていたんです!」
「いや、もうお前の有責で婚約破棄が成立した。それに、アンジェリカは勘当されて平民となった。この国では王族と平民との婚姻は認められていない」
「そんな‥‥」
「公爵令嬢を嵌めようとしたんだ。お前は廃太子、王位継承権剥奪処分だ。ただ、騙されていたということを考慮して王族の身分までは取り上げられずに済んだ。ありがたく思え」
項垂れ崩れ落ちた殿下。
【取り巻き令息S】
会場に映し出され続ける映像を見た親達は絶句した。
格上である公爵令嬢を冤罪で貶めようとしたのだ。廃嫡の上、除籍・放逐されるのは想定内だろう。坊ちゃん育ちには市井は厳しかろう。野垂れ死ぬ者も出るかもしれない。
【男爵令嬢】
実家から勘当されたルミエール。
『修道院か娼館かの二択だが、お前は股が緩いだろうから娼館だとご褒美にしかならないだろう』
ということで、結局、戒律が厳しい北の修道院に送られた。
「ヒロインの私が、こんな目に遭うなんて冗談じゃない!」
と訳がわからないことを何度も叫んでいたという。やはりヒロインも転生者だったのだろう。修道院でも、ヒロインがどうのこうのずっと喚いてたので、頭がイカれた人と恐れられていた。
【公爵家】
冤罪事件の3日後、公爵は帰国した。公爵宛の手紙にあったように愛娘を迅速に除籍とした。勘当ではない。娘の要望を聞き入れたのである。以前、殿下との婚約を何度も断り続けたが、王命を出されそうになり、それならばと解消が可能な通常の政略婚約を結んだ。
事件後、王家と婚約破棄の話し合いの場が設けられた。王家側はゴネたが平民落ちにしたことを告げると、陛下は項垂れ破棄を認めた。
公爵は、世界中を飛び回り家を空けることが多いため、母親を病気で亡くしたまだ小さな愛娘が寂しかろうと後妻を迎えた。そこに愛はない。愛娘が家を出るまでの契約結婚だった。しかし、愛娘の話相手もしないどころか、罵声を浴びせたり、散財をしたりと問題を起こしていた。(娘がそのことに対して全然気にもとめていなかったし、後妻を咎めるのを止められた。何か理由があったのだろう。とりあえず放置していたが、結局理由は分からずじまいだ)娘が家を出たことにより契約通り離縁となった。責務を果たさなかったのだ、非情・無情ではあるが公爵家からお金は一銭も渡さず、(ドレスは全て持ち出すことは許した)連れ子共々追い出した。代替わりした実家に拒まれた親子は平民となった。
ーーーーーーーーーーーーーー
ありがちなざまぁ。
【王家】
「お前はなんてことをしてくれたんだ!お前は自分の立場をちゃんと理解しているのか?」
「立場とは?」
「お前は、第一王子ではあるが、伯爵家出身の側妃腹、後ろ盾が弱すぎる。第二王子は侯爵家出身の正妃腹だ。本来なら、お前に勝ち目はなかった。そこでランダール公爵家と婚約を結び、後ろ盾を強固にして、やっと王太子として議会に認められたというのに‥‥。こんな馬鹿げたことを引き起こすとはな」
陛下は溺愛する側妃との子である第一王子をなんとしても王太子にしたかった。
「ま、まさか、俺が王太子になれたのは‥‥、アンジェリカと婚約していたからなのですか?」
「そのまさかだよ。あれほどアンジェリカ嬢を大事にしろと言っていただろうが!」
「ま、まだ婚約破棄の撤回は間に合いますよね?俺はルミエールに騙されていたんです!」
「いや、もうお前の有責で婚約破棄が成立した。それに、アンジェリカは勘当されて平民となった。この国では王族と平民との婚姻は認められていない」
「そんな‥‥」
「公爵令嬢を嵌めようとしたんだ。お前は廃太子、王位継承権剥奪処分だ。ただ、騙されていたということを考慮して王族の身分までは取り上げられずに済んだ。ありがたく思え」
項垂れ崩れ落ちた殿下。
【取り巻き令息S】
会場に映し出され続ける映像を見た親達は絶句した。
格上である公爵令嬢を冤罪で貶めようとしたのだ。廃嫡の上、除籍・放逐されるのは想定内だろう。坊ちゃん育ちには市井は厳しかろう。野垂れ死ぬ者も出るかもしれない。
【男爵令嬢】
実家から勘当されたルミエール。
『修道院か娼館かの二択だが、お前は股が緩いだろうから娼館だとご褒美にしかならないだろう』
ということで、結局、戒律が厳しい北の修道院に送られた。
「ヒロインの私が、こんな目に遭うなんて冗談じゃない!」
と訳がわからないことを何度も叫んでいたという。やはりヒロインも転生者だったのだろう。修道院でも、ヒロインがどうのこうのずっと喚いてたので、頭がイカれた人と恐れられていた。
【公爵家】
冤罪事件の3日後、公爵は帰国した。公爵宛の手紙にあったように愛娘を迅速に除籍とした。勘当ではない。娘の要望を聞き入れたのである。以前、殿下との婚約を何度も断り続けたが、王命を出されそうになり、それならばと解消が可能な通常の政略婚約を結んだ。
事件後、王家と婚約破棄の話し合いの場が設けられた。王家側はゴネたが平民落ちにしたことを告げると、陛下は項垂れ破棄を認めた。
公爵は、世界中を飛び回り家を空けることが多いため、母親を病気で亡くしたまだ小さな愛娘が寂しかろうと後妻を迎えた。そこに愛はない。愛娘が家を出るまでの契約結婚だった。しかし、愛娘の話相手もしないどころか、罵声を浴びせたり、散財をしたりと問題を起こしていた。(娘がそのことに対して全然気にもとめていなかったし、後妻を咎めるのを止められた。何か理由があったのだろう。とりあえず放置していたが、結局理由は分からずじまいだ)娘が家を出たことにより契約通り離縁となった。責務を果たさなかったのだ、非情・無情ではあるが公爵家からお金は一銭も渡さず、(ドレスは全て持ち出すことは許した)連れ子共々追い出した。代替わりした実家に拒まれた親子は平民となった。
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ありがちなざまぁ。
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