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15.確定
しおりを挟む「では、治療を開始します。本当に私でいいんですね?」
「ああ、頼む。もう君にしか頼れない」
「クリス。ジョージさんに目隠ししてください」
「わかった」
ジョージさんの目が隠れたのを確認してフードを脱いだ。
ベッドに横になってるジョージさんのそばで、両膝をつき手を組んで祈った。
カッ
と強く光り、ジョージさんの体にキラキラと降り注いだ。
それを見ていたクリスは大きく目を見開いて呆然としていた。
「ジョージさん、どうですか?」
「痛みや痒みが治った!熱も下がったようだ」
「よかったですね。しかし、本当に効いたのか分かりませんから、ちゃんと病院で検査をしてください。陰性でも、念の為あと数回は治療を受けてください」
「ああ、わかった!ありがとう!聖女様!」
ジョージさんが勢いよく起き上がりそうだったので、私はサッとフードを目深に被った。
「ジョージさん。再発の可能性もありますから、パートナーに移したくなければ、今後他の方との性行為はお勧めしません」
クリスが釘を刺す。
「今日のことは絶対に漏らすな!近いうちにこちらから公表するつもりだ。もし漏らしたら、婚約者やその家族に性病に罹ったこと教えるからな!」
「ヒッ、それだけはやめてくれ!絶対言わないから!」
ジョージさん真っ青。クリス、それって脅しですよね。
「検査が終わったらユーリスに伝えてくれ。それから再度治療する」
ユーリスさんは、クリスの同僚だそうです。
「ああ、次もよろしく」
私たちはジョージさん家を出た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は心の中でこっそり『ステータスオープン!』と唱えた。
光:L v165
レベルが上がってる‥‥。
やっぱり私が大聖女なんだね‥‥。
「クリス、私が大聖女みたいだね‥‥」
「ああ、そうだな‥‥」
「私の絵、『幸運が舞い込む』って言われてるの知ってるでしょ?」
「ああ」
「仕上げたあと、キャンバスに『皆に神のご加護あれ』って祈ったら、突然強い光が出てキラキラを降り注いだの。その時、覚醒したんだろうね。でも、聖女に『幸福にする』スキルなんて聞いたことないでしょ?だから、大聖女だったらできるのかな?と思うこともあったけど、なるべく考えないようにしてた。毎回毎回祈りを込めてたせいで魔力量が増えて、いつのまにか治癒魔法も使えるようになってたんだろうね。大聖女と思いたくなかったから、今まで治癒魔法なんて試そうと思わなかった」
「俺も薄々キヨラが大聖女だと思ってたんだ。1ヶ月半遠征に行ってた時期があっただろう?遠征帰りにアトリエの方見たら、強い光がして窓いっぱいキラキラしてるのが見えた。本当はその時、国や神殿に報告しないといけなかったんだ。国に忠誠を誓っているのに聖騎士失格だ。キヨラを手放したくなくて『キヨラは大聖女じゃない』と強く思い込もうとしてた」
「‥‥どうして?」
「前に言っただろ?大聖女様は王族と結婚するって」
「!!!‥‥そうだった‥‥」
「第二王子には現在婚約者がいないんだ。召喚することが決まっていたから、わざと婚約者作ってなかったんだ」
「魔王討伐に行くのは全然いいんだよ。でも、クリス以外と結婚だなんて、絶対に嫌だ!」
「俺だってキヨラ以外とは嫌だ。‥‥でも、1つだけ回避する方法がある」
ごくり
「それは何?」
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