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第一章
新しいわたし
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ぽかぽかになってお湯からあがると、わたしはリリアンに髪を乾かしてもらいながら、メリアンがたくさんの洋服を並べていくのをポカンとしながら見ていた。
「メリアン。わたしがここへ来たのは昨日のことなのに、どうしてそんなにたくさんの服があるの?」
「それは、昨日のうちに用意したからですわ!」
メリアンが堂々と言い放った。
でも、一日で用意したにしてはとてもたくさんある。もしかして、服屋さんの子供服を買い占めたのではないだろうか。
「そんなにいらないんじゃないかな?」
「そんな。とんでもないことです! 皇女殿下には、もっともっとお洋服やドレスが必要ですわ。これからはオーダーメイドで作っていきますが、しばらくはこちらの既製品で我慢してくださいませ!」
メリアンに、洋服の必要性を力説されてしまった。
皇女は、ほとんど毎日違う服を着なければならないらしい。もったいないけれど、そういうもののようだ。
「本日はどの服をお召しになりますか?」
「う、うーん……」
正直、全てヒラヒラしていて動きにくそうだ。
でもそんなことを言えば、きっとまた皇女はこういうものだと言われてしまう気がする。
「わたし、よくわからないわ。二人が決めて?」
「かしこまりました! どれにしましょう、リリアン!」
「そうですね。そのピンクのものか、水色のものがいいのではないかしら!」
そうして二人は、きゃあきゃあと楽しそうにわたしの服を選んでくれた。
「わぁ……」
二人が選んでくれた水色の服を見下ろす。
スカートだけどシンプルで、後ろにリボンがあるだけなので思っていたよりも動きにくくはなさそうだ。
代わりに胸元には縦にフリルがたくさんついていた。こんなに肌触りが良くてヒラヒラした服を着たのは初めてだ。
髪も、いつも適当に上部分をふたつに縛っていただけだったのに、リリアンによって綺麗な編み込みが追加されている。しかも、リリアンが塗ってくれた何かのおかげか、髪がツルツルサラサラのふわふわで、なんだか別人になった気分だった。
「こ、皇女殿下。本当にお可愛いらしいです……!」
「はい……。元々可愛らしくはありましたが、こうして磨くとその輝きはより一層素晴らしいものになりますね……!」
二人にものすごく褒められて、なんだか自分でも、今の姿が気に入ってきた。
「お母さんとお父さんに会いにいきたいな。この姿を見せたいの!」
わたしがそう言うと、二人はなぜか少し困ったような顔をして顔を見合わせた。
「皇女殿下。実は、陛下たちは今、少し忙しくしていらっしゃいます。ですが、昼食は一緒に摂りたいと伺っておりますので、お二方へのお披露目はその時に致しませんか?」
「あっ。まずは、仲良しのプーニャに会いに行くのはいかがでしょう?」
……そうなのね。
少しガッカリしたけれど、確かに父は皇帝なのに目覚めたばかりなので、仕事がたくさんあるのだろう。母も皇后になるということだし、何かとやることが多いのかもしれない。
お昼ごはんの時には会えるみたいだし、忙しいのに二人を困らせたくはないので、わたしは大人しくメリアンたちの言うことを聞くことにした。
「わかったわ。じゃあ、クロに会いにいこうかな!」
そう言うと、二人とも笑顔で頷いてくれた。
「メリアン。わたしがここへ来たのは昨日のことなのに、どうしてそんなにたくさんの服があるの?」
「それは、昨日のうちに用意したからですわ!」
メリアンが堂々と言い放った。
でも、一日で用意したにしてはとてもたくさんある。もしかして、服屋さんの子供服を買い占めたのではないだろうか。
「そんなにいらないんじゃないかな?」
「そんな。とんでもないことです! 皇女殿下には、もっともっとお洋服やドレスが必要ですわ。これからはオーダーメイドで作っていきますが、しばらくはこちらの既製品で我慢してくださいませ!」
メリアンに、洋服の必要性を力説されてしまった。
皇女は、ほとんど毎日違う服を着なければならないらしい。もったいないけれど、そういうもののようだ。
「本日はどの服をお召しになりますか?」
「う、うーん……」
正直、全てヒラヒラしていて動きにくそうだ。
でもそんなことを言えば、きっとまた皇女はこういうものだと言われてしまう気がする。
「わたし、よくわからないわ。二人が決めて?」
「かしこまりました! どれにしましょう、リリアン!」
「そうですね。そのピンクのものか、水色のものがいいのではないかしら!」
そうして二人は、きゃあきゃあと楽しそうにわたしの服を選んでくれた。
「わぁ……」
二人が選んでくれた水色の服を見下ろす。
スカートだけどシンプルで、後ろにリボンがあるだけなので思っていたよりも動きにくくはなさそうだ。
代わりに胸元には縦にフリルがたくさんついていた。こんなに肌触りが良くてヒラヒラした服を着たのは初めてだ。
髪も、いつも適当に上部分をふたつに縛っていただけだったのに、リリアンによって綺麗な編み込みが追加されている。しかも、リリアンが塗ってくれた何かのおかげか、髪がツルツルサラサラのふわふわで、なんだか別人になった気分だった。
「こ、皇女殿下。本当にお可愛いらしいです……!」
「はい……。元々可愛らしくはありましたが、こうして磨くとその輝きはより一層素晴らしいものになりますね……!」
二人にものすごく褒められて、なんだか自分でも、今の姿が気に入ってきた。
「お母さんとお父さんに会いにいきたいな。この姿を見せたいの!」
わたしがそう言うと、二人はなぜか少し困ったような顔をして顔を見合わせた。
「皇女殿下。実は、陛下たちは今、少し忙しくしていらっしゃいます。ですが、昼食は一緒に摂りたいと伺っておりますので、お二方へのお披露目はその時に致しませんか?」
「あっ。まずは、仲良しのプーニャに会いに行くのはいかがでしょう?」
……そうなのね。
少しガッカリしたけれど、確かに父は皇帝なのに目覚めたばかりなので、仕事がたくさんあるのだろう。母も皇后になるということだし、何かとやることが多いのかもしれない。
お昼ごはんの時には会えるみたいだし、忙しいのに二人を困らせたくはないので、わたしは大人しくメリアンたちの言うことを聞くことにした。
「わかったわ。じゃあ、クロに会いにいこうかな!」
そう言うと、二人とも笑顔で頷いてくれた。
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