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第3話 魔女の館を後にして
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春樹は部屋を飛び出し、目の前の階段を駆け降りた。
玄関のドアを勢いよく開けると、驚くクリスの前に立ち、両手を広げ仁王立ちをする。
「ハルキ!どうして……!?」
「おっ俺は黒井 春樹!……っつ……とっ、めっ目の前で女の子がピンチなのを黙って見てることは出来ない!……やるなら、おっ俺が相手になるぜ!!」
本心、ハルキは震えていた。怖くて怖くて今にも逃げ出したかった。
(あの剣本物なのかな……本物だったらヤバいよな……)
だが今逃げ出したら自分は駄目なままだと、変わりたい、変わるんだと自分に言い聞かせた。
「ダメよ出て来ては!この人達はあなたを……」
クリスは慌てた表情でハルキに言い寄った。
しかし、助けに入ったハルキむなしく、ローブの男はクリスに剣を向ける。
「やはり嘘をついていたな!魔女め!」
相手の男は剣を構え今にも斬りかかりそうだった。
「まてまてまってくれ!クリスさんは倒れてた俺をその、助けてくれただけなんだ!何も悪い事はしてない!てかその、魔女ってどういう……」
「近隣の村から、魔女が国外の人間を屋敷でかくまっているという話を聞いた。許可なくかくまう事は重罪! ライン、彼女とこの男を罪人として連行しましょう」
==================
• ライン 男性 レベル16 年齢16歳
• 職業 騎士
• スキル 王国剣術2段
• 装備品 騎士の鎧
騎士の剣
==================
「そうだなリリィ!だが相手はかりにも黒炎の魔女だ油断するな!!」
==================
• リリィ 女性 レベル14 年齢15歳
• 職業 騎士
• スキル 王国剣術1段
基礎低位魔法
• 装備品 騎士の鎧
騎士の剣
==================
「待って下さい!かくまっていた事は事実だすが、彼には何の罪もありません!何かの間違いなくです。話を聞いて下さい!」
「黙れ魔女め!貴様の言う事など信じられない!大人しく我々に従え、抵抗するなら斬る!」
「ちょっ、ちょっと!俺の話は……」
春樹は完全に相手にされておらず、二人は剣の矛先をクリスだけに向けた。
「俺はフル無視ですかコラー!」
その時二人の後ろから、春樹が見たあの白髪の女性が現れる。
「ライン、リリィ、二人とも剣を納めなさい!我々は話をしに来ただけなのです!手荒な真似はよしなさい」
「ひっ姫さま、申し訳ありません……」
「失礼いたしました姫さま」
その言葉に二人はしぶしぶ剣を納めた。
「お2人共、我が騎士の無礼をお許し下さい。 私はアルカディア王国の王女……」
「姫さま?」
「メア・メール・アルカディアと申します」
==================
• メア・メール・アルカディア 女性
レベル28 年齢19歳
• 職業 アルカディア王国王女
• スキル 王国剣術5段
基礎中位魔法
• 装備品 魔法のローブ
白銀の鎧
白銀の剣
色見の宝石
==================
「王女!……王女様か!?」
春樹はメアを見るなり、あの時の少女を思い出す。
あの時の少女にそっくりだ、髪型、そして色も。
違うのは髪の色だけ。
白と黒だった…。
「あの?わたくしの顔に何か付いていますか?」
「えっ!あっあの、俺は春樹って言います、その…変な事聞くんですけど、クリスさんにも聞いたんだけど俺と何処かで会ったことあります?」
メアは首を横に振った。
「ハルキ様、あなたと会うのはこれが初めてです。どこか違う場所でわたくしに似ている人を見かけたのではありませんか?」
「えっ……」
この人も違う……。
「あなたにもご迷惑をかけましたね、黒炎の魔女。今回の事は不問としますが、この男性の身柄はこちらで預からせていただきます」
「それは国外者を処罰するために連行するということですか?」
「いいえ、少し違います。ですがこの男性に危害を加えたりはいたしません、ご安心を」
2人の話そっちのけでハルキは悩んでいた。
いったいあの少女は何者だったのか、クリスでもメアでもないあの少女は。
「えっと、すみません。それともう一つ聞きたいんですけど!さっきクリスさんのことを魔女って言ったのはどう意味なんですか?」
「そこにいる女性は、この世界に存在する魔女と呼ばれる者……黒炎の魔女といいます」
クリスはメアの言葉に悲しげな表情を浮かべ、うつむいた。
==================
• クリス・トワイライト レベル32
年齢???(見た目19歳くらい)
• 職業 魔女
• スキル 上位魔法
黒炎魔法
回復魔法
• 装備品 魔女のローブ
黒炎の短剣
黒宝石の首飾り
==================
そんなクリスの悲しげな表情に春樹は黙ってられなかった。
「魔女……魔女って悪い奴なんですか!?クリスさんにはクリスって言う名前がちゃんとあるんだから、魔女って吐き捨てるのは違うと思います!それに、クリスさんは俺を助けてくれた、俺の命の恩人なんです!だから…だからその……」
春樹はクリスをかばった。
命の恩人で、なによりこんな可愛い女の子の悲しい顔を見ていられなかった。
「彼女を疎ましく思っているわけではないのです。あなたと彼女に不快な思いをさせたのなら謝りましょう……」
「姫さま!何を!」
「ご無礼をお許しくださいクリス殿」
メアはハルキとクリスに向かって頭を下げた。
「村の者から連絡が入りここへ来たのは間違いありませんが、わたくしはもう一つ大事な事があってここへ足を運びました」
「大事な事って?」
メアは首に付けていたネックレスの赤い宝石を手に取りハルキに近づけた。
宝石は赤い色からしだいに無色透明な色へと変化していった。
「どうやらあなたはこの世界の人間ではないようですね」
「この世界の人間じゃない……? じゃあやっぱり俺は違う世界に……」
メアは春樹に近寄ると春樹の胸に手を当てた。
不意に当てられたメアの手、その真っ白く綺麗な腕に春樹の心臓は鼓動を早めた。
「やはり間違いありません。あなたは無色です……」
無色………。
無色とは何なんだ? クリスにも言われた、色がないと。
確かに自分は無職の引きこもりだが、それとは違う。
メアの手に春樹の胸の鼓動が伝わる、その鼓動はさらに早く高まる。
「心が無色の者は古来より別の世界からやって来た者とされています。 そして伝説では、無色なる心を持つ者は現れた国を繁栄させ勝利へ導くと言われています」
「俺が国を繁栄!?勝利に導くって……それってまるで……」
それを聞くや一瞬自分は勇者のようだと錯覚する。
「この国は今、隣国や他の魔女の脅威によって窮地に立たされております。もしあなたが伝承通りの存在ならば、お力を貸していただきたいのです」
力を貸せと言われても自分に何が出来るのか、ここに来て春樹はさらに不安が増した。
春樹はメアから一歩後ろに下がるとクリスに近寄った。
「この世界の事はまだよくわからないし俺に何が出来るのかわからないけど………それでも何か役に立つなら俺は力を貸すよ! 」
「ありがとうございますハルキ様」
少し腰を折り、頭を下げたメア。だがどこかその姿に春樹は違和感を感じていた。
「ではハルキ様、急ぎで申し訳ありませんが、出発を」
「えっ!もう出発!?」
春樹はクリスに別れを告げようと振り返る。
「その……短い間だったけど、色々とありがとう。 時間が出来たら絶対お礼をしに来るからさ…」
クリスは首を横に振った。
「お礼なんてとんでもないです、当然の事をしただけですし……それに私はあなたを……」
「お話の所申し訳ないですけど、時間があまりないのでお急ぎを」
急かすようにメアのお付きの二人が春樹を誘導する。
「絶対来るから!クリスさん、ありがとう!」
屋敷の外に停めてあった馬車、乗り込む前に春樹は最後に振り返り、屋敷を一目見ると馬車に乗り込んだ。
広くはないと言われた屋敷だか、想像以上に大きく、一人で暮らすには広すぎで、どこかクリスに寂しさをを覚えた。
「出発して下さい」
それを号令に馬車は走り出す。
クリスは離れていく春樹を見てぐっと奥歯を噛み締めると、馬車を追って走りだした。
馬車の窓から顔を覗かせたハルキ、走り寄るクリスを見て驚いた。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ!馬車を止めてくれ」
「!?……いったい何をハルキ様!!」
馬車に駆け寄るクリスを見つけた春樹は、馬車を止めるようメアに頼んだ。
「ライン!馬車を止めて下さい」
「かっ、かしこまりました姫さま!」
急停車するように激しく一瞬揺れると、馬車は止まった。
その間にクリスは息を切らしながら全速力で馬車に駆け寄った。
「どうか、私もお連れ下さい!私は魔女でこんなことをお願いする立場ではないことはわかっておりますが、どうかなにとぞ………」
クリスは膝をつき頭を下げた、相手は一国の王女、対して自分は魔女。
立場上こんなことを願い出るのはおかしい、たがクリスは必死で頭を下げた。
「クリスさん、どうして………」
「あなたは、自分の立場がおわかりなのですか?あなたが以前我が国に対して何をしたかも……」
「わかっております、ですがなにとぞ、なにとぞ…」
「おっ俺からも頼むよ……いや頼みます姫さま!」
クリスの必死の行動に春樹も一緒に頭を下げた。
「はぁ………まぁいいでしょう。ハルキ様の手前、こんなに必死にされているのに無下には出来ませんしね」
「あっ…ありがとうございます」
「ではどうぞお乗り下さいクリス殿」
「馬車を止めていただいたのに申し訳ありませんが、私は準備を済ませてから合流したいと考えています」
「わかりました。王都にはわたくしから連絡致しますのでご安心を」
「ありがとうございます!感謝いたします姫さま!!じゃあ、また後でなクリスさん」
「ありがとうハルキ、必ず追いかけるから先に行って待っててね」
「わかった!待ってる」
そう言うとクリスは準備を済ませてから王都に向かうと告げ3人を見送った。
再び出発した春樹達。
馬車は王都へ向かって走り出した。
玄関のドアを勢いよく開けると、驚くクリスの前に立ち、両手を広げ仁王立ちをする。
「ハルキ!どうして……!?」
「おっ俺は黒井 春樹!……っつ……とっ、めっ目の前で女の子がピンチなのを黙って見てることは出来ない!……やるなら、おっ俺が相手になるぜ!!」
本心、ハルキは震えていた。怖くて怖くて今にも逃げ出したかった。
(あの剣本物なのかな……本物だったらヤバいよな……)
だが今逃げ出したら自分は駄目なままだと、変わりたい、変わるんだと自分に言い聞かせた。
「ダメよ出て来ては!この人達はあなたを……」
クリスは慌てた表情でハルキに言い寄った。
しかし、助けに入ったハルキむなしく、ローブの男はクリスに剣を向ける。
「やはり嘘をついていたな!魔女め!」
相手の男は剣を構え今にも斬りかかりそうだった。
「まてまてまってくれ!クリスさんは倒れてた俺をその、助けてくれただけなんだ!何も悪い事はしてない!てかその、魔女ってどういう……」
「近隣の村から、魔女が国外の人間を屋敷でかくまっているという話を聞いた。許可なくかくまう事は重罪! ライン、彼女とこの男を罪人として連行しましょう」
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• ライン 男性 レベル16 年齢16歳
• 職業 騎士
• スキル 王国剣術2段
• 装備品 騎士の鎧
騎士の剣
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「そうだなリリィ!だが相手はかりにも黒炎の魔女だ油断するな!!」
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• リリィ 女性 レベル14 年齢15歳
• 職業 騎士
• スキル 王国剣術1段
基礎低位魔法
• 装備品 騎士の鎧
騎士の剣
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「待って下さい!かくまっていた事は事実だすが、彼には何の罪もありません!何かの間違いなくです。話を聞いて下さい!」
「黙れ魔女め!貴様の言う事など信じられない!大人しく我々に従え、抵抗するなら斬る!」
「ちょっ、ちょっと!俺の話は……」
春樹は完全に相手にされておらず、二人は剣の矛先をクリスだけに向けた。
「俺はフル無視ですかコラー!」
その時二人の後ろから、春樹が見たあの白髪の女性が現れる。
「ライン、リリィ、二人とも剣を納めなさい!我々は話をしに来ただけなのです!手荒な真似はよしなさい」
「ひっ姫さま、申し訳ありません……」
「失礼いたしました姫さま」
その言葉に二人はしぶしぶ剣を納めた。
「お2人共、我が騎士の無礼をお許し下さい。 私はアルカディア王国の王女……」
「姫さま?」
「メア・メール・アルカディアと申します」
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• メア・メール・アルカディア 女性
レベル28 年齢19歳
• 職業 アルカディア王国王女
• スキル 王国剣術5段
基礎中位魔法
• 装備品 魔法のローブ
白銀の鎧
白銀の剣
色見の宝石
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「王女!……王女様か!?」
春樹はメアを見るなり、あの時の少女を思い出す。
あの時の少女にそっくりだ、髪型、そして色も。
違うのは髪の色だけ。
白と黒だった…。
「あの?わたくしの顔に何か付いていますか?」
「えっ!あっあの、俺は春樹って言います、その…変な事聞くんですけど、クリスさんにも聞いたんだけど俺と何処かで会ったことあります?」
メアは首を横に振った。
「ハルキ様、あなたと会うのはこれが初めてです。どこか違う場所でわたくしに似ている人を見かけたのではありませんか?」
「えっ……」
この人も違う……。
「あなたにもご迷惑をかけましたね、黒炎の魔女。今回の事は不問としますが、この男性の身柄はこちらで預からせていただきます」
「それは国外者を処罰するために連行するということですか?」
「いいえ、少し違います。ですがこの男性に危害を加えたりはいたしません、ご安心を」
2人の話そっちのけでハルキは悩んでいた。
いったいあの少女は何者だったのか、クリスでもメアでもないあの少女は。
「えっと、すみません。それともう一つ聞きたいんですけど!さっきクリスさんのことを魔女って言ったのはどう意味なんですか?」
「そこにいる女性は、この世界に存在する魔女と呼ばれる者……黒炎の魔女といいます」
クリスはメアの言葉に悲しげな表情を浮かべ、うつむいた。
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• クリス・トワイライト レベル32
年齢???(見た目19歳くらい)
• 職業 魔女
• スキル 上位魔法
黒炎魔法
回復魔法
• 装備品 魔女のローブ
黒炎の短剣
黒宝石の首飾り
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そんなクリスの悲しげな表情に春樹は黙ってられなかった。
「魔女……魔女って悪い奴なんですか!?クリスさんにはクリスって言う名前がちゃんとあるんだから、魔女って吐き捨てるのは違うと思います!それに、クリスさんは俺を助けてくれた、俺の命の恩人なんです!だから…だからその……」
春樹はクリスをかばった。
命の恩人で、なによりこんな可愛い女の子の悲しい顔を見ていられなかった。
「彼女を疎ましく思っているわけではないのです。あなたと彼女に不快な思いをさせたのなら謝りましょう……」
「姫さま!何を!」
「ご無礼をお許しくださいクリス殿」
メアはハルキとクリスに向かって頭を下げた。
「村の者から連絡が入りここへ来たのは間違いありませんが、わたくしはもう一つ大事な事があってここへ足を運びました」
「大事な事って?」
メアは首に付けていたネックレスの赤い宝石を手に取りハルキに近づけた。
宝石は赤い色からしだいに無色透明な色へと変化していった。
「どうやらあなたはこの世界の人間ではないようですね」
「この世界の人間じゃない……? じゃあやっぱり俺は違う世界に……」
メアは春樹に近寄ると春樹の胸に手を当てた。
不意に当てられたメアの手、その真っ白く綺麗な腕に春樹の心臓は鼓動を早めた。
「やはり間違いありません。あなたは無色です……」
無色………。
無色とは何なんだ? クリスにも言われた、色がないと。
確かに自分は無職の引きこもりだが、それとは違う。
メアの手に春樹の胸の鼓動が伝わる、その鼓動はさらに早く高まる。
「心が無色の者は古来より別の世界からやって来た者とされています。 そして伝説では、無色なる心を持つ者は現れた国を繁栄させ勝利へ導くと言われています」
「俺が国を繁栄!?勝利に導くって……それってまるで……」
それを聞くや一瞬自分は勇者のようだと錯覚する。
「この国は今、隣国や他の魔女の脅威によって窮地に立たされております。もしあなたが伝承通りの存在ならば、お力を貸していただきたいのです」
力を貸せと言われても自分に何が出来るのか、ここに来て春樹はさらに不安が増した。
春樹はメアから一歩後ろに下がるとクリスに近寄った。
「この世界の事はまだよくわからないし俺に何が出来るのかわからないけど………それでも何か役に立つなら俺は力を貸すよ! 」
「ありがとうございますハルキ様」
少し腰を折り、頭を下げたメア。だがどこかその姿に春樹は違和感を感じていた。
「ではハルキ様、急ぎで申し訳ありませんが、出発を」
「えっ!もう出発!?」
春樹はクリスに別れを告げようと振り返る。
「その……短い間だったけど、色々とありがとう。 時間が出来たら絶対お礼をしに来るからさ…」
クリスは首を横に振った。
「お礼なんてとんでもないです、当然の事をしただけですし……それに私はあなたを……」
「お話の所申し訳ないですけど、時間があまりないのでお急ぎを」
急かすようにメアのお付きの二人が春樹を誘導する。
「絶対来るから!クリスさん、ありがとう!」
屋敷の外に停めてあった馬車、乗り込む前に春樹は最後に振り返り、屋敷を一目見ると馬車に乗り込んだ。
広くはないと言われた屋敷だか、想像以上に大きく、一人で暮らすには広すぎで、どこかクリスに寂しさをを覚えた。
「出発して下さい」
それを号令に馬車は走り出す。
クリスは離れていく春樹を見てぐっと奥歯を噛み締めると、馬車を追って走りだした。
馬車の窓から顔を覗かせたハルキ、走り寄るクリスを見て驚いた。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ!馬車を止めてくれ」
「!?……いったい何をハルキ様!!」
馬車に駆け寄るクリスを見つけた春樹は、馬車を止めるようメアに頼んだ。
「ライン!馬車を止めて下さい」
「かっ、かしこまりました姫さま!」
急停車するように激しく一瞬揺れると、馬車は止まった。
その間にクリスは息を切らしながら全速力で馬車に駆け寄った。
「どうか、私もお連れ下さい!私は魔女でこんなことをお願いする立場ではないことはわかっておりますが、どうかなにとぞ………」
クリスは膝をつき頭を下げた、相手は一国の王女、対して自分は魔女。
立場上こんなことを願い出るのはおかしい、たがクリスは必死で頭を下げた。
「クリスさん、どうして………」
「あなたは、自分の立場がおわかりなのですか?あなたが以前我が国に対して何をしたかも……」
「わかっております、ですがなにとぞ、なにとぞ…」
「おっ俺からも頼むよ……いや頼みます姫さま!」
クリスの必死の行動に春樹も一緒に頭を下げた。
「はぁ………まぁいいでしょう。ハルキ様の手前、こんなに必死にされているのに無下には出来ませんしね」
「あっ…ありがとうございます」
「ではどうぞお乗り下さいクリス殿」
「馬車を止めていただいたのに申し訳ありませんが、私は準備を済ませてから合流したいと考えています」
「わかりました。王都にはわたくしから連絡致しますのでご安心を」
「ありがとうございます!感謝いたします姫さま!!じゃあ、また後でなクリスさん」
「ありがとうハルキ、必ず追いかけるから先に行って待っててね」
「わかった!待ってる」
そう言うとクリスは準備を済ませてから王都に向かうと告げ3人を見送った。
再び出発した春樹達。
馬車は王都へ向かって走り出した。
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