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第5話 白銀の王女
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悪寒を漂わせるような冷たい空気が辺りに漂う。
まるで死に直面したように2人は足をすくめた。
「魔女の瞳……聞いたことがあります。王都の裏で密かに武器の密売、怪しげな薬の取引や依頼があれば殺人もいとわない集団だと…」
「その話聞かなくてもやばい集団だって一目でわかるんだけど、そんな奴らがなんでもって俺達を!」
仮面の男は腰から短剣を抜くとハルキに向けた。
==================
• 仮面の男 レベル推定40 年齢不明
• 職業 魔女の瞳 暗殺部隊隊長
• スキル 影使い
暗殺技
• 装備品 不気味な仮面
影の小太刀
暗殺者のローブ
==================
「あなたには用はないのです。用があるのは貴女だけなのですよ…メア王女、おとなしくついて来てもらいますよ」
「剣を下ろしなさい!彼は関係ないのでしょう!私に用があるなら私1人にして彼を解放しなさい」
「それは出来ぬ相談でございますね。まあどちらにせよ我々を見られたからには消えてもらいますが」
「そうですか、聞き入れられないという事でしたらこちらにも考えがあります!」
「ほう、それはどんな考えがあるか教えてほしいものです」
メアは王女という立場ではあるが、剣を握れば王都の王宮騎士団長に匹敵する実力の持ち主ではある。
周りにいる仮面以外の敵の数は6人、メアならばたやすく突破できるが、仮面の男はそうはいかないだろう。
仮面の内側から滲み出る殺気に、かなりの手練れである事は容易にわかった。
ましてハルキを守りながら戦い抜くのはおそらく無理だろう。
「……ハルキ、合図をしたら全力で後ろへ走って下さい。それとこれを…」
メアは腰から一本のナイフをハルキに手渡した。
「これは?」
「護身用のナイフです。呪文が込められているので一度だけ魔法が使えます。それで万が一の場合には自分で身を守って下さい」
==================
• 王家の紋章が彫り込まれた護身用ナイフ
• 攻撃値+4
• 一度だけ低位の炎の魔法が使える
==================
「守るったって!こんな銃刀法違反みたいなナイフ持った事ないし、まして人に向けるなんて無理だよ!だいたいメアはどうするのさ!?武器あるのかよ!」
「私にはこれがあるので大丈夫です!ハルキも必ず守ります。ナイフはあくまでも万が一の場合の保険だと思って下さい」
メアは腰に隠すようにしてあった剣を静かに抜いた。
「銀色?いや、メタルな剣?」
「ほう、それが噂に聞く王都の秘剣、白銀の剣ですか……」
==================
• 白銀の剣
• 攻撃値+42
• 素早値+20
• 白銀の魔法と剣技が使用可能になる。
• 白銀の剣は王家の者しか装備出来ない。
• ?????
==================
鞘から抜かれた白銀の剣は呼吸をするように辺りの空気を集めだす。
「白銀に封じられし古の狼よ!刃となりて我が敵を討ち滅ぼせ……」
「まずい何かする気です!詠唱を唱え終わる前に彼女を捕らえなさい!」
周りにいた男達は一斉に武器を構えてメアとハルキに襲いかかる。
「だぁぁぁぁ!やってやる!やってやるぜ!」
「……銀狼乱牙!」
メアは襲い掛かってくる周囲の敵を薙ぎ払うように剣を振った。
剣から解き放たれるように無数の斬撃が飛び出してきた狼達の牙のように周囲を切り裂いた。
「ぐわっ!」
6人いた男達は斬撃を受けるとバタバタとその場に倒れた。
「今ですハルキ!森へ走って下さい!」
さっきまで恐怖で目をつむっていたハルキは、それが聞こえると了解と言わんばかりに走り出した。
「くっ、逃がしませんよ!シャドウナイフ!」
仮面の男から無数の黒い影のようなナイフが放たれる。
「銀狼乱牙!」
向かってくるナイフをメアは一太刀で全て撃ち落とす。
「全力全力!全力退避!とにかく走れ俺、こんな事なら運動少しはするんだった俺!」
後ろは一切振り返らず、ハルキはただただ後ろにそびえ立つ巨大な木を目印にして走っていた。
「これであなたと一対一で戦えます。あなたは全力で戦わないといけない相手のようなので本気で行きます!」
「はぁ~困りましたね。おとなしくご同行していただけないとは……しかし彼は残念でしたね。もっと残酷に死ぬ事になるのですから……」
「残酷に?どういう意味ですか!?」
(クスッ)
仮面の男はその仮面の裏で笑みを浮かべていた。
「万が一森へ逃げられては困るので、彼女を忍ばせておいたのですよ」
「彼女?彼女っていったい?」
千年樹の森入り口→→→→→千年樹の森
ハルキはなおも全力で走っていた。
こんなにも走ったのはいつ以来だろう。それこそ高校?むしろ初めて……?
「ぜぇ、ぜぇ……ここまで来れば大丈夫か?もうメア達も見えないし、てかむしろ俺だけ1人で大丈夫なのか!?」
ハルキは遭難者のようにポツンと森の木々に囲まれていた。
森での静けさが次第に1人のハルキの恐怖心を駆り立てていた。
「とっ、とにかく!奴らからは逃げ切った。この辺でおとなしくしていればいつかメア達が助けに来てくれるだろう……来るよな……」
(ガサッ)
「ひぃ!?誰だ!何かいんのか!もしかして異世界だからモンスターとか魔獣とかいんのかよ!命狙われて次はモンスターに食い殺されんのかよ!」
音のした方へナイフを構える。
恐怖を押し殺しゆっくりと確認するように近寄った。
「ムー!」
「なんだこいつ。耳の長い……ブタ?」
木々に囲まれた林から飛び出して来たのは耳がウサギのような小さなブタだった。
「ムー!ムー!」
==================
• 即死ブタ 危険度C+(子供はF)
• このブタの突進を受けると互いに死に至る場合が80%を越える。
• 群れで行動する場合が多く、遭遇したら一刻も早く逃げなければならない。
• なお、即死豚の肉は上質な油が引き締まっており、高級食材として用いられる。
==================
「なんだよ脅かすなよ、めっちゃヤバそうなモンスター来たのかと思ったぜ…」
ブタはハルキの周りを匂いを嗅ぐようにゆっくり歩くと、少しして何かに怯えるように逃げ出した。
「さっきの豚ちゃんも、君達にとっては少し危険なモンスターなんだよ?」
不意に耳元で声がしてハルキは振り返る。
「あんた……誰?いつからそこに?」
「私?私はね……君を殺しに来た悪い魔女……」
「魔女!?」
「氷槍の魔女、アリシア・ロック・コルド……よろしくね」
まるで死に直面したように2人は足をすくめた。
「魔女の瞳……聞いたことがあります。王都の裏で密かに武器の密売、怪しげな薬の取引や依頼があれば殺人もいとわない集団だと…」
「その話聞かなくてもやばい集団だって一目でわかるんだけど、そんな奴らがなんでもって俺達を!」
仮面の男は腰から短剣を抜くとハルキに向けた。
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• 仮面の男 レベル推定40 年齢不明
• 職業 魔女の瞳 暗殺部隊隊長
• スキル 影使い
暗殺技
• 装備品 不気味な仮面
影の小太刀
暗殺者のローブ
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「あなたには用はないのです。用があるのは貴女だけなのですよ…メア王女、おとなしくついて来てもらいますよ」
「剣を下ろしなさい!彼は関係ないのでしょう!私に用があるなら私1人にして彼を解放しなさい」
「それは出来ぬ相談でございますね。まあどちらにせよ我々を見られたからには消えてもらいますが」
「そうですか、聞き入れられないという事でしたらこちらにも考えがあります!」
「ほう、それはどんな考えがあるか教えてほしいものです」
メアは王女という立場ではあるが、剣を握れば王都の王宮騎士団長に匹敵する実力の持ち主ではある。
周りにいる仮面以外の敵の数は6人、メアならばたやすく突破できるが、仮面の男はそうはいかないだろう。
仮面の内側から滲み出る殺気に、かなりの手練れである事は容易にわかった。
ましてハルキを守りながら戦い抜くのはおそらく無理だろう。
「……ハルキ、合図をしたら全力で後ろへ走って下さい。それとこれを…」
メアは腰から一本のナイフをハルキに手渡した。
「これは?」
「護身用のナイフです。呪文が込められているので一度だけ魔法が使えます。それで万が一の場合には自分で身を守って下さい」
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• 王家の紋章が彫り込まれた護身用ナイフ
• 攻撃値+4
• 一度だけ低位の炎の魔法が使える
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「守るったって!こんな銃刀法違反みたいなナイフ持った事ないし、まして人に向けるなんて無理だよ!だいたいメアはどうするのさ!?武器あるのかよ!」
「私にはこれがあるので大丈夫です!ハルキも必ず守ります。ナイフはあくまでも万が一の場合の保険だと思って下さい」
メアは腰に隠すようにしてあった剣を静かに抜いた。
「銀色?いや、メタルな剣?」
「ほう、それが噂に聞く王都の秘剣、白銀の剣ですか……」
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• 白銀の剣
• 攻撃値+42
• 素早値+20
• 白銀の魔法と剣技が使用可能になる。
• 白銀の剣は王家の者しか装備出来ない。
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鞘から抜かれた白銀の剣は呼吸をするように辺りの空気を集めだす。
「白銀に封じられし古の狼よ!刃となりて我が敵を討ち滅ぼせ……」
「まずい何かする気です!詠唱を唱え終わる前に彼女を捕らえなさい!」
周りにいた男達は一斉に武器を構えてメアとハルキに襲いかかる。
「だぁぁぁぁ!やってやる!やってやるぜ!」
「……銀狼乱牙!」
メアは襲い掛かってくる周囲の敵を薙ぎ払うように剣を振った。
剣から解き放たれるように無数の斬撃が飛び出してきた狼達の牙のように周囲を切り裂いた。
「ぐわっ!」
6人いた男達は斬撃を受けるとバタバタとその場に倒れた。
「今ですハルキ!森へ走って下さい!」
さっきまで恐怖で目をつむっていたハルキは、それが聞こえると了解と言わんばかりに走り出した。
「くっ、逃がしませんよ!シャドウナイフ!」
仮面の男から無数の黒い影のようなナイフが放たれる。
「銀狼乱牙!」
向かってくるナイフをメアは一太刀で全て撃ち落とす。
「全力全力!全力退避!とにかく走れ俺、こんな事なら運動少しはするんだった俺!」
後ろは一切振り返らず、ハルキはただただ後ろにそびえ立つ巨大な木を目印にして走っていた。
「これであなたと一対一で戦えます。あなたは全力で戦わないといけない相手のようなので本気で行きます!」
「はぁ~困りましたね。おとなしくご同行していただけないとは……しかし彼は残念でしたね。もっと残酷に死ぬ事になるのですから……」
「残酷に?どういう意味ですか!?」
(クスッ)
仮面の男はその仮面の裏で笑みを浮かべていた。
「万が一森へ逃げられては困るので、彼女を忍ばせておいたのですよ」
「彼女?彼女っていったい?」
千年樹の森入り口→→→→→千年樹の森
ハルキはなおも全力で走っていた。
こんなにも走ったのはいつ以来だろう。それこそ高校?むしろ初めて……?
「ぜぇ、ぜぇ……ここまで来れば大丈夫か?もうメア達も見えないし、てかむしろ俺だけ1人で大丈夫なのか!?」
ハルキは遭難者のようにポツンと森の木々に囲まれていた。
森での静けさが次第に1人のハルキの恐怖心を駆り立てていた。
「とっ、とにかく!奴らからは逃げ切った。この辺でおとなしくしていればいつかメア達が助けに来てくれるだろう……来るよな……」
(ガサッ)
「ひぃ!?誰だ!何かいんのか!もしかして異世界だからモンスターとか魔獣とかいんのかよ!命狙われて次はモンスターに食い殺されんのかよ!」
音のした方へナイフを構える。
恐怖を押し殺しゆっくりと確認するように近寄った。
「ムー!」
「なんだこいつ。耳の長い……ブタ?」
木々に囲まれた林から飛び出して来たのは耳がウサギのような小さなブタだった。
「ムー!ムー!」
==================
• 即死ブタ 危険度C+(子供はF)
• このブタの突進を受けると互いに死に至る場合が80%を越える。
• 群れで行動する場合が多く、遭遇したら一刻も早く逃げなければならない。
• なお、即死豚の肉は上質な油が引き締まっており、高級食材として用いられる。
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「なんだよ脅かすなよ、めっちゃヤバそうなモンスター来たのかと思ったぜ…」
ブタはハルキの周りを匂いを嗅ぐようにゆっくり歩くと、少しして何かに怯えるように逃げ出した。
「さっきの豚ちゃんも、君達にとっては少し危険なモンスターなんだよ?」
不意に耳元で声がしてハルキは振り返る。
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