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何なのこの不良達は!

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 次の日、朝一で銀髪からスマホにメッセージが来た。
『葵くんから伝言!今日のお昼に生徒会室に来てって。お弁当は用意するよー』
 どうなるのか決まったのか。
 その事を早川に話すと俺も行くと言い出した。


「貴哉一人だと心配だからついて行く」

「案外普通だぞ?昨日も普通にテストやらされただけだし。あ、弁当は豪華だったな」

「一条さんの噂だけどさ」

「ん?」

「あの人、誰にも手に負えないぐらいの不良だったんだって。それこそ貴哉みたいに退学になるかもって話も出たぐらい」

「てか今そうなってないのが不思議だ」

「生徒会長が何とかしたんだってよ」

「そう言えばあの二人仲良さそうだったぜ。でも学年違うよな?」

「うん。生徒会長は三年で一条さんは二年だ」

「ふーん、まぁそんな銀髪の退学を何とか出来たんだから俺の事も何とかしてくれるだろ」

「……あ、一条さんの噂まだあるんだよ」

「どんな噂だ?」

「恐ろしく頭が良いって噂。あの生徒会長よりも遥かに上だって」

「ははは!噂だろ?あの銀髪が頭良いとか無いだろ」


 あんな見た目で性格してるのに、頭が良いなんて想像出来なくて普通に笑ったら、早川は不安そうにしていた。


「貴哉ぁ、本当に大丈夫?一条さんって喧嘩も強いんだぜ?いくら貴哉も喧嘩出来るからって勝てるかどうか分からないし」

「あ、あいつと初めて会った時数人に絡まれてたな。あの時の動きは確かに出来る奴の動きだった」

「うわ、その絡まれてたのだって絶対何かやらかしたんだよ!そうじゃなきゃ一条さんに絡む奴なんかいないって」

「でも何かあったら早川も加勢してくれるんだろ?頼りにしてるぜ彼氏♪」

「そりゃそうだけど」


 正直早川が誰かと喧嘩してるのなんて中西と言い合いしてるぐらいしか見た事がねぇけど、まぁ二人いりゃ何とかなるだろ。最悪馬鹿力の中西呼ぶし。
 そういや俺も高校入ってから誰かと殴り合ったりの喧嘩してねぇな。腕には自信あったけど今やったらどうだか分かんねーかもな。

 早川の後ろで昼休みの弁当は何だろうかと考えていたらふと通ったコンビニで見覚えのある男が目に入って早川を止めた。


「早川ストップ!」

「何だよ?トイレか?」

「ちげーよ!アレ見ろ!」


 コンビニから出て来た男女を指差すと、早川も驚いていた。
 出て来たのは戸塚と、噂の美女だった。


「うわー、あの噂マジだったんだ」

「早川!あの女の制服どこのだ!?」

「桃女だ。桃ヶ丘学園。女子校でめっちゃ頭良いとこだよ」

「あの鉄仮面のやろー、隅におけねぇな!」

「戸塚の奴めっちゃニヤけてるし!ちょっと茶化してやろーぜ」


 これはビッグニュースだな。まさか直登の次はあんなに美人に手を出すとは。直登もだったけど、どちらも美人だな。戸塚は面食いなのか。

 
「おーい戸塚ー!」

「……ちっ」


 早川が呼ぶとキョロキョロしてこっちに気付くとさも嫌そうな顔をされた。戸塚らしくて逆に安心するな。


「よう戸塚」

「ああ」


 俺が声を掛けると返事が返って来て少し驚いた。隣にいる女は警戒してるのかジッと睨んで来た。


「初めまして。俺達戸塚の友達だよー。君の名前は?」


 さすがチャラ男。女の扱い慣れてんなー。
 女は早川を一度見てそれからフイッとそっぽ向いた。


「ププ、振られてやんの!ダセー」

「振られてもいーもん♡俺には貴哉がいるもーん♡」

「はぁ……芽依、俺のクラスメイトだ。悪い人達ではない」

「芽依ちゃんって言うの?芽依ちゃんは戸塚とはどんな関係なのー?」

「春樹!何なのこの不良達は!いつからこんな人達と付き合うようになったのよ!」

「なっ!ふ、不良って……」


 やっと喋ったと思ったらまさかの苦情だった。早川は女に不良と言われてショックだったのか、言葉を失っていた。


「ただのクラスメイトだ。そろそろ行こう。間に合わなくなるぞ」

「もう!春樹まで不良になったらダメだからね!」


 結局俺達を置いて二人は歩いて行ってしまった。戸塚ってばすげぇ女の趣味してんな。気の強いのなんの。早川なんかまだショック受けてるし。


「おーい?早川ー?女に相手にされなかったのがそんなにショックかー?」

「それは気にしてねぇけど、不良とか初めて言われた……」

「そりゃ戸塚に比べたらお前は不良だろ」

「この清潔感溢れる俺がか!?くそー、もっと自分磨かなきゃ!」


 たまたま芽依って女のタイプじゃなかっただけだろ。とは言わずにとりあえず背中をポンポンと叩いて励ましてやった。
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