黄金の鍵と曖昧な君

pino

文字の大きさ
20 / 48
3章

19.嫌な気配

しおりを挟む

 それから俺とユディはフリージア様の元でいろいろな事を教わった。飛び方や天界や魔界の事、更には魔法の使い方や体術なども教えてくれた。
 どれも学校で教わる内容とは違って、基礎から実用的な事、それを応用した物や学校では教えてくれないような事まで細かく教えてくれた。


「エリム、大分速く飛べるようになったね」

「ほんと!?やったぁ♪」 

「二人共、休憩にしますよ」


 フリージア様に付いて飛ぶ特訓をしていたらユディに褒められた♪飛んでいる時はフリージア様が結界を張ってくれているからあまり離れられないプレッシャーからか、飛ぶ訓練だけは一生懸命やった。

 そして休憩中に、ユディが思い出したかのようにフリージア様に質問をしていた。


「フリージア様は黄金の鍵はご存知ですか?」

「黄金の鍵ですか」


 すっかり忘れていたけど、俺達が学校で出されていた課題の探し物の事だ。確かアンビシャス様が知っていたからフリージア様も知ってる筈だ。


「ユディ良く覚えてたね~」

「ずっと気になってたよ。俺達は学校へ行かなくなったけど、もう他の生徒達が見付けたのかなって」

「まだ見付けられてはいないでしょう」

「えっ!」

「どういう事ですか?」

「貴方達天使見習いに黄金の鍵探しを命じたのはアンビシャス様なのですよ」


 フリージア様は楽しそうに教えてくれた。
 まさかの新事実ユディはビックリだ。
 俺は知らされていたから驚かなかったけど、それならフリージア様はどこにあるのかも知ってるのかな?


「それじゃあアンビシャス様が鍵を隠したのですか?」

「隠したと言いますか……それは見つけようとしても見つからない物なのです」

「何それー!そんな物どうやって探せって言うんです?」

「それは貴方達次第。これ以上は教えられませんが、一つ言える事はエリム、貴方が一番近くまで来ていました。だからアンビシャス様は貴方に興味を示したのです」

「俺ぇ!?じゃあやっぱり聖なる森にあるのかな!?」

「ふふ、貴方ならいつか見つけられますよ」

「エリム凄いじゃないか」


 凄いと言われても、聖なる森では殆ど遊んでただけなんだけどなぁ。
 思い当たる節が無くて不思議に思っていると、フリージア様の顔が険しくなった。


「二人共、私から離れないで下さい」

「はい!」

「フリージア様、どうしたんですか?」


 フリージア様は立ち上がり、俺達を護るように翼を大きく広げた。キラキラと輝く翼の中で俺とユディは何事かと困惑していた。
 するとユディも眉間に皺を寄せて俺の肩を抱いて自分の方へ引き寄せた。
 俺は何が起こってるのか訳が分からずにいた。


「ユディも感じましたか?」

「はい。とても嫌な気配です。追っ手ですか?」

「いいえ。追っ手なら同じ天使でしょう。同じ天使ならここまで威圧的な空気は出しません」

「まさか!?」

「ええ、とうとういらしたみたいですね」


 二人で会話をしているけど、俺には全く分からなかった。
 二人は何を感じ取って何が迫って来てるんだ!?
 ちょっと速く飛べるようになっただけで、俺が二人に追い付くのはまだまだ先の話になりそうだ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

うちの魔王様が過保護すぎる

秋山龍央
BL
主人公・折本修司(オリモトシュウジ)は転生恩恵女神様ガチャにはずれて異世界に転生して早々、つんでいた。 「異世界で言葉が分かるようにしてくれ」と頼んだところ、相手の言葉は分かるが自分は異世界の言葉は喋れない状態となり、 「平和な国に転生したい」と頼んだところ、平和で治安のいい国に転生をすることはできたものの、そこは人間のいない魔族だけの国だったのである。 困っていた主人公の元に、異世界の"魔王"である紅の髪と角を持つ男があらわれて―― 「まさか――そっくりだとは思ってたけれど、お前、本当にシュウなのか?」 異世界転生魔王様×異世界転生主人公 幼馴染年下攻めだけど年上攻めです

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

壁乳

リリーブルー
BL
ご来店ありがとうございます。ここは、壁越しに、触れ合える店。 最初は乳首から。指名を繰り返すと、徐々に、エリアが拡大していきます。 俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 じれじれラブコメディー。 4年ぶりに続きを書きました!更新していくのでよろしくお願いします。 (挿絵byリリーブルー)

処理中です...