黄金の鍵と曖昧な君

pino

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4章

47.いざ幸運の塔へ

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 俺がそのドリーって言うお兄さんについて聞こうとすると、アルはとても嫌そうな顔をした。
 仲が悪いのかな?


「ドリーってのは愛称で、みんなからそう呼ばれてる。本名はドリーム・シュバルツ。七人兄弟の長男で、魔界では兄弟の中でも最も信頼されてる男だな。下の弟達からも好かれてて懐かれてるのには反吐がでそうになる。腕っぷしの勝負にはめっぽう弱いけど、得意の魔術を使うと魔界一って言われてるんだ。俺も多少の魔術なら使えなくはないけど、ドリーには劣るな」


 嫌々ながらもドリーについて教えてくれた。
 アルは兄であるドリーの事が苦手らしい。話してる間ずっと嫌な顔をしているのが印象的だ。
 でもこうして良い所も教えてくれるのはやっぱりアルは良い悪魔だからか。はたまた口ではこう言ってるけど、兄として尊敬している部分があるのかは分からない。


「ドリーも凄い悪魔なんだね。みんなから好かれてるなんて会うのが楽しみだな♪」

「あいつもラブと同じで天使とでも普通に話すだろうよ。あの二人は特に悪魔らしくねぇからな」

「アルもそうじゃないの?俺達とすっかり仲良くなったじゃん」

「勘違いすんじゃねぇよ。俺はアスを連れ戻す為にお前らを利用してるだけだフリージアといた方が天界ここじゃ有利みてぇだからな」


 じっと黙って話を聞いているフリージア様を見てアルはそう言った。
 ずっとアルはそう言うけど、俺は本当にそうなのかなと疑いたくなる。
 だって、アルって結構役立ってるよね?口が悪くて素っ気ない事を言うけど、圧倒的な戦力である事は間違いない。
 だから俺はアルは良い悪魔なんだと思う。
 そして凄い悪魔。ドラゴンさんを手懐けちゃったのが何よりの証拠だ。

 
「理由はどうであれアルがいれば心強い。この先もよろしくな」

「お?何だよ素直じゃん♪従順な奴は好きだぜ」


 俺の隣でユディが改めて挨拶をすると、アルは機嫌良さそうに笑った。
 二人が仲良くしてるのを見てるのって何だかいいなぁ♪
 
 俺が二人を見てほっこりしてると、アルが俺のほっぺをつねった。


「いひゃい!何するんだ!」

「人の顔見てニヤけてるからだよ。これからが本番なんだからシャキッとしろって」

「だって二人ってお似合いなんだもん♪」

「エリムから見てそう見えたなら悲しいな」

「どうして?」

「こんな野蛮な悪魔とお似合いだなんて、俺もそう見えるって事だろ?」

「誰が野蛮だっ」

「ユディの事は野蛮だなんて思ってないよ~」

「俺様の事は思ってるのかよっ」


 アルが俺とユディを交互にツッコミをしていて、おかしくてユディと二人で笑った。
 それを見てアルも仕方なさそうに笑っていた。

 凄く楽しいな。今から厳しい戦いになるかも知れないのに、俺は心から楽しいと思っていた。

 そしてフリージア様が合図をしたから、俺達は揃って向き直る。そろそろ出発するようだ。


「さぁみなさんこれから大移動をしますよ。心を落ち着かせて楽にしていて下さいね」

「はーい♪ワープするの楽しみ~♪」

「エリム、手を繋ごう」

「うん♪」

「あ?お手手なんか繋いで怖ぇのか?」

 
 ユディに差し出された手をギュッと握ると、アルが意地悪く茶化して来た。
 こうなったらアルも一緒だー♪

 俺が無理矢理アルの手を握ると、アルは抵抗する事なく繋いでくれた。


「アルも繋ぎたいならそう言えばいいのに♪」

「バーカ、それはお前がだろ?俺様と手を繋ぎたいのがバレバレなんだよ」

「そう言う事にしてあげよう♪」

「あ?何だよその見下したような言い方は~」

「アル、そろそろ黙ろう。フリージア様が集中出来ないだろ」

「ふふ♪みんな仲良くて素敵です。それでは幸運の塔へ移動しますよ」


 俺はユディとアルと手を繋いだまま、フリージア様の転移魔法を使うのをジッと待った。勿論ドラゴンさんも一緒だ。

 この先待ち受けているのが茨の道だったとしてもこのメンバーならきっと乗り越えられる!
 そしてアスを助けてまた一緒に笑うんだ。
 待っててねアス!今行くからね!


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