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1章 貴哉の新しい恋
その代わり今日家に来いよ♡
しおりを挟む俺は数馬の手を握って顔を上げさせる。そして目と目を合わせて手を引く。
「数馬、ちと付いて来い」
「……?」
俺は数馬を連れて教室がある階へは向かわずにそのまま図書室の方へ向かう。正確には図書室の隣の部屋だ。
あそこは鍵が掛かってなくていつでも出入りが出来る。こっそり過ごすには穴場なんだ。先客がいなかったらだけどな。
朝から使う奴はいないだろうと思ってドアを開けるとガラッと開く。そして薄暗い中には人の気配は無かった。中に入ってカーテンを開けて日差しを入れると、ここでもう一眠りしたくなる気分になった。
「貴哉、勝手に入って大丈夫なのか?」
「平気平気~♪伊織から教えてもらったんだけど、ここ結構穴場なんだ」
「そうなんだ」
まだドアの近くに立っている数馬に近寄って俺は頭を撫でてやる。驚いたように目を丸くしていた。
「な、何?」
「お前体調悪そうだったから。もしヤバかったら早めに言えよ?倒れてからだと保健室連れてくの大変だからよ」
「……うん。心配かけてごめんね?」
「もー、お前謝り過ぎっ!少しはワガママになったら?」
俺はずっと謝ってばかりの数馬をギュッと優しく抱き締めてやった。
ウジウジしてる数馬見てるとイラつくけど、可哀想にもなるんだよ。数馬なりに頑張ってるのを知ってるからかな。病気の辛さは分からねぇけど、こいつがどんだけ努力してここまでやって来たのかは見てたから分かる。
だからたまには褒めてやらねぇとな!
「えっ、ちょ、貴哉っ!?」
「たまには甘えていいんだぜ?お前は俺の彼氏なんだから♪」
「甘えるって……いいの?」
「当たり前だろー?そん代わりに俺もお前に甘える時は甘えるからよ」
「うん。ありがとう♪」
数馬の声が落ち着いたのと、俺の背中に腕を回して来たのを確認してそっと顔だけ離して数馬の顔にキスをする。まずはおでこ、そしてほっぺ。
俺からのキスに数馬は顔を赤くして恥ずかしそうにしていた。そんな姿に少し興奮した。
「た、貴哉……」
「数馬……♡」
そして目を閉じて今度は唇に……
って所で予鈴が鳴って数馬の体がビクッとした。
ちっ、良い所だったのに!
俺は気にせずに続きをしようと数馬に戯れるけど、数馬は予鈴が鳴ったのを気にしてるのか、体を離そうとして来た。
「大変だ!授業が始まっちゃう!」
「あ?そんなのいいじゃねぇか」
「ダメだって!授業点も成績に響いてくるんだからっ」
「てかホームルームが終わるまでに戻りゃいいだろうがっ」
「ホームルームで出席取るだろ!」
このままイチャイチャしたかった俺は数馬に叱られて気分は盛り下がった。
くそ!キスぐらいしてってもいいじゃねぇか!
これだから真面目は!
仕方ねぇ、また数馬の体調が悪くなっても嫌だから言う事を聞くか。
「あー、はいはい。そんじゃ教室に行きましょうねー」
「あの、待って?」
「今度は何!?」
せっかく言う事聞いてやろうって折れたのに、まだ何か言うのかと少しイラッとしながら振り向くと、軽く腕を引かれてそっと口にキスをされた。
んなっ!?ふ、不意打ちだとぉ!?
「数馬……」
「ごめんねっ好きだから、貴哉とは一緒に三年生になりたいからっだから授業はちゃんと受けて欲しいんだ」
また謝ってるし。必死になって俺に訴えて来る数馬の気持ちを知って俺は苛つくのを忘れた。
てか今の不意打ちはヤバいって。
しかも数馬からだろ?余計にイチャイチャしたくなっちまったじゃねぇか♡
「仕方ねぇから今回は言う事聞いてやる♡その代わり今日家に来いよ♡」
「え?いいけど……?」
これはもちろん愛し合いましょうって誘いだ。
数馬は不思議そうな顔してたけど、いざその時になりゃ分かるだろ。
数馬からのキスは本当に触れたのか触れないか分からないくらい一瞬だった。そんな数馬とのセックスはどんなものになるのかと俺はいろいろな想像を働かせて午前中の授業を過ごす事にした。
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