3 / 72
1章 出会い
2.初めましての挨拶
しおりを挟む土曜日の朝、俺はいつも通りに支度をして客との待ち合わせ場所に少し早めに待機しようと家を出る。
相手によって少し変えるけど、特に指定が無い場合は、自分の好きな服を着て行く。今日は白のデカTとベージュの細めのサルエルパンツにした。
相手も少し早めに来る事が多いからそれよりも早く着くように気を使っている。その方が印象が良いからな♪
電車から降りて改札を抜けて、駅前の待ち合わせ場所で相手を探す。
今日は新規開拓の為に同性である男と、それも20歳の子とのデートだ。
容姿の事は書いてなかったけど、一応任意のプロフィールには身長182cm体重70kgと書いてあった。まぁ殆ど嘘が多いから当てにはしないけど、170しかない俺からしたら180あるとか羨ましい話だ。この情報が本当ならスタイルは良さそうだな。
駅前のコンビニ前が待ち合わせ場所だからそこへ行くと、老若男女様々な人々があちこちへ行き交う中一人の若い男が立ってスマホを見ていた。
俺より背が高くて、黒髪でキリッとした顔の至って普通な男だった。
事前にやり取りしたメッセージにあった服装と照らし合わせる。白のワイシャツに、紺色のカーディガン。下は黒のジーンズ。帽子やメガネは無し。うん、この男っぽいな。
「あの~、尚輝、くん?俺、伊吹だけど」
「!!」
俺が声を掛けると、男はハッとして顔を上げて俺の顔を見て固まっていた。
うわ、近くで見たらますます顔面強っ!肌とか綺麗だし、まつ毛も長ーい!切れ長の目とか男らしくて羨ましいんだけど!
「あっ、谷岡ですっ!初めまして!」
「あはは、初めまして♪今日はよろしくね♪」
俺が顔面チェックをしてると、慌てて挨拶をして来た。
緊張してるっぽいな~。俺より大きい男のそんな姿が面白くて思わず笑うと、尚輝くんは頬を赤らめてチラチラと見て来た後、両腕を体の横にピシッと下げてペコリと頭を下げた。
「よろしくお願いしますっ!」
「緊張してる?そんな畏まらなくていいから~。てか早いね!俺より早いとかなかなかやるじゃん♪」
客を待たせるのは印象良く無いから大抵俺のが先に待ってる事が多いんだけど、尚輝くんはそんな俺よりも先にいた。
11時待ち合わせで15分前には着くようにしていたけど、それより早いとかどんなけ真面目なんだよって感じ。
まぁ見た目普通そうだから声掛けたけど、これで面倒くさそうなおじさんとかだったら時間ギリギリまで声掛けなかったわ。
「俺からお誘いしたので、遅刻は失礼かなと……あの、まだ時間じゃないですけど、大丈夫でしょうか?」
「ん、そうね!その気持ちは大事よね♪尚輝くん良い子そうだから大丈夫だよ~♪」
「ありがとうございますっ!改めて今日はよろしくお願いします!」
「だから堅くならなくていいってば~。俺なんてただのフリーターだし、気使わなくていいよ」
「いえ、そう言う訳には……あの、何てお呼びしていいでしょうか?」
「普通に伊吹でいいよ。ちなみに本名ね」
「伊吹さんですね!写真通り綺麗で驚きました!」
「そう?やっぱ尚輝くんも俺の事写真で選んだ感じ?それだったらガッカリさせちゃうかもな~」
「どう言う事ですか?」
まず見た目を褒められるのは慣れっ子だ。こういうバイトしてると必ずと言って良い程写真で選ばれるからな。
でも俺にとってはちょっと申し訳ない事だった。
なんせ俺は、落ち着いていて綺麗なお人形さんのような顔とは裏腹に、中身は立派な男だからだ。
それも普通の男よりもガサツだと自分でも思う。
どんな相手とでも話せる性格はこのバイトをするに当たって助かってるけど、どんな地位の相手にも同じように接してしまうのは時々失敗したりもするんだ。
だから良く新規の指名は入るけど、思ってたのと違うと勝手な事を言われて2回目は誘われない事も多かった。
まぁ尚輝くんとは若者の事をリサーチする為に会うから、今日時間までに若者の事をいろいろ聞ければそれでいいけど。
何より若くて大学生とかだとあまり金にならないからな。
21
あなたにおすすめの小説
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(2024.10.21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
ブラック企業の寮で、同期とだけは恋に落ちないと決めていた~同室生活・過労案件・限界メンタル―それでも、唯一の味方が、隣にいる。
中岡 始
BL
「限界社畜、恋に落ちたら終わりだと思ってた――でも、一緒に辞めて起業しました。」
ブラック企業で出会った新卒ふたり。
職場は地獄、寮は同室、心は限界寸前。
“ちゃんとした社会人”を目指す白井と、マイペースに生き延びる藤宮。
恋なんてしない、期待なんてしない――そう思ってたはずなのに、
「お前がいたから、ここまで来られた」
気づけば手を取り、会社を辞め、仲間たちと“理不尽の外側”へと走り出す。
すれ違い、涙、ほうじ茶プリンとキスの夜。
これは、仕事と恋に潰れかけたふたりが、
一緒に人生を立て直していく、再起系BLラブコメディ!
【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜
星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; )
――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ――
“隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け”
音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。
イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――
恭介&圭吾シリーズ
芹澤柚衣
BL
高校二年の土屋恭介は、お祓い屋を生業として生活をたてていた。相棒の物の怪犬神と、二歳年下で有能アルバイトの圭吾にフォローしてもらい、どうにか依頼をこなす毎日を送っている。こっそり圭吾に片想いしながら平穏な毎日を過ごしていた恭介だったが、彼には誰にも話せない秘密があった。
過去のやらかしと野営飯
琉斗六
BL
◎あらすじ
かつて「指導官ランスロット」は、冒険者見習いだった少年に言った。
「一級になったら、また一緒に冒険しような」
──その約束を、九年後に本当に果たしに来るやつがいるとは思わなかった。
美形・高スペック・最強格の一級冒険者ユーリイは、かつて教えを受けたランスに執着し、今や完全に「推しのために人生を捧げるモード」突入済み。
それなのに、肝心のランスは四十目前のとほほおっさん。
昔より体力も腰もガタガタで、今は新人指導や野営飯を作る生活に満足していたのに──。
「討伐依頼? サポート指名? 俺、三級なんだが??」
寝床、飯、パンツ、ついでに心まで脱がされる、
執着わんこ攻め × おっさん受けの野営BLファンタジー!
◎その他
この物語は、複数のサイトに投稿されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる