【完結】取り柄は顔が良い事だけです

pino

文字の大きさ
27 / 72
2章 2回戦目

26.大損害

しおりを挟む

 完全にプライベートでタイガーと2人で酒を飲んだ。しかもラブホで。
 元々ノリの良いタイガーは年上との付き合いも慣れているのか全然違和感なく過ごせた。
 てか何なら楽しいなとか思ってる。


「だからぁ~、もうおっさんのちんちんなんか舐めちゃダメだからな?分かったか?ん?」

「ププッ、伊吹、その顔でちんちんとか言うなって!マジウケる♪」

「うっせぇ!これが俺だ!文句あっか!」

「伊吹は酔うと説教ジジイになるんだな。面白いわ」


 久しぶりに誰かと飲んだから少し飲み過ぎたか?あの後にも追加でビールを頼んだ。
 今は楽しく飲めてとても気分が良い♪
 てかタイガーは本当に酔わないんだな。俺と同じぐらい飲んでる筈なのに顔色ひとつ変えずに今はハイボールを飲んでいる。


「ビール数杯で酔うとか可愛いのな♡」

「酔ってなぁい♡てか今何時だ?調子乗ると終電なくなるし、俺あんま飲み過ぎると寝ちゃうんだ……」

「まだ22時とかじゃん?なんなら泊まってっちゃえば?もう宿泊料金になってるだろこの部屋」

「はぁ!?おい!お前金あるんだろうな!?」


 忘れてた!終電もだけど、ここはラブホで帰る時に飲み食いした分だけじゃなくて、部屋の金も払わなきゃいけないんだった!
 俺がタイガーに確認すると、余裕そうな顔でタバコの煙を吐いた。


「俺の財布持ってんの伊吹じゃん。中見てみれば?」


 ニヤニヤと笑ってるのを見て嫌な予感はしたけど、言われるがままに、自分の鞄の中にある人質として預かっておいたタイガーの財布を取り出し中身を確認する。
 こ、こいつ、マジかよっ!!


「千円って何だよ!!お前は小学生か!?駄菓子屋にでも行くつもりか!?」

「ギャハハ!そのツッコミウケる~!!」

「ウケてんじゃねぇよ!お前もしかしてホテル代を俺に払わせようとしてたのか!?」

「えー、伊吹も金ねぇの?カードはぁ?」

「金ならあるわ!あーもう今出たらいくらだよぉ?げ!!全部込み込みで三万円!?何でこんな高ぇんだよ!!」

「そりゃこの部屋のランクが良いからっしょ♪伊吹と初めて過ごす部屋だから高いとこ選んだんだぁ♡」

「余計な事してんじゃねぇよ!そう言うのは自分で払う気がある時だけにしろ!!」


 とんでもない大事件勃発に、俺の楽しい気分は一気に吹っ飛んだ。
 何で客とデートして俺が払わなきゃならねぇんだよ!!しかも今日の仕事の報酬よりも出費のがデケェじゃねぇか!!
 こうなったら絶対に後で請求しよ!
 全額じゃなくても半分だけでも取り立てよ!


「それってさ~、また一緒に行ってくれるって事?♡」

「んな訳ねぇだろ。とにかく帰るぞ!酔いも覚めたわ!」

「えー、帰っちゃうのかぁ?今出ても明日の朝出ても料金変わらないのに~?」
 
「ここにいる意味がねぇんだよ!それに明日は予定があるんだよ!」

「予定って毎週土曜日にフルで予約入れてくれてる人とのデート?」

「ハッ!!」


 気付けばタイガーは俺の後ろに立っていた。
 怒りに任せてつい口を滑らせたけど、あまり他の客の事は話したくない。
 特にタイガーにはな!


「ずっと気になってたんだけど、そいつどんな奴なのー?決まって土曜日はそいつで埋まるじゃん。しかも長時間とか、どんなけリッチな奴なの」

「お前に教える訳ないだろっ」

「ムッ!じゃあ俺もフルで予約入れる!!」

「何でそうなるんだよ!お前は金ねぇだろ!」

「またおっさん捕まえる」

「テメェ!まだそんな事言ってんのか!」

「今度は本番する!そしたらもっと稼げるから次の土曜は俺が伊吹を独占する!」

「大我!!いい加減にしろ!!」

「っ……伊吹……?」


 このクソガキは何度言えば分かるんだよ!
 危ない事して俺に予約なんか入れて欲しくねぇんだよ!
 どうして言う事聞かねぇかな!
 ああもう、アルコール残ってんのか怒りとかで頭痛ぇ……

 急にズキンと痛んで思わず壁に手を付いちまった。それを見たタイガーが咄嗟に腕を回して来て体を支えやがった。

 知らねぇおっさんのチンコ咥える男に支えられてたまるかー!!


「離せよ淫乱!!」

「ちょ、それ言い過ぎじゃね?」

「間違ってねぇだろ!しかも今度はケツ差し出すとか終わってんな!!このクソガキが!!」

「伊吹落ち着けって」

「嫌だ!!お前がおっさんとそう言う事してる限り暴れてやる!!」

「伊吹……」


 ここでタイガーに無理矢理抱き締められた。
 俺より背が高くて、体もしっかりしてるタイガーは、それはそれは凄い力で、俺は軽く吐きそうなぐらい苦しい思いをした。

 てか俺何言ってんだぁ?
 違うんだ、酔ってるのもあると思うけど、タイガーが心配で俺……
 へ?心配??

 この俺にホテル代を集ろうとした男の心配って何だよ?
 いや、もういろいろ訳分からな過ぎ!!


「もうしないから。伊吹が嫌がる事はしない。だから落ち着いてくれって」

「信用出来ねぇ!」

「俺は約束は守る男だ♡」


 タイガーの腕から逃れようと顔を離して、思い切り睨み付けてやると、とても幸せそうな笑顔をしていた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ブラック企業の寮で、同期とだけは恋に落ちないと決めていた~同室生活・過労案件・限界メンタル―それでも、唯一の味方が、隣にいる。

中岡 始
BL
「限界社畜、恋に落ちたら終わりだと思ってた――でも、一緒に辞めて起業しました。」 ブラック企業で出会った新卒ふたり。 職場は地獄、寮は同室、心は限界寸前。 “ちゃんとした社会人”を目指す白井と、マイペースに生き延びる藤宮。 恋なんてしない、期待なんてしない――そう思ってたはずなのに、 「お前がいたから、ここまで来られた」 気づけば手を取り、会社を辞め、仲間たちと“理不尽の外側”へと走り出す。 すれ違い、涙、ほうじ茶プリンとキスの夜。 これは、仕事と恋に潰れかけたふたりが、 一緒に人生を立て直していく、再起系BLラブコメディ!

【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜

星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; ) ――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ―― “隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け” 音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。 イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――

恭介&圭吾シリーズ

芹澤柚衣
BL
高校二年の土屋恭介は、お祓い屋を生業として生活をたてていた。相棒の物の怪犬神と、二歳年下で有能アルバイトの圭吾にフォローしてもらい、どうにか依頼をこなす毎日を送っている。こっそり圭吾に片想いしながら平穏な毎日を過ごしていた恭介だったが、彼には誰にも話せない秘密があった。

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

過去のやらかしと野営飯

琉斗六
BL
◎あらすじ かつて「指導官ランスロット」は、冒険者見習いだった少年に言った。 「一級になったら、また一緒に冒険しような」 ──その約束を、九年後に本当に果たしに来るやつがいるとは思わなかった。 美形・高スペック・最強格の一級冒険者ユーリイは、かつて教えを受けたランスに執着し、今や完全に「推しのために人生を捧げるモード」突入済み。 それなのに、肝心のランスは四十目前のとほほおっさん。 昔より体力も腰もガタガタで、今は新人指導や野営飯を作る生活に満足していたのに──。 「討伐依頼? サポート指名? 俺、三級なんだが??」 寝床、飯、パンツ、ついでに心まで脱がされる、 執着わんこ攻め × おっさん受けの野営BLファンタジー! ◎その他 この物語は、複数のサイトに投稿されています。

【BL】正統派イケメンな幼馴染が僕だけに見せる顔が可愛いすぎる!

ひつじのめい
BL
αとΩの同性の両親を持つ相模 楓(さがみ かえで)は母似の容姿の為にΩと思われる事が多々あるが、説明するのが面倒くさいと放置した事でクラスメイトにはΩと認識されていたが楓のバース性はαである。  そんな楓が初恋を拗らせている相手はαの両親を持つ2つ年上の小野寺 翠(おのでら すい)だった。  翠に恋人が出来た時に気持ちも告げずに、接触を一切絶ちながらも、好みのタイプを観察しながら自分磨きに勤しんでいたが、実際は好みのタイプとは正反対の風貌へと自ら進んでいた。  実は翠も幼い頃の女の子の様な可愛い楓に心を惹かれていたのだった。  楓がΩだと信じていた翠は、自分の本当のバース性がβだと気づかれるのを恐れ、楓とは正反対の相手と付き合っていたのだった。  楓がその事を知った時に、翠に対して粘着系の溺愛が始まるとは、この頃の翠は微塵も考えてはいなかった。 ※作者の個人的な解釈が含まれています。 ※Rシーンがある回はタイトルに☆が付きます。

【完結】君の手を取り、紡ぐ言葉は

綾瀬
BL
図書委員の佐倉遥希は、クラスの人気者である葉山綾に密かに想いを寄せていた。しかし、イケメンでスポーツ万能な彼と、地味で取り柄のない自分は住む世界が違うと感じ、遠くから眺める日々を過ごしていた。 ある放課後、遥希は葉山が数学の課題に苦戦しているのを見かける。戸惑いながらも思い切って声をかけると、葉山は「気になる人にバカだと思われるのが恥ずかしい」と打ち明ける。「気になる人」その一言に胸を高鳴らせながら、二人の勉強会が始まることになった。 成績優秀な遥希と、勉強が苦手な葉山。正反対の二人だが、共に過ごす時間の中で少しずつ距離を縮めていく。 不器用な二人の淡くも甘酸っぱい恋の行方を描く、学園青春ラブストーリー。 【爽やか人気者溺愛攻め×勉強だけが取り柄の天然鈍感平凡受け】

無愛想な氷の貴公子は臆病な僕だけを逃さない~十年の片想いが溶かされるまで~

たら昆布
BL
執着ヤンデレ攻め×一途受け

処理中です...