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2章 2回戦目
29.好きな君を想う ※尚輝side
しおりを挟む※尚輝side
10半過ぎに、伊吹さんのデートクラブから『谷岡様のお電話で宜しかったでしょうか?伊吹が諸事情により1時間程遅れるそうです。谷岡様の貴重なお時間を無駄にしてしまい大変申し訳ありません』と丁寧な男の人から謝罪の連絡が来た。しっかりした会社だなぁと思いつつ、伊吹さんの事が心配になった。
もしかして体調悪くて寝ていたのに、頑張って来ようとしてるのでは?だとしたら申し訳なさ過ぎる。
俺は伊吹さんにメッセージを送る事にした。
『店から遅刻の連絡が来ました。無理しないで下さいね、俺の事は気にせず今日は休んで下さい』
ちなみに俺は既に待ち合わせ場所のカフェに到着していた。今日は伊吹さんとどんなデートが出来るだろうと会えるのを楽しみにしていたけど、体調不良なら仕方ない。
すると、すぐにまた店から電話が掛かって来た。
「はい、谷岡です」
『谷岡様!そう言わずに伊吹を待ってあげては下さいませんか!?』
「え?あの……」
伊吹さんからメッセージの返事が来るならともかく、何ですぐに店から電話が来たんだろう?
少し疑問に思いながら戸惑っていると、スタッフさんらしき人が話し始めた。
『伊吹は少々ガサツなところもありますが、本当に綺麗な心を持ってまして~、今回の遅刻も実は初めてて、私共も心配してはおりますが、彼自身の健康状態は問題ないそうなので、谷岡様さえ良ければそのまま待ってはいただけませんか?』
「あ、そうなんですね。それなら良かったです。俺は全然待ちます。伊吹さんには慌てずに気を付けて来るよう伝えて下さい」
『ありがたきお言葉!どうかこれからも伊吹をよろしくお願いします』
「こちらこそよろしくお願いします。ご丁寧にありがとうございました」
カフェの中だからあまり長話もと思って電話を切ってホットコーヒーを飲む。
思ってたよりもしっかりしてる会社なんだなぁ。勝手なイメージだけど、こういう出会い系って雑な印象があった。写真とは別人が来たり、書いてある事はデマばかり、運営側には怖い人がいて文句を言おう物なら金を請求されたり。とか、あくまでも俺のイメージだけど、そんな風に思っていたけど、伊吹さんと会ってそれは薄れていた。だって、伊吹さんはそのままだったから。
写真のままだったし、プロフィールも嘘は無かった。
今回のスタッフさんの対応を聞いて、伊吹さんがこの仕事をしている事に少しだけ安心感を抱く事が出来た。きっと良いスタッフさんに恵まれたから伊吹さんはいつも元気に明るくこの仕事が出来てるんだろうな。
伊吹さんの事を考えて俺は幸せな気持ちになりそのままカフェで待つ事にした。
鞄に付けたペンギンのキーホルダーを見るともっと幸せな気持ちになる。
伊吹さんから貰ったお揃いのペンギンさん♪あれからずっと鞄に付けて持ち歩いている♪
まるで伊吹さんといるみたいで、この緩い表情を見ていると自然と元気を貰えるんだ。
部屋のベッドに置いてあるペンギンのぬいぐるみも同じだ。
早く来ないかなぁ伊吹さん♪
早く付き合いたいなぁ。
10
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