【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ4th season

pino

文字の大きさ
42 / 178
1章 写真ばら撒き事件

テメェだけオアシスに避難しやがって!

しおりを挟む

 時間は17時。俺は家の近くの公園の草むらの中にいた。
 くそー、あちぃなここ。何か虫いっぱいいやがるし!早く見つけろよなあいつ!

 俺はスマホを見ながらジッと息を潜めていた。

 そしてピコン♪と鳴って届いたメッセージを開くと「限界。次のヒントちょーだい」って来た。
 あいつ根性ねぇなぁ。

 仕方ねぇから「虫」って送ってやった。
 するとすぐにそいつから電話がかかって来た。


『貴哉ー!何だよ虫って!分かる訳ねぇだろ!』

「虫がいんだよここ!てかお前こそどこだよ!」

『えー、コンビニ。暑過ぎて涼んでたー』

「ふざけんな!テメェだけオアシスに避難しやがって!俺はずっと虫とここにいたってのに!」

『んじゃ貴哉がこっち来てよー。アイス奢るからさぁ。貴哉んちの近くのコンビニー』

「すぐ行く!逃げたら許さねぇからな!クソ伊織!」


 ブチっと電話を切って俺はコンビニまで走った。

 そう、俺は今伊織から逃げて公園に隠れてたんだ。あいつが朝から俺んちに来るって言うから来る前に逃げた。朝はファーストフード店に逃げた。
 すると、マジで家に来た伊織から電話があって、どこにいるのか聞かれた。答える訳もなくスルーしてると、ヒントをくれと言い出して来たから「ポテト」と言うと場所がバレたのかすぐに飛んで来た。
 ヤバい逃げなきゃと思い、俺は「どこかに隠れるから見つけろ!そしたら遊んでやる!」って適当に提案して逃げた。
 伊織は黙って俺に従ってその後も俺を見付けては逃して見付けては逃しての繰り返しで今に至る。

 俺と伊織はクソ暑い中、高校生の癖に街中を使ったヒント付きかくれんぼをしていた訳だ。

 時間も時間だし、そろそろ学校の奴らも出て来るだろうから公園で最後にしようとしたのに、全然見付けてくんねぇんだもん!

 俺がコンビニに駆け付けると、中で雑誌を立ち読みしてた伊織が笑顔で手を振って来た。
 クソ野郎!一番高いアイス買わせてやる!


「貴哉~♡髪に葉っぱ付けて可愛い~♡」

「黙れ裏切り者!ハーゲンダッツ買うぞ!」

「おー、好きなの選べー♪」


 俺はコンビニで涼みながらショーケースに入ったアイスを選ぶ。涼しくてずっとここにいたいぐらいだぜ。後から来た伊織に「どれにする?」って聞かれた。
 まだ怒ってた俺はチラッと睨んで見るとニコニコ嬉しそうにしてた。
 はぁ、何か怒る気が失せたわ。


「やっぱ普通のソーダのやつにしよー」

「えー、高いのでもいいんだぜ?」

「いいよ。今はサッパリしたやつがいい。それよりも早く買って帰ろうぜ。学校の奴らに見つかったらヤベーからな」

「あ、そう言えば怜ちんから連絡来てたんだ。貴哉んちで電話していい?」

「自分んち帰れよ」

「怜ちんの話気になるじゃん。電話したら帰るから」

「あーもぉ何でもいいよ。早く行こうぜー」


 伊織は俺の選んだアイスを買って渡して来た。
 一日中暑い外を走り回ったからとにかく帰って風呂に入りたかった。

 その後俺は伊織から逃げていた理由も忘れて普通に家に招いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしょういむ

田原摩耶
BL
苦手な性格正反対の難あり双子の幼馴染と一週間ひとつ屋根の下で過ごす羽目になる受けの話。 穏やか優男風過保護双子の兄+粗暴口悪サディスト遊び人双子の弟×内弁慶いじめられっ子体質の卑屈平凡受け←親友攻め 学生/執着攻め/三角関係/幼馴染/親友攻め/受けが可哀想な目に遭いがち 美甘遠(みかもとおい) 受け。幼い頃から双子たちに玩具にされてきたため、双子が嫌い。でも逆らえないので渋々言うこと聞いてる。内弁慶。 慈光宋都(じこうさんと) 双子の弟。いい加減で大雑把で自己中で乱暴者。美甘のことは可愛がってるつもりだが雑。 慈光燕斗(じこうえんと) 双子の兄。優しくて穏やかだが性格が捩れてる。美甘に甘いようで甘くない。 君完(きみさだ) 通称サダ。同じ中学校。高校にあがってから美甘と仲良くなった親友。美甘に同情してる。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?! ■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

処理中です...