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1章 写真ばら撒き事件
伊織!ピザ屋来たぜ!
しおりを挟む伊織と立ちながら何度もキスをした。
一度離れては角度を変えて、そして舌が入って来てお互いの息が荒れ出して……
あ、このままじゃヤバい事になる。
伊織は既にやる気満々で、左の腕で俺の腰をがっしり掴み、右手は俺のTシャツの中に手を入れ出してる。
乳首を触られてビクンと反応すると、そのままベッドに連れて行かれて優しく寝かせられた。
「伊織、ピザ屋が来る……」
「来たら俺が出るよ」
「でも……」
「貴哉、好き」
「ん……俺も……」
ああ、結局俺はこの赤髪イケメンに流されるんだ。
付き合ってねぇのに、でも好きだから、完全に抵抗出来ねぇ俺。
伊織にTシャツを捲られて俺の乳首を舐めてくる。うわ、伊織が俺の胸舐めてる!
綺麗な顔でなんつー事しやがるとか思いながらも俺は小さな快感に反応していた。
「い、おりぃっ」
吸い付いたり、舌でチロチロしたり。
乳首を刺激されたのと、伊織のエロい姿を見て俺の下半身が反応し始めたのが分かった。
あ、俺早く下触って欲しいとか思っちゃった。
俺も変態になったもんだな。
もう桃山の事言えねぇな。
「なぁいおり……」
「なに?貴哉♡」
ずっと乳首ばかり舐めてて一向に下を触ってくれない伊織にもどかしくなって名前を呼ぶと、上目遣いで見てニコッと笑った。
い、言えねぇ!
俺から下を触ってくれなんて言えねぇよ!
恥ずかしくてそっぽ向くと、伊織は俺の胸から離れてキスをして来た。
「んんっ」
「……貴哉、言いたい事あるんだろ?言って♡」
「…………」
こいつまさかワザと俺に言わせようとしてる?
相変わらず優しい笑顔のまま俺の顔の至る所にチュッとしてそう言う伊織に、俺はまさかと思って余計に言いにくくなった。
「伊織、テメェ」
「だって俺ばかりしたいみたいで寂しいじゃん。貴哉からも聞きたいの♡」
「絶対言わねぇ!」
「なんで!?したくないの!?」
「何かムカつくから言わねぇのっ」
「なら言うまで焦らしてやるよ♡」
ニヤリと笑ってまた乳首攻めが始まった。
もう慣れたからさっき程は我慢が出来た。
くそー、こうなったらこいつから離れてムラムラ収めるしかねぇか。
でも体格と力の差でそれは出来ないとすぐ知る事になる。
逃げようと身をよじってうつ伏せになりベッドから這い出ようとした所を伊織に後ろから抱き抱えられて連れ戻された。
そんで伊織はそのまま俺を抱き締めて耳元で喋り始めた。
「逃がさねぇよ?貴哉は俺のだ♡」
「ちょ、ストップ!一旦落ち着こうぜ!?」
「ダーメ♡」
「ひぁ!?」
喋りながら耳をカプッとされて変な気持ちになり変な声が出た。
この耳元で喋られるのヤバいな。
「へー、貴哉耳感じるの?」
「くすぐったいだけだ!」
「それ気持ち良いって言うんだよ♡」
「ぁ、やめろ!」
耳元で喋られる度にゾクゾクする体に俺は逃げようとするけど、上手く行かなくて疲れるだけだった。
その間にも完全に出来上がった下半身。
くそー、もう言っちまうか!?
そうすりゃ楽になるし、疲れる事もねぇよな!?
でも伊織に負けたみてぇでなんかやだ!
「伊織の意地悪!俺が言いたい事分かってるくせに、してくれないなんて……」
「貴哉ぁ♡可愛いすぎー♡」
「もういい!離せ!空にしてもらう!」
「……は?」
もどかしい気持ちから思わず空の名前を出して、しまった!と思った。
伊織の声のトーンが一気に低くなって、俺を押さえてる力も優しかったのに、強まって少し痛くなった。
「やべ……い、今のは冗談だ!」
「……早川とヤッてんだ」
「ヤッてねぇよ!お前が焦らすからっ!つい出たんだ!」
「フリーになってから俺とは会うのも嫌がる癖に、早川にはヤらせるとか酷くね?」
相変わらず耳元で喋るから、体は反応しっぱなしだった。心は怒らせた事によって心臓バクバクだけどな!
面倒くせー事になっちまったな。
「伊織っ悪かったよ……もう誰ともしないから……頼むから離してくれ……」
「…………」
とうとう黙り込む伊織。
後ろ向きだから顔見えねーし、こえーな。
とここでインターホンの音が鳴って誰かが来たのが分かった。
ピザだ!
「伊織!ピザ屋来たぜ!」
「俺が行ってくる」
「……お、おう」
元気を無くしたまま伊織は俺から離れて自分の財布を持って部屋から出て行った。
き、気まずー!
10
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