【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ6th season

pino

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1章 

※ 中入ってもずっと握っててくれる?

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 ※紘夢side

 人生初めてのハッピーランドはとても楽しい所だった。アトラクションを楽しむ為には長蛇の列に並び何時間も待たなきゃいけないのは退屈だけど、こうして友達と一緒なら何とかなる事が分かった。

 遊園地とかとは無縁だった俺の人生はまだまだ知らない事ばかりで毎日ワクワクが止まらない。
 こういったレジャー施設には元々興味はあったけど、遊園地は遊ぶ場所という認識があったから勉強漬けの俺の生活で遊園地を選ぶ事は無かったんだ。
 でもここでしか学べない事や味わえない感情があって悪くないと思えた。いや、むしろかなり好きだな。

 吉乃と来てみたいけど、人混みが嫌いな吉乃は嫌がるだろうな。だから今日も誘わなかった。

 と言うか最近吉乃とはあまり遊んでない。
 別に喧嘩をしたとかそういうのじゃないけど、何となくお互い距離がある感じなんだ。かと言って学校では同じクラスだから普通に話したりしてるけど、部活も違うし一緒に帰ったりもしてない。

 俺と吉乃に距離が出来たのは文化祭の打ち上げがあった次の日からだ。原因は分かってる。多分吉乃も同じ理由で距離を置いてるんだと思う。

 って今はせっかく貴ちゃん達と遊びに来てるんだから切り替えて行かなきゃね!

 アトラクションの順番待ちの列で、貴ちゃんと双葉くんは楽しそうに話をしていて、それの後ろにいる空くんと茜ちゃんが楽しそうにしてる二人を見ながら話していた。


「むしろ人気なんか無くていいです!」


 空くんの言ったセリフが耳に入って来た。
 きっと貴ちゃんの事だろうな。いつも誰かしらに好かれてるもんね。今日は双葉くんが貴ちゃんを一人占めしてるからね~。空くんからしたら良い気はしないか。
 前から貴ちゃんがモテるの嫌がってるもんな。

 俺は貴ちゃんがいーくんと付き合っていた頃から空くんの応援をしていた。何故ならば貴ちゃんの為だ。
 なんて言うか、いーくんと付き合っている貴ちゃんは窮屈そうと言うか、いろいろ我慢しているように見えたんだ。そんなの貴ちゃんの良さが消えてなくなっちゃうじゃん?
 それに引き換え、空くんといる時の貴ちゃんは自由にのびのびしてる印象があったんだ。貴ちゃんも空くんの事を心から信頼してるみたいだから、貴ちゃんが一緒にいて良くなる方を応援しているだけ。

 目の前でしょげてる空くんを見て俺は閃く。


「ねぇねぇ、俺がちょっと二人をからかってみるよ♪ただ並んでるだけでもつまんないし、暇つぶしにはなるでしょ♪」

「何を考えてるんですか?あまり双葉くんを刺激するとマジで危ないですよ」

「大丈夫~♪まぁ見てて♪」


 貴ちゃんと双葉くんに意地悪しちゃお~っと♪
 空くんに注意されたけど、俺は軽い気持ちで前にいる二人の間に入って行った。


「貴ちゃん、ちょっといい?」

「おう、どうした?」


 いつの間に空くんと交換したのか、白い猫耳が付いたフワフワの帽子を被ってる貴ちゃん。めちゃくちゃ可愛いくてツボ。
 可愛いって言うと怒られるから言わないけどね~。


「並んでたら怖くなって来ちゃってさ、手繋いでてくれない?」

「お前にも怖いものがあるんだな。いいぜ、ほら」


 貴ちゃんは意地悪そうに笑って手を出して来た。嫌がらずにちゃんとやってくれる所だーいすき♡
 俺は差し出された貴ちゃんの手を両手でギューっと握ってさりげなく二人の間をキープ。
 さて双葉くんはどうするかな?


「わーい♪貴ちゃん優しい~♪中入ってもずっと握っててくれる?」

「やだよ。ゾンビ来たら逃げ遅れるじゃん」

「酷っ!確かに貴ちゃん逃げ足は速いけどー!」

「逃げ足言うな。この中で一番速いのは確かだけどな♪」


 ふふんと自慢げに言う貴ちゃんは、本当に走るのが速いんだ。いつも怠そうだから運動神経悪そうだけど、初めてだったテニスも、ドッヂボール大会の時も、結構良い動きするんだよね。それこそ那智くんとか桃とかと良い勝負が出来るぐらいにね。
 本人にやる気がないだけかもね。


「一条さん」

「お?なぁに?双葉くん」


 俺と貴ちゃんのやり取りを見ていた双葉くんがやっと動き出した。
 もちろん、後ろにいる二人も俺達の会話を聞いてると思うんだ。

 背の高い双葉くんは俺の視線に合うように首を少し傾けて、ニッコリ笑い掛けて来た。


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