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1章
※ 双葉くんてまだ中学生だしちょっと頼りないかな~?
しおりを挟む※紘夢side
軽く首を傾げて優しく笑い掛けて来る双葉くんは、男の俺から見ても文句のないイケメンだった。
薄い褐色肌がワイルドさを出していて、切れ長だけど印象を悪くさせない綺麗な目。焦茶の髪色は地毛なのかな?悪そうで悪く見えない感じがまた良い。
そして何より目立つ高身長だ。おまけに顔も小さくてスタイルも抜群。詩音さんのような華やかさはないけど、まさに詩音さんや葵くんと同じぐらい存在感があるそんな男だ。
ただ貴ちゃんが側にいない時の双葉くんは今とは全然違う。何が違うって一番分かりやすいのは「笑顔」だ。貴ちゃんが隣にいたりする時はいつでもニコニコ笑ってる可愛い年下って感じだけど、いざ貴ちゃんがいなくなったりすると、スッと無表情になり誰も寄せ付けないオーラを醸し出す。
どっちが本当の彼なのかは分からないけど、貴ちゃんの事をかなり気に入ってるって事は分かる。
実は今俺と双葉くんは先生と生徒って立場でもあるんだ。空くんのバースデーパーティーの後に貴ちゃんから頼まれたんだけど、それは城山高校を受験して絶対に受かりたい双葉くんの面倒を見る事。
貴ちゃんてば空くんといい双葉くんといい、良くもまぁ野良猫を連れて来ては俺に預けて行くよね。貴ちゃんに頼られるのは嬉しいから聞くけどさ~。たまには俺のお願いも聞いてもらおうかなと考えてるとこだよ。
実際、双葉くんの成績は俺が作った入試試験を模したテストをやってもらって受験にはなんら問題が無いって分かった。てか城山よりも上のレベルを目指せるぐらい優秀だった。双葉くんが心配してるのは内申の方らしく、今までの学校での生活態度があまり良く無かったらしい。酷い時は暴力事件なんかも起こして呼び出されたとか。
俺が入試に関与する事は出来ないし、今まで頼りにしていた葵くんも引退しちゃったから本当に双葉くんに面接で頑張ってもらうしかないんだけど、正直貴ちゃんといる時の双葉くんなら問題は無いと思う。
明るくて素直でとても良い子だもん。心配なのは面接の時に当たり前だけど貴ちゃんが側にいられない事だ。貴ちゃんがいなくてもこんな風にニコニコ笑顔だったら受かる確率はグッと上がると思うんだけどな~。
「貴哉が逃げ遅れたら大変なんで、俺が繋いでますよ」
双葉くんは笑顔のまま、俺の手から貴ちゃんの手を外す……俺の顔を見たままとても自然に。
そう来たか。
俺は双葉くんを覗き込んで挑発するように言ってみる事にした。
「双葉くんが?えー、ちゃんと俺を守ってくれるのかなぁ?双葉くんてまだ中学生だしちょっと頼りないかな~?」
「あ?」
「双葉」
キタ!!
すぐに貴ちゃんに名前を呼ばれてまたニコニコ笑顔に戻ったけど、今一瞬もう一人の双葉くんがキタよ!!
笑顔が消えて、無表情で睨まれたのを俺は見逃さなかった。
空くんの言う通り危ないってのは本当かもね。
「大丈夫ですよ。こう見えてお化けとかゾンビとかは平気なんで。体力にも自信あります」
「そうだぞ♪双葉は頼りになるんだぞ♪それにあと数ヶ月したら同じ高校生になるんだし、俺らと大して変わらねぇだろ。なぁ?」
「そうですね。俺4月生まれなんでもう少しで貴哉と同じ年齢になります♪」
「マジ!?俺3月!一ヶ月しか違わねぇのかよ!ほぼ同級生じゃん!」
「て事は今も同じ年齢ですね~♪嬉しいな♪」
「あ、紘夢も4月じゃなかったか?仲間じゃん。仲良くしろよ~」
「一条さんも4月生まれなんですか?賢い方と生れ月が一緒とか嬉しいな~♪」
「双葉くんめちゃくちゃ良い子じゃん♡」
何だよもうっ!からかうつもりが普通にほっこりしちゃったよ!
あーもうやめやめ。これ以上からかってガチギレされても面倒だし、普通に楽しもっと。
そんな俺の首根っこを掴んで引っ張るのは空くん。随分な扱いをされるようになったもんだ。
「ちょっと一条さん!まぁ見ててって言ったのに何を見せてるんですか!ちょっと期待してたからガッカリです!」
「だって双葉くん可愛いんだもん♪一瞬怖かったけどね~」
「あ?空が何かしろって言ったのかよ」
「へ?ち、違う!俺じゃねぇよ!一条さんがっ」
「そうなんですか?早川さん」
あ、また怖い方の双葉くんだー。ジロリと睨まれた空くんが「ひっ」と悲鳴を上げた。
何か二人が勘違いして空くんが責められちゃってる。ちょっと面白かったけど、可哀想だから二人にはちゃんと種明かしをしてあげる事にした。
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