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4章
そんで空はちょっと外してくれ
しおりを挟む今日の授業が全て終わる頃には俺の足は大分良くなっていた。本当に紘夢が俺を優先して守る様に落ちたんだと実感していた。
紘夢は迎えが来て帰った筈だけど、夜にでも連絡をしてみようと思う。俺も玉山に言われたけど、階段の一番上から下まで落ちたんだ後から症状が出て来るかもしれないから気になるようなら病院に行けって言われたしな。多分紘夢は今日にでも行くんじゃねぇかな。
てか何で俺はすぐに帰っちゃダメな訳?見た感じピンピンしてるからって、紘夢と同じ状況で落ちたってのに差があり過ぎる気がするぜ。
まぁ俺は出欠席の状況が崖っぷちだから玉山の考えもあってだと思う事にしてるけどよ。それに、今日の補習は大事を取って無しにしてくれたしな!
「貴哉~。足平気か?」
「平気。もう痛くねぇよ」
俺の席まで空が迎えに来たから顔を上げてニコってしてやると、不安そうに見て来た。空は俺の付き添いって事で部活は休むらしい。
「んな顔すんなよ~。この通り無事だったんだし」
「そうだけど、本当に心配したんだからなっもう危ない事はするなよ……」
「空……」
確かに心配掛けたよな。だって俺が意識不明だって聞いて教室を飛び出して来たんだろ?そりゃ焦るわな。俺を見付けた時の空ってば、髪ボサボサにして泣きそうな顔してたもんな。
俺は立ち上がって空の頭を撫でてやると、ホッとしたように笑った。うん、やっぱ空は笑ってた方が良いわ♪
「心配掛けて悪かったな」
「うん」
「そんじゃ帰るか~!」
俺はごんちゃんから出された宿題のプリントだけを鞄に入れて、肩に提げて空と教室を出ようとしてると、柳瀬が気まずそうに声を掛けて来た。
そういや柳瀬が心に謝りたいから、それを手伝う約束してたな。
「秋山……体、大丈夫なのか?」
「ああ、この通り元気だぜ♪柳瀬、今日暇か?」
「うん。空けてあるよ」
「じゃあ心も呼ぶぞ」
「何?どう言う事なんだ?」
柳瀬もそのつもりで声を掛けて来たらしく、俺が言うと覚悟を決めたような顔をしていた。
一人空だけが話が分からない感じで、俺と柳瀬を交互に見ていた。
「昼に柳瀬と話し合って決まったんだ。柳瀬は心に謝るって」
「えっ!?マジで!?」
「うん。空も知ってるんだろ?俺がココロに嫌がらせしてたの。空にも巻き込んで悪かった」
「いや、俺は平気だけど。ココならさっき出てったけど、捕まえるなら電話した方がいいんじゃないか?」
「おし!俺が電話するわ」
空に言われて心に電話を掛けて、まだ学校を出て間もないらしく、近場で待っててくれる事になった。警戒されたらと思って柳瀬がいる事は話してないけど、俺もいるし大丈夫だろ。
この場合空はいない方がいいよな?
「心は近くのコンビニにいるって。柳瀬、お前がいる事は話してねぇから、心が逃げそうになったら俺が止めるからな」
「分かった」
「そんで空はちょっと外してくれ」
「それ、俺もいたらダメなのか?」
「なるべく人数は少ない方がいいだろ。心は目立つの嫌いだからな」
「分かったよ。貴哉、終わったらすぐに電話くれよ。迎えに行くから」
渋々分かったと言う空は、また不安そうな顔をして俺の手を握って来た。
握り返すと、愛おしそうに見つめて来る。
まるで離れたくないと言わんばかりの目をして、なかなか手を離そうとしなかった。
そんな俺と空を見ていた柳瀬は気まずそうに咳払いをして間に入って来た。
「あー、いちゃついてるとこ悪いけど、ココロの事待たせてるし、そろそろ行きません?」
「あ!そうだな!」
危ねぇ危ねぇ!しかもここ学校だし教室だったわ!雰囲気に流されて空とキスでもしちまいそうだったわ。
俺は気を取り直して柳瀬と学校を出て心が待つコンビニへ急ぐ。
柳瀬を連れて行ったら心は何て思うかな。
三人と仲良くするのはもう諦めてるっぽいけど、せめて柳瀬の事許してやってくんねぇかな?
それと、柳瀬が謝る事によって、もう写真もないし脅しにビビる必要はないってなって安心してくれるといいけど。
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