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7章
これからはちゃんと見てやれ!
しおりを挟むそれから病室に医者が来て空の母ちゃんの様子を見てった。俺と話す姿を見て今日ゆっくり休めば問題ないと言っていた。
それでも空がまだ父ちゃんのとこから戻って来ねぇから、俺が相手してやってんだけど……
「そんで、空は母ちゃんに見て欲しくてずっと頑張ってたんだ。勉強も頑張ったら褒めて貰えるとか可愛い事思って、今では学年二位とかなんだぜ?結局母ちゃんには見てもらえてなかったけどな~」
「えー、空ってばそんなに頭良かったのー?私、全然知らなかった~」
「知らなかったじゃねぇよっこれからはちゃんと見てやれ!いいな?」
「分かったよ~。ねぇ、他には空の話ないの~?」
俺はつい空の事を母ちゃんに話していた。
空怒りそうだけど、この際どうでもいいや。あいつが言わない分俺が教えたれ。
実際空の母ちゃんは俺が話す空の事を楽しそうに聞いていた。もっと聞きたいとせがむぐらいに。
それならとことん話してやりましょうよ。親子の間に秘密なんてねぇ方がいいもんな~。
「とにかく空は母ちゃんに愛されたがってんな。雪兄が何と言おうが母ちゃんの事が好きみてぇだからな」
「それ本当なの?私、空に好かれるような事したかなぁ?」
「あのよ、どんな親でも子供からしたら親は親なんだよ。空にとっての母ちゃんはアンタしかいねぇんだ。そんな事言ってねぇで素直に喜べよ」
「うん。そうする♪実はね、年を追う毎に女として見られる事が少なくなって来てね、最近はとても後悔するの。もっとあの子達と向き合って一緒に過ごしてたらなって。どんなに拠り所を探してもやっぱり一時的なものだから、私の寂しさは埋まる事なんてなかった。もっと早く気付けてたら空まで失わなくて済んだのかなってさ」
「まだ失ったとは限らねぇだろ。アイツみてぇに足掻いてみれば?どんなに振り向いてもらえなくても、振り向いてもらえるようにさ。案外すぐに甘えてくるかもよ?あいつの事だからよ~」
「空が私に甘えるなんて想像出来ないよ~。貴哉くんてば口が上手いね~」
「いやいや、アイツって結構一途よ?あの見た目で驚くだろ?だからアンタも空の事ギューって抱き締めてやってよ」
「分かった~♪ギューってする♪ねぇ、アンタじゃなくて名前で呼んでよ。私陽子って言うの」
「陽子ね~。でも空んちの母ちゃんを呼び捨てにしたら俺の母ちゃんに怒られそうだからな~。陽子さんにしとくわ」
「貴哉くんのお母さんって厳しいんだ?」
「めちゃくちゃ厳しい!いつも威張っててすぐ怒るし、すぐ命令する。でも俺は母ちゃん好き!」
「ふふ♪仲良しさんなんだね♪」
陽子さんはニコニコ笑顔で大分顔色が良くなっていた。空から聞いていた想像の母ちゃんとは似ているようで少し違ったけど、やっぱり母親だなって思わせる瞬間もあった。
だって、空の話をこんなにも楽しそうに聞いてるんだぜ?てっきりもっとだらしなくて、空の名前を聞いても反応もしないような人だと思ってたからな。初め俺を口説こうとしたけど、それは空には言わないでやるか。
「あ、空の事もだけど、家もっと片付けろよ。さすがの俺でもあんなに汚くしてねぇぞ」
「え!どうして貴哉くんが家を知ってるの?」
「空に無理言って陽子さんに会いに行った事があるんだよ。そん時寝てたからそのまま出て来たんだ」
「いやーん!恥ずかしい~!空何も言わなかったよ~!」
「あいつとまた暮らしたいって思うなら掃除ぐらいしろよな」
「分かったよ~。ねぇ、掃除したらまた遊びに来てくれる?」
「おう!絶対行く♪そうだ、卒業したら空と同棲してぇんだけど、それはいいか?」
「空と同棲?同居じゃなくて?変な言い方するね」
「同棲と同居ってどう違うんだ?」
「えー、分かってないで言ってたの?一般的には同棲は付き合ってるカップルとかが一緒に住む時に使うでしょ。同居は友達とか家族とかが一緒に住む事かな。今時の子は友達同士でも同棲って言うの?」
あ、やべ。空と付き合ってる事知らねぇもんな。そりゃ変に思うわ。
ええい!ついでだからそっちの挨拶もしちまうか!
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