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オナニ様陣営
ウァレンティヌス卿のチョコレート盛り
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「今日はウァレンティヌス卿が来られる日です。フレンチェ様が来ると聞いて来訪を決めた模様です」
「ウァレンティヌス卿か」
「ウァレンティヌス卿? どんな方?」
「とても博学な、まあ私たちの先輩といったところでしょう、現時点」
「博識、というと」
「保健体育の学者でもあって、私やプリマ姫などをはじめとした皇族の身体の発育にも貢献した偉大な女医でもあります」
「あーなるほどー」
「ウァレンティヌス卿はとても料理上手で。飲ませると必ず双子が産まれる薬を開発したりしました。不妊症という概念も消え去ったと言っても過言ではないほどにもなりました。ゴッドのディーエヌエーはたいへんたくさんの女性から求められています。ウァレンティヌス卿もデータを欲しているということもあって、狙われるはずです。実は、フレンチェ様に会うというのは口実で、本当はゴッド、アナタと会いたいのだと思います」
「じゃあスーパードリンクSカップとか飲みたいな」
「Sカップ……!」
「え? どうして? ……プリマ姫はどうしてそんなに恥ずかしそうにしているの? ああ。プリマ姫は何カップあるのかな。アッ! なるほど、プリマ姫はSカップですね」
「はい……♡」
「すごい大きいオッパイですね。じゅるっ! ああ、よだれ出てきちゃったな、お腹がすいたよ」
「スーパードリンクSカップとは、プリマ姫の母乳のことではないようですね」
「ゴッドには当然、私の体の内部までもしっかり把握されていますから、恥ずかしがるのも、どこか変ですが……」
「いいや、ヲレ氏はそういうのはあえて目を背けてずっといきてきた男だよ」
「おやさしい……♡」
「ウァティヌス卿の性別は?」
「女性。綺麗な方ですよ。私にはないアダルトな感じがありますね。姉御肌、というか。ウァレンティヌス卿のが壱年産まれるのが早かっただけですが」
あっ、そうだった。ウァティヌス卿じゃなくてウァレンティヌス卿だ。
「いいえ、フレンチェ様、もう十分大人っぽいですよ。老けてるっていいたいのと別ですよ、見た目は少女です。美少女と言わないと失礼ですが。それにしてもそのウァレンティヌス卿はお若いのですね。飛び級系の天才少女だったか」
「はい、私をいっぱい褒めてくれるアナタの気持ちはとても嬉しいのですが……私が美しくてもそれは、アナタが創造してくれたからあるものですし……ウァレンティヌス卿が天才で飛び級しすぎた件だって、アナタのおかげ……」
「まあ、作家というのもあって妄想力はないわけではないよ? あーそうだ。それにしても、最近ずっと、筆がカチカチ。このお城の水的なもので柔らかくしたいな。泡風呂とかさ、浸からせるといいかもな」
「わかりました。泡風呂を沸かします。頑固な筆のお手入れ、愉しそうなので、私も参戦します」
「私も大丈夫ですか? プリマ姫?」
「ええ、もちろん。ウァレンティヌス卿によって熟成させた」
「熟成って、まるで老けてるみたいにいわなくても」
「フフフ……お筆ほしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」
「プリマ姫……♡」
「プリマ姫は英才教育尽くしで、私よりも勉強熱心なんです。欠点をさらしたいわけではないんですが、ゴッドはわかりきってると思いますが、隠しちゃうのも罰当たりだと思いますから、いいますが、私は偏差値79ですが、プリマ姫は、それよりも上の成績で大学を飛び級で卒業されました。プリマ姫と私は別の大学出身で私はブレイドブリッヂ大学でプリマ姫は乳母歩道大学。どちらも最高クラスのレヴェルの大学。プリマ姫と同時期に卒業、プリマ姫も私も首席。でも私は全世界模試で姫より下です、プリマ姫に比べたら半端者」
「79? 69ではない? 79はそれ十分高いよねえ? すげえ……♡」
「フフフ♡」
ヲレ氏にまた褒められたフレンチェは笑顔。
「十分頭いいじゃないか。なんかムラムラぁってきた、変な意味じゃないよ」
「当然ですよ、ゴッドが、変な方なはず、あるわけありません! さぁこんなバカな私にノノシリを」
「ノノシリって、あはは♡」
「ゴッド=ヤマダ・カズシ、早くアナタをよろこばせたい。尽くさせてください。そして、救いを」
「そんな懇願しなくても救うよ」
「ありがとうございます。もう大好きです、当然ですよね、スキになれないんて、素直じゃない、罰当たり者です……さあ、早く、お筆を♡」
「ゴッド=ヤマダ・カズシのお筆を宝具にしましょう」
「いいですね、プリマ姫」
いかにも〝オンナ〟って表情でプリマ姫とフレンチェはヲレ氏を囲んだ。
「よしよし」
ヲレ氏は宥めようとしている。まあプリマ姫もフレンチェも苦しそうにしているのと違うから、宥めるというのは誤謬かな。ただ使いたくなったんだ。
「……プリマ姫……」
「はい」
「……あの……」
「はい、なんでしょうかフレンチェ」
「サ……」
「!」
「ト……」
「サトウ・ヒロシ様ですね……」
「はい……」
「私はあの人と出会ってから、何か、よくわからない感覚です。嬉しいのか、不愉快なのか……いいえ。私はこころおどっています、彼で、感じています、よろこびを感じています、人生への、歓喜です、これは!」
「でも、」と、フレンチェは言いかけた。
「おはよう! 姫君ら!」
「ウァレンティヌス卿」
「あら、イイオトコ」
「ですよね、さっき、サトウ・ヒロシよりも素晴らしいと彼を絶賛しようとしたのですが。ごめんなさい、アナタ、言いかけで」
「いいよ。でも、フレンチェは、ヲレ氏という神と己がふつりあいだとは思ったことはない?」
「……ごめんなさい。傲慢でしたか? ……アナタ、私のこと人間の最高傑作だってやさしく頭をお筆でも撫でてくれたから……。プリマ姫のが好きになってしまいましたか?」
「ううん、どっちとも大好きだよ」
ヲレ氏は、ズルっとフレンチェとプリマ姫の超高そうないかにも皇族だよアピールしすぎの服の胸元に秘められた帽子を、出した。すごい勢いで。
ヲレ氏、計四つ分の帽子、吸う。
「アァッンっ! ♡」
「ごめんね、嫌いだなんて思わせちゃって、フレンチェ……♡」
ヲレ氏、吸いつき具合はフレンチェの帽子を吸う左側のが強い。同時吸い、でも、左右で吸いつきの強度がだいぶ違う。このテクは、大食い癖から習得した。
「はい……こちらこそ、アナタに気を使わせて、すみません!」
「フヒヒ、いい子だ♡」
ヲレ氏は、元いた世界でよく好んで食っていた、フレンチクルーラーを思い出す。〝フレンチクルーラー〟と〝フレンチェ〟はなんか似ている、語感が。
ヲレ氏は、一旦プリマ姫の帽子から離れて、フレンチェのを集中的に吸った。フレンチクルーラーを思い出したからだ。フレンチクルーラーを思い出しながら吸うフレンチェの帽子は、味わい深さが倍以上のものとなった。
「ワオ! これは仰天だわ! サトウ・ヒロシも帽子吸いつきの癖持ってたから! ……実際に見たわけではないけど、学者以上の学者の私は知ってるのよ、サトウ・ヒロシの癖を」
「……もしかして、兄弟?」
「ノンノン! ヲレ氏サトウって名字ではないし! ……ああ! フレンチクルーラー!」
「フレンチクルーラー? ……ああ、もしかして……ドーナツの種類とかかしら。それがほしいなら、私がこの城に仮に設けた実験室でたくさん作るわよ」
「じゅっぱぁっ……ならお言葉に甘えて!」
ヲレ氏が先程いった〝じゅっぱぁっ〟とは、帽子から吸いつき離れた音。かなりわざとらしく立ててやった。なんかそっちのが雰囲気出るから。
ヲレ氏とプリマ姫、そして、フレンチェは、ウァレンティヌス卿についていった。オナニ様はトイレにいってから実験室に来るとのこと。
数分後。
できあがったフレンチクルーラーらしきものをヲレ氏はもらった。そして、フレンチェの帽子の上に、乗せようと思った。
実験室から出てきたウァレンティヌス卿は換気も兼ねてか、入っていくよりドアをしっかり開けているため、中がよく見えた。ウァレンティヌス卿は実験室には自分以外の人を入れないように心がける神経質な面がある。
「あら、こんな雰囲気が変わるのね、同じ城でも……初めて入ったわ」と、プリマ姫は言った。
「まあね、メイドにも掃除に入るなっていってあるし」
「フレンチェ、帽子の上に置くけど、触れてもヤケドとか大丈夫だから安心してっ!」
ヲレ氏は急な宣言をして、フレンチェの帽子の上にフレンチクルーラーらしきものを乗せた。
「ああぁっ! すごく感じるっ! ♡」
「手を合わせて、合掌! イッタダッキマース!」
ヲレ氏は、フレンチクルーラーごと、帽子を口に入れた。
顎が外れそうだ。フレンチェの帽子はバカでかい。確かに、ヲレ氏のデブな母親の麦わら帽子っぽいのも結構のデカさだったが。当然フレンチェやプリマ姫ほどいい帽子ではない。
「アナタ、美味しい? ♡」
「うん! 美味しいよ! ♡」
「ほかに何が欲しい? ♡」
「プリン! プリマ姫の帽子にプリンを!」
先程、〝プリン〟と〝プリマ〟が似てると思ったヲレ氏。
「プリン、わかったわ。そうだ、今日は」
「今日は?」
「わかってるでしょ? 女子なら? ウァレンティヌスデー♡」
「ゴッド=ヤマダ・カズシにチョコレートをあげたいわ」
「そうね、それ私も思っていたのよ。とっておきとして、夜渡そうかなって……♡」
「ああ! ヴァレンタイねぇ!」と、ヲレ氏はいった。
ヴァレンタイと言ってしまったが、スティーヴンさんを、スティーヴさんというあれと似て、許容してもらいたい。最後に、ねぇ! ともあるが、これは、その、ンが消えた、よって、ねぇ! それ即ち、ない! とも取れる。ヴァレンタインデーの〝デー〟と〝ねぇ〟で韻踏めてるしさ。まあなんにしても興奮しすぎてしっかりしゃべれていないヲレ氏ってこと、神とはいわれていても、やっぱり人間さ。小説の誤字にしたって、それがあるから云々は許容するべき。電子的トラブルのせいだとか、結局、うつしているものなのだから、本やウェブ小説で大元と異なってもブレはないし、追記する、誤字を直す程度なら、流れは逆流していない、OKだ、ってヲレ氏は思う。
ヲレ氏はダンス、ダンス、ダンス。超激しい。
ヤバい。激しさが度を過ぎて、ボキャ貧だっていわれるだろうけど、ヤバいとしかいいようない。
ちなみにヲレ氏、ボキャ貧というならヴォキャ貧にしたい。
「もっと! もっと! 腰振って! アナタ! ダンシングゴッド!」
「うん! あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
ダンス、ダンス、ダンス。大暴れ。
「ゴッド=ヤマダ・カズシだいすきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
ヲレ氏はその日、いっぱい食べた。もらったチョコを。帽子を皿の代わりにして、いっぱい食べたさ。平らげたった。ミルクも美味しかったお。
ザ・ミルキーナイトって気分だお。
「ウァレンティヌス卿か」
「ウァレンティヌス卿? どんな方?」
「とても博学な、まあ私たちの先輩といったところでしょう、現時点」
「博識、というと」
「保健体育の学者でもあって、私やプリマ姫などをはじめとした皇族の身体の発育にも貢献した偉大な女医でもあります」
「あーなるほどー」
「ウァレンティヌス卿はとても料理上手で。飲ませると必ず双子が産まれる薬を開発したりしました。不妊症という概念も消え去ったと言っても過言ではないほどにもなりました。ゴッドのディーエヌエーはたいへんたくさんの女性から求められています。ウァレンティヌス卿もデータを欲しているということもあって、狙われるはずです。実は、フレンチェ様に会うというのは口実で、本当はゴッド、アナタと会いたいのだと思います」
「じゃあスーパードリンクSカップとか飲みたいな」
「Sカップ……!」
「え? どうして? ……プリマ姫はどうしてそんなに恥ずかしそうにしているの? ああ。プリマ姫は何カップあるのかな。アッ! なるほど、プリマ姫はSカップですね」
「はい……♡」
「すごい大きいオッパイですね。じゅるっ! ああ、よだれ出てきちゃったな、お腹がすいたよ」
「スーパードリンクSカップとは、プリマ姫の母乳のことではないようですね」
「ゴッドには当然、私の体の内部までもしっかり把握されていますから、恥ずかしがるのも、どこか変ですが……」
「いいや、ヲレ氏はそういうのはあえて目を背けてずっといきてきた男だよ」
「おやさしい……♡」
「ウァティヌス卿の性別は?」
「女性。綺麗な方ですよ。私にはないアダルトな感じがありますね。姉御肌、というか。ウァレンティヌス卿のが壱年産まれるのが早かっただけですが」
あっ、そうだった。ウァティヌス卿じゃなくてウァレンティヌス卿だ。
「いいえ、フレンチェ様、もう十分大人っぽいですよ。老けてるっていいたいのと別ですよ、見た目は少女です。美少女と言わないと失礼ですが。それにしてもそのウァレンティヌス卿はお若いのですね。飛び級系の天才少女だったか」
「はい、私をいっぱい褒めてくれるアナタの気持ちはとても嬉しいのですが……私が美しくてもそれは、アナタが創造してくれたからあるものですし……ウァレンティヌス卿が天才で飛び級しすぎた件だって、アナタのおかげ……」
「まあ、作家というのもあって妄想力はないわけではないよ? あーそうだ。それにしても、最近ずっと、筆がカチカチ。このお城の水的なもので柔らかくしたいな。泡風呂とかさ、浸からせるといいかもな」
「わかりました。泡風呂を沸かします。頑固な筆のお手入れ、愉しそうなので、私も参戦します」
「私も大丈夫ですか? プリマ姫?」
「ええ、もちろん。ウァレンティヌス卿によって熟成させた」
「熟成って、まるで老けてるみたいにいわなくても」
「フフフ……お筆ほしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」
「プリマ姫……♡」
「プリマ姫は英才教育尽くしで、私よりも勉強熱心なんです。欠点をさらしたいわけではないんですが、ゴッドはわかりきってると思いますが、隠しちゃうのも罰当たりだと思いますから、いいますが、私は偏差値79ですが、プリマ姫は、それよりも上の成績で大学を飛び級で卒業されました。プリマ姫と私は別の大学出身で私はブレイドブリッヂ大学でプリマ姫は乳母歩道大学。どちらも最高クラスのレヴェルの大学。プリマ姫と同時期に卒業、プリマ姫も私も首席。でも私は全世界模試で姫より下です、プリマ姫に比べたら半端者」
「79? 69ではない? 79はそれ十分高いよねえ? すげえ……♡」
「フフフ♡」
ヲレ氏にまた褒められたフレンチェは笑顔。
「十分頭いいじゃないか。なんかムラムラぁってきた、変な意味じゃないよ」
「当然ですよ、ゴッドが、変な方なはず、あるわけありません! さぁこんなバカな私にノノシリを」
「ノノシリって、あはは♡」
「ゴッド=ヤマダ・カズシ、早くアナタをよろこばせたい。尽くさせてください。そして、救いを」
「そんな懇願しなくても救うよ」
「ありがとうございます。もう大好きです、当然ですよね、スキになれないんて、素直じゃない、罰当たり者です……さあ、早く、お筆を♡」
「ゴッド=ヤマダ・カズシのお筆を宝具にしましょう」
「いいですね、プリマ姫」
いかにも〝オンナ〟って表情でプリマ姫とフレンチェはヲレ氏を囲んだ。
「よしよし」
ヲレ氏は宥めようとしている。まあプリマ姫もフレンチェも苦しそうにしているのと違うから、宥めるというのは誤謬かな。ただ使いたくなったんだ。
「……プリマ姫……」
「はい」
「……あの……」
「はい、なんでしょうかフレンチェ」
「サ……」
「!」
「ト……」
「サトウ・ヒロシ様ですね……」
「はい……」
「私はあの人と出会ってから、何か、よくわからない感覚です。嬉しいのか、不愉快なのか……いいえ。私はこころおどっています、彼で、感じています、よろこびを感じています、人生への、歓喜です、これは!」
「でも、」と、フレンチェは言いかけた。
「おはよう! 姫君ら!」
「ウァレンティヌス卿」
「あら、イイオトコ」
「ですよね、さっき、サトウ・ヒロシよりも素晴らしいと彼を絶賛しようとしたのですが。ごめんなさい、アナタ、言いかけで」
「いいよ。でも、フレンチェは、ヲレ氏という神と己がふつりあいだとは思ったことはない?」
「……ごめんなさい。傲慢でしたか? ……アナタ、私のこと人間の最高傑作だってやさしく頭をお筆でも撫でてくれたから……。プリマ姫のが好きになってしまいましたか?」
「ううん、どっちとも大好きだよ」
ヲレ氏は、ズルっとフレンチェとプリマ姫の超高そうないかにも皇族だよアピールしすぎの服の胸元に秘められた帽子を、出した。すごい勢いで。
ヲレ氏、計四つ分の帽子、吸う。
「アァッンっ! ♡」
「ごめんね、嫌いだなんて思わせちゃって、フレンチェ……♡」
ヲレ氏、吸いつき具合はフレンチェの帽子を吸う左側のが強い。同時吸い、でも、左右で吸いつきの強度がだいぶ違う。このテクは、大食い癖から習得した。
「はい……こちらこそ、アナタに気を使わせて、すみません!」
「フヒヒ、いい子だ♡」
ヲレ氏は、元いた世界でよく好んで食っていた、フレンチクルーラーを思い出す。〝フレンチクルーラー〟と〝フレンチェ〟はなんか似ている、語感が。
ヲレ氏は、一旦プリマ姫の帽子から離れて、フレンチェのを集中的に吸った。フレンチクルーラーを思い出したからだ。フレンチクルーラーを思い出しながら吸うフレンチェの帽子は、味わい深さが倍以上のものとなった。
「ワオ! これは仰天だわ! サトウ・ヒロシも帽子吸いつきの癖持ってたから! ……実際に見たわけではないけど、学者以上の学者の私は知ってるのよ、サトウ・ヒロシの癖を」
「……もしかして、兄弟?」
「ノンノン! ヲレ氏サトウって名字ではないし! ……ああ! フレンチクルーラー!」
「フレンチクルーラー? ……ああ、もしかして……ドーナツの種類とかかしら。それがほしいなら、私がこの城に仮に設けた実験室でたくさん作るわよ」
「じゅっぱぁっ……ならお言葉に甘えて!」
ヲレ氏が先程いった〝じゅっぱぁっ〟とは、帽子から吸いつき離れた音。かなりわざとらしく立ててやった。なんかそっちのが雰囲気出るから。
ヲレ氏とプリマ姫、そして、フレンチェは、ウァレンティヌス卿についていった。オナニ様はトイレにいってから実験室に来るとのこと。
数分後。
できあがったフレンチクルーラーらしきものをヲレ氏はもらった。そして、フレンチェの帽子の上に、乗せようと思った。
実験室から出てきたウァレンティヌス卿は換気も兼ねてか、入っていくよりドアをしっかり開けているため、中がよく見えた。ウァレンティヌス卿は実験室には自分以外の人を入れないように心がける神経質な面がある。
「あら、こんな雰囲気が変わるのね、同じ城でも……初めて入ったわ」と、プリマ姫は言った。
「まあね、メイドにも掃除に入るなっていってあるし」
「フレンチェ、帽子の上に置くけど、触れてもヤケドとか大丈夫だから安心してっ!」
ヲレ氏は急な宣言をして、フレンチェの帽子の上にフレンチクルーラーらしきものを乗せた。
「ああぁっ! すごく感じるっ! ♡」
「手を合わせて、合掌! イッタダッキマース!」
ヲレ氏は、フレンチクルーラーごと、帽子を口に入れた。
顎が外れそうだ。フレンチェの帽子はバカでかい。確かに、ヲレ氏のデブな母親の麦わら帽子っぽいのも結構のデカさだったが。当然フレンチェやプリマ姫ほどいい帽子ではない。
「アナタ、美味しい? ♡」
「うん! 美味しいよ! ♡」
「ほかに何が欲しい? ♡」
「プリン! プリマ姫の帽子にプリンを!」
先程、〝プリン〟と〝プリマ〟が似てると思ったヲレ氏。
「プリン、わかったわ。そうだ、今日は」
「今日は?」
「わかってるでしょ? 女子なら? ウァレンティヌスデー♡」
「ゴッド=ヤマダ・カズシにチョコレートをあげたいわ」
「そうね、それ私も思っていたのよ。とっておきとして、夜渡そうかなって……♡」
「ああ! ヴァレンタイねぇ!」と、ヲレ氏はいった。
ヴァレンタイと言ってしまったが、スティーヴンさんを、スティーヴさんというあれと似て、許容してもらいたい。最後に、ねぇ! ともあるが、これは、その、ンが消えた、よって、ねぇ! それ即ち、ない! とも取れる。ヴァレンタインデーの〝デー〟と〝ねぇ〟で韻踏めてるしさ。まあなんにしても興奮しすぎてしっかりしゃべれていないヲレ氏ってこと、神とはいわれていても、やっぱり人間さ。小説の誤字にしたって、それがあるから云々は許容するべき。電子的トラブルのせいだとか、結局、うつしているものなのだから、本やウェブ小説で大元と異なってもブレはないし、追記する、誤字を直す程度なら、流れは逆流していない、OKだ、ってヲレ氏は思う。
ヲレ氏はダンス、ダンス、ダンス。超激しい。
ヤバい。激しさが度を過ぎて、ボキャ貧だっていわれるだろうけど、ヤバいとしかいいようない。
ちなみにヲレ氏、ボキャ貧というならヴォキャ貧にしたい。
「もっと! もっと! 腰振って! アナタ! ダンシングゴッド!」
「うん! あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
ダンス、ダンス、ダンス。大暴れ。
「ゴッド=ヤマダ・カズシだいすきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
ヲレ氏はその日、いっぱい食べた。もらったチョコを。帽子を皿の代わりにして、いっぱい食べたさ。平らげたった。ミルクも美味しかったお。
ザ・ミルキーナイトって気分だお。
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