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第2章 Fall between two stools.1 1995年 崇直編 春
落花情あれども流水意なし6 The love to no avail.
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「わーちゃんお代わり。ぴっかレモンがあったからレモン水にした」
とーとつに割り込むなぁ、紅緒は。
おまえ、それ以上かがむと中身見えるぞ。
可愛らしい膝小僧出して、亘の隣に座るんだ。
だったらよく見ろ。
亘の野郎むちゃ焦ってるの、気付かないのか。
「ああ、ごめん。倒れた拍子にお酒浴びっちゃって。勝手に借りちゃった。風呂場に畳んであったから」
馬鹿みたいに口開けてんじゃないよ、亘は。
何処見てんだよ、このスケベ野郎が。
「じーちゃんが嵩ちゃん呼んでくれたのよ。ちょうどこっちに用があって来てるはずだからって」
正確には行く予定でした。
ま、アポの相手はそれを忘れて寝てましたけどね。
「紅緒一人じゃ連れて帰れないだろ。樹じゃ役に立たんし。お前、でかすぎるから。まー爺はあの後別件で出かける用があって、お鉢がオレに回ってきた」
「そりゃ、すまなかった。紅緒も、迷惑かけて悪かったな」
そんなに恐縮しなくても、いいんだけどさ。
ま、そりゃ恥ずかしいよな。
「いいよ。わたしも何だかテンション上がっちゃって飛びついたから、ごめん」
おっと、紅緒に肩で小突かれただけでまぁ、亘くんったら、何顔赤くしてるんだい。
初ですねぇ。
そんなお楽しみのところ申し訳ないが。
「そろそろ樹が迎えに来るな」
わざとらしく腕時計を見ると、亘が急に立ち上り頭を下げた。
酔って潰れたのはこれが初めてじゃないが、紅緒が居たらそりゃバツが悪いか。
コイツは平川さんの相手ができるウワバミ級だから、気にしても仕方ないんだが。
「今日はすまなかった。世話になったな、二人とも。ありがとう」
亘がそう言ってオレたちを帰そうとする。
樹も呼んで、一服とかないんかーい。
「えーっ。もう追い出す気。ひっどーい」
もっと言ってやれ紅緒。
なんならお泊りもいいぞ。
「ベーは、泊まっていくか?」
「いくいくーっ」
鳩が豆鉄砲食らったような顔って、まさに今のおまえの顔だな亘。
笑えるわ。
もう少し虐めてやろうかと思ったら、タイミング悪く樹が来たようで呼び出し音が鳴った。
「ほら、迎えが来たぞ」
何だ、シラケるな。ホッとしたような顔しやがって。
「忘れ物すんなよ~」
渋々と言った体で、紅緒が服を入れたゴミ袋を引っ提げる。
「ゴミ袋1枚もらったよ」
「それ、置いてけ。クリーニング僕が出すから」
「いーよ。どうせ他も出すから」
莫迦か亘、おまえ。その中にはストッキングとか下着類も入ってんだよ。そんなもん渡せるか。
つーか、おまえに見せるかよ。オレが止めるわ。
おっと、荷物持ったまま片足上げっから。
紅緒の二の腕を掴んでバランスを取ってやる。
ん?
しゃがんだ紅緒のどこを見てるんだ。あ゙ぁ゙?
残念ながら、そっちからじゃ中身は見えませーん。
「わーちゃん、明日休みでしょ。トールちゃんが言ってた」
「平川先輩は」
おお、やっと思い出してきたか。お前さんの上司だろ。
「平川さんなら、まー爺に連れられて出かけていったよ。心配ご無用って伝言頼まれてた」
「なんで……」
オレと平川さんが知り合いって知らなかったのか。
へぇー。
「樹と卒業まであそこでバイトしてたんだ。蝶タイ結んで、兄弟仲良くな」
「嵩ちゃんって、女性会員の人気すごかったのよ。じいちゃんは女性目当てで『オレの孫ハンサムだろう』って喜んで連れ回してた」
お姉さんたちと握手するのがまー爺の若さの秘訣だからな。
さて、エントランスに出たらさっさと紅緒を帰して、と。
「ここで、いいよ」
どうせオレは戻ってくるし。エレベータまでで充分。
「下まで行くよ」
「ここで良いって。じゃ、また」
「わーちゃん、また明日」
名残惜しそうな顔しやがって、待ってろや。
オレ様が戻ってきてやるから。
とーとつに割り込むなぁ、紅緒は。
おまえ、それ以上かがむと中身見えるぞ。
可愛らしい膝小僧出して、亘の隣に座るんだ。
だったらよく見ろ。
亘の野郎むちゃ焦ってるの、気付かないのか。
「ああ、ごめん。倒れた拍子にお酒浴びっちゃって。勝手に借りちゃった。風呂場に畳んであったから」
馬鹿みたいに口開けてんじゃないよ、亘は。
何処見てんだよ、このスケベ野郎が。
「じーちゃんが嵩ちゃん呼んでくれたのよ。ちょうどこっちに用があって来てるはずだからって」
正確には行く予定でした。
ま、アポの相手はそれを忘れて寝てましたけどね。
「紅緒一人じゃ連れて帰れないだろ。樹じゃ役に立たんし。お前、でかすぎるから。まー爺はあの後別件で出かける用があって、お鉢がオレに回ってきた」
「そりゃ、すまなかった。紅緒も、迷惑かけて悪かったな」
そんなに恐縮しなくても、いいんだけどさ。
ま、そりゃ恥ずかしいよな。
「いいよ。わたしも何だかテンション上がっちゃって飛びついたから、ごめん」
おっと、紅緒に肩で小突かれただけでまぁ、亘くんったら、何顔赤くしてるんだい。
初ですねぇ。
そんなお楽しみのところ申し訳ないが。
「そろそろ樹が迎えに来るな」
わざとらしく腕時計を見ると、亘が急に立ち上り頭を下げた。
酔って潰れたのはこれが初めてじゃないが、紅緒が居たらそりゃバツが悪いか。
コイツは平川さんの相手ができるウワバミ級だから、気にしても仕方ないんだが。
「今日はすまなかった。世話になったな、二人とも。ありがとう」
亘がそう言ってオレたちを帰そうとする。
樹も呼んで、一服とかないんかーい。
「えーっ。もう追い出す気。ひっどーい」
もっと言ってやれ紅緒。
なんならお泊りもいいぞ。
「ベーは、泊まっていくか?」
「いくいくーっ」
鳩が豆鉄砲食らったような顔って、まさに今のおまえの顔だな亘。
笑えるわ。
もう少し虐めてやろうかと思ったら、タイミング悪く樹が来たようで呼び出し音が鳴った。
「ほら、迎えが来たぞ」
何だ、シラケるな。ホッとしたような顔しやがって。
「忘れ物すんなよ~」
渋々と言った体で、紅緒が服を入れたゴミ袋を引っ提げる。
「ゴミ袋1枚もらったよ」
「それ、置いてけ。クリーニング僕が出すから」
「いーよ。どうせ他も出すから」
莫迦か亘、おまえ。その中にはストッキングとか下着類も入ってんだよ。そんなもん渡せるか。
つーか、おまえに見せるかよ。オレが止めるわ。
おっと、荷物持ったまま片足上げっから。
紅緒の二の腕を掴んでバランスを取ってやる。
ん?
しゃがんだ紅緒のどこを見てるんだ。あ゙ぁ゙?
残念ながら、そっちからじゃ中身は見えませーん。
「わーちゃん、明日休みでしょ。トールちゃんが言ってた」
「平川先輩は」
おお、やっと思い出してきたか。お前さんの上司だろ。
「平川さんなら、まー爺に連れられて出かけていったよ。心配ご無用って伝言頼まれてた」
「なんで……」
オレと平川さんが知り合いって知らなかったのか。
へぇー。
「樹と卒業まであそこでバイトしてたんだ。蝶タイ結んで、兄弟仲良くな」
「嵩ちゃんって、女性会員の人気すごかったのよ。じいちゃんは女性目当てで『オレの孫ハンサムだろう』って喜んで連れ回してた」
お姉さんたちと握手するのがまー爺の若さの秘訣だからな。
さて、エントランスに出たらさっさと紅緒を帰して、と。
「ここで、いいよ」
どうせオレは戻ってくるし。エレベータまでで充分。
「下まで行くよ」
「ここで良いって。じゃ、また」
「わーちゃん、また明日」
名残惜しそうな顔しやがって、待ってろや。
オレ様が戻ってきてやるから。
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