プラヴィテル・ヴレーメニ〜異世界召喚された俺は時を支配して神を超える〜

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第一章一部〜異世界へ〜

第二話 召喚されし勇者達

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 俺達がまともに声も出せないまま光は俺達を包み込んでいった。その光が徐々に消えていくと同時に俺達は何が起こっているのか分からなくなり、全員が全員口を開けて呆けていた。

「おい!ここはどこだ!?」

 そんなクラスの中で第一声を放ったのは上島だった。そしてその言葉に続くようにクラスがどよめき始める。みんな腰を抜かしているのか誰もその場で立とうとはしなかった。そういう俺も体に力がうまく入らず無理やり上半身のみ起き上がらせている状態だった。俺は辺りを見回す。

 まるでヨーロッパの王族の宮殿の中にでもいるような気分だな

 俺達が突然の出来事に困惑していると、奥からコツコツと足音がしてくる。そして現れたのは、俺達よりも明らかに年下の美少女だった。

「皆さん、ようこそおいでくださいました」

 華やかなドレスを纏った金髪の少女は、丁寧に礼をする。

「すみませんがどちら様でしょうか?それにここは……」

 俺たちの先頭をきって、前に出たのは委員長の山本さんだ。

「あっ、申し訳ございません。申し遅れましたわ。私はエリザベス・フォン・ゼフォード、このゼフォード王国の第一王女ですわ」

 その自己紹介にクラスの連中は再びどよめく。

「聞いたことのない国ですね。私達をどうなさるおつもりでしょか?」

「ふふっ、申し訳ございません。あなた方が不安になるのも無理はありません。ここはあなた方がいた世界とは全く別の世界なのですから」

 その発言にさらにクラスはどよめく。どよめきにどよめきを重ねて先ほどまでの緊張は無くなっているらしい。全員が起き上がっていた。

「つまりあなたはここは異世界だと仰りたいのですか?」

「ええ、私達があなた方を召喚致しました」

 委員長、このあと「ふっ、そんなバカげたことを」とでも良いそうだな。

「そうですか」

 アレ?委員長さんや、それだけかい?

 俺が一人ズッコケているとクラスの連中が立ち上がって罵倒し始めた。

「ふざけるなよ!何で俺達がこんな目に遭わないといけなんだよ!」

「そうよ!ちゃんと帰れるんでしょうね!」

 などといった文句が王女さんに飛びかかった。

 ガチャン!

 すると立ち上がった連中に突然槍が向けられる。
 当然だろう、一応王女が非難されているんだ。護衛の衛兵達が前に出てくるのも仕方ない。

 それによってクラスメイト達も黙り込んだ。

 それにしても本当に異世界に来てしまうとわな~こういうのはラノベとか漫画の世界だけにしてほしいねああいうのはキャラクターが冒険していくから面白いんであって俺自身が体験しても楽しくとも何ともないんだよ

 ま、とりあえず様子見だな

 それから王女は答えるように再び話し始めた。

「残念ながら今はあなた方をお帰しすることはできません。しかし、私達を助けてくださった暁には必ずあなた方を元の世界に戻すことをお約束いたしましょう」

 王女は堂々として言い切る。その瞳はまるで機能していないロボットのように裏表のないものだった。

 そしてまた委員長が挙手をする。

「ではそちらの提示する条件とは何でしょうか」

 俺の予想は魔王討伐と見た

「この世界に蔓延る悪しき魔王を討伐していただきたいのです!」

 ビンゴ!!そら見たことか、結局テンプレなんだよ。テンプレ異世界召喚なんだよ!つまんねぇな!

「魔王ですか……。申し訳ありませんが私達は戦闘などしたことはありませんし、そのような力も持っていません。この条件は飲めません」

 委員長はすぐさま跳ね返す。

「問題ありません。あなた方は勇者としてこの世界に召喚されました。その力は絶大です。これより多少の経験を積むために訓練をこちらで施させてはいただきますが、元のポテンシャルは普通の人間のその遥か上を行きます」

 王女は淡々とまるで音声アナウンスのような調子で答える。

 勇者ねぇ~
 もうすでにフラグは立っているわけだけども、どのみち折ることもできないから言ってしまうけどもだ
 これ絶対誰か落ちこぼれるパターンだぞ

 異世界召喚系、特にクラス召喚系によくあるタイプだ
 クラスで一人外れな奴
 ラノベの世界だと一匹オオカミで俺TUEEEってなるけど現実はそう甘くない

 多分捨てられて死ぬだけだ

 それから王女の話はまだ続いていた。

「あなた方の今の強さはステータス画面で確認することができます。試しにステータスと叫んでみてください」

 どうやらそれで王女の話は終わりらしい。しかし、

 あぁぁ~!!!来てしまったステータス表示タイム!!
 だがしかし!!ここを乗り切ってしまえば俺は晴れてマジョリティの一員だ!
 ここは絶対にミスできない

 周りの連中が「ステータス!」などと恥ずかしい声を上げている中、俺はただ集中していた。

 当たりはでの平均!
 外れは平均以上!又は特別なスキル等!

 大外れは平均以下のステータス!!

 まさか自分の人生に人生を賭けることがあるとは思わなかったが、これは人生最大の大勝負!

 勝ってみせる!

「ステータス!」

 俺の言葉と同時に目の前にまるで近未来のデジタルパッドのようなウインドウが現れる。

「…………は?」

 その意表を突くような結果に俺は呆気を取られてしまった。
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