【完結】小6女児の毒親脱獄劇(改良版)

ヤマノカツラ

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第3話 運命の出会い(桂の視点)

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2028/8/18(金)PM12:00

「よおヅラ男、久し振りだな!」

 その口調と聞き覚えのある声の方向を恐る恐る向いてみると、そこには想い出したくない人物が2名居た。どうか人違いでありますように、という願いを込めて俺はこう確認した。

「も、もしかして鮫妻国太君と鈴川晃子さん?」

「違うわよ、国太君と結婚したから『鮫妻晃子』よ」と晃子さんが言うとすぐさま国太君が「んな事も解んねえのかよ?、相変わらず頭悪いなおめえはよ~!」

 俺は「ははは…。」と苦笑いしながら(うわ~、嫌な人達と再会したな…。)と心の中でそう想いつつこう返す。

「こ、高校卒業以来だから約13年半振りだね。国太君達もカラオケしに来たの?」

「それもあるけどよお、俺の娘がおめえのオーディション受けに来たんだよ。智枝、自己紹介してやれ」国太君に促されて、身長150cm弱の少女が「初めまして~、『佐藤智枝』っす~!」と言い出した。

「えっ!。国太君の娘なのに『佐藤』ってどういう事?、まさか偽名使ったの!?」
「失礼な奴だな。ちゃんと本名名乗ったじゃねえか?、下の名前はな!。おめえの事だから『鮫妻』って名乗った時点で俺の事を想い出して落としたろ?」
「そんな事しないよ…。」

 とツッコむ国太君にそう返した。流石国太君、抜け目が無い…。

「で、そこのお嬢さん方は誰だ?。まさかおめえの彼女じゃねえよな?」と蒼絵さん達を見ながら国太君が聞くと「違う違う。俺に編曲を依頼したい、っていう人とそのお姉さんだよ」と返すと国太君は安心したように「だよな~!、こんな美人がおめえなんか相手にする訳ねえよな」と笑って来た。

「ヅラ男君、身の程を弁えなきゃダメよ」と国太君に同調する晃子さんに対して俺は「ははは…。」と苦笑いするしか無かった。てか、いちいちうるさいなあ…。

「んな事よりヅラ男、さっさと受け付けして来い!。相変わらず使えねえ奴だな!」と言うと智枝ちゃんが「大人なんだからキビキビ動けよ、このヅラ男!」と国太君に同調する智枝ちゃんに「解ってるから…。」と答えながら言う通りにしてる自分が情けない、ていうかまさか初対面の小6女児からヅラ男呼ばわりされるとは思わなかった、流石国太君の娘だ…。

「すみません。1時間で予約をお願いしてました『山野 桂』ですが…。」と受付で料金を支払おうとしたら、国太君がすかさず「いや、2時間で頼んますわ。ついでにオードブルとドリンクも。お会計はこいつが払います」と言い出した。

「えっ!。1時間もあれば蒼絵さんの演奏力と智枝ちゃんの歌唱力を知るのに充分なんじゃ…。しかも何でオードブルとドリンク代まで俺が出さなきゃいけないの?。国太君が出してくれよ、言い出しっぺなんだから…。」
「何だてめえ、ヅラ男のくせに俺から金取ろうってのか?、ああ!」

 と物凄い剣幕で国太君が、俺の胸倉を掴みながら怒鳴って来た。

「お父さんが本気で怒ったら恐いよ~。覚えてると思うけど」と晃子さんが同調して来た。国太君の恐ろしさは高校時代に嫌と言う程味合わされたので、俺は仕方なくそれを受け入れた。やれやれ、とんだ出費と災難だ…。

「だそうだからおめえら、遠慮なく飲んで食って歌えや」と国太君が言うと、すかさず智枝ちゃんが「やったー、流石おとーさん!」と両手を挙げて大喜びした。

「ふふふ、ごちそうさまヅラ男君」と晃子さんが勝ち誇ったような笑顔を浮かべながらそう言うと、「すみません桂さん!」と身長135cm位の少女、と言うか幼女が謝り出した。この性悪家族の中で、明らかにこの子だけが浮いていた。

「いやいや、君が謝る事無いよ…。」と俺がこの子にそう言うとすかさず「そうよ、君『は』謝る事無いよ!。名前なんて言うの?」とあびるさんが目を輝かせてそう言い出した。

「さ、鮫妻 智加です…。」と、地味な格好をした少女がそう答えると「あーしは鶴牧 あびる。で、こっちは妹の蒼絵。よろしくね!」とお互いに自己紹介し合った。

 智加ちゃんに明らかに興味津々なあびるさんを見た蒼絵さんが「ま~た始まった、姉貴の病気が…。」智加ちゃんはビックリしながらも「よ、宜しくお願いします…。」と言い終える前に国太君が「何やってんだヅラ男、智加、さっさと来いこのグズコンビ!」と怒鳴られ、俺と智加ちゃんは謝りながら国太君に付いて行った…。そして俺達は、お店から指定された部屋に入り、主催者の俺がこう切り出す。

「それではオーディションを始めますので、早速ですが智枝さん歌って下さい」
「待てヅラ男、先に智加に歌わせっからよ!」
「えぇっ!、わたしも歌わなきゃいけないの?」
「ったりめえだろ、一応おめえもオーディション受けに来たんだからよ。お姉さん方も聴きたいっすよね、智加の歌声?」

 と智枝ちゃんがあびるさん達に同調を求め出して、あびるさんが「聴きたいっ!」と即答した。蒼絵さんが「姉貴!」と宥めて来た。智枝ちゃんが俺に迄「ヅラ男も聴きてえよな?、智加の歌声をよお!」同調を求めて来た。

「あ、ああ。正直、聴いてみたいかも…。」と答えてしまった。ゴメン智加ちゃん、正直俺も智加ちゃんがどんなポテンシャルを秘めてるか興味があった、少なくとも智枝ちゃんの歌よりは…。

「へへへ、満場一致でおめえの歌を皆聴きてーんだとよ。解ったらさっさと歌え!」

 智加ちゃんは根負けした感じで歌い出した。歌ってくれた曲は「●A●D」さんの「●けないで」だ、それを聴きながら智枝ちゃんが。「こいつ、この曲とサ●イしか知らねえでやんの、だっせえ!」と嘲笑して来やがった、自分で歌わせておきながら酷い奴だ…。一方あびるさんに目を向けてみると、とても幸せそうな顔をしていた。まるで推しのアイドルを見つめるファンのように…。

「わ、わたし、トイレ行って来る…。」と智加ちゃんが落ち込みながらそう言うと、智枝ちゃんが「おお行け行け、おめえはもう用済みだから戻って来なくて良いぞ!」と言いやがった。更に国太君が「何ならもう家にも帰って来なくても良いぞ~!」と嘲笑しながら言うと、晃子さんも「ふふふ」と同調して来た、マジで酷えこいつら…。智加ちゃんが部屋を出てすぐさまあびるさんも「あーしもトイレ行って来る」と言って部屋を出て行った…。

 智枝ちゃんがすぐさま歌い始めた。そのすぐ後に注文したドリンクとオードブルが来て、国太君が遠慮無く食べ始めた。智枝ちゃんの歌唱力は普通だった。その後、蒼絵さんが持って来たミニアンプと、●ェンダーの●トラト●ャスター、という青色のエレキギターを『シールド』というケーブルに繋いで、その腕前を披露した。

「へえー上手いじゃないすか。何年くらいやってんすか?」と智枝ちゃんが聞いて来て「3年半位」と答えた。3年半にしては上手い、と俺も思った。色んなギタリストを見て来た立場としても。そして本来の目的を終えて、ここからは鮫妻一家の独壇場だった。ちなみに、智加ちゃんの声は晃子さん似で、智枝ちゃんの声は国太君似だ。そんな中、トイレに行ってた智加ちゃんとあびるさんが戻ってきた。

「あだしのライブ観て音楽関係者が声掛けて、そのまま大ブレイクしてやる!」と智枝ちゃんが豪語し出した。国太君がすかさず「おお頑張れ、俺はいつでもお前の味方だぞ!」と言い出した。

「そして将来有名になって歴史に名を残してやる!」と智枝ちゃんは更に言い出して、晃子さんがすかさず「あたしも精一杯応援するからね!」と言い出した。「遅かったな姉貴。あと智加ちゃんも、何やってんだ?」と蒼絵さんがそう尋ねる横で、更に智枝ちゃんがニヤニヤしながら。

「そして智加、おめえは今よりもっと惨めな人生になるんだ、ざまあみろ!」
「そうなったら智加、おめえの事追い出すからな!」
「それが嫌なら正社員になるか結婚しなさい」
「もしくは自暴自棄になって犯罪者にでもなるか?」

 と、国太君、晃子さんが同調し、智枝ちゃんが更にそう締め括った。俺はそれらを聞いてこう誓った。

(最悪だこいつら!。智枝ちゃんは落として、この一家とは金輪際関わらないようにしよう。智加ちゃんには気の毒だけど…。)

 そんなこんなでカラオケの終了時間が来て、俺はオーディションの終了を告げる事にした。

「皆さんお疲れ様でした。合否は今日の夜に連絡しますので、もう少しお待ち下さい」
「とか何とか言いながら、智枝の事落とすつもりだろ?」
「そんな事しないよ、ちゃんと公平に精査するから…。」
「もし落としたらお前ん家に毎日押し掛けてやる。通勤経路でおめえん家通るからよ!」

 と言う国太君に俺が「そんな~…。」と言うとあびるさんが何を思ってか?。

「桂さん、智枝ちゃんに曲書いてあげましょう?」
「あ、あびるさん?」
「おお、随分と話の解るお嬢さんだな。ヅラ男なんかとは大違いだ!」
「その代わりじゃないですけど、智加ちゃんと桂さんでユニットを組んで音楽活動させて貰えませんか?。桂さんがキーボードで智加ちゃんがボーカルとして」
「面白そうだな、やってみろ。出来損ない同士、どんなクソ曲が出来るか楽しみだぜ!」
「良かったな智加、人生初の友達が出来てよお!」

 と国太君の嘲笑に智枝ちゃんが同調して来た、俺は思わず。

「待ってくれ!、会社勤めしながら蒼絵さんと智枝ちゃんに曲作るだけでも大変なのに、その上智加ちゃんに曲作りながら一緒に音楽活動するなんてとても…。」
「そうですよ。これ以上桂さんにご迷惑をお掛けするなんてわたし、心苦しいです!」

 と智加ちゃんは小6女児にも関わらず、俺を気遣ってくれた。あびるさんはおもむろに、両腕で胸を寄せながら俺に向かって。

「桂さ~ん、お願~い…。」

 と上目使いで懇願して来た。やばい、あびるさんの胸の谷間が!。下手なエ●本なんかよりオカズになるぞこれ?。

「わ、解ったよ、やるよ…。」俺は根負けしてそう答えた。あびるさんが満面の笑みで「有り難う桂さ~ん!。そういう訳だから智加ちゃん、一緒に頑張ろう!」と言うと智加ちゃんは自信無さそうに「は、はい…。」と答えた。俺、マジでこれからどうなるんだろう、先が思いやられる…。

   あびるさんと語り合う(智加の視点)

 遡る事少し前、智枝に歌わされ、家族皆に笑われて意気消沈のわたしはトイレで用を足し、鏡の前で思いっ切り落ち込んだ。

「はあ~、わたし、何やってるんだろう…。」と言いながら手を洗ってると、「智加ちゃん、ちょっと良い?」とあびるさんが話し掛けて来た。

「は、はい。えっと、あびるさん、でしたっけ?」と答えると、あびるさんが「早速あーしの名前覚えてくれたんだ。有り難う、嬉しいよ!」と喜んでいた。

「何か普段から、色々大変みたいだね~。」と言うあびるさんの問いに「すみません。でもわたし、どうしたら良いか解らなくて…。」と返した。

「もし良かったら、あーしと友達にならない?。LUINE交換するからスマホ出してもらって良い?」と言われたものの、「すみません。わたしスマホ持ってないんです。『お姉ちゃんだから我慢しろ』って言われて…。」と力無く、そう返した。

「だったらあーしん家にいつでも遊びに来なよ?、おやつご馳走してあげるよ。こう見えて料理やスイーツ作るの得意なんだ」と言い出すあびるさんに、わたしは思わず「そんな事したらご迷惑なんじゃ?」と切り返したけど、あびるさんは構わず。

「全然迷惑じゃないよ、むしろ毎日来て!。あーし達、少し前にこの町に引っ越して来たんだよ」と言いながら住所を聞くとなんと、わたしの家の隣りだった。そう言えば1年位前から隣の空き地に家が着々と建てらてれ少し前に完成し、そこに引っ越して来た家族居る、って聞いてはいたけど、それがまさかあびるさん達だったなんて…。わたしは驚きながらそれを伝えると。

「尚更好都合だよ、世の中狭いね~。これで智加ちゃんに何かあったらすぐすっ飛んで行けるよ。そろそろ戻ろっか?」とあびるさんに手を引かれながらカラオケルームに戻って行く事にした…。
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