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第23話 奴等再び!(明未の視点)
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2030/2/3(日)
ゴスロリ曲の順位発表の翌日から、わたし達は次のシングルと3rdアルバムの楽曲制作に勤しんでいた。収録曲を全てレコーディングは順調に進み、そして最後の曲の歌を撮り終えると、ママがパパに桂亜を預けつつ、ハンカチで目頭を拭い、こう言い出した。
「いつも想うけど、この曲は特にめいみんの想いがダイレクトに流れ込むよ。まるで実体験のように」
「今迄女ボーカル共に泣けるラブバラードを散々作らされて来た経験が、無駄にならなくて良かったぜ」
「これ、今迄で1番売れるんじゃないっすか?」
「そんなに売れるかな~?」
と言ったけど、この曲は何を隠そう、わたしが寝てるパパにキスした時の事を詞にした曲だ。『これはまずい』と想うわたしを他所に、社長がこう言い出す。
「次のシングルはこれで行くぞ。後この曲でお前達、アコギに挑戦しろ」
「アコギってあれエレキよりデカいですし、弦も固いからFコードとか手の小さい女性には辛くないですか?、特に明未が」
「それを出来るように成長して見せるのがデジタトゥの醍醐味だ、桂。発売日は4月3日にする。以上だ、我々は会社に戻るぞ桜庭、古田、冬目」
そう言って社長達はスタジオを後にした。わたし達もレコーディングが終わったので寮に帰ったら正直に話す事にした。皆で食卓を囲んでる時に、タイミングを見計らい、こう切り出す。
「皆、今回の新曲について謝りたいんだけど…。」
「な、何を謝る必要があるんだ明未?」
「そうだよめいみん、感動する位良い曲だと思うよ~?」
「ボクもっす!」
「そういう意味じゃないの。あれ実話なの、つまり…。わたし以前、寝ているパパに黙ってキ、キス、しちゃったの、本当にごめんなさいパパ!」
「ど、どういう事だ明未?」
「ママがわたしを国太から庇ってくれて、ママを鶴牧家で手当てして帰ろうとした時、パパからボイトレ本の切れ端を受け取り忘れた事に気付いて取りに行き、そこで寝てたパパにキスしちゃったの!」
「えっ!。ファーストキス安藤じゃないのめいみん?」
「でも記者会見では確か…。」
「あの場で事実を話したら、多方面に迷惑が掛かると思ったから、相手は安藤、という事にしといたんだよ。皆、特にパパ、本当にごめんなさい!」
わたしが涙ながらに懺悔する中、ママがこう切り出す。
「でも良かったよ、パパの両親にバレなくて」
「そうだな。特に母さんが見たら大激怒してたろうな~…。」
「ホントそうっすよ。『最近の若い子は!』とか言いそうっす」
「わたし、学芸会の後、安藤にああいう目に遭わされて無念で悔しくて本当に辛かったけど、ファーストキスだけでもパパに捧げられて良かった、って今でも思ってるよ。もし司会者に聞かれたらどう答えれば良いかな?」
「『こういう体験をしたかったです』って言っとけば良いんだよめいみん」
「ボクも口裏合わせるっすから、これ以上自分を責めないで欲しいっす!」
「取り敢えず、夕飯食べてしまおう…。」
パパのその言葉で夕飯を食べた。心が軽くなった状態で食べたそれは、ここ最近の中で1番美味しく感じた。
2030/2/28(木)
今日は蘭お姉ちゃんの14歳の誕生日で、前回同様にちゃんと行ない、蘭お姉ちゃんのイメージベリーである『クランベリーケーキ』を皆で作り、ちゃんとしたプレゼントをあげると、とても大喜びした。ご馳走を作り終えて皆で美味しく頂いてる中、ママがこう問い掛ける。
「そう言えば今度の4月の1、2、3の内、生誕祭いつやる?。いつでも良いなら今度こそ4月2日にやろーよ!。去年は蒼っち達が入社式だったから4月1日にした訳だし」
「なら今度は4月3日にしよう。丁度ママ20歳になる訳だし、皆の前でお酒飲みたいでしょ?」
「えー、あーしめいみんを祝ってあげた~い!。てかお酒飲んだら、その成分が桂亜にも行くんだよ?」
「少し位なら大丈夫だろ…。てかこれならどうだ、4月2日の夜に明未の誕生パーティーを始めて、翌午前0時になったらママがお酒飲むってのは?」
とパパがナイスアイディアを言い出した!。
「良いねパパ、そのプランで行こう!。ていうかわたしもそうしたい!」
「ボクもっす!」
「くくく。今宵は美酒に酔い痴れるが良いアルビレオよ!」
「つかとうとう、姉貴も20歳になるんだな~…。」
「てかあびる姉、全然20歳の貫禄ちゃうわ、ベテランの主婦並みやん!」
「当然ですわ!、あびるお姉様ですわよ?」
「皆ありがとー。あーしとめいみんの為に色々考えてくれて…。そうそう言い忘れてたけど、2ndシングルの印税が入って来てたよ、めいみん、蘭姉ちゃん、そしてパパにそれぞれ1千万円ずつ位」
急に印税の話になり、わたし達は驚いた。と同時にパパが。
「やっと入って来たか、流石にリリースから1年は長かったな~…。」
「ボクもそう想うっす。1stは印税0円だったから尚更そう感じたっす!」
「そう言えばデジタトゥの2ndシングル、どれ位売れたんだ姉貴?」
「200.2万枚だって。リリースしたのは1月10日で、その内1月は190万枚位売れたんだよ~♪。でも90年代以前はもっとロングヒットしたみたいだけど、今はドガッと行って、ドガッと下がっちゃうからね~…。」
「2011年頃から特に、その傾向が強くなってったなあ…。」
「瑠実お姉様の言う通りですわ…。」
「くくく。では我が魔力を込めた新曲を聴かせて、ロングヒットさせようではないか!」
「そう言えばざくっち、次の新作はちゃんと自分達らしく作れた?」
「くくく。バッチリだ!。お前達には本当に感謝しておるぞ、改めて礼を言うぞ」
「ホンマやな~。もしあのまま行ってたら、ウチらきっと潰れてたやろうな~…。」
「瑠実お姉様の言う通りですわ、わたくしも未だにコンタクト付けて演奏してたでしょうし…。」
「特にザックが潰れる所だったよな~。てか収益はどんな感じで分け合ってるんだ3人共?」
「音楽で稼いだお金は全額明未と蘭、そして俺できっちり3等分にして行くつもりだ」
「ねえパパ、折角だから音楽で稼いだお金、ママも入れて4等分にしようよ?」
「ボクもそれで良いっす。今こうして居られるのはママのお陰っすから!」
「ありがとー2人共~、こんな良い娘を持ってあーしは本当に幸せ者だよ~…。でも収益は3等分で良いよ?」
「どうして?、わたし達は全然それでOKだよ?」
「ボクもっす!。ママは第4のデジタトゥメンバーっすよ?」
「何かY●Oの第4のメンバー●武●樹さんや、●'zの第3のメンバー●石●夫さんみたいな言い方だな…。てか俺は?」
「何言ってるの!、パパは第3のデジタトゥメンバーでしょ?、作編曲してるんだから…。収益は3等分で良いからその代わり、皆が稼いだお金をあーしに一元管理させてよ?」
「ママがそれで良いなら、わたしはそれで良いよ」
「ボクもっす!」
「有り難う皆。じゃあその3千万円で早速買いたい物件があるんだけどイイ?」
「早速無駄使いかよ!?」
「違うよパパ!。会社の近くに綺麗でお洒落なモデルルームがあって、土地代込みで3千万円で販売されてたからそこを買いたいんだよ~♪。もうそろそろ自分達の持ち家が欲しいと想ってたトコだし…。」
ママが『家を買いたい』と言い出し、それを聞いた蒼絵お姉ちゃんが。
「随分安いな、都心にしては」
「ホンマやで、幽霊でも出るんちゃうか?」
「瑠実お姉様の言う通りですわ、眼鏡外して見えないようにしたいですわ~…。」
「くくく。では我が闇魔法でその悪霊を消し去ってやろう!」
「兎に角、1回俺達も見に行かないとな」
「わたしも行ってみたい、自分達が住む家なんだから!」
「ボクもっす!」
「そう言えばメミー達、次のシングルはどんな感じで行くんだ?」
「皆、この事はこの8人だけの秘密に出来る?」
「任せろ、口の軽い奴なんざあロックじゃねえ!」
「蒼絵お姉様の言う通りですわ!」
「くくく。我が帝国の国家機密にするから安心して語るが良い」
「安心して喋ってもええで、ウチは口が堅い方やから」
「週刊誌にリークした人が言っても説得力無いよ~♪」
「ホントだぞ、あの時は俺もどうなるかと思ったぜ…。」
「ボクもっす!」
皆の笑い声が響く中、わたしは今回の新曲の経緯を静かに語った。
「そ、そんな事してたのか?。本当にロックだぜ!」
「貴様、我が想うより大胆不敵ではないか!」
「ざくろお姉様の言う通りですわ!」
「まさかウチと桂兄が婚約した後ちゃうやろな?」
「違うよ!。もしパパが誰かと婚約してたら、流石にしなかったよ!」
テンパるわたしに気を遣って、蘭お姉ちゃんがこう切り出す。
「そう言えばお姉さん達、次のシングルはどんな感じで出すんすか?。ボク達の新曲は、めいみんバンドが500円だから、ボク達のシングルも1曲のみの500円とアルバムを同時リリースで行け、って社長に言われたっす」
蘭お姉ちゃんの問いに、ざくろお姉ちゃんが中二ポーズを取りながら。
「くくく。よくぞ聞いてくれた。我は今回アルバムと同時に、1曲のみで500円のシングルを、3曲同時に出すのだ、ぐわーっはっはっはっ!」
「多分考えたの蒼絵だろ?、お前ラ●クさんの大ファンだから」
「ああ。昔●ルクが3曲同時シングルリリースをやって世間を驚かせたから、じゃあ今度はアタシらがそれをやろう、って事になったんだ。姉貴の20歳の誕生日に」
「ちなみに1st、2ndは瑠実お姉様が担当でしたので、今回は作詞作曲それぞれ蒼絵お姉様、ざくろお姉様、そしてわたくしが担当致しますわ~♪」
「4月3日が水曜日の週のランキング、どうなるんやろ?、ある意味恐ろしいわ…。」
こんな感じでパーティーを楽しみつつ、次の生誕祭のプランが決まり、わたし達もその家が気に入ったので一括で購入し、引っ越し作業とレコーディングを並行しつつ、更に約1か月経った…。
2030/4/2(火)PM1:00
昼食後、わたしの14歳の誕生パーティーを行なう為に、昼食後に買い出しに出掛けて、必要な食材等を一通り買い揃える為、近所の大型デパートに来ていた。
「ていうか誰すか?、バスケットボール買ったの」
「俺だ。近所にバスケコートあるから、たまに運動不足解消の為にやろうと思って」
「今度ボクと1on1やろうっす!。一応ボクも半年間やってたっすから」
「そうだな、機会があったらやろっか?」
そして必要な物を一式買い終えて家に着いて、パパがこう切り出す。
「それじゃ皆、荷物を台所に運んでしまおう!」
「ういっす!」
「そう言えば、蒼絵お姉ちゃん達は何時頃来るの?」
「もうそろそろ来ると思うよ?。それ迄少しでもあーしらで準備進めとこーよ」
こんな感じでわたし達は、大量の食材を台所に運ぶ事にした。先ずママが桂亜も一緒に運んで、次に蘭お姉ちゃん、その次にわたし、そして最後にパパが荷物を運びつつ、ドアを閉めようとしたその時。
「なっ、何でお前達がここに?。うわっ!」
とパパの悲鳴と鈍い音が聞こえて来た。そこに現れたのはなんと、国太、晃子、安藤、常司、寿枝、それに多香子と周孝まで現れた!。それを見た蘭お姉ちゃんが。
「振袖女!、お前迄来たのか?」
「ちがうよ蘭姉ちゃん、倉松 多香子だよ~♪」
わたしが「それ旧姓だよママ」と言うと多香子が「『春川 多香子』だ、いい加減覚えろ!」と言うと国太が。
「こいつらワザと言ってんだよ。それより警察に連絡すんなよ、ヅラ男がどうなっても良いのか?」
とわたし達を脅して来て、その横で安藤が玄関の鍵を掛けて、こう切り出す。
「久し振りだねえ智加ちゃん。暫く見ない内に、随分綺麗になったね~♪」
「あっ!、貴方達…。今服役中の筈じゃ?」
「ああそれはねえ、俺達の真面目な服役態度が評価されて、一時的に仮釈放して貰えたんだよ昨日。それに俺達、初犯だし」
安藤がそう答えてすぐさま、常司が続ける。
「だからって、俺達の生活が保障されてる訳じゃねえ。そこで先ずおめえらの弱みを握って、生活の糧を得ようと思ってここに来たんだ。ここ1年半の間におめえら相当荒稼ぎしたろ?、俺らや九十九達を利用してよお!」
「後お前のお姉さんの事もな、薫!」
「『蘭』だよ!、てかもう薫じゃないし」
「てかあいつらなんか、もう家族じゃねえっす!」
「それに、皆自業自得じゃない!」
「玄関に鍵掛けたから、これで前回みたいに不意打ち喰らう心配も無いでしょ?。晃子、念の為に他の所も全部鍵掛けて来て」
「オッケー寿枝姉さん♪」
「それとあび助。おめえも拘束すっからよ、おめえ毎回何企んでっか解んねえからな。寿枝先輩、こいつであび助を拘束して下さい。後赤ん坊は邪魔だからベビーベッドにでも移しといて下さい」
国太が寿枝に結束バンドと荷造り紐を渡すと、寿枝は手際良く拘束し終えてママにこう言い出す。
「よくも主人を蹴り倒してくれたな、このー!」
と言いながらママに殴る蹴るの暴行を加えた。
「ママ!」
「やめるっす!」
と懇願するわたし達に国太が。
「だったらさっさと服脱いでレ●プレイ始めろ!。ちなみに今日を選んだ理由は、智加が丁度14歳の誕生日だから、少なくとも児ポには抵触しねえからだよ!」
「何歳になっても智加ちゃんは可愛いよ。それより言う通りにしないと、ヅラ男がどうなっても知らないよ~。後赤ちゃんも」
パパにナイフを突きつけながらそう言う安藤に、蘭お姉ちゃんが根負けしてこう切り出す。
「わ、解ったっす、言う通りにするっす!。だからもうこれ以上、危害を加えないで欲しいっす!」
「ハハハハハ!、おめえらにしては良い心掛けだな。さあ、早く始めろ!」
と言いながらビデオカメラで撮影を始める国太の前で、わたし達は裸になり、そして…。一通りプレイを終えて、蘭お姉ちゃんがこう切り出す。
「ハア、ハア…。こ、これで良いんすよね?。言う通りにしたから、ボク達を解放するっす!」
「解った。但し、周孝がおめえと、安藤が智加と、そして常司先輩があび助ヤッてからな!。俺は撮影に専念すっからよ!」
「そんな、約束が違う!」
「うるせえ!。おめえらの弱みを握った以上、約束なんかもう知ったこっちゃねえんだよ!」
「そうだ、さっさとヤルぞ2人共!、精神鑑定を受けさせられた屈辱も晴らすぞ、グズグズしてると警察が来ちまう!」
「そうですね常司先輩。それに刑務所内で思うように抜けなくて大量に溜まってるから、それを全部君達の中に流し込んであげるからね~♪」
「もし抵抗したら、ヅラ男と赤ん坊がどうなるか解ってるよな?。周孝、今日だけは浮気許してやるから、代わりに薫の中に思いっ切り出してやれ!」
「楽しみだぜ、俺も刑務所内で中々出せずにウズウズしてたからな!」
「お前らこ●す、マジでブッ●す!」
ママがそう怒りを露わにすると、寿枝がこう切り出す。
「静かにしろ!。それより皆早くしな、警察が来る!」
と寿枝の合図を皮切りに、獣のような目をした彼等に、わたし達が今正に●されようとしていたその時。
(ピーンポ~ン♪)
「誰だ?」
「あっ、蒼絵お姉さん達っす!」
「助けてー、蒼絵お姉ちゃ~ん!」
「静かにしな!、赤ん坊がどうなっても良いの?」
「それにもしアホ助達4人が来ても、俺達相手に何が出来るってんだ?」
「アホ助ってもしかして、蒼絵お姉さんの事っすか?」
「他に誰が居るってんだ、田沼 薫!」
「それに俺達、刑務所内で自由時間は殆ど筋トレしてたから、他に出来る事も無かったし。さあ智加ちゃん、俺とシようね。一回ヤッてるから痛くないよ~♪」
安藤がそう言いながらわたしに近付くと、玄関の鍵が開いて複数の足音が聞こえて来た、そして。
「大丈夫か皆?」
現れたのは古田さん、冬目さん、座木さん、そして20代前半位の知らない女性だった。身長190cm程あり、尚且つスーツの上からでも解る筋肉をした座木さんを見て、国太と常司はビビりながら。
「なっ!。何だ、あの筋肉大男は?」
「それに何だ!、あの筋肉ゴリラ女は?」
「けど、残りの2人は大した事なさそうだぜ国太?。筋肉ゴリラ2を倒してしまえば問題無い筈」
安藤がそう言うとすぐさま、5人は走りながら座木さんと古田さんに詰め寄ると、ノーマークの冬目さんが安藤を、もう1人の女性が周孝を、そして座木さんが国太を、古田さんが常司を、そして多香子をママがそれぞれ倒した。これで無事解決、と思いきや寿枝が。
「お前ら、大人しくしろ!。この2人のレ●プレイの動画をネットに流すぞ!。流して欲しく無ければ、警察が来たらこう言え。『ここに居る皆でパーティーしてました、警察を呼んだのは罰ゲームです』とな!。これで捕まる心配は無くなった訳だ」
「この土壇場でよくそんな悪知恵が働くっすね?」
「やっぱりこの人は九十九のお母さんだよ、九十九は智枝以上にずる賢いから…。」
「九十九を悪く言うな!。てかあたし今、壁の四隅に居るから、お花見の時みたいに主人を後ろから、不意打ち喰らわせるような事も出来ないよ。さあ、もうすぐ警察が来るから、さっき言った通りに答えて貰うからね、アッハハハハハ!」
と勝ち誇ったように笑う寿枝目掛けて、誰かがバスケットボールを投げて、それが寿枝の手にぶつかり、寿枝はスマホを落とした。四隅に居たから逆に避ける事が出来なかった、すぐ傍に居た蘭お姉ちゃんが速攻でスマホを拾った。ちなみに、ボールを投げたのは蒼絵お姉ちゃんだった。
寿枝がスマホを奪い取ろうとして、蘭お姉ちゃんが蒼絵お姉ちゃんに投げて渡すと、蒼絵お姉ちゃんがスマホの中からSDカードを取り出し、そして真っ二つに割って壊した。
「皆、全部戸締りして来たよ~。って何、どういう状況なの今?」
戸締りを全て終えて戻って来た晃子が戻って来てすぐに警察が駆け付け、強盗7人組は逮捕された。病院内でパパとママの手当てと検査を行なった結果、命に別状は無かったと言われて安堵する中、こう切り出す。
「なんか、生誕祭どころじゃ無くなっちゃったね…。ていうか貴女は?」
「初めまして。私はBerryenのサブマネージャーの『前田凛』と申します。これでも学生時代、柔道部でした」
と前田さんが自己紹介を終えてすぐさま、蒼絵お姉ちゃんが続ける。
「折角だから普段から色々助けて貰ってる両マネージャーも混ぜてあげたい、と思って4人も誘ったんだ。そしてインターホンを幾ら鳴らしても出ないから、アタシが前もって姉貴から貰ってた合鍵で開けて入ったら、まさかこんな事に…。」
「そうだったんすね…。てか冬目さんって実は強かったんすね?」
「ああ。俺も学生時代柔道部だったし、今でも休日は体鍛えてるから」
「がっはっはっはっは!。就任早々、あたしのサブマネージャーに相応しい働きをしてくれたね~!」
「てか頭だけでなく体も強いなんて、冬目君どんだけハイスペックなんだ?。痛てて!、これじゃ今度のMスタ収録、俺無理だな…。」
「仕方無いです、キーボーディストは代役にお願いするので、ゆっくり治療に専念して下さい。てか2人共、いつ頃退院出来そうですか?」
「あーしの怪我は大した事ないからすぐ退院出来ると思うけど、パパは多分半月は掛かるかも?、ってお医者さんが言ってたよ冬目っち」
「そう言えば社長が、デジタトゥのTwiccarのアカウントを、『明未の誕生日に合わせて作った。これからはそれを通しても情報発信して行け』と仰ってたぞ」
「そう言えばウチの社長もそれに合わせて、BerryenのTwiccarのアカウントを作らせたそうです」
「皆さん、これ以上は病院側のご迷惑になり兼ねませんので、我々はそろそろ退出致しましょう…。」
冬目さん、古田さん、前田 凛さん、座木さんが順ににそう言いつつ、こんな感じで会話が、皆それぞれ帰宅の途に着いた。翌日の朝、昨日の事件が報道され、その影響でCDが前回より売れた。そしてMスタ春の3時間スペシャル出演当日、控室で古田さんにこう告げられる。
「がっはっはっはっは!。驚けお前達、今日ゲストで『ベリー・マイウィッシュ』も出るらしいぞ」
「その人って凄い人なの?、蘭お姉ちゃん」
「世界的に今、若者に最も影響力のあるアーティストっすよ!。その人に曲をプッシュされれば再生回数、うなぎ上りになり、CDも売れるそうっす。今からお願いしに行くっすよ!」
「やめろ蘭!。そんな事したら嫌われて、余計に曲聴いて貰えなくなるぞ!」
冬目さんにそう諭されつつ、本番を迎えた。パパとママが襲撃されて入院した事を、女子アナさんからやや大げさに告げられつつ、そのピンチ救出に貢献したBerryenの事も告げられ、2組共無事本番を終えた。そしてベリーさんがつもりさんとトークが始まり、何故かわたし達の話題になった。
「私は先程、Digital Tattooがどんな目に遭わされたかをマネージャーから聞いて、とてもショックでしたが、無事で良かったです。又、彼女達を助けようとしたBerryenの勇気にもとても感動しました。そんな彼女達の力になりたくて、近くのCDショップでCDを買いました。先程リハーサルでも聴きましたが、どれもとても良い曲なので、是非皆さんも彼女達のCDを買って応援してあげて下さい。最後に、私も彼女達のTwiccarをフォローしました」
ベリーさんが、通訳を介して本番中にそう言ってくれたお陰で、元々Berryenの3枚同時リリースで『ラ●クの再来』と大盛り上がりだった所に、今回の事件で世間からの同情もあってか?、わたし達のCDが前代未聞な程売れた。そしてわたし達とBerryenのアカウントが何故か?、ジャスティス・バービーからもフォローされ、自身のアカウントで、英語でこう書き込まれていた。
「僕が今最も好きな日本人アーティストは、この2組。Digital TattooとBerryen」
ゴスロリ曲の順位発表の翌日から、わたし達は次のシングルと3rdアルバムの楽曲制作に勤しんでいた。収録曲を全てレコーディングは順調に進み、そして最後の曲の歌を撮り終えると、ママがパパに桂亜を預けつつ、ハンカチで目頭を拭い、こう言い出した。
「いつも想うけど、この曲は特にめいみんの想いがダイレクトに流れ込むよ。まるで実体験のように」
「今迄女ボーカル共に泣けるラブバラードを散々作らされて来た経験が、無駄にならなくて良かったぜ」
「これ、今迄で1番売れるんじゃないっすか?」
「そんなに売れるかな~?」
と言ったけど、この曲は何を隠そう、わたしが寝てるパパにキスした時の事を詞にした曲だ。『これはまずい』と想うわたしを他所に、社長がこう言い出す。
「次のシングルはこれで行くぞ。後この曲でお前達、アコギに挑戦しろ」
「アコギってあれエレキよりデカいですし、弦も固いからFコードとか手の小さい女性には辛くないですか?、特に明未が」
「それを出来るように成長して見せるのがデジタトゥの醍醐味だ、桂。発売日は4月3日にする。以上だ、我々は会社に戻るぞ桜庭、古田、冬目」
そう言って社長達はスタジオを後にした。わたし達もレコーディングが終わったので寮に帰ったら正直に話す事にした。皆で食卓を囲んでる時に、タイミングを見計らい、こう切り出す。
「皆、今回の新曲について謝りたいんだけど…。」
「な、何を謝る必要があるんだ明未?」
「そうだよめいみん、感動する位良い曲だと思うよ~?」
「ボクもっす!」
「そういう意味じゃないの。あれ実話なの、つまり…。わたし以前、寝ているパパに黙ってキ、キス、しちゃったの、本当にごめんなさいパパ!」
「ど、どういう事だ明未?」
「ママがわたしを国太から庇ってくれて、ママを鶴牧家で手当てして帰ろうとした時、パパからボイトレ本の切れ端を受け取り忘れた事に気付いて取りに行き、そこで寝てたパパにキスしちゃったの!」
「えっ!。ファーストキス安藤じゃないのめいみん?」
「でも記者会見では確か…。」
「あの場で事実を話したら、多方面に迷惑が掛かると思ったから、相手は安藤、という事にしといたんだよ。皆、特にパパ、本当にごめんなさい!」
わたしが涙ながらに懺悔する中、ママがこう切り出す。
「でも良かったよ、パパの両親にバレなくて」
「そうだな。特に母さんが見たら大激怒してたろうな~…。」
「ホントそうっすよ。『最近の若い子は!』とか言いそうっす」
「わたし、学芸会の後、安藤にああいう目に遭わされて無念で悔しくて本当に辛かったけど、ファーストキスだけでもパパに捧げられて良かった、って今でも思ってるよ。もし司会者に聞かれたらどう答えれば良いかな?」
「『こういう体験をしたかったです』って言っとけば良いんだよめいみん」
「ボクも口裏合わせるっすから、これ以上自分を責めないで欲しいっす!」
「取り敢えず、夕飯食べてしまおう…。」
パパのその言葉で夕飯を食べた。心が軽くなった状態で食べたそれは、ここ最近の中で1番美味しく感じた。
2030/2/28(木)
今日は蘭お姉ちゃんの14歳の誕生日で、前回同様にちゃんと行ない、蘭お姉ちゃんのイメージベリーである『クランベリーケーキ』を皆で作り、ちゃんとしたプレゼントをあげると、とても大喜びした。ご馳走を作り終えて皆で美味しく頂いてる中、ママがこう問い掛ける。
「そう言えば今度の4月の1、2、3の内、生誕祭いつやる?。いつでも良いなら今度こそ4月2日にやろーよ!。去年は蒼っち達が入社式だったから4月1日にした訳だし」
「なら今度は4月3日にしよう。丁度ママ20歳になる訳だし、皆の前でお酒飲みたいでしょ?」
「えー、あーしめいみんを祝ってあげた~い!。てかお酒飲んだら、その成分が桂亜にも行くんだよ?」
「少し位なら大丈夫だろ…。てかこれならどうだ、4月2日の夜に明未の誕生パーティーを始めて、翌午前0時になったらママがお酒飲むってのは?」
とパパがナイスアイディアを言い出した!。
「良いねパパ、そのプランで行こう!。ていうかわたしもそうしたい!」
「ボクもっす!」
「くくく。今宵は美酒に酔い痴れるが良いアルビレオよ!」
「つかとうとう、姉貴も20歳になるんだな~…。」
「てかあびる姉、全然20歳の貫禄ちゃうわ、ベテランの主婦並みやん!」
「当然ですわ!、あびるお姉様ですわよ?」
「皆ありがとー。あーしとめいみんの為に色々考えてくれて…。そうそう言い忘れてたけど、2ndシングルの印税が入って来てたよ、めいみん、蘭姉ちゃん、そしてパパにそれぞれ1千万円ずつ位」
急に印税の話になり、わたし達は驚いた。と同時にパパが。
「やっと入って来たか、流石にリリースから1年は長かったな~…。」
「ボクもそう想うっす。1stは印税0円だったから尚更そう感じたっす!」
「そう言えばデジタトゥの2ndシングル、どれ位売れたんだ姉貴?」
「200.2万枚だって。リリースしたのは1月10日で、その内1月は190万枚位売れたんだよ~♪。でも90年代以前はもっとロングヒットしたみたいだけど、今はドガッと行って、ドガッと下がっちゃうからね~…。」
「2011年頃から特に、その傾向が強くなってったなあ…。」
「瑠実お姉様の言う通りですわ…。」
「くくく。では我が魔力を込めた新曲を聴かせて、ロングヒットさせようではないか!」
「そう言えばざくっち、次の新作はちゃんと自分達らしく作れた?」
「くくく。バッチリだ!。お前達には本当に感謝しておるぞ、改めて礼を言うぞ」
「ホンマやな~。もしあのまま行ってたら、ウチらきっと潰れてたやろうな~…。」
「瑠実お姉様の言う通りですわ、わたくしも未だにコンタクト付けて演奏してたでしょうし…。」
「特にザックが潰れる所だったよな~。てか収益はどんな感じで分け合ってるんだ3人共?」
「音楽で稼いだお金は全額明未と蘭、そして俺できっちり3等分にして行くつもりだ」
「ねえパパ、折角だから音楽で稼いだお金、ママも入れて4等分にしようよ?」
「ボクもそれで良いっす。今こうして居られるのはママのお陰っすから!」
「ありがとー2人共~、こんな良い娘を持ってあーしは本当に幸せ者だよ~…。でも収益は3等分で良いよ?」
「どうして?、わたし達は全然それでOKだよ?」
「ボクもっす!。ママは第4のデジタトゥメンバーっすよ?」
「何かY●Oの第4のメンバー●武●樹さんや、●'zの第3のメンバー●石●夫さんみたいな言い方だな…。てか俺は?」
「何言ってるの!、パパは第3のデジタトゥメンバーでしょ?、作編曲してるんだから…。収益は3等分で良いからその代わり、皆が稼いだお金をあーしに一元管理させてよ?」
「ママがそれで良いなら、わたしはそれで良いよ」
「ボクもっす!」
「有り難う皆。じゃあその3千万円で早速買いたい物件があるんだけどイイ?」
「早速無駄使いかよ!?」
「違うよパパ!。会社の近くに綺麗でお洒落なモデルルームがあって、土地代込みで3千万円で販売されてたからそこを買いたいんだよ~♪。もうそろそろ自分達の持ち家が欲しいと想ってたトコだし…。」
ママが『家を買いたい』と言い出し、それを聞いた蒼絵お姉ちゃんが。
「随分安いな、都心にしては」
「ホンマやで、幽霊でも出るんちゃうか?」
「瑠実お姉様の言う通りですわ、眼鏡外して見えないようにしたいですわ~…。」
「くくく。では我が闇魔法でその悪霊を消し去ってやろう!」
「兎に角、1回俺達も見に行かないとな」
「わたしも行ってみたい、自分達が住む家なんだから!」
「ボクもっす!」
「そう言えばメミー達、次のシングルはどんな感じで行くんだ?」
「皆、この事はこの8人だけの秘密に出来る?」
「任せろ、口の軽い奴なんざあロックじゃねえ!」
「蒼絵お姉様の言う通りですわ!」
「くくく。我が帝国の国家機密にするから安心して語るが良い」
「安心して喋ってもええで、ウチは口が堅い方やから」
「週刊誌にリークした人が言っても説得力無いよ~♪」
「ホントだぞ、あの時は俺もどうなるかと思ったぜ…。」
「ボクもっす!」
皆の笑い声が響く中、わたしは今回の新曲の経緯を静かに語った。
「そ、そんな事してたのか?。本当にロックだぜ!」
「貴様、我が想うより大胆不敵ではないか!」
「ざくろお姉様の言う通りですわ!」
「まさかウチと桂兄が婚約した後ちゃうやろな?」
「違うよ!。もしパパが誰かと婚約してたら、流石にしなかったよ!」
テンパるわたしに気を遣って、蘭お姉ちゃんがこう切り出す。
「そう言えばお姉さん達、次のシングルはどんな感じで出すんすか?。ボク達の新曲は、めいみんバンドが500円だから、ボク達のシングルも1曲のみの500円とアルバムを同時リリースで行け、って社長に言われたっす」
蘭お姉ちゃんの問いに、ざくろお姉ちゃんが中二ポーズを取りながら。
「くくく。よくぞ聞いてくれた。我は今回アルバムと同時に、1曲のみで500円のシングルを、3曲同時に出すのだ、ぐわーっはっはっはっ!」
「多分考えたの蒼絵だろ?、お前ラ●クさんの大ファンだから」
「ああ。昔●ルクが3曲同時シングルリリースをやって世間を驚かせたから、じゃあ今度はアタシらがそれをやろう、って事になったんだ。姉貴の20歳の誕生日に」
「ちなみに1st、2ndは瑠実お姉様が担当でしたので、今回は作詞作曲それぞれ蒼絵お姉様、ざくろお姉様、そしてわたくしが担当致しますわ~♪」
「4月3日が水曜日の週のランキング、どうなるんやろ?、ある意味恐ろしいわ…。」
こんな感じでパーティーを楽しみつつ、次の生誕祭のプランが決まり、わたし達もその家が気に入ったので一括で購入し、引っ越し作業とレコーディングを並行しつつ、更に約1か月経った…。
2030/4/2(火)PM1:00
昼食後、わたしの14歳の誕生パーティーを行なう為に、昼食後に買い出しに出掛けて、必要な食材等を一通り買い揃える為、近所の大型デパートに来ていた。
「ていうか誰すか?、バスケットボール買ったの」
「俺だ。近所にバスケコートあるから、たまに運動不足解消の為にやろうと思って」
「今度ボクと1on1やろうっす!。一応ボクも半年間やってたっすから」
「そうだな、機会があったらやろっか?」
そして必要な物を一式買い終えて家に着いて、パパがこう切り出す。
「それじゃ皆、荷物を台所に運んでしまおう!」
「ういっす!」
「そう言えば、蒼絵お姉ちゃん達は何時頃来るの?」
「もうそろそろ来ると思うよ?。それ迄少しでもあーしらで準備進めとこーよ」
こんな感じでわたし達は、大量の食材を台所に運ぶ事にした。先ずママが桂亜も一緒に運んで、次に蘭お姉ちゃん、その次にわたし、そして最後にパパが荷物を運びつつ、ドアを閉めようとしたその時。
「なっ、何でお前達がここに?。うわっ!」
とパパの悲鳴と鈍い音が聞こえて来た。そこに現れたのはなんと、国太、晃子、安藤、常司、寿枝、それに多香子と周孝まで現れた!。それを見た蘭お姉ちゃんが。
「振袖女!、お前迄来たのか?」
「ちがうよ蘭姉ちゃん、倉松 多香子だよ~♪」
わたしが「それ旧姓だよママ」と言うと多香子が「『春川 多香子』だ、いい加減覚えろ!」と言うと国太が。
「こいつらワザと言ってんだよ。それより警察に連絡すんなよ、ヅラ男がどうなっても良いのか?」
とわたし達を脅して来て、その横で安藤が玄関の鍵を掛けて、こう切り出す。
「久し振りだねえ智加ちゃん。暫く見ない内に、随分綺麗になったね~♪」
「あっ!、貴方達…。今服役中の筈じゃ?」
「ああそれはねえ、俺達の真面目な服役態度が評価されて、一時的に仮釈放して貰えたんだよ昨日。それに俺達、初犯だし」
安藤がそう答えてすぐさま、常司が続ける。
「だからって、俺達の生活が保障されてる訳じゃねえ。そこで先ずおめえらの弱みを握って、生活の糧を得ようと思ってここに来たんだ。ここ1年半の間におめえら相当荒稼ぎしたろ?、俺らや九十九達を利用してよお!」
「後お前のお姉さんの事もな、薫!」
「『蘭』だよ!、てかもう薫じゃないし」
「てかあいつらなんか、もう家族じゃねえっす!」
「それに、皆自業自得じゃない!」
「玄関に鍵掛けたから、これで前回みたいに不意打ち喰らう心配も無いでしょ?。晃子、念の為に他の所も全部鍵掛けて来て」
「オッケー寿枝姉さん♪」
「それとあび助。おめえも拘束すっからよ、おめえ毎回何企んでっか解んねえからな。寿枝先輩、こいつであび助を拘束して下さい。後赤ん坊は邪魔だからベビーベッドにでも移しといて下さい」
国太が寿枝に結束バンドと荷造り紐を渡すと、寿枝は手際良く拘束し終えてママにこう言い出す。
「よくも主人を蹴り倒してくれたな、このー!」
と言いながらママに殴る蹴るの暴行を加えた。
「ママ!」
「やめるっす!」
と懇願するわたし達に国太が。
「だったらさっさと服脱いでレ●プレイ始めろ!。ちなみに今日を選んだ理由は、智加が丁度14歳の誕生日だから、少なくとも児ポには抵触しねえからだよ!」
「何歳になっても智加ちゃんは可愛いよ。それより言う通りにしないと、ヅラ男がどうなっても知らないよ~。後赤ちゃんも」
パパにナイフを突きつけながらそう言う安藤に、蘭お姉ちゃんが根負けしてこう切り出す。
「わ、解ったっす、言う通りにするっす!。だからもうこれ以上、危害を加えないで欲しいっす!」
「ハハハハハ!、おめえらにしては良い心掛けだな。さあ、早く始めろ!」
と言いながらビデオカメラで撮影を始める国太の前で、わたし達は裸になり、そして…。一通りプレイを終えて、蘭お姉ちゃんがこう切り出す。
「ハア、ハア…。こ、これで良いんすよね?。言う通りにしたから、ボク達を解放するっす!」
「解った。但し、周孝がおめえと、安藤が智加と、そして常司先輩があび助ヤッてからな!。俺は撮影に専念すっからよ!」
「そんな、約束が違う!」
「うるせえ!。おめえらの弱みを握った以上、約束なんかもう知ったこっちゃねえんだよ!」
「そうだ、さっさとヤルぞ2人共!、精神鑑定を受けさせられた屈辱も晴らすぞ、グズグズしてると警察が来ちまう!」
「そうですね常司先輩。それに刑務所内で思うように抜けなくて大量に溜まってるから、それを全部君達の中に流し込んであげるからね~♪」
「もし抵抗したら、ヅラ男と赤ん坊がどうなるか解ってるよな?。周孝、今日だけは浮気許してやるから、代わりに薫の中に思いっ切り出してやれ!」
「楽しみだぜ、俺も刑務所内で中々出せずにウズウズしてたからな!」
「お前らこ●す、マジでブッ●す!」
ママがそう怒りを露わにすると、寿枝がこう切り出す。
「静かにしろ!。それより皆早くしな、警察が来る!」
と寿枝の合図を皮切りに、獣のような目をした彼等に、わたし達が今正に●されようとしていたその時。
(ピーンポ~ン♪)
「誰だ?」
「あっ、蒼絵お姉さん達っす!」
「助けてー、蒼絵お姉ちゃ~ん!」
「静かにしな!、赤ん坊がどうなっても良いの?」
「それにもしアホ助達4人が来ても、俺達相手に何が出来るってんだ?」
「アホ助ってもしかして、蒼絵お姉さんの事っすか?」
「他に誰が居るってんだ、田沼 薫!」
「それに俺達、刑務所内で自由時間は殆ど筋トレしてたから、他に出来る事も無かったし。さあ智加ちゃん、俺とシようね。一回ヤッてるから痛くないよ~♪」
安藤がそう言いながらわたしに近付くと、玄関の鍵が開いて複数の足音が聞こえて来た、そして。
「大丈夫か皆?」
現れたのは古田さん、冬目さん、座木さん、そして20代前半位の知らない女性だった。身長190cm程あり、尚且つスーツの上からでも解る筋肉をした座木さんを見て、国太と常司はビビりながら。
「なっ!。何だ、あの筋肉大男は?」
「それに何だ!、あの筋肉ゴリラ女は?」
「けど、残りの2人は大した事なさそうだぜ国太?。筋肉ゴリラ2を倒してしまえば問題無い筈」
安藤がそう言うとすぐさま、5人は走りながら座木さんと古田さんに詰め寄ると、ノーマークの冬目さんが安藤を、もう1人の女性が周孝を、そして座木さんが国太を、古田さんが常司を、そして多香子をママがそれぞれ倒した。これで無事解決、と思いきや寿枝が。
「お前ら、大人しくしろ!。この2人のレ●プレイの動画をネットに流すぞ!。流して欲しく無ければ、警察が来たらこう言え。『ここに居る皆でパーティーしてました、警察を呼んだのは罰ゲームです』とな!。これで捕まる心配は無くなった訳だ」
「この土壇場でよくそんな悪知恵が働くっすね?」
「やっぱりこの人は九十九のお母さんだよ、九十九は智枝以上にずる賢いから…。」
「九十九を悪く言うな!。てかあたし今、壁の四隅に居るから、お花見の時みたいに主人を後ろから、不意打ち喰らわせるような事も出来ないよ。さあ、もうすぐ警察が来るから、さっき言った通りに答えて貰うからね、アッハハハハハ!」
と勝ち誇ったように笑う寿枝目掛けて、誰かがバスケットボールを投げて、それが寿枝の手にぶつかり、寿枝はスマホを落とした。四隅に居たから逆に避ける事が出来なかった、すぐ傍に居た蘭お姉ちゃんが速攻でスマホを拾った。ちなみに、ボールを投げたのは蒼絵お姉ちゃんだった。
寿枝がスマホを奪い取ろうとして、蘭お姉ちゃんが蒼絵お姉ちゃんに投げて渡すと、蒼絵お姉ちゃんがスマホの中からSDカードを取り出し、そして真っ二つに割って壊した。
「皆、全部戸締りして来たよ~。って何、どういう状況なの今?」
戸締りを全て終えて戻って来た晃子が戻って来てすぐに警察が駆け付け、強盗7人組は逮捕された。病院内でパパとママの手当てと検査を行なった結果、命に別状は無かったと言われて安堵する中、こう切り出す。
「なんか、生誕祭どころじゃ無くなっちゃったね…。ていうか貴女は?」
「初めまして。私はBerryenのサブマネージャーの『前田凛』と申します。これでも学生時代、柔道部でした」
と前田さんが自己紹介を終えてすぐさま、蒼絵お姉ちゃんが続ける。
「折角だから普段から色々助けて貰ってる両マネージャーも混ぜてあげたい、と思って4人も誘ったんだ。そしてインターホンを幾ら鳴らしても出ないから、アタシが前もって姉貴から貰ってた合鍵で開けて入ったら、まさかこんな事に…。」
「そうだったんすね…。てか冬目さんって実は強かったんすね?」
「ああ。俺も学生時代柔道部だったし、今でも休日は体鍛えてるから」
「がっはっはっはっは!。就任早々、あたしのサブマネージャーに相応しい働きをしてくれたね~!」
「てか頭だけでなく体も強いなんて、冬目君どんだけハイスペックなんだ?。痛てて!、これじゃ今度のMスタ収録、俺無理だな…。」
「仕方無いです、キーボーディストは代役にお願いするので、ゆっくり治療に専念して下さい。てか2人共、いつ頃退院出来そうですか?」
「あーしの怪我は大した事ないからすぐ退院出来ると思うけど、パパは多分半月は掛かるかも?、ってお医者さんが言ってたよ冬目っち」
「そう言えば社長が、デジタトゥのTwiccarのアカウントを、『明未の誕生日に合わせて作った。これからはそれを通しても情報発信して行け』と仰ってたぞ」
「そう言えばウチの社長もそれに合わせて、BerryenのTwiccarのアカウントを作らせたそうです」
「皆さん、これ以上は病院側のご迷惑になり兼ねませんので、我々はそろそろ退出致しましょう…。」
冬目さん、古田さん、前田 凛さん、座木さんが順ににそう言いつつ、こんな感じで会話が、皆それぞれ帰宅の途に着いた。翌日の朝、昨日の事件が報道され、その影響でCDが前回より売れた。そしてMスタ春の3時間スペシャル出演当日、控室で古田さんにこう告げられる。
「がっはっはっはっは!。驚けお前達、今日ゲストで『ベリー・マイウィッシュ』も出るらしいぞ」
「その人って凄い人なの?、蘭お姉ちゃん」
「世界的に今、若者に最も影響力のあるアーティストっすよ!。その人に曲をプッシュされれば再生回数、うなぎ上りになり、CDも売れるそうっす。今からお願いしに行くっすよ!」
「やめろ蘭!。そんな事したら嫌われて、余計に曲聴いて貰えなくなるぞ!」
冬目さんにそう諭されつつ、本番を迎えた。パパとママが襲撃されて入院した事を、女子アナさんからやや大げさに告げられつつ、そのピンチ救出に貢献したBerryenの事も告げられ、2組共無事本番を終えた。そしてベリーさんがつもりさんとトークが始まり、何故かわたし達の話題になった。
「私は先程、Digital Tattooがどんな目に遭わされたかをマネージャーから聞いて、とてもショックでしたが、無事で良かったです。又、彼女達を助けようとしたBerryenの勇気にもとても感動しました。そんな彼女達の力になりたくて、近くのCDショップでCDを買いました。先程リハーサルでも聴きましたが、どれもとても良い曲なので、是非皆さんも彼女達のCDを買って応援してあげて下さい。最後に、私も彼女達のTwiccarをフォローしました」
ベリーさんが、通訳を介して本番中にそう言ってくれたお陰で、元々Berryenの3枚同時リリースで『ラ●クの再来』と大盛り上がりだった所に、今回の事件で世間からの同情もあってか?、わたし達のCDが前代未聞な程売れた。そしてわたし達とBerryenのアカウントが何故か?、ジャスティス・バービーからもフォローされ、自身のアカウントで、英語でこう書き込まれていた。
「僕が今最も好きな日本人アーティストは、この2組。Digital TattooとBerryen」
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