転生したら死亡エンドしかない悪役令嬢だったので、王子との婚約を全力で回避します

真理亜

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 私が疑問に思っていると、シンシアは未だ顔を真っ赤にしているラインハルト並びに、未だ「キャア♪ キャア♪」と騒いでいるマルガリータの元に向かって行った。

「お二方、私とお嬢様はこれから女同士の大事な話がありますので席を外して頂けませんか?」

「喜んで!」

 助かったとばかりにラインハルトは、スタコラサッサと部屋を飛び出して行った。

「あ~あ、残念...もうちょっとラインハルト様で遊びたかったのに...」

 マルガリータはまだ物足りないという顔をしている。

「マルガリータ、あなたは後でお説教です。覚悟しておきなさい」

 そんなマルガリータをシンシアが厳しい口調で叱り付けた。

「うへぇ...お、お説教は勘弁して下さいぃ~...」

 途端にマルガリータは涙目になった。そりゃシンシアのお説教は怖いわな...私だって怖いもん...

「なりません。しばらく部屋から出ないように」

「わ、分かりましたぁ~...」

 シオシオとなったマルガリータが項垂れながら部屋を出て行った。

「フゥ...お茶入れ替えますね...」

 シンシアは疲れたように一つため息を吐きながらお茶を入れ替えた。というより、私にはいつも通りコーヒーを入れてくれた。

「シンシア、あなたの分も入れなさい」 

「えっ!? よろしいのですか!?」

「いいから。今だけはメイドの仕事忘れなさい」

「ではお言葉に甘えて...」

 これから女同士の大事な話をするって時に、私だけコーヒー飲んでるんじゃバツが悪いからね。

「それで、シンシア。さっきの話だけど」

 私達はソファーに座って一服しながら話をすることにした。普段は立って私の側に控えているシンシアは、なんだか座りが悪そうにしている。

「えぇ、ラインハルト様の想い人は別にいらっしゃいます」

「それはどこの誰なの?」

「お嬢様です」

「へっ!?」

 余りにも予想外の答えに私は目が点になった。

「冗談でしょ?」

「冗談ではありません」

「それってほら...思春期に良く有る、歳上の女に憧れを抱くとかって感情のことなんじゃないの?」

「違います。一人の女性としてお嬢様に恋焦がれております」

「でもだって...私達姉弟よ?」

「血は繋がっておられませんよね?」

「そりゃ確かにそうだけど...シンシアだって良く知ってるでしょ? 私達本当の姉弟のように育って来たってことを?」

「えぇ、良く知ってます。確かに最初はお嬢様の言う通り、憧れの対象だったのかも知れません。でも時間が経つに連れ、次第にその感情が恋慕へと変化して行ったんですよ」

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