転生したら死亡エンドしかない悪役令嬢だったので、王子との婚約を全力で回避します

真理亜

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「そうか! そうか! そうかぁ! リーチェの方が決心してくれたのかぁ! いやぁ、こりゃぁめでたい!」

「まぁ♪ まぁ♪ まぁぁ♪ ついにラインハルトの想いが叶うのね~♪ 本当に良かったわぁ~♪」

 私は両親のその反応を見てピンと来た。

「あぁ、やっぱりご存知だったんですね? さしずめシンシア辺りがチクりやがりましたか?」

「えぇ、まぁ...だってあなたは定期連絡の度にシンシアとラインハルトをくっ付けるようにってしつこく書いてきてたけど、いざ本人達にそれとなく聞いてみたら反応がイマイチだったんですもの。だから一度、シンシアに問い質してみたことがあるのよ。そうしたらなんと、ラインハルトの想い人はあなたに違いないっていうじゃない?」

「それで今度は僕がラインハルトと男同士、腹を割って話してみたことがあるんだよ。するとシンシアの言う通りだっていうことが分かった。ただその時、ラインハルトはこうも言っていたんだ。まだ自分は未熟者なんでリーチェには相応しくない。もっと成長して立派な男になってから、改めてリーチェに告白したいってね」

「あぁ、なるほど...それで...」

 一人で領地に残るって言い出したり、成長するまで待ってて欲しいって言ったりするなど、今思い返すとラインハルトの言動にはそういった匂わせが沢山あったんだな。

「まだ自分はリーチェに弟としてしか見て貰えてないけど、いつの日か一人の男として見て貰えるように頑張るとも言っていたっけな」

「そんなことを...」

 これはシンシアにも言ったことあるけど、当然ながら姉弟として生まれ育って来た訳なんだから、いくら血が繋がってないからとは言っても、そう簡単に割り切れるもんじゃなかった。これまでは。

 だが、こうしていざ離れて暮らしてみると、やっぱり恋しくなる、会いたくなる瞬間ってのがままある訳で。そういった感情に気付いた時、自分の中でなにかが吹っ切れたような気がしたんだ。

 そしてそれを今日の一件で尚更強く感じた私は、もう自分の気持ちにウソが吐けなくなっていた。

「お父様、今の私はラインハルトのことをちゃんと一人の男として見ていますよ? じゃなきゃ結婚させて欲しいなんて言いません」

「あぁ、良く分かってる。ラインハルトもきっと大喜びすることだろう」

「早速、知らせてあげなきゃね♪」

「あ、お母様。ラインハルトには既に連絡済みです。近い内に飛んで帰って来ると思いますよ?」

「あら、そうなのね♪ 楽しみだわぁ~♪」

「さすがはリーチェ、抜かりがないな」

「ありがとうございます」
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