絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第17話 今後の方針

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 リオからの情報で、この地を治める領主がロクデナシだということは良く分かった。

 ではその他は? 隣の領地の領主は? そもそもこの国全体に関しては? 獣人に対してどのような感情を抱いているのだろうか? ユウとしてはその辺りを把握しておく必要があると思った。

「なあリオ、ちょっと聞き辛いんだが...獣人に対して酷いことをするのは、ここの領主だけか? それとも他にも居るのか?」

「う~ん、どうなんだろ? リオは他所に行ったことが無いから良く分かんないけど、少なくともこの国『トリスランド王国』では、獣人を差別してはいけないって法律で定められてるらしいよ?」

 この国の名前はトリスランド王国というらしい。

「なるほど、国はマトモなんだな。少し安心したよ」

「昔は差別があったみたいだけど、今はそうじゃないみたい」

「ということは、ここのロクデナシ領主だけが問題だって訳だな。まぁ、拐われた子供を買う奴らが居ることも問題なんだが、まずは当面どうするかを考えるべきか」

 ユウは少し考え込んだ後、アリィに向かってこう言った。

「アリィ、リオのケモ耳と尻尾を違和感なく隠せる服って出せないかな? 具体的には魔法使いが着るような、ゆったりめのフード付きローブなんてどうだろう?」

「なるほど...やってみます」

 アリィは目を閉じてイメージに集中する。すると、

「こんな感じでしょうか?」

 アリィの手元に真っ黒なローブが現れた。それを間近で見ていたリオが驚愕する。

「うわっ! なになに!? なにが起こったの!? これ魔法!? アリィは魔法使いなの!?」

「え、え~と...魔法...なのかな?...」

「凄い凄い凄い~! リオ、魔法見るの初めてだよ~!」

 大興奮のリオである。だがそれを聞いたユウは不思議に思った。異世界なんだから魔法は一般的だと思っていたからだ。

「リオ、魔法見るのが初めてって、このせか...この辺りには魔法使える人は居ないのか?」

 またこの世界と言いそうになった。

「居ないよ? 魔法使いには王都に行かないと会えないって聞いたよ?」

「そうなのか...」

「ねぇ、これ着てみていい?」

 リオの目はローブに釘付けになっている。

「いいですよ。じゃあ向こうで着替えて...って、リオちゃん!?」

 躊躇なく全裸になるリオにアリィは慌てた。

「女の子なんだから、そんな簡単に裸を見せてはいけません!」

「そうなの? 分かった。次から気を付けるよ」

 そう言って頭からローブを被った。

「キツクないですか?」

「全然! ゆったりしてるよ!」

「フードを被ってみて下さい」

「分かった。こう?」

「耳は窮屈じゃないですか?」

「大丈夫! なんともないよ!」

「良かったです」

 アリィはホッと胸を撫で下ろした。

「良く似合ってるぞ、リオ」

「ありがとう~♪ でもなんでこれをリオに着せたの?」

「そうやっていれば、獣人だとバレないだろ? ミルンの村に入ることだって出来る。ロクデナシ領主からのお触れが村に出ているのかどうか、そこのところはリオも気になるだろ? 一緒に行って確かめてみないか?」

「なるほど~! 分かった! リオも一緒に行くよ!」

「良し。だがまずは怪我をしっかりと治してからだ」

「分かった! あ、そうだ。リオからも聞いていい?」

「なんだ?」

「二人はどこから来たの?」
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