絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第35話 追跡者

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 本というものは世界が変わっても変わらず重い物だということを、ユウとアリィの二人は噛み締めていた。

 紐で縛った本の束をユウが20冊、アリィが10冊抱えてヨタヨタと歩いている。

「ハァハァ、アリィ、頑張れ、あと、少し...」

「ハァハァ、も、もう、ダメ、て、手が...」

『二人とも頑張って~!』

 リオが二人の足元で応援する。本屋の主人から辻馬車が走っているのを聞き、二人は停留所を目指して歩いている。

「ハァハァ、やっと、着いた...」

「ハァハァ、もう、イヤ...」

 二人は辻馬車の停留所にやっとの思いで辿り着いた。このまま馬車に乗って町の入口にある門の所まで行く。

「今後は考え無しに買い込むのは止めような...」

「えぇ、骨身に染みました...」

「まだ終わってないんだが...馬車から降りて門をくぐって家を出せる所まで歩いて...」

「もうイヤぁ~....」

 アリィの泣きが入った。

『あ、アリィ! 門から出たら、リオが代わるよ! それまで頑張って!』

「ありがとう、リオちゃん...」

「馬車が来たぞ...」

 その後、馬車を降りて門の所で通行税を支払い通行証を手に入れた。門を出て近くの草むらに身を隠し、リオの変身を解く。

「ユウ、回れ右!」

「はいぃ!」

 もはや恒例となったアリィの号令である。

「ふぅ~...やっとこの姿になれたよ~♪ アリィ、本はリオが運ぶから安心してね!」

「えぇ、頼りにしてますよ。ユウはまだ大丈夫ですか?」

「いや、正直そろそろ限界だ...手が上がらなくなって来た...アリィ、相談なんだが、野営地まで持ちそうにないから、この近くのどこか開けた場所に一瞬だけ家を出して、本を家の中に放りこんだらすぐに消すってこと出来るか?」

「なるほど、やってみます」

「良し。あとはどの辺りに家を出すかだが...」

「ユウ! この辺りが良さそうだよ!」

 先行していたリオが指差す。50mくらい先だろうか。

「良し。今行く!」

 ユウが最後の力を振り絞って進む。

「確かにここなら良さそうだ。アリィ、頼む」

「はい!」

 家が出現した。

「良し! 急いで放り込むぞ!」

 玄関を開け、本を次々と放り込む。

「アリィ! オッケーだ!」

「はい!」

 一瞬で家が消えた。

「誰にも見られてないよな!?」

 ユウは辺りを見回す。

「右は誰も居ません」

「左も居ないよ~!」

「良し。じゃあ野営地まで行こう」

「「 お~! 」」

 この時、三人の後をつけている人影があることを、町を出る時からつけられていたことを、誰も気付かなかった。
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